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第一章 少年、開花す
005.首吊り男と命鼓市
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「何だ、先程からジロジロと。見世物じゃないぞ、そんなに首吊りが稀有か? あぁ、いかにも世間を知らなさそうな面だ。お前さんのような綺麗な綺麗なお坊っちゃんにとっては、命が絶たれる瞬間も娯楽になるのかい。おめでたいなぁ! ……そう、俺はこれが言いたかったんだ。全く珍妙な見た目をしおって、調子が狂ったじゃないか」
男性は、先程まで首を吊っていたとは思えないほどごく普通に、かつベラベラとよく喋った。声には張りがあり、若々しい。そして表情がころころ変わる。なんと生き生きとしていることか。
ルーラが呆気に取られていると、男性はすとんとルーラの目の前に腰をおろした。
「で、お前さん名前は? あぁ、余計なことは口にするなよ。例えば『早まるな』だとか。言ったが最後、子どもだろうと容赦はしない」
物騒なことを付け加えられ、ルーラはビクリと肩を震わせた。正直こちらとしても聞きたいことが山ほどあるのだが、素直に聞かれたことだけに答えた。
「お、俺は、ルーラ、です…」
「る……漢字はどう書く」
「えっアルファベットです、L、U…」
「ああ、もういい。歳は?」
「じ、15歳…」
「なんだ、その見てくれでもう15か。あまりに貧相だから、もっと幼いと思っていたが。それで? どこから、何をしに来たんだ。俺の自殺を邪魔しおって、さぞ妙妙たる用事なのだろうな」
自殺。
不慮の事故か、あるいは勘違いなどではなく、この男性は本当に死のうとしていたようである。この気迫に生気、とても人生に絶望して追い詰められていたようには見えないが、本人がそう言うからには信じるしかないだろう。
信じるしかないのだが、態度と言動があまりにもかけ離れすぎているせいで、彼が自殺志願者だとどうにも認められない。ルーラが混乱していると、男性がじれったそうに舌打ちする。
「どうした、答えられないのか」
「あ、いえ、えっと」
ジロリと目を細める男性にたじろぎつつ、ルーラは当初の目的を何とか捩じ込んだ。
「俺はここの市民で……その、桜祭りに来てたんですけど、何か、俺が急に倒れたみたいで、あそこの社務所に寝かされてたんですけど…人もいないし、命鼓手向もないし…これ、どういうことなんですか?」
ルーラはそもそも、これを尋ねるために人を探していたのだ。質問に質問で返す形になってしまったが、ようやく起点に帰ってこれたことに少しばかり胸を撫で下ろす。しかし、ルーラの言葉を聞いた男性は怪訝な顔をした。
(ちょっとまとまりが無さすぎたな…多分伝わってない)
これだから人と話すのは苦手なんだ、でもサホとは話しやすかったな、などとルーラが考えていると、やがて男性は口を開いた。
「………命鼓桜祭りは、一週間後だが。それに、ミツヅミタムケ? なんだ、それは」
しばしの沈黙。思考がフリーズし、数拍遅れてルーラは「えっ」と声を洩らした。
「一週間後って…いや、俺、倒れる前に巫女舞を見てたんですよ、この神社で。それに命鼓手向が何って、ここの御神木の桜の名前じゃないですか」
先程の反省もかねて、ルーラは出来る限り理路整然とした説明を心掛けたつもりだった。しかし、男性は心底わけがわからないといった様子である。
「桜祭りはまだ先だし、この桜にそんな名前はついていない。桜全般には“手向け花”という別名はあるが」
腕を組む男性に、ルーラは立ち上がって慌てて注釈を入れた。
「あ、これじゃないです。命鼓手向は、もっと大きくて」
「これじゃない? では別の神社の話をしているのではないのか?」
「ここ命鼓神社じゃないんですか?」
「いや、命鼓神社だ」
「ですよね。何で無いんだろう…」
「もっと大きいとは、どのくらいだ」
「えっと、あれの倍くらい」
ルーラは少し離れた場所にある本殿を指さす。すると、男性は蔑むように顔をしかめた。
「何を抜かすかと思えば! ベニヒガンザクラなんかなら妥当な高さだが、これはソメイヨシノだ。そんなに巨大に成長するわけなかろう。お前さん本当にここの神社の話をしているのか?」
ルーラは特段植物に詳しいわけではない。こうも問い詰められては、何も答えられなくなってしまう。俯き黙りこんだとき、ルーラは自身の服のポケットの膨らみを思い出した。
(そうだ、スマホ!)
