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第二章

《学ぶ 1》

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「セイラと申します、よろしくお願いします。」
「ミラです、よろしくお願いいたします。」
「ふん。」

 今日はセイラとミラは依頼であるお医者さんのお手伝いとしてやってきた。
 医者は幼い二人を見て顔をしかめる。

「何をすればよろしいでしょうか?」
「黒髪はそっちの在庫整理をしろ。」
「はい。」
「金髪は確か水属性だと申請があったな。」
「はい。」
「それじゃ、患者が着次第腕を見せてもらう。」
「……わたしはやったことがないのですが。」
「はん、そんなの簡単だ。」
「……。」

 ミラはそっとセイラを見る。
 セイラは取り敢えず視線で彼の言うとおりにしてと送る。

「分かりました。」
「はん、ガキ二名を送り込んでくるなんてギルドの質なんて落ちおって。」
「……。」

 セイラは思わず手に持っていた瓶を落としそうになる。

「おい、黒髪、お前は確か土属性だったな。」
「はい。」
「少しでも粗相をすれば、帰れ。」
「何を――。」

 医者の言葉にミラは怒鳴りそうになるが、寸前の所でセイラは首を横に振って止める。

「何だ、金髪。」
「いえ、何でもありません。」
「そうか、女は従順が一番だ。」
「……。」

 今にも殴りかかりそうなミラにセイラはどうしてものかと頭を悩ませ、そして、こうなった経緯を思い出す。
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