99 / 162
第七章
第七章「ハロウィン」8
しおりを挟む
涼也は更衣室の取っ手に手を掛けた瞬間、気づいた。
「雪姉。」
「何?」
「何で雪姉がいるんだ?」
「だーかーら、キサキさんに挨拶だって。」
「何で入ってくるんだ?」
「中にキサキさんがいるから。」
「……。」
「……。」
ニッコリと笑っている雪美に涼也は頭を抱える。
「ここは男子の更衣室だぞ。」
「それが?」
「痴女になりたいのか?」
「大丈夫、キサキさんいるんだし。」
「……。」
「うぎゃあああああああああああああああっ!」
頭を抱えていた涼也だったが、中からの聞き覚えのある悲鳴に何事かと顔をそちらに向ける。
「ジッとしてなさいよ。」
「そうそう。」
「観念しなさい。」
複数名の女子の声に涼也は遠い目になる。
「大丈夫でしょ?」
「……。」
涼也は色々諦め、扉を開けるとそこには複数名の女子と既にどこか別の場所で着替え終わった男性陣がいた。
「よう。」
「ああ、着替えだけ持って、碧の部屋で着替えろよ。」
「了解。」
目を合わせば応えてくれるクラスメートに涼也は涙が出そうになる。
「そっちは?」
涼也は碧の方を指させば、クラスメートは苦笑する。
「三十分前からああだったな。」
「そうか。」
「キサキさーん、何か手伝えます?」
「あら、来たのね、そうね、服で思ったよりウエストが緩そうだから軽くでいいから手直ししてくれる?」
「合点承知。」
雪美は碧の服を見て、そして、どこに仕舞っていたのか裁縫道具を取り出す。
「碧くんだっけ、ジッとしてよね?そうじゃないと針さすから。」
決して脅しじゃない事を悟ったのか、碧は蒼い顔をしてコクコクと頷いた。
「……俺着替えてくるな。」
「いってらー。」
軽く手を振られ、涼也は自分の名前の書かれた紙袋を持って、外に出た。
「やば、あいつの部屋どこだっけ?」
外に出た涼也は今さらながらに碧の部屋を知らない事に気づくが、まあ、どうにかなるかと軽く考える異にした。
そして、彼の考え通り、近くにいた子どもに碧の部屋を聞き、そこで着替えた。
因みに部屋を教えてくれた子にはお礼代わりに余計目に作ったお菓子を渡したのだった。
「雪姉。」
「何?」
「何で雪姉がいるんだ?」
「だーかーら、キサキさんに挨拶だって。」
「何で入ってくるんだ?」
「中にキサキさんがいるから。」
「……。」
「……。」
ニッコリと笑っている雪美に涼也は頭を抱える。
「ここは男子の更衣室だぞ。」
「それが?」
「痴女になりたいのか?」
「大丈夫、キサキさんいるんだし。」
「……。」
「うぎゃあああああああああああああああっ!」
頭を抱えていた涼也だったが、中からの聞き覚えのある悲鳴に何事かと顔をそちらに向ける。
「ジッとしてなさいよ。」
「そうそう。」
「観念しなさい。」
複数名の女子の声に涼也は遠い目になる。
「大丈夫でしょ?」
「……。」
涼也は色々諦め、扉を開けるとそこには複数名の女子と既にどこか別の場所で着替え終わった男性陣がいた。
「よう。」
「ああ、着替えだけ持って、碧の部屋で着替えろよ。」
「了解。」
目を合わせば応えてくれるクラスメートに涼也は涙が出そうになる。
「そっちは?」
涼也は碧の方を指させば、クラスメートは苦笑する。
「三十分前からああだったな。」
「そうか。」
「キサキさーん、何か手伝えます?」
「あら、来たのね、そうね、服で思ったよりウエストが緩そうだから軽くでいいから手直ししてくれる?」
「合点承知。」
雪美は碧の服を見て、そして、どこに仕舞っていたのか裁縫道具を取り出す。
「碧くんだっけ、ジッとしてよね?そうじゃないと針さすから。」
決して脅しじゃない事を悟ったのか、碧は蒼い顔をしてコクコクと頷いた。
「……俺着替えてくるな。」
「いってらー。」
軽く手を振られ、涼也は自分の名前の書かれた紙袋を持って、外に出た。
「やば、あいつの部屋どこだっけ?」
外に出た涼也は今さらながらに碧の部屋を知らない事に気づくが、まあ、どうにかなるかと軽く考える異にした。
そして、彼の考え通り、近くにいた子どもに碧の部屋を聞き、そこで着替えた。
因みに部屋を教えてくれた子にはお礼代わりに余計目に作ったお菓子を渡したのだった。
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。
嫌われものの僕について…
相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。
だか、ある日事態は急変する
主人公が暗いです
僕の大好きな旦那様は後悔する
小町
BL
バッドエンドです!
攻めのことが大好きな受けと政略結婚だから、と割り切り受けの愛を迷惑と感じる攻めのもだもだと、最終的に受けが死ぬことによって段々と攻めが後悔してくるお話です!拙作ですがよろしくお願いします!!
暗い話にするはずが、コメディぽくなってしまいました、、、。
気にしないで。邪魔はしないから
村人F
BL
健気な可愛い男の子のお話
,
,
,
,
王道学園であんなことやこんなことが!?
王道転校生がみんなから愛される物語〈ストーリー〉
まぁ僕には関係ないんだけどね。
嫌われて
いじめられて
必要ない存在な僕
会長
すきです。
ごめんなさい
好きでいるだけだから
許してください
お願いします。
アルファポリスで書くのめっちゃ緊張します!!!(え)
うぉぉぉぉぉ!!(このようにテンションくそ高作者が送るシリアスストーリー💞)
とある隠密の受難
nionea
BL
普通に仕事してたら突然訳の解らない魔法で王子の前に引きずり出された隠密が、必死に自分の貞操を守ろうとするお話。
銀髪碧眼の美丈夫な絶倫王子 と 彼を観察するのが仕事の中肉中背平凡顔の隠密
果たして隠密は無事貞操を守れるのか。
頑張れ隠密。
負けるな隠密。
読者さんは解らないが作者はお前を応援しているぞ。たぶん。
※プロローグだけ隠密一人称ですが、本文は三人称です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる