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第一章
謝罪
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「すまないっ!」
「……。」
「……。」
「あう~?」
お母さまとお茶をしていると、接待が終わったのかジェダイドはお母さまの部屋に乗り込み、そして、頭を下げた。
「本当にね。」
「私たちは大丈夫だったしね。」
困った子ねと頬に手を当てて嘆息するお母さま。
私はジェダイドに無事だとアピールをするけど、彼は責任感が強いのか落ち込んでしまう。
「まさか、あいつが部屋を抜け出し、お前の部屋に来るとは思ってもみなかったんだ。」
「だから、はじめからこちらにしておけばよかったのですよ。」
「「……。」」
お母さまの言葉に私もジェダイドも黙り込むことしか出来なかった。
「まあ、いい教訓となったでしょう。」
「はい。」
「次はないものと思いなさいよ。」
「分かりました。」
深く反省をしているジェダイドに私はどう言葉をかけようかと悩んでいると。
「あーうーあー。」
セラフィナイトはジェダイドの落ち込み具合を感じてか、彼に小さな手を伸ばし、主張する。
ジェダイドは落ち込みすぎてセラフィナイトの声が聞こえていないので、私はセラフィナイトを抱え、彼に近づく。
「ジェダイド。」
「マラカイト、すまなかった。」
「謝らないで下さい、私も自室で大丈夫だと思ったので、同罪です。」
「だけど…。」
「あーうー、ぱーぱー。」
ジェダイドの言葉を遮り、セラフィナイトは暴れるように彼に手を伸ばす。
「セラ、危ないだろう?」
ジェダイドは苦笑しながらセラフィナイトを私から預かると抱える。
セラフィナイトは彼を励ましたのか、ぺシペシと彼の顔を何度か叩く。
「セラ、痛いぞ。」
「う~?」
首を傾げるセラフィナイトに私たちは声を上げて笑う。
こうして、私たちは平穏な日常を過ごしていく、だけど、一日、一日が過ぎるたび、私の目的の日が近づいてきた。
「……。」
「……。」
「あう~?」
お母さまとお茶をしていると、接待が終わったのかジェダイドはお母さまの部屋に乗り込み、そして、頭を下げた。
「本当にね。」
「私たちは大丈夫だったしね。」
困った子ねと頬に手を当てて嘆息するお母さま。
私はジェダイドに無事だとアピールをするけど、彼は責任感が強いのか落ち込んでしまう。
「まさか、あいつが部屋を抜け出し、お前の部屋に来るとは思ってもみなかったんだ。」
「だから、はじめからこちらにしておけばよかったのですよ。」
「「……。」」
お母さまの言葉に私もジェダイドも黙り込むことしか出来なかった。
「まあ、いい教訓となったでしょう。」
「はい。」
「次はないものと思いなさいよ。」
「分かりました。」
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「あーうーあー。」
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ジェダイドは落ち込みすぎてセラフィナイトの声が聞こえていないので、私はセラフィナイトを抱え、彼に近づく。
「ジェダイド。」
「マラカイト、すまなかった。」
「謝らないで下さい、私も自室で大丈夫だと思ったので、同罪です。」
「だけど…。」
「あーうー、ぱーぱー。」
ジェダイドの言葉を遮り、セラフィナイトは暴れるように彼に手を伸ばす。
「セラ、危ないだろう?」
ジェダイドは苦笑しながらセラフィナイトを私から預かると抱える。
セラフィナイトは彼を励ましたのか、ぺシペシと彼の顔を何度か叩く。
「セラ、痛いぞ。」
「う~?」
首を傾げるセラフィナイトに私たちは声を上げて笑う。
こうして、私たちは平穏な日常を過ごしていく、だけど、一日、一日が過ぎるたび、私の目的の日が近づいてきた。
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