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第五章 旅立ち
眩しい光
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待ちくたびれたのか、ラオダムの方から仕掛けてきた。こっちに向かってくるスピードは、思ったよりもゆっくりであった。何か企んでいるかのように
「二人とも前に走れ‼」
俺は踵を返し、来た道を帰る。ソエルとパヴィも俺の言う通りにしてくれた。そして、その後ろにラオダムの姿があった
「おや、気付かれてしまったか」
「お前の相手は俺だ」
予想が当たってよかった。もし、間違っていたとしてもソエルが後ろの奴を攻撃したはずだ。それにそのまま後ろにラオダムがいたらソエルかパヴィが声を上げるだろう
「後ろにいたはずのラオダムはどうなった?」
「それが、矢が当たった瞬間消えてしまいました。目を離したつもりはなかったのですが」
「当たったというよりすり抜けていましたぁ」
「すり抜けた?」
「そうですぅ。ほらあそこに光る何かがありますぅ」
パヴィの指さした先を見ると確かに光る何かが見える。おそらく、ソエルが放った矢なのだろう
「分身ってやつか、それとも残像か。どちらにしても面倒だな」
それを出すのに時間がかかるのか一向に襲ってこない。慎重だな、絶好の攻撃するタイミングだと思うが。さてどうしたものか
「・・・ソエル。ずっとあいつに攻撃してくれ」
「わかりました。・・・は‼」
ソエルの放った矢は一直線にラオザルに向かっていく。そして、その矢をラオザルは叩き落とした
「よし、ソエルその調子で頼む」
俺はラオザルへと向かう。あいつが本体で間違いない。攻撃を続けていれば分身や残像をつくる隙を与えずに済む
「サンダー」
「かかかっ、そんな攻撃吾輩には効かんぞ。それにしても、考えたな。だが本当にこちらが吾輩の本体だと思うのか?」
「そんな言葉には引っかからない」
「いいのか?後ろのお仲間の攻撃が止んでいるようだが」
そういえば、矢が全然飛んでこない。何をしているんだ、ソエルは。それに物音すらしないのだ
「っっ‼」
一瞬俺は、後ろを振り向いてしまった。そこには弓矢を構えているソエルと援護するチャンスを見逃さないようにジッとこちらを見ているパヴィがいる。そして、その後ろにラオダムがいるのだ
「二人とも、後ろ‼」
俺は二人の元へ戻ろうとしたが、それを許してもらえるような相手ではなかった。ラオダムに首根っこを掴まれたのだ
「ぐあ‼」
「「ビスさん‼」」
「かかかっ。ダメではないか、よそ見をしては・・・一応言っておくがあっちが偽物だ、くくく」
「こ、のや、ろう」
喉を抑え込まれ声がうまく出てこない。万事急須か
「それとお仲間からの援護が来なかったのは吾輩がお前の影に入ったから攻撃できなかったのだ・ほれ、お前を盾にしているからあの二人手も足も出ないようだぞ」
種明かしまでしてくる。俺たちでは相手にならないという意思表示か。どこまでも腹正しいものだ。ラオダムの腕を引き剥がそうと藻掻くが、力が弱まることもなく、むしろ強まっていく一方だった
「このまま死ね‼」
「ビス様、目を閉じてください。“ルチェ・ソラーレ”」
「ぐあああああ‼目があああああ」
「二人とも前に走れ‼」
俺は踵を返し、来た道を帰る。ソエルとパヴィも俺の言う通りにしてくれた。そして、その後ろにラオダムの姿があった
「おや、気付かれてしまったか」
「お前の相手は俺だ」
予想が当たってよかった。もし、間違っていたとしてもソエルが後ろの奴を攻撃したはずだ。それにそのまま後ろにラオダムがいたらソエルかパヴィが声を上げるだろう
「後ろにいたはずのラオダムはどうなった?」
「それが、矢が当たった瞬間消えてしまいました。目を離したつもりはなかったのですが」
「当たったというよりすり抜けていましたぁ」
「すり抜けた?」
「そうですぅ。ほらあそこに光る何かがありますぅ」
パヴィの指さした先を見ると確かに光る何かが見える。おそらく、ソエルが放った矢なのだろう
「分身ってやつか、それとも残像か。どちらにしても面倒だな」
それを出すのに時間がかかるのか一向に襲ってこない。慎重だな、絶好の攻撃するタイミングだと思うが。さてどうしたものか
「・・・ソエル。ずっとあいつに攻撃してくれ」
「わかりました。・・・は‼」
ソエルの放った矢は一直線にラオザルに向かっていく。そして、その矢をラオザルは叩き落とした
「よし、ソエルその調子で頼む」
俺はラオザルへと向かう。あいつが本体で間違いない。攻撃を続けていれば分身や残像をつくる隙を与えずに済む
「サンダー」
「かかかっ、そんな攻撃吾輩には効かんぞ。それにしても、考えたな。だが本当にこちらが吾輩の本体だと思うのか?」
「そんな言葉には引っかからない」
「いいのか?後ろのお仲間の攻撃が止んでいるようだが」
そういえば、矢が全然飛んでこない。何をしているんだ、ソエルは。それに物音すらしないのだ
「っっ‼」
一瞬俺は、後ろを振り向いてしまった。そこには弓矢を構えているソエルと援護するチャンスを見逃さないようにジッとこちらを見ているパヴィがいる。そして、その後ろにラオダムがいるのだ
「二人とも、後ろ‼」
俺は二人の元へ戻ろうとしたが、それを許してもらえるような相手ではなかった。ラオダムに首根っこを掴まれたのだ
「ぐあ‼」
「「ビスさん‼」」
「かかかっ。ダメではないか、よそ見をしては・・・一応言っておくがあっちが偽物だ、くくく」
「こ、のや、ろう」
喉を抑え込まれ声がうまく出てこない。万事急須か
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「このまま死ね‼」
「ビス様、目を閉じてください。“ルチェ・ソラーレ”」
「ぐあああああ‼目があああああ」
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