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北斗サイド

お姉さん

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 俺は絶対に会いたくなかった相手を見ながら口を開く。

「何でここに来たんだよ。」
「ご挨拶ね。」

 姉貴は口角を上げ笑うが、その顔は笑っていない。

「で、何で家に帰ってこないの?」
「……。」

 ああ、やっぱりかと、思うが、笑みを浮かべる姉貴は俺の耳を思いっきり引っ張った。

「いだい、いだい。」

 引きちぎられる、とマジで思った。

 なのにこの姉は…。

「痛いようにやっているから当然よね。」

 こんな事を嘯く姉貴に俺は奥歯を噛む。

「…で、正直に話しなさいよ。」
「……。」

 言いたくなかった、言いたくなかったのに、俺は無意識にスピカを見た瞬間、思ってしまったのだ。
 姉ならば何か知っているかもしれないと。

「何?」

 首を傾げるスピカに俺は、彼女に知られたくなかったから口を開く。

「ここから、出て行け。」
「て、へ、ひ、へ?」
「……。」

 違う、というか、てへひへって何なんだよ。
 スピカは意図を読み取ってくれなかったのに、何で、よりによってこいつに伝わるんだよ…。

「出て行けって酷いわね。」
「……。」

 機嫌の悪そうな姉貴の声に俺はやばいと思ったけど、遅かった。
 俺は八つ当たりするようにスピカを睨む。
 そして、彼女はそそくさと逃げやがった。

 確かにいなくなって欲しいと思ったけど、こんな姉貴と一緒にはしてほしいとはだれも思ってねぇ。
 そう思っていても、スピカは出て行くし、姉貴は機嫌を悪くするしで最悪だった。
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