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第5章 異常気象の正体
勝手に動く足
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俺たちは今坂を登っている。魔物たちを倒すことができた。危うく魔物にマグマへ落とされそうな時もあったが何とか踏ん張り、逆に魔物が落ちていった。その光景を見たくなく目を背けたかったが、音で何が起こったのか見なくてもわかってしまった。自分自身がそうなっていたかもしれない恐怖と敵ではあるけれど罪悪感が襲い掛かってきた
「ロガ大丈夫?」
「ん?ああ、なんとか」
「そう。何だか顔色が悪そうだったから」
そんなに具合が悪そうな顔をしていたのだろうか。ただ、道を進む途中も魔物は襲い掛かってくるのでここで足を止めている場合ではない。それにしても、坂が続いている。おそらく、というか確実に上へと向かっている。山頂を目指しているのだろう。そして、目の前に光が見えてくる。先ほどのオレンジ色の光とは違う青い景色が広がっている
「外に出たのか?」
「そうみたいね。でも、まだまだ道は長いみたい」
ディタと同じように上を向くと頂上は見えてこない。というか遮られている。徐々に白い何かが周囲を覆い始めていたのだ
「何か視界が悪くなってきたな。さっき青空が見えたと思ったのに」
「雲、ではないわね。においもするし、何かまずい気がする。ロガちょっとこっち来て」
「あ、ああ」
真面目な顔でディタが俺の方を見てくる。有無を言わさない感じだ。それにしても、ディタの言う通りにおいがしているな。何か腐ったようなにおいが
「“サクロミスティ”」
ディタがそう唱えると何かベールのようなものが俺たちを包んだ。だが、それはすぐに見えなくなってしまった。体に何か変化が起こっているわけではなさそうだが
「あらゆる悪い効果を防ぐ魔法よ。これで何かあっても大丈夫なはず」
俺と会う前に得た魔法だろう。あらゆる悪い効果を防ぐ魔法か。確かに得体のしれないにおいが悪い効果を及ぼすものである可能性が高い。やっていて損はないということだろう。ただ、その前に少し吸い込んでしまったことが気がかりだった。何もなければいいが
「この効果が続くのは10分くらいかしら。時間が惜しいわ。さっさと進みましょう」
白い霧が濃くなってくる。近くにいるディタでさえ、ぼやけて見えた。適温とはいいがたい環境で、この視界が遮られた状態。頭がボーっとしてきてこんな状態でストレスがかからないわけがない。それにより、集中力を切らされていた。何かに取りつかれた様に足が勝手に動いてしまう
「・・・ロガ、止まって‼」
「へ?」
「ロガ大丈夫?」
「ん?ああ、なんとか」
「そう。何だか顔色が悪そうだったから」
そんなに具合が悪そうな顔をしていたのだろうか。ただ、道を進む途中も魔物は襲い掛かってくるのでここで足を止めている場合ではない。それにしても、坂が続いている。おそらく、というか確実に上へと向かっている。山頂を目指しているのだろう。そして、目の前に光が見えてくる。先ほどのオレンジ色の光とは違う青い景色が広がっている
「外に出たのか?」
「そうみたいね。でも、まだまだ道は長いみたい」
ディタと同じように上を向くと頂上は見えてこない。というか遮られている。徐々に白い何かが周囲を覆い始めていたのだ
「何か視界が悪くなってきたな。さっき青空が見えたと思ったのに」
「雲、ではないわね。においもするし、何かまずい気がする。ロガちょっとこっち来て」
「あ、ああ」
真面目な顔でディタが俺の方を見てくる。有無を言わさない感じだ。それにしても、ディタの言う通りにおいがしているな。何か腐ったようなにおいが
「“サクロミスティ”」
ディタがそう唱えると何かベールのようなものが俺たちを包んだ。だが、それはすぐに見えなくなってしまった。体に何か変化が起こっているわけではなさそうだが
「あらゆる悪い効果を防ぐ魔法よ。これで何かあっても大丈夫なはず」
俺と会う前に得た魔法だろう。あらゆる悪い効果を防ぐ魔法か。確かに得体のしれないにおいが悪い効果を及ぼすものである可能性が高い。やっていて損はないということだろう。ただ、その前に少し吸い込んでしまったことが気がかりだった。何もなければいいが
「この効果が続くのは10分くらいかしら。時間が惜しいわ。さっさと進みましょう」
白い霧が濃くなってくる。近くにいるディタでさえ、ぼやけて見えた。適温とはいいがたい環境で、この視界が遮られた状態。頭がボーっとしてきてこんな状態でストレスがかからないわけがない。それにより、集中力を切らされていた。何かに取りつかれた様に足が勝手に動いてしまう
「・・・ロガ、止まって‼」
「へ?」
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