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プリメーラ ノイチ ※Rの始まり。まだ準備体操程度
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卒業式が無事に終わった。
「アイリス、卒業しても、私とこの人があなたを守ってあげるから。いつでも連絡頂戴」
「ありがとう、マニーデさん、ウォン。」
ふたりは体を寄せ合い、彼らのご両親たちと帰っていった。
ゴーリン会長は、王宮で騎士団に入るらしい。
「アイリス、また王宮で会おう。まだ下っ端だから、会えるかわからないが」
「ゴーリン会長、在学中は本当にお世話になりました。騎士として働く姿、楽しみにしていますね」
ゴーリン会長と短い会話を交わす。すると、ジョアンがすっ飛んできてわたくしを抱きしめた。
「ゴーリン、おめぇはさっさと帰れ」
「ジョアン、君との決着は社会に出てからだね」
「職種が全然違うだろうが」
「直接戦うことだけが勝負じゃないさ。結婚は負けたようだけど」
「やっぱり、おめぇ、人畜無害のふりして、アイリスを狙ってやがったな?」
「俺達の種族は、守るべきものを愛するからな。だが、アイリスは強くなった。俺が守るような女性ではない。それに、ずっとジョアンがいたじゃないか。俺の割り込む隙はなかったよ。俺の運命の相手は、これから見つけるさ。アイリス、結婚式には呼んでくれ」
そう言うと、颯爽と帰っていった。そんな彼に、女子たちが群がる。騎士になれば、さらにモテモテになるんだろうなと思っていると、お母様から声をかけられた。
「じゃあ、しばらくこっちに?」
「ええ。この国に来るは初めてなのよー。食べ物も美味しいらしいし。近々、獣王とお会いするんでしょう? 母親が一緒に行かなきゃね。実はね、カガル王子が小さな頃、国に来られたことがあったのよ。その時、一度だけ遊びのお相手になったことがあってね。当時は小さくても美形だったわ。今は、ものすごくイケメンで優秀だって。その子供たちを、あわよくば見せて貰うつもりよ」
「私は、マインが王子に失礼をしないかお目付けで。王子や妃殿下、お子様がたに、祝福の魔法を授ける仕事もあるんだ。アイリスちゃんも、会えると思うぞ」
アルカヌム様とお母様は、もともと知り合いだったしとても仲が良い。つくづく、どうしてあの人と結婚したのか不思議だった。
お母様は、興味本位で無茶をするようだ。カガル王子は、数年前にご結婚されていて、小さな子供たちがいっぱいいるらしい。
(チビカンガルーたちかぁ。わたくしも、会いたい)
無事に、お義父様とお義母様とも仲良くなったみたい。ふたりと挨拶を交わしたあと、数日はジョアンの家に泊まることになった。
コモリ君とフクロ君は、ジョアンと一緒に遊んでいる。というよりも、いつの間にか、ジョアンふくめて乱闘騒ぎに巻き込まれてしまった。小規模の戦いのような中で、いろんな学生たちに、お遊びで放り投げられたりしてはしゃいでいる。
楽しくて幸せで、このままでいたいなんて思っていると、そろそろお開きのようだ。わたくしも、お母様たちとジョアンの家に向かおうとしたところ、ジョアンに引き止められた。
「アイリス、俺達はこっち」
「おれたちじゃなくて、にいちゃんだけいっていーよ」
「おねぇちゃんは、ぼくたちといっしょだもんねー」
「え? ジョアン、帰らないの?」
「俺達は、ホテルに泊まる。予約しているんだ。お前らはさっさと帰れ」
別行動したがるジョアンに、ちびっコアラたちが足元にまとわりついてきた。嬉しくて、しゃがんで彼らを抱っこすると、とても嬉しそうにぐいぐい体ごと押されてしまう。
(これは、たしかに小さい子たちだけど、凄いパワー。ジョアンが注意するはずだわ)
今のわたくしは、ジョアンの魔法を借りている。以前の、無力な状態だったら、彼らに押し倒されて、もしかすると骨も折ったかもしれない。
「こらこら。コモリ、フクロ。ジョアンたちの邪魔をしちゃダメだ。数日後には会えるから行くぞ」
「えー、とうちゃん、なんでだよー。おねぃちゃん、おねぃちゃんは、ぼくたちといたいでしょ?」
「とうちゃんは、にいちゃんのみかただったか。ぼくたちにねがえって、おねーちゃんだけつれていこー!」
「ふふふ、あのね。ふたりとも赤ちゃん見たくない?」
「え、どこどこー? あかちゃんどこー?」
「かあちゃん、あかちゃんをどこにかくしてんだー」
ふたりの興味が、赤ちゃんに移った。わたくしも、ベビーコアラを見たくて、そわそわしながら会話を聞く。
「赤ちゃんは、ジョアンとアイリスがこれから作るのよ。はやく会いたかったら、邪魔しちゃダメ。わかった?」
(赤ちゃんって、わたくしたちの子ってことー?)
