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5話 生まれてしまった怪物
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「父さん。兄さん!待ってて!」
瓦礫の山と化した家々の間を魔術によって強化された脚力で走り抜ける。
やはりトルボアの恩恵は大きく、今までの魔術がお遊びだったかのように効果のほどが違う。
村の中心に着くとそこに父さんと兄さんの姿は無く、唖然とした表情を黒い球体に向けるマーリン師匠だけだった。
「なんじゃ…これは…こんなものがあっていいはずがない。」
「やはり君は老いた。魔術構築などが以前の君とは段違いに遅い。遅すぎます。実につまらない。」
凄まじい殺気を放ちながらディアボリが降りてきてマーリンの前に立つ。
「マーリンくんそちらの子は?遠目から見ていましたが魔術を使用していました。このあたりには魔術学校や駐屯地などはないはずですが。」
「…?ッ!シロウなぜここに戻ってきた!」
「父さんと兄さんが来ないんです。そしたら触手がなくなって、もしかしたら何かあったのかもと思って。」
ここにはその様な親子は来ていませんねぇ-とディアボリが答える。
「それよりもこの少年は誰から魔術を?もしや…。」
「そ、そうだ。俺の師匠はマーリン師匠だ。」
「ハハハハハ!マーリンくんが子供にものを?これは傑作だ。」
何がおかしいんだ。ヴァルドラグの隊長直々に教えてもらえるんだぞ。何もおかしい所なんて。
「少年。1つ悪い事を教えてあげましょう。彼マーリンくんはですねぇ。過去に『子供を殺しています』。」
「は?」
なんだよそれ。嘘に決まってるだろ。なあマーリン師匠。
何か…。何か言ってくれよマーリン師匠…。
「子供殺しが子供を育てる?おかしな話ですねぇ。ハハハハハ!」
腹を抱えて笑うディアボリに妹のカレンが肩を叩く。
「兄上。準備が整いました。」
「おお!そうですか。優秀な妹を持って私は幸せです。」
「えへへ。はっ!いえありがとうございます。」
ディアボリに頭を撫でられ、カレンはフードをさらに深く被り嬉しさを漏らす。
シエラを奪っておいて何を楽しそうにしているんだこいつらは。
不快な感覚が胸に広がる。
「それでは始めます。」
「やらせるわけなかろう!っぐ!?」
「いいえ、マーリンくんやりますよ。ここで大人しくしていてください。」
止めようとしたマーリンをディアボリが地面に押さえつけ、魔法陣を展開する。
すると木の根のようなものがマーリン師匠を包みこみ、地中へと引きづりこむ。
「マーリン師匠!ぐあ!」
「オーディエンスが1人しかいないのは寂しいですから少年も一緒に見ましょう。」
マーリン師匠を包む根を剥がそうと近寄ろうとした瞬間、視界からディアボリが消え、気がつくと俺は組み伏せられていた。
「さあ。カレン。邪魔なものは兄さんがなくすから思う存分あなたの力をふるいなさい。」
「ありがとうございます兄上。」
カレンは空中に手をかざし、魔法陣を展開する。そして展開した魔法陣に手を突っ込み本を取り出した。
「おお。やはり君のグリモワールは美しいですねぇ。」
「グリ、モワール?」
その本は最初雪のように真っ白な表紙だったが彼女が本を開くと鮮やかな色と美しい模様が描かれた。
「おやおやグリモワールを知らないとは。…そうですねぇ。これは使える。」
「使える?」
「いえいえお気になさらず。」
気になるに決まってんだろと言おうとした時、大気がいや世界だ。世界が揺れだした。
この辺りの魔素が一気にあのグリモワールへと取り込まれている。
「なん、だよこれ。」
「いいですねぇ。私も最初はそんな反応でしたねぇ。」
うんうんと頷き、続ける。
「グリモワールはですねぇ。魔術における脳と心臓、この2つと同じ役割を担うのですよ。いわば自分の分身です。鍛錬を積めば君にも使えるようになりますよ?」
「脳と心臓…。」
「ええ!脳と心臓です。魔素を取り込み、魔術構築をする。同じことが自分でもできるでしょうがグリモワールはそれのさらに倍の強さを引き出せるのですよ。」
楽しそうに俺に説明するディアボリをよそにカレンは着実に魔術を構築している。よほど精密に構築しているのだろう。グリモワールを持つ手が震えている。
「…?それならなんでマーリン師匠は使わなかった。」
「ああ。彼は子供を殺した時にグリモワールを消失してしまっているのですよ。あ、だから少年にグリモワールの存在を言っていないのですねぇ。」
ニヤニヤと腹の立つ顔をしてまた、うんうんと頷くディアボリを見てさらに不快感が増した。
揺れがおさまり、カレンは黒い球体に手をかざし、魔術によって浮かす。
グリモワールがひとりでに浮き、グリモワールのすぐ上に魔法陣が浮かび上がり、その魔法陣が黒い球体の真下へ移動した。
「さあいよいよですよ。ワクワクしてしまいますねぇ。」
なんだ?何が始まる?
