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毒を仕込まれたコアラ
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「あいつは俺の事をなんだと思っているんだ……」
ユーカリの木の上での昼寝は最高だ。この学園にあるこの木は素晴らしい。枝ぶりはまるで俺のために誂えたかのようなカーブを描いている。
人化状態でも、獣化状態でも、俺をすっぽり抱え込んでいるかのようなくぼみがあり、幹は人化状態で背をもたれても痛くない。
人化状態で、いつものように幹に背を預けて座りながら、手に持ったラップをじっと見る。これは薄い生地に素材をミルフィーユのように層を重ねて味付けをし、そしてくるくる巻くだけの誰でも作れる軽食だ。
生地自体は薄力粉と水、そしてオリーブオイルで練り焼いている。ほどよい焦げ目が食欲をそそった。食べやすいように斜めにカットされた切り口から覗く、ハムにチーズが中央に配置されトマトの鮮やかな赤と酸味がサイコロ状態に散りばめられているのが目にも美味しそうだ。
そして、みずみずしい新鮮な緑色が、その周囲にふんだんに覗いていた。
※※※※
俺は入学してからというもの、毎日のようにここに来ては惰眠を貪っていた。ここは、あまり人が来ない。特に授業中には誰にも邪魔をされないために、出席日数を最低限だけこなした後はここで過ごしている。
ところが、去年の4月に入学して来た女子生徒に、俺だけの聖域、サンクチュアリはがらがらと崩れ去る。すぐ下にあるベンチに、よりにもよってひ弱で計算高い卑劣な人間が来たのだ。
だが、幸いにもその人間は俺に気付く事がなかった。彼女が今年度入学した唯一の人間の女子生徒だと知ったのは数日後の交流遠足の時だ。
交流遠足は、普段はクラスが分かれている獣人たちのレクリエーションのようなイベントだ。
学力は関係なく、戦闘能力や身体能力だけでランキングされ、トップと最下位、二位とブービーといった具合に、強いものが弱いものと組んでいき、中央値の者同士が最終的にバランスを取るためにペアとなる。ふたりで協力しあい頂上を目指す、いうなれば単なる登山だ。
去年のトップはゴーリンだ。だから彼が最下位の人間の女の子と組むだろうと誰もが思った。だが、人間は身の程をわきまえていたようだ。ゴーリンは強すぎる。自分では足手纏いだし、ケガをするだろうと不参加になり、獣人たちは一様にほっとした。
ペアのいなくなったゴーリンは、生徒会長として目の届く範囲の生徒たちの世話を焼きつつ、女子たちに囲まれて交流遠足は無事に終了した。
俺は、Fクラスのマッキーと組まされ、あいつに獣化させて懐に入れると単身全力で登山をした。こんなめんどくさいイベントは早く終わらせて眠りたい。ただ一心にそれを思いながら、絶壁を一直線で登ると速いため、手だけを獣化させ、鋭く頑丈な爪を固い岩盤に突き立てて猛スピードで登って行く。
『ぎぃゃあああああ! ジョアン! 降ろしてぇえええぇええっ! ひぃええええぇっ! いやだああああ』
Aクラスの俺たちですら通常だと5時間はかかる頂上まで、最短記録2時間という歴史的記録をたたき出した。一位でたどり着いたあとは、そこに建てられている旅館で、一位に割り当てられた豪華な部屋で惰眠を貪っていたのである。
絶壁を登っている間、ぎゃーぎゃー降ろせ、とうるさく絶叫していたマッキーが旅館に着いてから何をしていたのかは知らないが、恐らくは遊んでいたのだろう。
それ以降、邪魔をしなければ人間がベンチにいる事を許した。といっても、接点はない。だが、俺のためのベストプレイスを浸食するのが、身の程知らずな人間の女であれば排除せねばらない。