お義母様の言葉に、恥ずかしくなった。顔が熱い。全身から、湯気がでそうなほどのことを、獣人たちは平気で言う。それこそが、本能であり習性であり、誇るべき姿だから、彼らは、人間が恥じらう理由がわからないそうだ。
「どういうことだー」
「いみわかんねー」
お義父様が、笑いながらふたりを抱っこした。
「そのうちわかるさ。大人になったらな。ほら、家に帰ろう」
「いっつもそれ。おしえてくれたっていいのにー。けーち。はやくおとなになりたーい」
「くそ、こどもだからってはぐらかしよって。きょうのところはしかたあるまい」
賑やかな一団が家路を急ぐ。それを見て、ジョアンがやれやれといった様子で、わたくしの左手を握った。
「アイリス、俺達も行こう」
「ええ」
これからのことを考えると、足が地についていないかのようにふわふわする。ドキドキしすぎて、心も頭もぐちゃぐちゃだ。
気がつけば、高級なホテルの最上階にいた。完全に記憶が飛んでいる。
「アイリス、もう待てない」
「あ、ジョアン……」
ジョアンは、わたくしが魔法を使えるようになって、物凄く喜んだらしい。魔法を使えないわたくしと、一瞬でも肌を合わせれば、理性が効かないのがわかっていた。自分がわたくしに保護の魔法をかけ続ける自信がなかったようだ。
「指輪に込めてある守護の魔法も、タガが外れた俺の力からお前を守ってくれるかどうか怪しいし」
そう言いながら、左手にある指輪を優しくさすりながら、何度も何度もキスをしてきた。
「アイリス。俺の、色だな」
魔力や指輪だけでなく、髪の色まで彼に染まっている。今のわたくしの全てがジョアンのものになっていることが、殊の外嬉しそうだ。
「あ、ジョアン、シャワーを……」
朝からずっと卒業式だった。しかも、至近距離で乱闘騒ぎがあって、ふたりとも埃や壊れた床材や壁材が被っている。
わたくしが、一旦待てを宣告すると、ジョアンはぴたっと止まった。返事がない。
「あのね、わたくしたちの初めての時だから、きれいでいたい」
それに、わたくしも早くあなたとシタイの
恥ずかしすぎるけど、ささやき声くらいの小声で伝えた。
マニーデさんたちから、男はこう言うと喜んで言うことを聞くと教えられていた。逆効果で、抵抗する間もなく襲いかかられるかもしれないけどって、彼女たちは笑っていた。
(ジョアンはどっちだろ?)
