完結R18 外れガチャの花嫁 

にじくす まさしよ

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ティ アモ アエテルニタス ※R18

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「ジョ、ジョアン?」
「アイリスはシャワーを浴びたいんだよな?」
「え、ええ」

 いきなりシャワー室に連れて来られた。しかし、そこは単なるシャワー室ではなかった。大家族でも余裕で入れるような、大きな湯舟は檜づくりで、源泉かけ流しの天然温泉らしい。

「ここは人気の部屋で、予約が半年以上も埋まっている」
「そうなんだ」

 広々とした浴室には、もうもうと湯気が上がっているけれど、ほどよく換気されていて視界は良好だ。落ち着いた作りに、檜のほのかな香りが心地良い。人気の部屋だけはある。

「シャワーといわず、ゆっくり浸かろう」
「浸かろう?」

(はて? ゆっくり浸かっておいでではなく、浸かろうとは?)

 てっきり、このままジョアンは浴室から出ていくと思っていた。なのに、彼はここにいる。ゆっくり床に降ろされ、わたくしが浴室を気に入ったことに、にこにこ笑顔で頷いていた。

「ジョアンが先に入るの?」

 ジョアンのほうが、卒業式で暴れていた。きっと、彼の方がいち早く体を綺麗にしたいのかもしれない。わたくしが出て行こうとすると、がしっと肩を掴まれた。

「アイリスは、温泉に浸かるだろう? 俺もそうする」
「ええ。ジョアンが出てから、お言葉に甘えてゆっくり浸かろうかなって」
「俺が出てから?」

 何を言っているんだと言わんばかりに、じっと見られた。穴が開くかと思えるほど凝視され、服を着ているというのに、裸にされた気分になる。

「そうか、そうか。そう来たか。さっきの今で、これか。アイリスだもんな」
「……?」

 ジョアンが、何やら独り言をつぶやいている。結局、先に入ってろと言われたので、ひとりで温泉を楽しむことにした。温泉も初めてなので、壁に貼っている注意事項にしっかり目を通す。

「ふむふむ、まずは、体を洗ってからかけ湯をして体を洗う。かけ湯……。えーと、手足の先から、順番に……。こうかしら?」

 かけ湯用の桶は、湯舟の近くに置いている。説明書きをしっかり読んで、湯舟を体にかけた。

「わっ、あっつーい!」

 思った以上に湯の温度が高い。湯舟に水を入れて冷まそうとしたけれど、それは大きくバッテン印がかかれている。

「こんなの入れっこないわ。少しずつ温度に体を慣れさせるっていったって……。とりあえず、足だけは入れそう」

 わたくしは、檜のへりに腰をかけて、足だけを入れてみた。ものすごく熱いけれど、これならなんとか耐えられそうだ。

「ふわー、全身浸かれないけど、これでもいい気持ち……」
「そうか?」
「ええ。ジョアンもとっても気に入ると思う……わ?」

 背後から、ジョアンが声をかけてきた。慌てて振り向くと、ジョアンがタオルを頭にのせてこっちに向かっている。

「きゃ、きゃあああああ!」

 突然現れた、ジョアン。自分も裸だし、彼も裸。どっちをどうびっくりしていいのかわからない。体を隠したいのに、唯一隠れることができそうな檜の中は、熱湯みたいな温泉だ。身動きできず、あわてて胸元を手で隠した。

 わたくしがびっくりしてこんな風になっているのに、ジョアンは出て行ってくれるどころか、側にやってきた。そして、優しすぎるほどの声で、わたくしを気遣ってくれる。

「アイリス、タオルで隠してなかったのか。湯舟は、人間には熱いだろ? 無理して浸からなくていいけど、温度を冷ましてやろうか?」
「だ、だってぇ。タオルは湯舟に入れちゃだめってそこに書いてたから! それに、湯舟の温度を下げるイラストにも、大きくバツって書いているし!」
「ここは、まあ。暗黙の了解で自由に使っているぞ? タオルは、湯舟に入れなければいいから、外では使っていい」
「そうなの?」
「ああ」