命鼓手向といえば、それなりに有名な観光名所だったはずである。百聞は一見にしかずと言う。画像を検索して見せればいいのだ。セットで桜祭りの情報も出てくるだろう。
ルーラはポケットからスマホを取り出し、早速検索画面を開こうとした。しかし早々に壁に突き当たった。インターネットに繋がらないのである。通信の設定を確認すると、圏外と表示されている。
祭り当日、ルーラはサホと落ち合うためにスマホで連絡を取り合っていた。ここに電波が届かないはずがない。スマホが壊れてしまったのだろうか。
(何でこんなときに限って!)
しかし、そういえば当日、サホへのメッセージにぱったりと既読が付かなくなった場面があった。『もう着いてるの?』と送っても一向に反応がなく、それでラヴィンが彼女を探しに行ったのだ。その後サホはすぐに現れたので、そんなことはすっかり忘れていた。
「何か関係あるのかな…」
そう呟きながら顔をあげたルーラは、おや、と思った。手元のスマホに視線を注ぐ、男性の表情が妙なのだ。目を見開き、口をポカンと開けている。
「………それは、何だ?」
それまでの威圧的な態度から一転、恐る恐るといった様子で尋ねてきた男性に、ルーラは少しだけ優位に立った気持ちで答えた。
「え、スマホですよ。スマートフォン。命鼓手向と、桜祭りの画像を検索しようと思ったんですけど………あ、そうだ」
インターネットが駄目ならばと、ルーラはアルバムを開いた。中身はすかすかだったので、目当てのものはすぐに見つかった。
「これ見てください。手前の人物と比べると、大きさがわかるでしょう」
それは、命鼓手向をバックに、ルーラとラヴィンが肩を組んでいる自撮り写真だった。
いや正確には、ラヴィンが一方的にルーラを捕まえている。桜祭りにやってきたとき、サホが来る前に撮らされたものである。ルーラの身長に合わせて腰を屈め、満面の笑みを浮かべるラヴィンに対し、ルーラは見事に表情が死んでいる。その時は、写真は苦手だと言っても聞く耳を持たなかったラヴィンを憎んだが、まさかこんなところで役に立つとは思いもしなかった。
スマホを除き込んだ男性は目を見開いた。
「な、んだこれは…まるで窓じゃないか。ルーラが、写っている…これが写真なのか…?」
「え、いや、どう見たって写真じゃないですか。それより、ほら。これが命鼓手向です」
何をそんなに驚くことがあるのか、ルーラは内心首を傾げつつ、スマホをぐいと男性に押し付けた。男性は怖々とそれを受け取り、凝視する。
「…確かに巨大だ。この写り込んでいるのも間違いなくここの本殿のようだし、これはどういうことだ……」
と、ふいに男性はぐっとスマホに顔を近付けると、次いで画面をルーラに向けた。
「おい、この端の矢印はなんだ」
「矢印? …あ、それスクロールバーです。動かすまでもないでしょう、写真全然入ってないんだから」
「う、動かせるのか?」
「……? はい、もちろん」
ルーラは画面を指でスライドさせる。アルバムの端から端へは、ほんの少しスクロールさせただけで行き来できる。卒業式の日にすら何も撮ってこなかった。一緒に写る友人などいないので、仕方がないのだが。
「そこで止めろ」
「え?」
突然男性が声をあげる。ルーラはスクロールバーを触ったまま固まった。男性はじっと、画面を見つめている。