魔法陣が発光し、黒い球体を包み込んだ。
しばらく光った後、魔法陣は消え、黒い球体はドロドロに溶け、球体部分がおにぎりくらいのサイズになった。
ドロドロとした部分が3つに分かれ、徐々に固まり形が整えられていった。
「赤、ちゃん?」
そう。そこには赤ちゃんがいた。だがただの人間の赤ちゃんではない。亜人と呼ばれる動物の特徴が所々ある人間の赤ちゃんだ。1人は山羊のような角が頭から生えていてこの中で1番線が細い男の子、もう1人は猫の耳が生えた女の子だ。
それに明らかに人間じゃないのも混ざっている。あれは蚊か?赤ちゃんサイズの蚊だ。
「カレン!カレン…大丈夫ですか?体に違和感は?」
「大丈夫です兄上。それより…成功、ですね。」
「ええ、ええ。あなたのおかげです。これで舞台は整いました。」
倒れ込むカレンにディアボリは涙を流しながら、意味深な事を言った。舞台?なんだ何を企んでる?
赤ちゃんが一斉に泣き出す。すると、魔法陣が浮かび上がり黒い球体ごと、どこかへ消えてしまった。
「なんなんだよ一体…。」
「さて、帰りますよカレン。これからまた準備をしないと。」
「ッ!逃がすわけないだろ!」
カレンをお姫様抱っこして立ち上がるディアボリの前に立ちはだかった。ここで帰らせるわけにはいかない。マーリン師匠が出てくるまでの時間稼ぎを。
「ほう?どうやってですか?」
ディアボリが凄まじい殺気を放つ。全身の毛が逆立ち、体が本能的に震えだす。
戦っても敵わない。そんなのは分かっている。だから俺は戦わない。
「お、お前達の目的はなんだ!?こんな事してヴァルドラグに狙われるんだぞ!どこにメリットがあるんだ。」
「目的、ですか。うーん簡単に言うのであれば世界を変える、ただそれだけですかね?」
「世界を変える?どういう意味だ。」
「それは少年。あなたご自身で考えてください。それではまた…。」
「ちょ、まっ。」
空中に穴が空き、そこに入ったディアボリがこちらに一礼して穴が塞がる。
追跡は不可能。これ以上は諦めるしかない。
マーリン師匠の救出を優先しよう。
マーリン師匠の埋められた場所を掘り起こし、根を見つけた。
そこからマーリン師匠が這い出してきた。
「わしは…一体どうしたら…。」
「マーリン師匠…。」
ひどく落ち込んだマーリン師匠を見て思ってしまった。こんなに強くて聡明な人でも負けてしまう、それほどまでに世界は広かったのだ。
瓦礫の山と化した家々の間を魔術によって強化された脚力で走り抜ける。
やはりトルボアの恩恵は大きく、今までの魔術がお遊びだったかのように効果のほどが違う。
村の中心に着くとそこに父さんと兄さんの姿は無く、唖然とした表情を黒い球体に向けるマーリン師匠だけだった。
「なんじゃ…これは…こんなものがあっていいはずがない。」
「やはり君は老いた。魔術構築などが以前の君とは段違いに遅い。遅すぎます。実につまらない。」
凄まじい殺気を放ちながらディアボリが降りてきてマーリンの前に立つ。
「マーリンくんそちらの子は?遠目から見ていましたが魔術を使用していました。このあたりには魔術学校や駐屯地などはないはずですが。」
「…?ッ!シロウなぜここに戻ってきた!」
「父さんと兄さんが来ないんです。そしたら触手がなくなって、もしかしたら何かあったのかもと思って。」
ここにはその様な親子は来ていませんねぇ-とディアボリが答える。
「それよりもこの少年は誰から魔術を?もしや…。」
「そ、そうだ。俺の師匠はマーリン師匠だ。」
「ハハハハハ!マーリンくんが子供にものを?これは傑作だ。」
何がおかしいんだ。ヴァルドラグの隊長直々に教えてもらえるんだぞ。何もおかしい所なんて。
「少年。1つ悪い事を教えてあげましょう。彼マーリンくんはですねぇ。過去に『子供を殺しています』。」
「は?」
なんだよそれ。嘘に決まってるだろ。なあマーリン師匠。
何か…。何か言ってくれよマーリン師匠…。
「子供殺しが子供を育てる?おかしな話ですねぇ。ハハハハハ!」
腹を抱えて笑うディアボリに妹のカレンが肩を叩く。
「兄上。準備が整いました。」
「おお!そうですか。優秀な妹を持って私は幸せです。」
「えへへ。はっ!いえありがとうございます。」
ディアボリに頭を撫でられ、カレンはフードをさらに深く被り嬉しさを漏らす。
シエラを奪っておいて何を楽しそうにしているんだこいつらは。
不快な感覚が胸に広がる。
「それでは始めます。」
「やらせるわけなかろう!っぐ!?」
「いいえ、マーリンくんやりますよ。ここで大人しくしていてください。」
止めようとしたマーリンをディアボリが地面に押さえつけ、魔法陣を展開する。
すると木の根のようなものがマーリン師匠を包みこみ、地中へと引きづりこむ。
