今世ではのんびりしたいのですが…無理ですか…

弥生 桜香

文字の大きさ
65 / 133
第二章

《学ぶ 19》

しおりを挟む
「どうぞ、おかけ下さい。」

 シスターに勧められたセイラとミラは仲良く座る。

「……まず、お礼を言わせてください。」

 シスターはそう言うとセイラとミラに頭を下げる。

「あの子を、ウノを助けていただき本当にありがとう。」
「いえ、顔を上げてください。」

 驚いているセイラはシスターに顔を上げるようにお願いする。

「もし、よろしければ、ウノちゃんに何があったか教えていただけないでしょうか、それによっては今後の対策とかが必要になると思うんです。」
「……。」

 セイラの言葉にシスターは唇を噛む。

「駄目ですか?」
「無関係のあなた方にこれ以上ご迷惑をかけてしまうと思うので。」
「……。」

 セイラはシスターの言葉に苦笑を漏らす。

「迷惑かそうでないかは私たちが決める事です、と言っても部外者に話してはいけない案件もあるとは思いますので、無理にとは言いませんけど。」
「……。」

 口を閉ざすシスターにセイラは苦笑する。

「……貴女は本当に年不相応な人ですね。」

 ポツリと呟かれた言葉にミラが反応する。

「……ミラ。」
「ですが…。」
「あっ。」

 シスターは最初ミラの行動に疑問を抱くが、その理由が分からずにいたが、すぐにその理由に気づく。

「ごめんなさい、決して貴女を貶した訳じゃないのよ。」

 本当に申し訳なさそうな顔しているシスターにセイラは柔ら中笑みを浮かべる。

「分かっています、自分が年不相応なのは理解しているので。」
「…セイラ様。」
「私はその事を不幸とは思いませんし、そのお陰で、彼女たちを守れるのなら私は幸せですから。」
「……。」
「……。」

 セイラの言葉に二人は黙り込む。

「……セイラさ…まが心配するような件じゃないんですけど。」
「あの、言いにくければ、呼び捨てでも、ちゃんでも、さんでもなんでもいいですよ、私はただの子供で、貴族でも何でもないので。」
「……分かりました。それではセイラさんとお呼びしますね。」

 セイラとしては自分の呼び名もそうだが、敬語もやめて欲しかったが、流石にそこまで求めるのは彼女にとって酷なのは目に見えていた。

「一周間ほど前、貴族の方がこの教会にいらっしゃった時、ウノがそのお子様の前でそそをしてしまい、その時にその貴族のお子様についてた闇使いの方があの子を呪ったのです。」
「そこまで分かっていたのならなぜ早く対処できなかったのですか?」

 セイラは普通の疑問で口にしたが、シスターはまるで責められているように身を縮こませる。

「……今日ウノが話してくれました、それまで、わたしたちは気づきもせず、可笑しな病にでもかかているのだと思ったのです。」
「……。」
「本当にありがとうございます。」

 深く頭を下げるシスターにセイラは何も言えなかった。
 詳しくは分からないけど、もしかしたら、ウノには今回の主体の呪いの他に口止めの呪いも掛かっていたのかもしれないと、セイラは思った。
 調べるにしてもあの紙はカルムの炎で焼いてしまったので調べる事は出来ないけど、セイラはその可能性を考える。

「それなら、他の方が同じような目には遭っていないというので間違いありませんか?」
「はい、ウノだけです。」
「………セイラ様?」

 少しふさぎ込んでいるセイラの感情を読み取り、ミラは声をかける。

「ウノちゃんに会えますか?」
「可能ですけど。」
「お願いします。」
「分かりました、少しお待ちいただけますか?」
「はい。」

 シスターはセイラたちに断りを入れ、この場から離れた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました

藤原遊
ファンタジー
魔力不足、財政難、人手不足。 逃げ場のない没落領地を託された転生令嬢は、 “立て直す”以外の選択肢を持たなかった。 領地経営、改革、そして予想外の縁。 没落から始まる再建の先で、彼女が選ぶ未来とは──。 ※完結まで予約投稿しました。安心してお読みください。

【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する

ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。 きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。 私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。 この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない? 私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?! 映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。 設定はゆるいです

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...