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第13話 幼なじみ①

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 サンドイッチは、おじいちゃんの腰が大変になるから……ケースに入れて、車でご近所さんを回ることになったわ。

 あたしは先に行って説明するの!

 お店のすぐ隣にある……おとーふ屋さんのとこから!!


「みーおーちゃーん!」


 こっちもお店が終わったと思うけど……呼んだら、中からひょこっと大きなおねえさんが出てきたわ!


「あら? 桜乃さくのちゃん? どうしたの??」


 おとーふ屋さんのひとりむすめさんの……みおちゃん!!

 あたしの幼なじみ!!

 しっかりもののおねえさんなのよね!!


「おすそ分けにきたの!!」

「あら? パンあまったの?」

「ううん! あたしがおじいちゃんとつくったの!!」

「……桜乃ちゃんが?」

「ちょっとだけ待ってて!」


 すぐにおじいちゃんが車で来てくれたから、澪ちゃんにもあたしがつくったサンドイッチを見てもらえたわ!!


「よー、澪ちゃん」

「どうも、段蔵だんぞうさん。あの、桜乃ちゃんがパンを作ったって?」

「おう。ちょいと俺も手伝ったが、ほとんど桜乃が作った」


 ケースを見てもらうと……澪ちゃんは、ごくりとつばを飲み込んだわ!


「……ほとんど、売り物と変わらない。これを……桜乃ちゃんが?」

「澪ちゃん!! たっくさんあるから食べて!!」

「ほんとにいいの? ちょっと待って、手だけ洗って」


 澪ちゃんはちょっと中に入って、手を洗ってからすぐに戻ってきてくれた。持ってくれたのは……ツナマヨだったわ。

 いただきます、って言って……ひと口食べてくれて。


「!?」


 おいしーと思ってくれたみたいで、首を何回も縦に振ったわ。


「おいしい?」


 わかっていても、あたしが聞くと……澪ちゃんはごっくんと飲み込んでから、また何回も首を振ってくれた。


「初心者のレベルじゃないわ!! 段蔵さんの指導しどうがあっても……ほとんど、涼太りょうたおじさんのと変わらない!!」

「ま、俺の孫だしな?」

「……すごいです」


 美濃みのさんのおかげもあるけど……幼なじみでも澪ちゃんにはまだ言えないもんね? おとうさんたちにも言っていないし。


「ま。うちらでも食い切れないから、いくらでも持ってってくれ」

「……いいんですか?」

「ああ。なあ? 桜乃」

「うん! いいよ!!」

「やった! あ」


 澪ちゃんがものすごく喜んでくれたのに、あたしたちは笑ってしまったけど。

 それもうれしいので、澪ちゃんがサンドイッチを十個くらい……おじさんおばさんの分もと持って行ってくれたので。

 あたしはおじいちゃんの車に乗って、次のとこにレッツゴー!!


「澪ちゃん、喜んでくれたね!」

「美濃が教えてくれたからなあ? 桜乃ももっとがんばれば……じいちゃんみたいになれるぞ」

「うん!」


 次も、幼なじみのひとり。

 駿しゅんの、焼き鳥屋さんだわ!
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