100 / 122
北斗サイド
遭遇はいりません
しおりを挟む
「……げっ。」
「あっ……。」
最悪だ。
何でこういう時に限って嫌な事に当たってしまうのだろうか。
しかも、スピカといる貴重な時間なのに…。
「あっ!」
「……。」
しかも、最悪な事に向こうまでこっちに気づきやがった。
マジであり得ねぇだろう。
「君、ちょっと、そこにいて。」
無視しよう。
そう思って踵を返そうとしたのに、遅かった。
くそ。
あり得ないだろう。
「君、この前の体育祭で助けてくれた人だよね。」
「……。」
話しかけんな。
思わず口に出しそうになった。
いや、出してもいいかもしれねぇけど。
マジ何の用だよ。
つーか、お前を助けた記憶なんてない。
巻き込まれたんだよ、こっちは。
面倒ごとばっかり起こしやがって。
本当にあり得ないんだけど?
「おい、こいつが話しかけているのに、シカトかよ。」
「……。」
つーか、バ会長いたですか。
全然気付かなった。
というか、仕事はどうしたんですか?
あんなに書類を置いて行ったのに、ここで何をしてやがるんですか?
遊ぶのは結構ですが、自分のやる事はやってください。
そう胸の奥でネチネチと文句を言う。
まあ、言ったで面倒ごとしか生まれないので、猫を五百匹くらいかぶる。
「申し訳ございませんが、体育祭は色々な事がありましたので、記憶にございません。」
「そうなんだ、あっ、えっと、昼休みに体育館裏でたくさんの人に囲まれたところを助けてくれたんだけど、覚えてない?」
「……。」
だーかーらー、助けてねぇ。
つーか、記憶から抹殺したいから掘り起こすな。
面倒な奴は自分が可愛いと思っているのか、首を傾ける。
あざとい。
気持ち悪い。
そんな動作はスピカの方が似合っている。
ああ、俺の癒しが欲しい。
抱きしめたい。
可愛がりたい。
何で俺はこんな目に遭っているんだろう。
「あの時は本当にありがとう、正直怖くって、泣きそうだったけど、貴方が助けてくれて本当に嬉しかったんだ。」
つーか、こいつの目は気持ち悪い。
笑っているのに、笑っていない。
昏いやな目をしている。
まるで、人を人と思っていない。
品定めをしている、そんな目だ。
肉食獣のような女どもの方がまだ可愛い。
こいつはそんなんじゃない。
気持ち悪い。
さっさとどっかいかねぇかな。
「……。」
スピカは腕を摩っていた。
寒いのか?
だったら、俺の熱ですぐにでも温めたい。
だけど、彼女の顔は寒さで青ざめているんじゃない。
恐怖で青ざめていた。
引き離さないといけない。
何故か俺はそう思った。
「会長、すみませんが、俺は見回りがありますので、この女性を引き取っていただけないでしょうか。」
バ会長は俺の言い方が癇に障ったんだろう、何か言いたげな感じだったが。
それでも、そこの奴が大切だったのかそいつの肩を抱いた。
「こいつも仕事があるんだ。」
「でも、もっとお話がしたいんだけど。」
「また今度な。」
「うー、そう言って、またはぐらかそうとする。」
ようやくそいつの意識がバ会長に移った。
助かった。
今回ばかりはこの役立たずに感謝してもいいと思った。
「ごめん、北斗。」
スピカは申し訳なさそうに謝ってきた。
そして、この場に居たくなかったのだろう。
すぐさま来た道を戻っている。
俺はそれをすぐに追いかける。
その時、舌打ちが聞こえた。
振り返ると、あの女が俺を見ていた。
その目はすごく嫌なものを纏っていた。
ゾクリ
怖いと思った。
俺はスピカが無性に心配になり、すぐに駆け足になる。
「あっ……。」
最悪だ。
何でこういう時に限って嫌な事に当たってしまうのだろうか。
しかも、スピカといる貴重な時間なのに…。
「あっ!」
「……。」
しかも、最悪な事に向こうまでこっちに気づきやがった。
マジであり得ねぇだろう。
「君、ちょっと、そこにいて。」
無視しよう。
そう思って踵を返そうとしたのに、遅かった。
くそ。
あり得ないだろう。
「君、この前の体育祭で助けてくれた人だよね。」
「……。」
話しかけんな。
思わず口に出しそうになった。
いや、出してもいいかもしれねぇけど。
マジ何の用だよ。
つーか、お前を助けた記憶なんてない。
巻き込まれたんだよ、こっちは。
面倒ごとばっかり起こしやがって。
本当にあり得ないんだけど?