ユーカリにもたれる夢現の中、ベンチにいる人間の女が時に笑う。本が好きなようで、よく読んでは笑い、時に涙ぐみ鼻をすすっていた。
ユーカリの木から、木漏れ日が彼女に降り注ぐと、白く柔らかそうな髪がキラキラ輝く。前髪やまつ毛が彼女の顔に影を作っていた。
時々、左手を光にかざして、とても幸せそうに頬を染めて微笑む表情は、とても可愛くて思わず見惚れてしまった。伸ばされた手はとても白くて、枯れ枝かなにかのようだ。ちょっと握ったらすぐに折れそうで心配になる。
スカートから覗く足もとても細い。歩くのはなんとか出来るようだ。恐らく、ジャンプすれば複雑骨折してしまうだろう。彼女が早足で校舎に戻ろうとする度にヒヤヒヤした。
最初はひとりぼっちだった彼女の元に、ウォンが現れるようになった。せっかく、俺がここにいて、彼女がベンチにいるというこの安らかな空間に邪魔が入ったと思い、胸が少しだけざわついた。
徐々に、ベンチに彼女が座る時間が少なくなっていく。やっと元通りの俺だけの聖域に戻るとホッとした。
※※※※
「……ラップに挟んだユーカリの葉の新芽を生で食えとか、あいつは人化状態の俺をユーカリ中毒させるか殺す気か……。やはり、あの時のあれか。焦っていて乱暴な口調になったから恨みを買ったに違いない……だが、それにしても、だ。ひ弱な人間が地面に転げて全身打撲の大けがをし、骨折する寸前を助けてやったというのに、恩をあだで返すとは……。帰省前に、お礼だとにこやかに渡してきつつ、こんな姑息な方法で毒を持って仕返ししようとするなど。ちっ、これだから人間は嫌いなんだよ……」
ユーカリの新芽だけなら獣化すれば食べられる。だが、これは獣化状態では決して口にできない食材もふんだんに使われているため、ラップをじっと見ながら、食べ物を粗末にできないしどうしたものかと考えあぐねていた。
「まあ、果物やお菓子は普通に食べれそうだな」
硬めに作られたアンザック・ビスケットは歯ごたえが良い。オーツ麦をベースに小麦粉、砂糖、バターなどで味を調えてあり甘過ぎずボリボリ食べると咽が渇きを覚えた。
ココナッツにはストローがさしてあり、それを飲むと冷えていたのでびっくりする。大きいココナツは冷蔵庫のスペースを占拠するため、常温で飲む事が多い。
「美味い……これはいいな。なるほど、こういった物で油断をさせておいて、ラップに仕込んだ生のユーカリを俺が気づかずに食べるのを画策していたとは……。流石、卑怯で卑劣な人間なだけはある」
ぷはっ
一気にココナッツジュースを飲みほしたあと、腹を撫でる。ラップは勿体ないので、ユーカリの新芽を取り除いて食べた。ユーカリの新芽は新鮮でとても美味しそうだ。しっかり洗えば獣化状態で食べられるだろう。
「はは、愚かな人間の策にひっかる俺ではない。ふん、明日の朝、元気な俺を見て暗殺に失敗したと知ったあいつがどういう反応をするか、楽しみだ」
俺は、これらを渡す時の人間の女の表情を思い出す。一生懸命、ケガから守ってくれた事を心から感謝していたように見えたが気のせいだろう。
そんな風に、ずっとアイリスの事を考えていつしか眠りについたようだ。甲高い声が聞こえ目を開けると、すでに夜になっていた。
「ジョアーン! ジョアン!」
「ちっ、ミストかよ。やっかいなのが来たな。なんだよ、今は休みだろ。しかも、夜中なんだから朝まで寝かせろよ」
やって来たのは、Aクラスの担任であるミストだ。オーストラリアンミストの猫獣人である。一本一本の毛まで色が変わる、美しい霧のような毛皮を持つ。外見は温和で愛らしく、スレンダーに見えて実は筋肉質なコケティッシュ美人(36♂)で、先生にとっては俺みたいなやっかいものでも放っておけないらしい。