 違う、わたくしが言いたいのはコレじゃない。ジョアンが、当たり前のように声をかけてくれる。自分ばっかり焦ってパニックになってて、なんかモヤる。

(しかも、見ちゃった! バッチリ見ちゃった! アレが男の人の……)

 コアラの状態での彼のお股についていたものも、男の人にとってとても大事な器官だと知ったのは、書物の中にあったからだ。あの時、わたくしは興味がわくまま、彼のアレを弄んでいたのだと気づいた時、申し訳なさと恥ずかしさでどうにかなりそうだった。

(当たり前なんだけど、Yの字じゃなかったわ)

 コアラのアレを触ったとき、先端が分かれていた。でも、さっき見たアレは、人間のものと同じということで。

(ううう、アレが何倍にも膨れるのよね……)

 さっきの状態でも、大きくて長くて、とっても重そうなアレ。アレが何倍にもなるだなんて信じられない。本で読んでいたし、世の中の女性はアレを受け入れている。でも、わたくしはジョアンのを受け入れることができるのだろうか。

 わたくしが、なんとも卑猥ではしたないことを考えているうちに、ジョアンがのぼせたら大変だからと、湯の温度を39度くらいに下げてくれた。少しぬるめだけれど、これならゆっくり浸かれる。

 ほっとしていると、ジョアンがさっさと体を洗いだした。今更、出ていくのも気まずいし、ジョアンに出て行ってとも言いづらい。

 わたくしは、なるべくジョアンから見えないように湯舟に肩どころか、顎付近までしっかり浸かった。

「アイリス、湯加減はどうだ?」
「うん、ちょうどいいわ。ジョアン、ありがとう」

 やはりというか、ナチュラルに彼が湯に入ってきた。しかも、わたくしにぴったりくっつくくらいの真横に。

「温泉は久しぶりだ」
「ジョアンは、前に入ったことがあるの?」
「アイリスも、初めてじゃないだろ。交流遠足で泊ったところも、たしか温泉だ。といっても、人工の粉を入れているまがいものだが」
「そういえば、そうだった。でも、あそこはこんな風に不思議な建築様式じゃなかったし、ここまで熱いお湯じゃなかったわ」
「源泉かけながしだからなあ。卵を入れていると、温泉卵ができるぞ」
「温玉! 半熟が美味しいよね」
「そうだな」

 ジョアンの雰囲気が、普段のそれと変わらない。しかも、裸が当たり前の温泉文化だからか、わたくしもつられてしまって、恥ずかしさがちょっとだけマシになる。

 そんな風に、身も心もリラックス出来たころ、ジョアンがわたくしを自分の足の上に乗せてきた。

「ひゃっ」

 浮力で、ふわふわ浮いてしまう。ジョアンが真後ろだから、バランスが取りにくい。なんとか溺れないように、ジョアンが抱きしめてくれるから、彼にもたれた。

「アイリス……」
「え? あ、んんっ」

 さっきまでの、のほほんとした雰囲気が一気になくなった。背後から絡みつくように抱かれ、彼の手が胸を覆う。ぴりっとしたような刺激と、ほわほわするようなもぞもぞするような感覚が走り、声を漏らした。

「俺の色だな」
「あ、ああっ……」

 ジョアンが、両方の胸の尖りを指の股で挟みながら、手のひらでふくらみを揉みはじめる。彼の色と同じ髪の毛ごしに、うなじに唇を当てられた。急に始まった、彼の手の動きや甘い囁きによって、いじられている胸の先と、腰の中がびりびりする。
 彼に与えられる感覚から逃れたくて、足をもぞもぞさせるけれど、ますますひどくなる一方だった。



Te amo in aeternumーティ アモ アエテルニタス 永遠の愛を

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