スクロールバーを長押ししていると、そのエリアにある写真がいつ撮られたものなのかが表示される仕様になっている。
「おい、この写真を撮ったのはいつだ」
「ここに出てますよ、今日……あ、でも俺どのくらい寝て…」
「だから、それがいつだと聞いている。西暦は?」
「西暦って……ここ、見てもらえば」
そこには、「2026.4.4」という数字が浮かんでいた。
男性は何やら難しい顔をしたかと思うと、無言でルーラにスマホを返す。そして、ルーラを真っ直ぐに見据えた。
「ルーラ、お前さんは西暦何年生まれだ」
「2011年ですけど……」
怪訝に思いながらルーラが答えると、男性は大きな溜め息を吐いた。
「そういうことか。にわかには信じがたいが……しかしお前さんも鈍いな。ここまで質問を重ねているのに、何も気付かないとは。しかも当事者だろう。その頭は飾りか? ものを考えろ。もっと周りに興味を持て」
最後のフレーズに聞き覚えがある気がしたが、どこで聞いたのか思い出せない。ぼんやりとするルーラに、男性は舌打ちした。
「いいか、よく聞け。俺は今年で42だ。そして生まれは1884年。ここまで言えば、さすがに察しがつくだろう?」
「せん、はっぴゃく……」
心臓がどくんと跳ねた。
(明治生まれ?)
ルーラは踵を返して参道を駆けた。そして下り階段の手前で足を止めた。高台に位置するこの神社からは、命鼓の町並みがよく見える。
何故、最初に外へ出たときに気が付かなかったのだろう。
そこに広がっていたのは、古き良き面影を残す木造の建物と、レンガ造りの背の低いモダンなビルが建ち並ぶ、レトロで混沌とした町。町中には路面電車のための線路が敷かれている。真っ白な病院や駅といった、見慣れた町はまだない。何より、住宅街が建設され、頂上には中学校が建っているはずの山が、森に覆われている。
いつだったか町の資料館で見た、白黒で画質の悪い、あの写真の景色。それが今、目の前に広がっている。
「___…………100年前の、命鼓市?」
男性は、先程まで首を吊っていたとは思えないほどごく普通に、かつベラベラとよく喋った。声には張りがあり、若々しい。そして表情がころころ変わる。なんと生き生きとしていることか。
ルーラが呆気に取られていると、男性はすとんとルーラの目の前に腰をおろした。
「で、お前さん名前は? あぁ、余計なことは口にするなよ。例えば『早まるな』だとか。言ったが最後、子どもだろうと容赦はしない」
物騒なことを付け加えられ、ルーラはビクリと肩を震わせた。正直こちらとしても聞きたいことが山ほどあるのだが、素直に聞かれたことだけに答えた。
「お、俺は、ルーラ、です…」
「る……漢字はどう書く」
「えっアルファベットです、L、U…」
「ああ、もういい。歳は?」
「じ、15歳…」
「なんだ、その見てくれでもう15か。あまりに貧相だから、もっと幼いと思っていたが。それで? どこから、何をしに来たんだ。俺の自殺を邪魔しおって、さぞ妙妙たる用事なのだろうな」
自殺。
不慮の事故か、あるいは勘違いなどではなく、この男性は本当に死のうとしていたようである。この気迫に生気、とても人生に絶望して追い詰められていたようには見えないが、本人がそう言うからには信じるしかないだろう。