「おい、こいつが話しかけているのに、シカトかよ。」
「……。」
つーか、バ会長いたですか。
全然気付かなった。
というか、仕事はどうしたんですか?
あんなに書類を置いて行ったのに、ここで何をしてやがるんですか?
遊ぶのは結構ですが、自分のやる事はやってください。
そう胸の奥でネチネチと文句を言う。
まあ、言ったで面倒ごとしか生まれないので、猫を五百匹くらいかぶる。
「申し訳ございませんが、体育祭は色々な事がありましたので、記憶にございません。」
「そうなんだ、あっ、えっと、昼休みに体育館裏でたくさんの人に囲まれたところを助けてくれたんだけど、覚えてない?」
「……。」
だーかーらー、助けてねぇ。
つーか、記憶から抹殺したいから掘り起こすな。
面倒な奴は自分が可愛いと思っているのか、首を傾ける。
あざとい。
気持ち悪い。
そんな動作はスピカの方が似合っている。
ああ、俺の癒しが欲しい。
抱きしめたい。
可愛がりたい。
何で俺はこんな目に遭っているんだろう。
「あの時は本当にありがとう、正直怖くって、泣きそうだったけど、貴方が助けてくれて本当に嬉しかったんだ。」
つーか、こいつの目は気持ち悪い。
笑っているのに、笑っていない。
昏いやな目をしている。
まるで、人を人と思っていない。
品定めをしている、そんな目だ。
肉食獣のような女どもの方がまだ可愛い。
こいつはそんなんじゃない。
気持ち悪い。
さっさとどっかいかねぇかな。
「……。」
スピカは腕を摩っていた。
寒いのか?
だったら、俺の熱ですぐにでも温めたい。
だけど、彼女の顔は寒さで青ざめているんじゃない。
恐怖で青ざめていた。
引き離さないといけない。
何故か俺はそう思った。
「会長、すみませんが、俺は見回りがありますので、この女性を引き取っていただけないでしょうか。」
バ会長は俺の言い方が癇に障ったんだろう、何か言いたげな感じだったが。
それでも、そこの奴が大切だったのかそいつの肩を抱いた。
「こいつも仕事があるんだ。」
「でも、もっとお話がしたいんだけど。」
「また今度な。」
「うー、そう言って、またはぐらかそうとする。」
ようやくそいつの意識がバ会長に移った。
助かった。
今回ばかりはこの役立たずに感謝してもいいと思った。
「ごめん、北斗。」
スピカは申し訳なさそうに謝ってきた。
そして、この場に居たくなかったのだろう。
すぐさま来た道を戻っている。
俺はそれをすぐに追いかける。
その時、舌打ちが聞こえた。
振り返ると、あの女が俺を見ていた。
その目はすごく嫌なものを纏っていた。
ゾクリ
怖いと思った。
俺はスピカが無性に心配になり、すぐに駆け足になる。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。
伝える前に振られてしまった私の恋
メカ喜楽直人
恋愛
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。
そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
ゲームの序盤に殺されるモブに転生してしまった
白雲八鈴
恋愛
「お前の様な奴が俺に近づくな!身の程を知れ!」
な····なんて、推しが尊いのでしょう。ぐふっ。わが人生に悔いなし!
ここは乙女ゲームの世界。学園の七不思議を興味をもった主人公が7人の男子生徒と共に学園の七不思議を調べていたところに学園内で次々と事件が起こっていくのです。
ある女生徒が何者かに襲われることで、本格的に話が始まるゲーム【ラビリンスは人の夢を喰らう】の世界なのです。
その事件の開始の合図かのように襲われる一番目の犠牲者というのが、なんとこの私なのです。
内容的にはホラーゲームなのですが、それよりも私の推しがいる世界で推しを陰ながら愛でることを堪能したいと思います!
*ホラーゲームとありますが、全くホラー要素はありません。
*モブ主人のよくあるお話です。さらりと読んでいただけたらと思っております。
*作者の目は節穴のため、誤字脱字は存在します。
*小説家になろう様にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる