アナスタシス・フルム

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第6章 勇気ある愚者

次の町へ

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「ヒルさんただいま」

「おかえり・・・ってふたりともボロボロじゃないか大丈夫かい?ほらはやくなかに入って」

宿屋に着くとヒルさんが治療をしてくれた。そして、いつもの団らんの時間。ダンジョンの話をした。伝説のダンジョンということを濁して。アグニの最後の言葉が気になったからだ。そして、ヒルさんに告げた。そうしなければいけないと思ったからだ。

「ヒルさん。俺明日この町を立つよ」

「そんな急に、っていうのも野暮かな。君の旅だ、僕が何か言える立場じゃないね。わかったよ。でも、もっとはやく言ってくれれば夕食をもっと豪勢にしたのに」

「いいよ。そんなの」

それはちょっと気になった。いつも夕食は豪勢なものを出されていたからそれ以上のものとなるとどんなものか。隣に浮いているレクスも豪勢なものを想像しているのか涎を垂らしていた。そんなことを尻目にディタとエミンはいつも通り食事をしていた

部屋に戻り、本のなかを見る。アグニが書いたであろう、一節があったがなんと書いてあるのか読めなかった。ただ、これだけは分かった。夢に一歩近づいたということは。

出発の日、ヒルさんともう一人の姿があった。大荷物を運ぼうとしている人物が

「ヒルさん今日までありがとう」

「いやいや、それはこっちのセリフだよ。君たちと過ごした日はとても楽しかったよ。また会おう」

「じゃあ、またどこかで、ヒルさん」

「ちょっと待ちなさいよ。ロガ、私の荷物も持って」

「あ、はい。ですよね~」

「二人とも仲良くやるんだよ~」


アリエスの町を出て、次の目的地は決まっている。ヒルさんに教えて貰った場所だ。町を抜けようとした時声をかけられた



「あ、あの僕も一緒に連れて行ってくれませんか?」





ーーーーー


「報告があります。アリエスの町で異常気象が起き、今は元通りになったとのことです」
「ほう。いつの世代も馬鹿はいたもんだ。それで、攻略した者はみたのか?」
「いえ、それが・・・」
「まあいい。焦らなくてもいいだろ。楽しみが増えたってもんよ。ハハハハハッ」

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