ちらっと彼を見ると、天井を向いていた。表情はわからないけど、首筋まで真っ赤になっている。効果は抜群のようだ。
「…………わかった」
長い沈黙のあと、ジョアンがひとことそう言った。わかってくれたと喜んだもの束の間で、そのまま抱きかかえられシャワー室まで連れ去られたのである。
primeira noite─プリメーラ ノイチ:初夜
「アイリス、卒業しても、私とこの人があなたを守ってあげるから。いつでも連絡頂戴」
「ありがとう、マニーデさん、ウォン。」
ふたりは体を寄せ合い、彼らのご両親たちと帰っていった。
ゴーリン会長は、王宮で騎士団に入るらしい。
「アイリス、また王宮で会おう。まだ下っ端だから、会えるかわからないが」
「ゴーリン会長、在学中は本当にお世話になりました。騎士として働く姿、楽しみにしていますね」
ゴーリン会長と短い会話を交わす。すると、ジョアンがすっ飛んできてわたくしを抱きしめた。
「ゴーリン、おめぇはさっさと帰れ」
「ジョアン、君との決着は社会に出てからだね」
「職種が全然違うだろうが」
「直接戦うことだけが勝負じゃないさ。結婚は負けたようだけど」
「やっぱり、おめぇ、人畜無害のふりして、アイリスを狙ってやがったな?」
「俺達の種族は、守るべきものを愛するからな。だが、アイリスは強くなった。俺が守るような女性ではない。それに、ずっとジョアンがいたじゃないか。俺の割り込む隙はなかったよ。俺の運命の相手は、これから見つけるさ。アイリス、結婚式には呼んでくれ」
そう言うと、颯爽と帰っていった。そんな彼に、女子たちが群がる。騎士になれば、さらにモテモテになるんだろうなと思っていると、お母様から声をかけられた。
「じゃあ、しばらくこっちに?」
「ええ。この国に来るは初めてなのよー。食べ物も美味しいらしいし。近々、獣王とお会いするんでしょう? 母親が一緒に行かなきゃね。実はね、カガル王子が小さな頃、国に来られたことがあったのよ。その時、一度だけ遊びのお相手になったことがあってね。当時は小さくても美形だったわ。今は、ものすごくイケメンで優秀だって。その子供たちを、あわよくば見せて貰うつもりよ」
「私は、マインが王子に失礼をしないかお目付けで。王子や妃殿下、お子様がたに、祝福の魔法を授ける仕事もあるんだ。アイリスちゃんも、会えると思うぞ」
アルカヌム様とお母様は、もともと知り合いだったしとても仲が良い。つくづく、どうしてあの人と結婚したのか不思議だった。
お母様は、興味本位で無茶をするようだ。カガル王子は、数年前にご結婚されていて、小さな子供たちがいっぱいいるらしい。
(チビカンガルーたちかぁ。わたくしも、会いたい)
無事に、お義父様とお義母様とも仲良くなったみたい。ふたりと挨拶を交わしたあと、数日はジョアンの家に泊まることになった。
コモリ君とフクロ君は、ジョアンと一緒に遊んでいる。というよりも、いつの間にか、ジョアンふくめて乱闘騒ぎに巻き込まれてしまった。小規模の戦いのような中で、いろんな学生たちに、お遊びで放り投げられたりしてはしゃいでいる。
楽しくて幸せで、このままでいたいなんて思っていると、そろそろお開きのようだ。わたくしも、お母様たちとジョアンの家に向かおうとしたところ、ジョアンに引き止められた。
「アイリス、俺達はこっち」
「おれたちじゃなくて、にいちゃんだけいっていーよ」
「おねぇちゃんは、ぼくたちといっしょだもんねー」
「え? ジョアン、帰らないの?」
「俺達は、ホテルに泊まる。予約しているんだ。お前らはさっさと帰れ」
別行動したがるジョアンに、ちびっコアラたちが足元にまとわりついてきた。嬉しくて、しゃがんで彼らを抱っこすると、とても嬉しそうにぐいぐい体ごと押されてしまう。
(これは、たしかに小さい子たちだけど、凄いパワー。ジョアンが注意するはずだわ)
今のわたくしは、ジョアンの魔法を借りている。以前の、無力な状態だったら、彼らに押し倒されて、もしかすると骨も折ったかもしれない。
「こらこら。コモリ、フクロ。ジョアンたちの邪魔をしちゃダメだ。数日後には会えるから行くぞ」
「えー、とうちゃん、なんでだよー。おねぃちゃん、おねぃちゃんは、ぼくたちといたいでしょ?」
「とうちゃんは、にいちゃんのみかただったか。ぼくたちにねがえって、おねーちゃんだけつれていこー!」
「ふふふ、あのね。ふたりとも赤ちゃん見たくない?」
「え、どこどこー? あかちゃんどこー?」
「かあちゃん、あかちゃんをどこにかくしてんだー」
ふたりの興味が、赤ちゃんに移った。わたくしも、ベビーコアラを見たくて、そわそわしながら会話を聞く。
「赤ちゃんは、ジョアンとアイリスがこれから作るのよ。はやく会いたかったら、邪魔しちゃダメ。わかった?」
(赤ちゃんって、わたくしたちの子ってことー?)