毎年ぎりぎりの出席日数である俺は、ミストにこうやって追い立てられ、授業にきちんと出るように説教されるのが嫌で、地に降り立ち逃れようとした。
「いや、それどころじゃないんだ。頼みがある。アイリスって、君も知っているだろう? 彼女の事だ!」
「アイリスがなんだって?」
ミストが慌てて叫んだその名前が耳に入ると、ぴたっと足を止め、はあはあ肩で息をしている担任に対峙した。
ユーカリの木の上での昼寝は最高だ。この学園にあるこの木は素晴らしい。枝ぶりはまるで俺のために誂えたかのようなカーブを描いている。
人化状態でも、獣化状態でも、俺をすっぽり抱え込んでいるかのようなくぼみがあり、幹は人化状態で背をもたれても痛くない。
人化状態で、いつものように幹に背を預けて座りながら、手に持ったラップをじっと見る。これは薄い生地に素材をミルフィーユのように層を重ねて味付けをし、そしてくるくる巻くだけの誰でも作れる軽食だ。
生地自体は薄力粉と水、そしてオリーブオイルで練り焼いている。ほどよい焦げ目が食欲をそそった。食べやすいように斜めにカットされた切り口から覗く、ハムにチーズが中央に配置されトマトの鮮やかな赤と酸味がサイコロ状態に散りばめられているのが目にも美味しそうだ。
そして、みずみずしい新鮮な緑色が、その周囲にふんだんに覗いていた。
※※※※
俺は入学してからというもの、毎日のようにここに来ては惰眠を貪っていた。ここは、あまり人が来ない。特に授業中には誰にも邪魔をされないために、出席日数を最低限だけこなした後はここで過ごしている。
ところが、去年の4月に入学して来た女子生徒に、俺だけの聖域、サンクチュアリはがらがらと崩れ去る。すぐ下にあるベンチに、よりにもよってひ弱で計算高い卑劣な人間が来たのだ。
だが、幸いにもその人間は俺に気付く事がなかった。彼女が今年度入学した唯一の人間の女子生徒だと知ったのは数日後の交流遠足の時だ。
交流遠足は、普段はクラスが分かれている獣人たちのレクリエーションのようなイベントだ。
学力は関係なく、戦闘能力や身体能力だけでランキングされ、トップと最下位、二位とブービーといった具合に、強いものが弱いものと組んでいき、中央値の者同士が最終的にバランスを取るためにペアとなる。ふたりで協力しあい頂上を目指す、いうなれば単なる登山だ。
去年のトップはゴーリンだ。だから彼が最下位の人間の女の子と組むだろうと誰もが思った。だが、人間は身の程をわきまえていたようだ。ゴーリンは強すぎる。自分では足手纏いだし、ケガをするだろうと不参加になり、獣人たちは一様にほっとした。
ペアのいなくなったゴーリンは、生徒会長として目の届く範囲の生徒たちの世話を焼きつつ、女子たちに囲まれて交流遠足は無事に終了した。
俺は、Fクラスのマッキーと組まされ、あいつに獣化させて懐に入れると単身全力で登山をした。こんなめんどくさいイベントは早く終わらせて眠りたい。ただ一心にそれを思いながら、絶壁を一直線で登ると速いため、手だけを獣化させ、鋭く頑丈な爪を固い岩盤に突き立てて猛スピードで登って行く。
『ぎぃゃあああああ! ジョアン! 降ろしてぇえええぇええっ! ひぃええええぇっ! いやだああああ』
Aクラスの俺たちですら通常だと5時間はかかる頂上まで、最短記録2時間という歴史的記録をたたき出した。一位でたどり着いたあとは、そこに建てられている旅館で、一位に割り当てられた豪華な部屋で惰眠を貪っていたのである。
絶壁を登っている間、ぎゃーぎゃー降ろせ、とうるさく絶叫していたマッキーが旅館に着いてから何をしていたのかは知らないが、恐らくは遊んでいたのだろう。
それ以降、邪魔をしなければ人間がベンチにいる事を許した。といっても、接点はない。だが、俺のためのベストプレイスを浸食するのが、身の程知らずな人間の女であれば排除せねばらない。
