アナスタシス・フルム

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第5章 異常気象の正体

暑苦しい夜

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いつの間にか寝ていたようだ。じりじりと襲ってくる暑さに汗が噴き出していたらしく体がベタベタして仕方ない。意識がはっきりとしてきて夜中何があったか思い出す。どうやらレクスは言う通り勝手にフロワストーンを着る?ことはしなかったらしい。寒さを感じることはなくむしろ暑苦しい、主に頭が。

俺は涼しさを求め窓へと向かう。そこに辿り着きガラガラと窓を開けると、サーッと優しい風が顔を撫でるように通り過ぎていく。本来であれば風に撫でられ清々しい気持ちになるはずなのに、すぐに生暖かいものが顔を通り過ぎ清々しいとは無縁な気持ちになってしまう


「おりゃあああああ‼」


「ふぇ!?・・・ひええええええ‼」



やっと、清々しさに包まれることができる。それでも、ずっと窓を開けているとまた生暖かいものが頭を占拠しかねないので閉めなければならない。遠くでキラッとなにか光るもののが迫ってきているしな


「はあ、まだ早いしもう一回寝るか。今度は気持ちよく寝れそうだ」


それにしても、今日は一段と暑い気がするが。フロワストーンに手を伸ばす。体が冷えたのはいいのだが余計にあの気持ち悪さが目立ってしまった


「うっ、ミスった・・・シャワーでも浴びてこよう」


フロワストーンを手放し、風呂場へと向かう。このべたつく汗を流し清々しい気持ちで寝た方がいいだろう


「おーい、ロガ開けてよ~。気持ち悪いよ~、ボクも連れてって~」


「さて行くかな」



シャワーを浴び、自室に戻ると腕と足どちらも組み空中に浮かんでいた。どうやらご立腹らしい。まあ、そんなに怖くないのだが



「どうしたんだ、レクス」


「どうしたんだ、じゃないよ~。外は暑くなる一方で大変だったんだから~、やっとここに辿りついたんだから」


「どうやってここまで辿り着いたんだ?」


「ふふふっ、聞いて驚かないでよ~・・・なんと、窓を自力で開けたのだ~」


だろうな、鍵閉めてなかったからな。というか、今の今まで窓を格闘していたかと思うとそちらの方が驚きだ。おそらくだが、ずっと窓を叩いていて、そして何かの拍子に窓が少し開き今に至る、そんなとこだろう。窓にはその跡がくっきり残っている。よくあんなに器用に跡をつけられるものだ


「わ~、すごいすごい。レクス天才ー」


「でしょでしょ。もっと褒めて」


「これやるよ、ほら」


「わーい」



さっきまでの怒りはどこへやら、単純というかなんというか。まあ、シャワーを浴びてきたのだ、無駄に動いて汗をかきたくないのでこれでよかったのだが。さて、もうひと眠りするか
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