信じるしかないのだが、態度と言動があまりにもかけ離れすぎているせいで、彼が自殺志願者だとどうにも認められない。ルーラが混乱していると、男性がじれったそうに舌打ちする。
「どうした、答えられないのか」
「あ、いえ、えっと」
ジロリと目を細める男性にたじろぎつつ、ルーラは当初の目的を何とか捩じ込んだ。
「俺はここの市民で……その、桜祭りに来てたんですけど、何か、俺が急に倒れたみたいで、あそこの社務所に寝かされてたんですけど…人もいないし、命鼓手向もないし…これ、どういうことなんですか?」
ルーラはそもそも、これを尋ねるために人を探していたのだ。質問に質問で返す形になってしまったが、ようやく起点に帰ってこれたことに少しばかり胸を撫で下ろす。しかし、ルーラの言葉を聞いた男性は怪訝な顔をした。
(ちょっとまとまりが無さすぎたな…多分伝わってない)
これだから人と話すのは苦手なんだ、でもサホとは話しやすかったな、などとルーラが考えていると、やがて男性は口を開いた。
「………命鼓桜祭りは、一週間後だが。それに、ミツヅミタムケ? なんだ、それは」
しばしの沈黙。思考がフリーズし、数拍遅れてルーラは「えっ」と声を洩らした。
「一週間後って…いや、俺、倒れる前に巫女舞を見てたんですよ、この神社で。それに命鼓手向が何って、ここの御神木の桜の名前じゃないですか」
先程の反省もかねて、ルーラは出来る限り理路整然とした説明を心掛けたつもりだった。しかし、男性は心底わけがわからないといった様子である。
「桜祭りはまだ先だし、この桜にそんな名前はついていない。桜全般には“手向け花”という別名はあるが」
腕を組む男性に、ルーラは立ち上がって慌てて注釈を入れた。
「あ、これじゃないです。命鼓手向は、もっと大きくて」
「これじゃない? では別の神社の話をしているのではないのか?」
「ここ命鼓神社じゃないんですか?」
「いや、命鼓神社だ」
「ですよね。何で無いんだろう…」
「もっと大きいとは、どのくらいだ」
「えっと、あれの倍くらい」
ルーラは少し離れた場所にある本殿を指さす。すると、男性は蔑むように顔をしかめた。
「何を抜かすかと思えば! ベニヒガンザクラなんかなら妥当な高さだが、これはソメイヨシノだ。そんなに巨大に成長するわけなかろう。お前さん本当にここの神社の話をしているのか?」
ルーラは特段植物に詳しいわけではない。こうも問い詰められては、何も答えられなくなってしまう。俯き黙りこんだとき、ルーラは自身の服のポケットの膨らみを思い出した。
(そうだ、スマホ!)
命鼓手向といえば、それなりに有名な観光名所だったはずである。百聞は一見にしかずと言う。画像を検索して見せればいいのだ。セットで桜祭りの情報も出てくるだろう。
ルーラはポケットからスマホを取り出し、早速検索画面を開こうとした。しかし早々に壁に突き当たった。インターネットに繋がらないのである。通信の設定を確認すると、圏外と表示されている。
祭り当日、ルーラはサホと落ち合うためにスマホで連絡を取り合っていた。ここに電波が届かないはずがない。スマホが壊れてしまったのだろうか。
(何でこんなときに限って!)
