転生したら母乳チートになりました

むふ

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ヒューバートの妄想

ヒューバートの妄想2/3

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 数日後ばーちゃんから送られてきた買い物の足しになる物が驚愕だった。
 薬草と、何か入った瓶。
 添えられていた手紙には瓶の中身は母乳と書いてある。
 追加で買ってきて欲しい物に、薬の材料が数種書いてあった。


 ――ばーちゃん…………やっぱり孕った?!産んだ?!
 待ってくれよ……、いや、相手いるのは確定じゃねぇか……。
 俺いないけど…………、心の準備していかないとじゃないか……。って、この薬の材料を大至急って……おいおい……。


 ばーちゃんが送ってきた母乳は本物だろう。
 母乳を売る先を慎重に選ばないとならない。
 とても扱いづらい品を送ってきてくれて、いろんな意味で頭を抱えた。
 母乳に混ぜ物をしても売れる。
   それだけ貴重なものだ。
 売る先で鑑定をしてくれれば更に値が上がるが、どこから手に入れたのか不審がられてしまう。下手すると入手先を抑えようとして身辺調査をする輩もいる。


 ――母乳なんてこんな貴重な物寄越してこなくても、金ならある程度持ってるし……、子どもにあげてやってくれよ……。でもな、この薬の材料がどれだけするのかわからない……。しかも大至急って……。
………………あまり気が乗らないが……、あいつに頼むか……。


  大きなため息をついて、返すわけにもいかない瓶を片手に天を仰ぐしかなかった。





 次の日、盛大に勘違いの最中のヒューバートはとある男性に会いに来ていた。


 
 保存魔法をかけられた瓶の中身が悪くなることはない。小さな瓶を胸ポケットに大事にしまって、大きな商会の扉を開いた。




「で?なんでこんなもんが、お前の所にあるんだ?」


 金髪で小太りで、目つきが悪く偉そうに椅子にふんぞり返っているこの男はこの街3番目に大きな商会、アントリート商会の跡取り。


「聞かないでくれ、アントン」
「いや、俺が呼んでもいないのにくること自体稀だし、人払いするくらいだし、訳ありなのはわかる。お前と俺との仲だから力になりたい気持ちもある。……ただ、今回の物は、やばい……」


 アントリート紹介に入ってすぐ、受付にアントンに引き継いで欲しいと言うと事前の約束もしていないのでもちろん断られた。
 名前だけ言って、それでも会えないのであれば、近々また来るから時間の約束だけさせて欲しいと少し強引に言った。

 名前を言ったら商談の合間をぬって会ってくれた。


 部屋に入るなりヒューバートが目配せをすると、察しの良いアントンは部屋付きの者を外に出してくれた。
 ここの商会の部屋は全て防音魔法がかかっている。情報は商売の命とも言えるからだ。
 そして開口一番、母乳を売りたいと切り出したことで、アントンは豆鉄砲を喰らったように黙ってしまった。


 そこから数分沈黙が続いたと思ったら、意識を飛ばしていたアントンが返ってきて商人の顔になった。


 ――さすが、プロだ。



「最初にも言ったが、出どころは言えない。ただ、本物であること、一才の混ざり物無しの純物だ。これは憶測で申し訳ないが、採乳してすぐ保存瓶に入れている。保存瓶に入れて3日は経っていると考えてもらっていい」
「母乳の種類は?」
「言えない」
「……………………はぁ……」


 瓶の大きさからして、100ml程度。
 純正で鮮度も高い。
 買い手によっては大きな宝石と同じ価値がある。
 郊外の小さな家なら買えるレベルかも知れない。
 それだけ母乳は貴重で価値のある物だった。


 母乳主を守る事は重要である。その為に母乳主にまつわる情報は秘匿しなければならない。


「その母乳主、どっかの機関にちゃんと保護してもらってるか?」
「そこは心配しなくても大丈夫だ」


 女性はまず機関がどこかに保護の申請を必ず出さないとならない。更に妊婦や妊娠の予定がある女性は追加でセキュリティや力のある機関に一時的に席を置く事が是とされている。お金がある人は色々な所に自分を守ってくださいと保険をかける。
 なぜなら母乳を狙ってよくない輩が母体を狙って、拉致が横行するからだ。
 もちろん女性に対しての拉致や暴行は、男性に対してのものより厳罰になるが、やはり母乳の価値が価値なだけに拉致監禁して母乳を搾取しようとする動きは絶えなかった。
 保護を謳って、お金のない母乳主から母乳を搾取する機関もありなかなか闇が深い部分でもある。




「まぁ、これ以上は聞かない……が、お前自身も狙われる可能性があることわかっているか?」
「………………あぁ?大至急で欲しい物がある。その為に金がいるんだ……」


 欲しい薬の材料を書いたメモをアントンに渡した。
 さらっと目を通すとすぐ部屋から出て行った。

 
「…………あれは、回復薬の材料だ。かなり上物の、貴族の重篤患者に使われるくらい高価なものだ」
「え?!……」
「お前に母乳を渡してきたやつは、身内に死にそうなやつでもいるのか?」
「………………わからない」
「まぁ、いい。今店のやつに材料を用意するように言っている。出来上がった薬を買うより幾分かは安くなるだろうが、そいつは薬学の知識があるのか?」
「……」
「はぁ……まぁ、俺でも作れるからな。材料が希少だから高いだけだから」


 アントンは何も言わないヒューバートにため息をついて、ストレスが溜まったのか葉巻に火をつけた。


「すまない……」
「まぁ、いい。……多分材料全部買ってもお釣りはくる。その分はこっちでもらうが良いか?」
「いい!……というか、良いのか?!」
「まぁ、母乳商売はかねてから参入するか議論に上がっていたんだ。……ただ、倫理的な部分と品質の保証、母乳主の保護まで手が回らなかったのが事実。輸送にもコストと人件費がかかるしな。商会の1位と2位は自分所に力が十分あるから、母乳商売してるが中身は薄めているし、母乳主の保護なんて母乳が出なくなるまで軟禁状態さ。それを保護っていうかね?俺は嫌いなんだよ。……まぁ、今はまだ時期が少し早いが……。ツケだ!市場への流し方、混ぜ物するようにはなると思うが、時期も全部こちらで決める」


 一気に捲し立てると、葉巻を一気に吸って大きな煙を吐いた。
 どっと疲れが出ているようだが、話がなんとかまとまったと言うかまとめてもらった。




「アントン!アントン!大好きだ!ありがとう!」
「気色悪いわ!抱きつくな!!あ!お前!これからマジで気をつけろ!近いうちにしれっと保護かけてやるからまたこい!」
「え、嫌だ。俺どこにも属さないって決めてるから」
「うるさい!母乳流す時にお前が持ってきたってバレたらどうすんだよ!事前予約無しでくるアホがどこいんだよ!下手くそか!」


 めちゃめちゃに怒られたが、ハグは受け入れてくれた。無事に薬の材料も手にしてホクホクで帰っていった。
 



 ヒューバートが帰った後に鑑定してみると、やはり純度100%の母乳であった。
 天を仰いで、静かにすぐ執事を呼んだ。


「事業部長を呼んでくれ……」


 ――………………困った事になった……。

 
 手短に返事をしてすぐ扉の閉まる音がした。
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