「マーリン師匠!ぐあ!」
「オーディエンスが1人しかいないのは寂しいですから少年も一緒に見ましょう。」
マーリン師匠を包む根を剥がそうと近寄ろうとした瞬間、視界からディアボリが消え、気がつくと俺は組み伏せられていた。
「さあ。カレン。邪魔なものは兄さんがなくすから思う存分あなたの力をふるいなさい。」
「ありがとうございます兄上。」
カレンは空中に手をかざし、魔法陣を展開する。そして展開した魔法陣に手を突っ込み本を取り出した。
「おお。やはり君のグリモワールは美しいですねぇ。」
「グリ、モワール?」
その本は最初雪のように真っ白な表紙だったが彼女が本を開くと鮮やかな色と美しい模様が描かれた。
「おやおやグリモワールを知らないとは。…そうですねぇ。これは使える。」
「使える?」
「いえいえお気になさらず。」
気になるに決まってんだろと言おうとした時、大気がいや世界だ。世界が揺れだした。
この辺りの魔素が一気にあのグリモワールへと取り込まれている。
「なん、だよこれ。」
「いいですねぇ。私も最初はそんな反応でしたねぇ。」
うんうんと頷き、続ける。
「グリモワールはですねぇ。魔術における脳と心臓、この2つと同じ役割を担うのですよ。いわば自分の分身です。鍛錬を積めば君にも使えるようになりますよ?」
「脳と心臓…。」
「ええ!脳と心臓です。魔素を取り込み、魔術構築をする。同じことが自分でもできるでしょうがグリモワールはそれのさらに倍の強さを引き出せるのですよ。」
楽しそうに俺に説明するディアボリをよそにカレンは着実に魔術を構築している。よほど精密に構築しているのだろう。グリモワールを持つ手が震えている。
「…?それならなんでマーリン師匠は使わなかった。」
「ああ。彼は子供を殺した時にグリモワールを消失してしまっているのですよ。あ、だから少年にグリモワールの存在を言っていないのですねぇ。」
ニヤニヤと腹の立つ顔をしてまた、うんうんと頷くディアボリを見てさらに不快感が増した。
揺れがおさまり、カレンは黒い球体に手をかざし、魔術によって浮かす。
グリモワールがひとりでに浮き、グリモワールのすぐ上に魔法陣が浮かび上がり、その魔法陣が黒い球体の真下へ移動した。
「さあいよいよですよ。ワクワクしてしまいますねぇ。」
なんだ?何が始まる?
魔法陣が発光し、黒い球体を包み込んだ。
しばらく光った後、魔法陣は消え、黒い球体はドロドロに溶け、球体部分がおにぎりくらいのサイズになった。
ドロドロとした部分が3つに分かれ、徐々に固まり形が整えられていった。
「赤、ちゃん?」
そう。そこには赤ちゃんがいた。だがただの人間の赤ちゃんではない。亜人と呼ばれる動物の特徴が所々ある人間の赤ちゃんだ。1人は山羊のような角が頭から生えていてこの中で1番線が細い男の子、もう1人は猫の耳が生えた女の子だ。
それに明らかに人間じゃないのも混ざっている。あれは蚊か?赤ちゃんサイズの蚊だ。
「カレン!カレン…大丈夫ですか?体に違和感は?」
「大丈夫です兄上。それより…成功、ですね。」
「ええ、ええ。あなたのおかげです。これで舞台は整いました。」
倒れ込むカレンにディアボリは涙を流しながら、意味深な事を言った。舞台?なんだ何を企んでる?
赤ちゃんが一斉に泣き出す。すると、魔法陣が浮かび上がり黒い球体ごと、どこかへ消えてしまった。
「なんなんだよ一体…。」
「さて、帰りますよカレン。これからまた準備をしないと。」
「ッ!逃がすわけないだろ!」
カレンをお姫様抱っこして立ち上がるディアボリの前に立ちはだかった。ここで帰らせるわけにはいかない。マーリン師匠が出てくるまでの時間稼ぎを。
「ほう?どうやってですか?」
ディアボリが凄まじい殺気を放つ。全身の毛が逆立ち、体が本能的に震えだす。
戦っても敵わない。そんなのは分かっている。だから俺は戦わない。
「お、お前達の目的はなんだ!?こんな事してヴァルドラグに狙われるんだぞ!どこにメリットがあるんだ。」
「目的、ですか。うーん簡単に言うのであれば世界を変える、ただそれだけですかね?」
「世界を変える?どういう意味だ。」
「それは少年。あなたご自身で考えてください。それではまた…。」
「ちょ、まっ。」
空中に穴が空き、そこに入ったディアボリがこちらに一礼して穴が塞がる。
追跡は不可能。これ以上は諦めるしかない。
マーリン師匠の救出を優先しよう。
マーリン師匠の埋められた場所を掘り起こし、根を見つけた。
そこからマーリン師匠が這い出してきた。
「わしは…一体どうしたら…。」
「マーリン師匠…。」
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