しかし、そういえば当日、サホへのメッセージにぱったりと既読が付かなくなった場面があった。『もう着いてるの?』と送っても一向に反応がなく、それでラヴィンが彼女を探しに行ったのだ。その後サホはすぐに現れたので、そんなことはすっかり忘れていた。
「何か関係あるのかな…」
そう呟きながら顔をあげたルーラは、おや、と思った。手元のスマホに視線を注ぐ、男性の表情が妙なのだ。目を見開き、口をポカンと開けている。
「………それは、何だ?」
それまでの威圧的な態度から一転、恐る恐るといった様子で尋ねてきた男性に、ルーラは少しだけ優位に立った気持ちで答えた。
「え、スマホですよ。スマートフォン。命鼓手向と、桜祭りの画像を検索しようと思ったんですけど………あ、そうだ」
インターネットが駄目ならばと、ルーラはアルバムを開いた。中身はすかすかだったので、目当てのものはすぐに見つかった。
「これ見てください。手前の人物と比べると、大きさがわかるでしょう」
それは、命鼓手向をバックに、ルーラとラヴィンが肩を組んでいる自撮り写真だった。
いや正確には、ラヴィンが一方的にルーラを捕まえている。桜祭りにやってきたとき、サホが来る前に撮らされたものである。ルーラの身長に合わせて腰を屈め、満面の笑みを浮かべるラヴィンに対し、ルーラは見事に表情が死んでいる。その時は、写真は苦手だと言っても聞く耳を持たなかったラヴィンを憎んだが、まさかこんなところで役に立つとは思いもしなかった。
スマホを除き込んだ男性は目を見開いた。
「な、んだこれは…まるで窓じゃないか。ルーラが、写っている…これが写真なのか…?」
「え、いや、どう見たって写真じゃないですか。それより、ほら。これが命鼓手向です」
何をそんなに驚くことがあるのか、ルーラは内心首を傾げつつ、スマホをぐいと男性に押し付けた。男性は怖々とそれを受け取り、凝視する。
「…確かに巨大だ。この写り込んでいるのも間違いなくここの本殿のようだし、これはどういうことだ……」
と、ふいに男性はぐっとスマホに顔を近付けると、次いで画面をルーラに向けた。
「おい、この端の矢印はなんだ」
「矢印? …あ、それスクロールバーです。動かすまでもないでしょう、写真全然入ってないんだから」
「う、動かせるのか?」
「……? はい、もちろん」
ルーラは画面を指でスライドさせる。アルバムの端から端へは、ほんの少しスクロールさせただけで行き来できる。卒業式の日にすら何も撮ってこなかった。一緒に写る友人などいないので、仕方がないのだが。
「そこで止めろ」
「え?」
突然男性が声をあげる。ルーラはスクロールバーを触ったまま固まった。男性はじっと、画面を見つめている。
スクロールバーを長押ししていると、そのエリアにある写真がいつ撮られたものなのかが表示される仕様になっている。
「おい、この写真を撮ったのはいつだ」
「ここに出てますよ、今日……あ、でも俺どのくらい寝て…」
「だから、それがいつだと聞いている。西暦は?」
「西暦って……ここ、見てもらえば」
そこには、「2026.4.4」という数字が浮かんでいた。
男性は何やら難しい顔をしたかと思うと、無言でルーラにスマホを返す。そして、ルーラを真っ直ぐに見据えた。
「ルーラ、お前さんは西暦何年生まれだ」
「2011年ですけど……」
怪訝に思いながらルーラが答えると、男性は大きな溜め息を吐いた。
「そういうことか。にわかには信じがたいが……しかしお前さんも鈍いな。ここまで質問を重ねているのに、何も気付かないとは。しかも当事者だろう。その頭は飾りか? ものを考えろ。もっと周りに興味を持て」
最後のフレーズに聞き覚えがある気がしたが、どこで聞いたのか思い出せない。ぼんやりとするルーラに、男性は舌打ちした。
「いいか、よく聞け。俺は今年で42だ。そして生まれは1884年。ここまで言えば、さすがに察しがつくだろう?」
「せん、はっぴゃく……」
心臓がどくんと跳ねた。
(明治生まれ?)
ルーラは踵を返して参道を駆けた。そして下り階段の手前で足を止めた。高台に位置するこの神社からは、命鼓の町並みがよく見える。
何故、最初に外へ出たときに気が付かなかったのだろう。
そこに広がっていたのは、古き良き面影を残す木造の建物と、レンガ造りの背の低いモダンなビルが建ち並ぶ、レトロで混沌とした町。町中には路面電車のための線路が敷かれている。真っ白な病院や駅といった、見慣れた町はまだない。何より、住宅街が建設され、頂上には中学校が建っているはずの山が、森に覆われている。
いつだったか町の資料館で見た、白黒で画質の悪い、あの写真の景色。それが今、目の前に広がっている。
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