フィオ君、娼館で下働き？

娼館アマルティ

娼館アマルティ おまけ

　おまけ





　ガインがお店を出て、次の日の朝、娼館アマルティでは……。

「フィオ……、ガイン様に何をしたの？」


　フローラが青筋を立ててソファに足を組んで座っている。
　目の前には正座をしたフィオが涙目であった。


　しっかりお金はいただいており、仕事を終わらせたリオ隊長が入った関係でガインにつくはずだった蝶はそのままリオ隊長についた。
　売り上げ的には何にも問題なく、嗜好を変えた乱交パーティーも結果とても満足してもらえた。


　ただ、ガインがなんだかげっそりして帰ったことの理由を聞かなければならず、騎士達が帰った後にフィオを呼び出した訳であった。


「昨日、何をしたんだい？」
「えっと……仕立て……を………………」
「そんなの知っているよ！仕立てをどうやったか説明してちょうだい」


　扇子を手のひらに強く打ち付けてなかなか歯切れの悪いフィオを苛立ちを募らせる。
　遠目から心配そうに起きてきた蝶達がフィオの様子を伺っている。


「えっと……お風呂を沸かして、服を脱ぐのを手伝って…………背中をスポンジで洗って……」
「お湯が熱かったりは？」
「大丈夫だったと思い、ます」
「何か失礼な事言ったかい？」


　首を横にふるフィオ。何か思い当たることは無いかと時系列にしてゆっくり聞いていた。
　なかなか時間がかかるので、見かねた蝶が助け船を入れによってきてくれた。


「ガイン様お待たせしてしまったじゃない？それて怒ってしまったんじゃないかしら？」


　当日着くはずだった蝶が、自分が準備が間に合わなかったからじゃ無いかと進言してくれた。
　ただ、それも違うらしい。


「まぁまぁ長い時間お待たせしてしまったけど、ずっとベッドかお風呂に入っていてくれていたんだろ？」
「お風呂にいました」


　何だろうかと頭を悩ませていると小さくフィオが呟いた。聞き取れなかったフローラが大きな声でいうんだよと嗜める。


「僕、僕が、おちんちん強く握ったから……きっと痛かったんだ！」
「………………」
「……………………？！」


　周りで聞いていた蝶達も一斉にざわついた。


「おちんちん？を？にぎる？？？」

　フローラは目を瞬せ、隣にいる蝶は豆鉄砲を喰らったように頭にハテナを浮かべる。


「マッサージの時に、おちんちん擦って、でもきっと痛かったのずっと我慢していたんだ！」


　話がなかなか読み取れないが、察しの良いフローラ含め数人はことの事態を理解した。


　苛立っていたフローラは一旦大きなため息をついて話を整理する。

「つまり、蝶が来ないからその間にマッサージをして、下の処理を手伝ったと。そしてその処理をする際に強く握ってしまって痛かったから怒って帰ったってことね？」
「……ぅん」


「……フィオに仕立ての方法教えたって手を上げたやつら！出ておいで！！！」


　この後数名の蝶がフローラの前に立ち、うち2名がフィオに要らない知恵を教えていたことがわかった。
　男の人はフェラや手コキをすると喜ぶと、他の蝶が来ない時はサービスしてあげると良いと言っていたらしい。
　この蝶はこっぴどく叱られてフィオはお咎めなし。


　一件落着したが、被害者のガイン様に後日菓子でも送るようかと頭を悩ませるフローラだった。


　――ガイン様、ノーマルだっただろうに。フィオのオドオドした様子に可愛そうになって断れなかった感じかしら……。でも、あれは怒っていたとういうよりショックを受けたって感じだった………………。これは……フィオにまさかの才能かしら？！


　扇子の奥で口角が上がるフローラ。


　――また今度ガイン様に営業かけてみようかしら。特別コースマッサージ。……いいわね。



　そんな事も知らずにフィオはもう切り替えてお菓子を食べていた。