お義母様の言葉に、恥ずかしくなった。顔が熱い。全身から、湯気がでそうなほどのことを、獣人たちは平気で言う。それこそが、本能であり習性であり、誇るべき姿だから、彼らは、人間が恥じらう理由がわからないそうだ。
「どういうことだー」
「いみわかんねー」
お義父様が、笑いながらふたりを抱っこした。
「そのうちわかるさ。大人になったらな。ほら、家に帰ろう」
「いっつもそれ。おしえてくれたっていいのにー。けーち。はやくおとなになりたーい」
「くそ、こどもだからってはぐらかしよって。きょうのところはしかたあるまい」
賑やかな一団が家路を急ぐ。それを見て、ジョアンがやれやれといった様子で、わたくしの左手を握った。
「アイリス、俺達も行こう」
「ええ」
これからのことを考えると、足が地についていないかのようにふわふわする。ドキドキしすぎて、心も頭もぐちゃぐちゃだ。
気がつけば、高級なホテルの最上階にいた。完全に記憶が飛んでいる。
「アイリス、もう待てない」
「あ、ジョアン……」
ジョアンは、わたくしが魔法を使えるようになって、物凄く喜んだらしい。魔法を使えないわたくしと、一瞬でも肌を合わせれば、理性が効かないのがわかっていた。自分がわたくしに保護の魔法をかけ続ける自信がなかったようだ。
「指輪に込めてある守護の魔法も、タガが外れた俺の力からお前を守ってくれるかどうか怪しいし」
そう言いながら、左手にある指輪を優しくさすりながら、何度も何度もキスをしてきた。
「アイリス。俺の、色だな」
魔力や指輪だけでなく、髪の色まで彼に染まっている。今のわたくしの全てがジョアンのものになっていることが、殊の外嬉しそうだ。
「あ、ジョアン、シャワーを……」
朝からずっと卒業式だった。しかも、至近距離で乱闘騒ぎがあって、ふたりとも埃や壊れた床材や壁材が被っている。
わたくしが、一旦待てを宣告すると、ジョアンはぴたっと止まった。返事がない。
「あのね、わたくしたちの初めての時だから、きれいでいたい」
それに、わたくしも早くあなたとシタイの
恥ずかしすぎるけど、ささやき声くらいの小声で伝えた。
マニーデさんたちから、男はこう言うと喜んで言うことを聞くと教えられていた。逆効果で、抵抗する間もなく襲いかかられるかもしれないけどって、彼女たちは笑っていた。
(ジョアンはどっちだろ?)
ちらっと彼を見ると、天井を向いていた。表情はわからないけど、首筋まで真っ赤になっている。効果は抜群のようだ。
「…………わかった」
長い沈黙のあと、ジョアンがひとことそう言った。わかってくれたと喜んだもの束の間で、そのまま抱きかかえられシャワー室まで連れ去られたのである。
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