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第五章 旅立ち
旅の行方
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「✕✕✕様、その調子です。魔法の使い方にも慣れてきましたね」
「そう、ありがとう✕✕✕の教え方がうまいからだよ」
「お世辞がうまくなりましたね」
「お世辞じゃないよ。ほんとうのことだよ。いつもありがとうね」
「ふふふ。どういたしまして」
ーーーー
「なぜです?なぜそのようなことを」
「王の決定だ。覆すことは出来ない」
「では、せめてその役目私に。お願い致します」
「構わぬ。むしろ✕✕✕お前に任せようとしていた」
「ありがとうございます」
「ただし、何が起きても手出し無用わかっておるな」
「はい」
ーーーー
「この男強い。この人になら任せられるかも。試してみよう」
「良かった大丈夫そう」
「こんなところに✕✕✕が!?良かった本当に良かったあの子が無事で」
「ん?なんであの方までここに。何か嫌な予感がするわ」
ーーーー
「なんで?どうして?やめて、やめて。王様、手出しをする許可を‼!」
「ダメだ」
「早くしないと大切な人が、お願いします、お願いします。私は、私はどうなっても構いませんから」
「ダメなものはダメだ。最初に行っただろう手出し無用だと」
「いやーーーーーーー‼!!」
ーーーー
「なぜ私がこの方の手助けをしなければならないのですか」
「おやおや、随分嫌われてしまっているようで」
「命令だ。監視も続けろ」
「・・・承知いたしました」
ーーーー
「もう黙って見ていることなんてできるわけない。私の大切なものがすべてなくなってしまう。そんなの耐えられない」
「あの方たちは」
「”もう好きにしてよい”と」
「それって・・・」
ーーーーー
次の日、集合場所に一人また一人と集まってくる
「これで全員ですかね」
サジュが俺に問いかけてくる
「そうみたいです。出口への案内お願いしてもいいですか」
「確認いたしますが、今出れば一生ここにこられない可能性がございます。それを分かっていますね?」
サジュは、全員に言っているつもりであろうが、名指しで言っているような気がしてならなかった。ただ、そいつの決意は固いようで言葉は発さずとも静かに頷いた
「承知しました」
「ちょっと待ってください‼」
そこには昨日挨拶し損ねたいやしなかった人の姿があった。その人がどういう選択をしたのか、ここに来てくれたということは・・・
「どうしたのですか」
「いえ、一言伝え忘れていたことがありまして」
その人はこちらを真っ直ぐ見据えてこう言った
「行ってらっしゃいませ、ビス様」
「っ、ああ行ってくるよ、リュミエ」
こうして俺たちはサジュの案内でエルフの里を出た
エルフの里を出た後俺たちはアシオンの案内で洞窟へと向かっていった
「デネメ洞窟を抜けた先に目的地だ。みんなへばってないだろうな」
「へばってませんよ。逆にアシオンさんのスピードが落ちてるんじゃないですか?」
「なんだと。お前らのスピードに合わせてやってるだけだ。もっと上げていいならそうするが」
「やめろ。これ以上は馬たちがもたないだろ。それに・・・」
「ふぇぇ。まってくださいぃぃ」
「そんなに焦らなくても大丈夫よ。それにいざという時に動けなかったらどうするつもりなの」
「ぐっ。わーったよ」
いつも通りのやり取り。心地いいようでどこか危なっかしいやり取り。この仲間で旅を続けていく
「そう、ありがとう✕✕✕の教え方がうまいからだよ」
「お世辞がうまくなりましたね」
「お世辞じゃないよ。ほんとうのことだよ。いつもありがとうね」
「ふふふ。どういたしまして」
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「なぜです?なぜそのようなことを」
「王の決定だ。覆すことは出来ない」
「では、せめてその役目私に。お願い致します」
「構わぬ。むしろ✕✕✕お前に任せようとしていた」
「ありがとうございます」
「ただし、何が起きても手出し無用わかっておるな」
「はい」
ーーーー
「この男強い。この人になら任せられるかも。試してみよう」
「良かった大丈夫そう」
「こんなところに✕✕✕が!?良かった本当に良かったあの子が無事で」
「ん?なんであの方までここに。何か嫌な予感がするわ」
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「なんで?どうして?やめて、やめて。王様、手出しをする許可を‼!」
「ダメだ」
「早くしないと大切な人が、お願いします、お願いします。私は、私はどうなっても構いませんから」
「ダメなものはダメだ。最初に行っただろう手出し無用だと」
「いやーーーーーーー‼!!」
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「なぜ私がこの方の手助けをしなければならないのですか」
「おやおや、随分嫌われてしまっているようで」
「命令だ。監視も続けろ」
「・・・承知いたしました」
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「もう黙って見ていることなんてできるわけない。私の大切なものがすべてなくなってしまう。そんなの耐えられない」
「あの方たちは」
「”もう好きにしてよい”と」
「それって・・・」
ーーーーー
次の日、集合場所に一人また一人と集まってくる
「これで全員ですかね」
サジュが俺に問いかけてくる
「そうみたいです。出口への案内お願いしてもいいですか」
「確認いたしますが、今出れば一生ここにこられない可能性がございます。それを分かっていますね?」
サジュは、全員に言っているつもりであろうが、名指しで言っているような気がしてならなかった。ただ、そいつの決意は固いようで言葉は発さずとも静かに頷いた
「承知しました」
「ちょっと待ってください‼」
そこには昨日挨拶し損ねたいやしなかった人の姿があった。その人がどういう選択をしたのか、ここに来てくれたということは・・・
「どうしたのですか」
「いえ、一言伝え忘れていたことがありまして」
その人はこちらを真っ直ぐ見据えてこう言った
「行ってらっしゃいませ、ビス様」
「っ、ああ行ってくるよ、リュミエ」
こうして俺たちはサジュの案内でエルフの里を出た
エルフの里を出た後俺たちはアシオンの案内で洞窟へと向かっていった
「デネメ洞窟を抜けた先に目的地だ。みんなへばってないだろうな」
「へばってませんよ。逆にアシオンさんのスピードが落ちてるんじゃないですか?」
「なんだと。お前らのスピードに合わせてやってるだけだ。もっと上げていいならそうするが」
「やめろ。これ以上は馬たちがもたないだろ。それに・・・」
「ふぇぇ。まってくださいぃぃ」
「そんなに焦らなくても大丈夫よ。それにいざという時に動けなかったらどうするつもりなの」
「ぐっ。わーったよ」
いつも通りのやり取り。心地いいようでどこか危なっかしいやり取り。この仲間で旅を続けていく
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