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コーヒーマイスター気取りのコアラ
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どういう心境の変化が起きたのか、アイリスが少しずつ食べてくれるようになった。俺が差し出すエネルギーバーも、これまでとは違って美味しそうに口に運ぶ。それまでは、俺の顔を潰さないように思っているのか、かなり無理をして食べていたのに。
アイリスが実家から絶縁されたことで学園は一時期騒然となった。後ろ盾のなくなった彼女に、不埒なマネをしようとする男もいたが、それらは暴力を嫌う彼女の前に現れる前にひっそりと倒したが。
『めんどくさがりジョアンが、ペアだからって、なんだって人間の肩を持つんだ。くそ、覚えてろ!』
『俺のクロー一撃で尻餅をつくような、ハクチョウ獣人なんかお呼びじゃねぇよ。男女問わずをとっかえひっかえするようなやつは、大人しく水面に浮かんでろ』
こんな風に、数人撃退しただけで、アイリスを狙う男がいなくなった。
(まあ、俺だけじゃなくて、ゴーリンやエクセルシス、マニーデたちが目を光らせているからな。アイリスにちょっかいをかけるやつはもういないだろうが油断はできない。卒業まで、俺がしっかり守ってやるからな)
そうこうしているうちに、あっという間に交流遠足の日がやってきた。
交流遠足は、弁当持参が原則だ。アイリスが、俺のためだけに作る料理が楽しみすぎる。あいつの作るものは美味いし、もう毒を仕込まれる心配はないからな。
この日は、女子生徒が日ごろの感謝や告白のためにお弁当を渡すイベントでもある。俺は一度もお弁当を貰った事がない。ペアもマッキー(♂)だったし。マッキーが、エリマキトカゲのくせに、かわいい女の子にお弁当を貰って自慢していた事を思い出してイラっとする。
でも、そんなイライラも、早朝からユーカリの木の側にある窓の向こうの料理室で、楽しそうに俺の弁当を作る彼女の姿を見ると瞬く間に消えた。耳から聞こえる、彼女が作る包丁や水の音、そして、微かな鼻歌や衣擦れの音などに浸る。
料理が出来上がったのだろう。ぴりっとした味を想像させる香しいスパイスの香りが、鼻と胃袋を刺激する。甘そうなソースの香りも混じっていて、こんがり焼けた肉の臭いがそれを増幅させた。
「ジョアンさん、お待たせしました」
「集合時間ギリギリだぞ」
「え、もうそんな時間なんですか。料理に夢中になって気づかなかったんです。ごめんなさいっ!」
「ちっ。いいから、ほら」
俺は、アイリスを横抱きにして集合場所に向かう。彼女の足は、事故のせいで悪いらしいから、こうしたほうが良いにちがいない。
「ジョアンさん、わたくし自分で行けますから。それに、重いし」
「こっちのほうが速いだろ。ガリガリのお前なんか、獣化状態のハリーよりも軽い。しゃべっていると舌を噛むぞ」
我ながら、きつく言いすぎたかと思う。だが、アイリスは俺のそんな言葉を、いつもあまり気にしていないようだった。それどころか、こっちの気遣いに気づいてお礼まで言ってくれる。
「あー、来た来た。もう、ジョアン遅いわよ!」
「ジョアン、時間に間に合ったとはいえ、ぎりぎりは良くない。せめて、10分前には来ないと心配するだろう?」
集合場所まで行くと、すでに皆が集まっていた。ギリギリ駆けこんだ俺は、なぜかゴーリンやマニーデに叱られる。
「あの、わたくしの準備が遅かったから……ジョアンさんは悪くないんです」
「アイリス、こんなさぼりコアラなんかかばわなくていいのよ? 全く、優しすぎるのも問題ね」
解せぬ。
アイリスは真実を言ったのに、逆に俺がますます悪く言われた。冤罪だと不貞腐れたが、アイリスが楽しそうにしているからいいかと思える。
学園長の長い挨拶のあと、やっと遠足が始まった。
アイリスと一緒の俺は、皆よりも安全なコースを行くよう指示されていた。それは、DEFクラスの生徒も行くようななだらかな長距離のハイキングコースだ。
アイリスを抱き、他の生徒たちをぶっちぎって進む。ABCクラスの連中は、険しいが短距離コースだからこのくらい速く行かないと上位に食い込めない。
「すごい、すごい。速ーい」
アイリスにとって、俺のスピードは初めての体験だったようだ。速すぎたかと心配になったが、楽しそうに景色を見る余裕がある。俺の能力に尊敬の念を持ったようだ。いいところを見せようと更にスピードをあげ、あっという間に中間地点のキャンプベースにたどり着いた。
「あの、ジョアンさん。良かったらこれを……」
「ん? ああ、弁当か。サンキュ」
アイリスが朝に作っていた弁当を、初めて知るふりをして受け取った。料理室で、一から十まで知っているのに。開けると、考えていた以上に美味しそうだった。
「ミートパイじゃないか。美味そうだ」
