弟が生まれて両親に売られたけど、売られた先で溺愛されました

にがり

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「お前はもう必要ない」


俺が最後に父様に言われた言葉……




この世界では、魔法が存在している

伯爵以上の人間は魔法が使える

しかし、俺は伯爵家に生まれながら未だ魔法が使えたことがない

そんな俺を両親は愛情を与え育ててくれた


最近までそう思っていた……





「にーさま」

俺の4歳になる弟のレナード

生まれた頃から可愛がっていたから仲良しだ

「何して遊ぶ?」

「ごほんをよんでほしいです」

「分かった、いいよ」

俺はレナに本を呼んであげてた

「にーさま、ぼく、このあとおかーさまとおとーさまによばれているのでいってきます」

「そうなのか、いってらっしゃい」

「はい!」







俺の幸せだった記憶


「えっ…?」

「だから、お前を売ると言っている」

「ど、どうしてですか…?」

「知っていたかは知らんが、レナードは魔法が使えるんだ。お前と違って、あいつはあの歳でもう魔法が使えるようになった。」

魔法が使えるはずの歳になっても、一向に魔法が使え
ない俺はいらないってことか…

「今までは、跡取りのためにお前を育てていたが、魔法が使える弟が生まれた以上、 お前は必要ない」

俺はもう必要ない…

「だけどな、お前を遊び相手として買ってくれる人を見つけたんだよ。そこでの働きしだいでは、家に戻ってきてもいいぞ」

遊び相手…普通は平民や貧乏な男爵家の子がなることが多い

金持ちの貴族の遊び相手になる代わりに、家にお金が
入るという仕組みだ

お金に困っている人達がやっていることだ

両親はいらなくなった俺で金を稼ぐつもりだ

もちろん単なる遊び相手ではない

良ければ夜の相手、悪ければ命は無いかもしれない

「明日までに荷物をまとめておけよ」

「…はい」

もちろん俺が1人で何か出来るわけが無い

抵抗なんかできず、大人しく両親の言うことを聞くことしかできない

俺は、何も言う事が出来なかった





翌日、迎えが来るまで俺はレナとずっと一緒にいた

これが俺の両親への最後のお願いだった

レナに悟られないように明るく接したが、最後は我慢

できず、暫く抱きしめた


夕方になり、レナが疲れて寝てしまうと迎えが来た

「今まで育てて下さりありがとうございました」

レナには何も言えなかったが、俺は両親に挨拶をして

馬車に乗った

これからどこに行くかも分からない

不安を胸に抱えたまま、馬車は動き出した


















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