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不能の訳
不能の訳5/6
しおりを挟むイリアの姿が見えなくなるのを確認して、一息。
何とか自然に振る舞えたが、時折り感じる刺激臭に確認しなくてもルーカスのモノが大きなテントを作っているのがわかった。
――下半身が隠れていて良かった……。
イリアを見送った後、ポケットに入れたハンカチの匂いを嗅ぎたくて気持ちが焦いていた。トイレまで我慢が出来ず、通路から外れて建物の裏手に身を潜める。
ポケットから出したハンカチは薄く汚れていて、顔の近くまで持っていかなくても匂いをほんのり感じられる。
このハンカチに顔を埋めたらどんな気持ちになるのだろうか。期待と高揚感で脈がどんどん速くなる。
少々震える手にハンカチを広げて、思いっきり顔を埋める。大きく吸った息に臭いが乗って鼻腔を抜ける。
「んん“っ」
脳に電気が走って、建物に預けていた身体は立っていることが出来なくなってしまった。
「ん”、ふぅ……、んんっ、んっ、ぁ……ふぅ、ふぅ」
スラックスの中では勢いよく弾けた精が、下着の中の容量を超えてシミをつくり太腿にまで伝っている感覚があった。
ガクガクと痙攣して膝をついた。電気が視界の中で弾けて眩しいくらい。
――あっ……気持ちっぃっ。
約5年ぶりの射精に、その場にうずくまって暫し動けなくなった。ぼんやりした頭はなかなか回復せず、荒かった息だけがゆっくりと整っていく。
――……もう一回……。
外にいることも忘れてスラックスのチャックに手を運ぶ。一度射精しても萎えることなく頭を高くもたげたモノは窮屈な布を押し上げていた。
「あれー?団長?」
座ってチャックを下そうとしていたところに後ろから声をかけられた。自分でも面白いくらいに体が跳ねて、変な声が出てしまった。
油の刺してないおもちゃのように首をゆっくり斜めに後ろに向けた。
「ぁ、アンドレー。なんだ?」
「いや、なんだじゃないですよー。皆待ってますよ?」
そう、鍛錬場でルーカスを皆待っていた。戦闘指導と編成の続きをしないといけなかったのに、全く帰ってこないから探しにきていたらしい。
「こんなところに座り込んでどうしたんですか?」
後ろから覗き込まれそうになって、慌てて下半身が見えないように下っ腹を抱えて前屈みになる。
変な汗が出てきた。
「ぁ、隊長……。うんこ漏らしそうとか?!ここで排便はしない方が……」
何を勘違いしたのか、お腹を抱えている姿を見て便意が我慢できなくて通路横の陰に隠れて排便を試みようとしていると思われているらしい。
――排便するならもっと奥の茂みに行くわ!
って俺は……ここで下の処理をしようとしていたのでは……。
現実にいきなり思考が戻ってきた。
建物の影とは言え、少し覗けば見えてしまう。そんな所で下半身を出して欲望のままに身を任せてしまう所だった。
のぼせた頭が少しずつクリアになってきているが、強い匂いを嗅いだ興奮はやめやらぬままルーカスのモノは今でも窮屈そうにしている。
「あー、すまない。今日は指導には行けそうにないから、そう伝えておいてくれ。ただ、手は抜かないように。あと、編成は今日の夜俺が全部決めるから明日の朝全体に伝える」
「わかりました。それじゃあ……。頑張って、トイレでしてくださいね」
腹を抱えながら立って早くトイレに行きたいアピールをしながら伝言を頼んだ。最後まで便意だと思われてしまっているのが癪だが、背に腹は変えられない。
――こいつ皆んなにうんこしたいから自主練って伝えるんだろうな。……そうしたら、特別に訓練してやる。
姿が見えなくなるまで見送って、その後は脱兎の如く1番近くのトイレではなく自身の部屋がある宿舎へ急ぎ帰った。
スキルの探知と身体強化まで使って。
通り過ぎた人は、さっき突風が吹いてビックリしたとその日小さな会話の種になったそうな。
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