「熱々なら、もっと美味しいとは思うんですけれども。ケチャップはここにあります」
「キャンプベースには、オーブンレンジがあるぞ」
「本当ですか? じゃあ、全部温めなおしますから、もう少し待っていただけますか?」
「ああ」
朝にもかいだ、かぐわしい香りが鼻腔をくすぐる。条件反射で涎が口いっぱいに貯まり、ぐうっと腹が鳴った。全て温めなおした料理がテーブルに並ぶ。
キャンプベースには、小さな小屋がある。ウッドデッキには4人掛けのテーブルセットが。庭には20人ほどがバーベキューできるほどの設備があるのだが、ウッドデッキで食べることにした。
「めちゃくちゃ美味いな! アイリス、お前、それだけでいいのか? ひと切れ分もないじゃないか」
「お口に合って良かったです。わたくしは、このほかにも果物やチコロールも頂きますから、残りはジョアンさんが食べてくださいね」
アイリスが用意したのは、一辺が30センチはある重箱だ。それが3段もある。俺にとっては腹八分目だが、アイリスがあまりにも食べなさすぎるから、ラムチョップを一切れ分けて食べさせた。
食べ終わり、重箱を片付ける。といっても、あとは洗うだけだ。作ってくれたのだから、俺が洗うと言ったのだが、ここまで運んでくれたから固辞された。
やることがなくて暇だ。眠りたいところだが、足が悪いアイリスが立って働いているのだ。食後のコーヒーの準備をすることにした。
小屋の棚にあるコーヒーミルで、持ってきた豆を挽く。少しずつ少しずつ、瓶の底に豆が貯まっていった。普段はこんなまどろっこしいことはしない。ガーっと3秒ほどで挽ける機械を使っている。
「ジョアンさん、コーヒーを淹れてくださったんですか。ありがとうございます」
「別に。こんなの大したことじゃねぇし」
実家でも、俺の淹れるコーヒーは好評だった。アイリスは、ブラックは苦手らしい。ミルクと砂糖をたっぷり入れたいようなので、ホットミルクを泡立ててカプチーノを作ってやった。
「わあ、かわいいハート柄ですね。ジョアンさん、すごいです」
泡の上に、比較的簡単にできる葉っぱの模様を描いた。少し大きかったからか、ハートに見えたようだ。勘違いを訂正する気になれず、コーヒーブレイクを楽しんだ。
あれほど晴れていたというのに、いきなり空が真っ暗になった。雷を伴うゲリラ豪雨がいきなり襲って来たのである。山の天気は変わりやすい。あまりにも昼食が楽しすぎて、空の様子の警戒を怠った自分に舌打ちをする。
「ちぃっ! アイリス、こいッ!」
「きゃあああああっ!」
ウッドデッキの上には、小さな屋根しかない。あっという間にずぶぬれになりながらも、さっと彼女を抱き上げて小屋の中に入った。
アイリスが実家から絶縁されたことで学園は一時期騒然となった。後ろ盾のなくなった彼女に、不埒なマネをしようとする男もいたが、それらは暴力を嫌う彼女の前に現れる前にひっそりと倒したが。
『めんどくさがりジョアンが、ペアだからって、なんだって人間の肩を持つんだ。くそ、覚えてろ!』
『俺のクロー一撃で尻餅をつくような、ハクチョウ獣人なんかお呼びじゃねぇよ。男女問わずをとっかえひっかえするようなやつは、大人しく水面に浮かんでろ』
こんな風に、数人撃退しただけで、アイリスを狙う男がいなくなった。
(まあ、俺だけじゃなくて、ゴーリンやエクセルシス、マニーデたちが目を光らせているからな。アイリスにちょっかいをかけるやつはもういないだろうが油断はできない。卒業まで、俺がしっかり守ってやるからな)
そうこうしているうちに、あっという間に交流遠足の日がやってきた。
交流遠足は、弁当持参が原則だ。アイリスが、俺のためだけに作る料理が楽しみすぎる。あいつの作るものは美味いし、もう毒を仕込まれる心配はないからな。
この日は、女子生徒が日ごろの感謝や告白のためにお弁当を渡すイベントでもある。俺は一度もお弁当を貰った事がない。ペアもマッキー(♂)だったし。マッキーが、エリマキトカゲのくせに、かわいい女の子にお弁当を貰って自慢していた事を思い出してイラっとする。
でも、そんなイライラも、早朝からユーカリの木の側にある窓の向こうの料理室で、楽しそうに俺の弁当を作る彼女の姿を見ると瞬く間に消えた。耳から聞こえる、彼女が作る包丁や水の音、そして、微かな鼻歌や衣擦れの音などに浸る。
料理が出来上がったのだろう。ぴりっとした味を想像させる香しいスパイスの香りが、鼻と胃袋を刺激する。甘そうなソースの香りも混じっていて、こんがり焼けた肉の臭いがそれを増幅させた。
「ジョアンさん、お待たせしました」
「集合時間ギリギリだぞ」
「え、もうそんな時間なんですか。料理に夢中になって気づかなかったんです。ごめんなさいっ!」
「ちっ。いいから、ほら」
俺は、アイリスを横抱きにして集合場所に向かう。彼女の足は、事故のせいで悪いらしいから、こうしたほうが良いにちがいない。
