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第一章
どうしてこうなった?
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「ジェダイド?」
壁に手を置き、あと少しで鼻と鼻がぶつかるのでないのかと思うほどの至近距離にさすがの私も動揺する。
「気分が悪いの?」
「……。」
自分でも頓珍漢な事を言っているのは分かってる、でも、そうでも言わなければ自我が保てない。
だって、有り得ない。
あり得ない。
ありえない。
アリエナイ。
「……。」
「……。」
私は目を瞑り、心を落ち着かせる。
「ジェダイド、部屋に戻るんじゃなかったの?」
「お前、いい加減に。」
カッとなるジェダイドに私はただ見つめる。
「――っ!」
「ジェダイド、私たちはまだ子どもだから、これはまだ、子どものお遊びで片付く、でも、後数年、したらそうもいかない。」
「だが。」
「ねえ、離して。」
「……。」
「ジェダイド。」
ジェダイドの手が浮きかけた、その瞬間――。
「ふええええええええん。」
パチンと私の中で何かが弾け、そして、腕の中のセラフィナイトに意識がいく。
「せ、セラフィナイトっ!大丈夫?」
「あ、悪い。」
私たちにサンドされてしまったセラフィナイトは火が付いたように泣きじゃくる。
「悪い、セラ。」
「ふああああああああん。」
「よしよし。」
ジェダイドは慌てて離れ、セラフィナイトを気遣うが、セラフィナイトは泣き止まない。
私も必死であやすがセラフィナイトは泣き止んでくれない。
本当にどうしてこうなってしまったのだろう……。
壁に手を置き、あと少しで鼻と鼻がぶつかるのでないのかと思うほどの至近距離にさすがの私も動揺する。
「気分が悪いの?」
「……。」
自分でも頓珍漢な事を言っているのは分かってる、でも、そうでも言わなければ自我が保てない。
だって、有り得ない。
あり得ない。
ありえない。
アリエナイ。
「……。」
「……。」
私は目を瞑り、心を落ち着かせる。
「ジェダイド、部屋に戻るんじゃなかったの?」
「お前、いい加減に。」
カッとなるジェダイドに私はただ見つめる。
「――っ!」
「ジェダイド、私たちはまだ子どもだから、これはまだ、子どものお遊びで片付く、でも、後数年、したらそうもいかない。」
「だが。」
「ねえ、離して。」
「……。」
「ジェダイド。」
ジェダイドの手が浮きかけた、その瞬間――。
「ふええええええええん。」
パチンと私の中で何かが弾け、そして、腕の中のセラフィナイトに意識がいく。
「せ、セラフィナイトっ!大丈夫?」
「あ、悪い。」
私たちにサンドされてしまったセラフィナイトは火が付いたように泣きじゃくる。
「悪い、セラ。」
「ふああああああああん。」
「よしよし。」
ジェダイドは慌てて離れ、セラフィナイトを気遣うが、セラフィナイトは泣き止まない。
私も必死であやすがセラフィナイトは泣き止んでくれない。
本当にどうしてこうなってしまったのだろう……。
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