「ジョアンさん、わたくし自分で行けますから。それに、重いし」
「こっちのほうが速いだろ。ガリガリのお前なんか、獣化状態のハリーよりも軽い。しゃべっていると舌を噛むぞ」
我ながら、きつく言いすぎたかと思う。だが、アイリスは俺のそんな言葉を、いつもあまり気にしていないようだった。それどころか、こっちの気遣いに気づいてお礼まで言ってくれる。
「あー、来た来た。もう、ジョアン遅いわよ!」
「ジョアン、時間に間に合ったとはいえ、ぎりぎりは良くない。せめて、10分前には来ないと心配するだろう?」
集合場所まで行くと、すでに皆が集まっていた。ギリギリ駆けこんだ俺は、なぜかゴーリンやマニーデに叱られる。
「あの、わたくしの準備が遅かったから……ジョアンさんは悪くないんです」
「アイリス、こんなさぼりコアラなんかかばわなくていいのよ? 全く、優しすぎるのも問題ね」
解せぬ。
アイリスは真実を言ったのに、逆に俺がますます悪く言われた。冤罪だと不貞腐れたが、アイリスが楽しそうにしているからいいかと思える。
学園長の長い挨拶のあと、やっと遠足が始まった。
アイリスと一緒の俺は、皆よりも安全なコースを行くよう指示されていた。それは、DEFクラスの生徒も行くようななだらかな長距離のハイキングコースだ。
アイリスを抱き、他の生徒たちをぶっちぎって進む。ABCクラスの連中は、険しいが短距離コースだからこのくらい速く行かないと上位に食い込めない。
「すごい、すごい。速ーい」
アイリスにとって、俺のスピードは初めての体験だったようだ。速すぎたかと心配になったが、楽しそうに景色を見る余裕がある。俺の能力に尊敬の念を持ったようだ。いいところを見せようと更にスピードをあげ、あっという間に中間地点のキャンプベースにたどり着いた。
「あの、ジョアンさん。良かったらこれを……」
「ん? ああ、弁当か。サンキュ」
アイリスが朝に作っていた弁当を、初めて知るふりをして受け取った。料理室で、一から十まで知っているのに。開けると、考えていた以上に美味しそうだった。
「ミートパイじゃないか。美味そうだ」
「熱々なら、もっと美味しいとは思うんですけれども。ケチャップはここにあります」
「キャンプベースには、オーブンレンジがあるぞ」
「本当ですか? じゃあ、全部温めなおしますから、もう少し待っていただけますか?」
「ああ」
朝にもかいだ、かぐわしい香りが鼻腔をくすぐる。条件反射で涎が口いっぱいに貯まり、ぐうっと腹が鳴った。全て温めなおした料理がテーブルに並ぶ。
キャンプベースには、小さな小屋がある。ウッドデッキには4人掛けのテーブルセットが。庭には20人ほどがバーベキューできるほどの設備があるのだが、ウッドデッキで食べることにした。
「めちゃくちゃ美味いな! アイリス、お前、それだけでいいのか? ひと切れ分もないじゃないか」
「お口に合って良かったです。わたくしは、このほかにも果物やチコロールも頂きますから、残りはジョアンさんが食べてくださいね」
アイリスが用意したのは、一辺が30センチはある重箱だ。それが3段もある。俺にとっては腹八分目だが、アイリスがあまりにも食べなさすぎるから、ラムチョップを一切れ分けて食べさせた。
食べ終わり、重箱を片付ける。といっても、あとは洗うだけだ。作ってくれたのだから、俺が洗うと言ったのだが、ここまで運んでくれたから固辞された。
やることがなくて暇だ。眠りたいところだが、足が悪いアイリスが立って働いているのだ。食後のコーヒーの準備をすることにした。
小屋の棚にあるコーヒーミルで、持ってきた豆を挽く。少しずつ少しずつ、瓶の底に豆が貯まっていった。普段はこんなまどろっこしいことはしない。ガーっと3秒ほどで挽ける機械を使っている。
「ジョアンさん、コーヒーを淹れてくださったんですか。ありがとうございます」
「別に。こんなの大したことじゃねぇし」
実家でも、俺の淹れるコーヒーは好評だった。アイリスは、ブラックは苦手らしい。ミルクと砂糖をたっぷり入れたいようなので、ホットミルクを泡立ててカプチーノを作ってやった。
「わあ、かわいいハート柄ですね。ジョアンさん、すごいです」
泡の上に、比較的簡単にできる葉っぱの模様を描いた。少し大きかったからか、ハートに見えたようだ。勘違いを訂正する気になれず、コーヒーブレイクを楽しんだ。
あれほど晴れていたというのに、いきなり空が真っ暗になった。雷を伴うゲリラ豪雨がいきなり襲って来たのである。山の天気は変わりやすい。あまりにも昼食が楽しすぎて、空の様子の警戒を怠った自分に舌打ちをする。
「ちぃっ! アイリス、こいッ!」
「きゃあああああっ!」
ウッドデッキの上には、小さな屋根しかない。あっという間にずぶぬれになりながらも、さっと彼女を抱き上げて小屋の中に入った。
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