ユーカリにもたれる夢現の中、ベンチにいる人間の女が時に笑う。本が好きなようで、よく読んでは笑い、時に涙ぐみ鼻をすすっていた。
ユーカリの木から、木漏れ日が彼女に降り注ぐと、白く柔らかそうな髪がキラキラ輝く。前髪やまつ毛が彼女の顔に影を作っていた。
時々、左手を光にかざして、とても幸せそうに頬を染めて微笑む表情は、とても可愛くて思わず見惚れてしまった。伸ばされた手はとても白くて、枯れ枝かなにかのようだ。ちょっと握ったらすぐに折れそうで心配になる。
スカートから覗く足もとても細い。歩くのはなんとか出来るようだ。恐らく、ジャンプすれば複雑骨折してしまうだろう。彼女が早足で校舎に戻ろうとする度にヒヤヒヤした。
最初はひとりぼっちだった彼女の元に、ウォンが現れるようになった。せっかく、俺がここにいて、彼女がベンチにいるというこの安らかな空間に邪魔が入ったと思い、胸が少しだけざわついた。
徐々に、ベンチに彼女が座る時間が少なくなっていく。やっと元通りの俺だけの聖域に戻るとホッとした。
※※※※
「……ラップに挟んだユーカリの葉の新芽を生で食えとか、あいつは人化状態の俺をユーカリ中毒させるか殺す気か……。やはり、あの時のあれか。焦っていて乱暴な口調になったから恨みを買ったに違いない……だが、それにしても、だ。ひ弱な人間が地面に転げて全身打撲の大けがをし、骨折する寸前を助けてやったというのに、恩をあだで返すとは……。帰省前に、お礼だとにこやかに渡してきつつ、こんな姑息な方法で毒を持って仕返ししようとするなど。ちっ、これだから人間は嫌いなんだよ……」
ユーカリの新芽だけなら獣化すれば食べられる。だが、これは獣化状態では決して口にできない食材もふんだんに使われているため、ラップをじっと見ながら、食べ物を粗末にできないしどうしたものかと考えあぐねていた。
「まあ、果物やお菓子は普通に食べれそうだな」
硬めに作られたアンザック・ビスケットは歯ごたえが良い。オーツ麦をベースに小麦粉、砂糖、バターなどで味を調えてあり甘過ぎずボリボリ食べると咽が渇きを覚えた。
ココナッツにはストローがさしてあり、それを飲むと冷えていたのでびっくりする。大きいココナツは冷蔵庫のスペースを占拠するため、常温で飲む事が多い。
「美味い……これはいいな。なるほど、こういった物で油断をさせておいて、ラップに仕込んだ生のユーカリを俺が気づかずに食べるのを画策していたとは……。流石、卑怯で卑劣な人間なだけはある」
ぷはっ
一気にココナッツジュースを飲みほしたあと、腹を撫でる。ラップは勿体ないので、ユーカリの新芽を取り除いて食べた。ユーカリの新芽は新鮮でとても美味しそうだ。しっかり洗えば獣化状態で食べられるだろう。
「はは、愚かな人間の策にひっかる俺ではない。ふん、明日の朝、元気な俺を見て暗殺に失敗したと知ったあいつがどういう反応をするか、楽しみだ」
俺は、これらを渡す時の人間の女の表情を思い出す。一生懸命、ケガから守ってくれた事を心から感謝していたように見えたが気のせいだろう。
そんな風に、ずっとアイリスの事を考えていつしか眠りについたようだ。甲高い声が聞こえ目を開けると、すでに夜になっていた。
「ジョアーン! ジョアン!」
「ちっ、ミストかよ。やっかいなのが来たな。なんだよ、今は休みだろ。しかも、夜中なんだから朝まで寝かせろよ」
やって来たのは、Aクラスの担任であるミストだ。オーストラリアンミストの猫獣人である。一本一本の毛まで色が変わる、美しい霧のような毛皮を持つ。外見は温和で愛らしく、スレンダーに見えて実は筋肉質なコケティッシュ美人(36♂)で、先生にとっては俺みたいなやっかいものでも放っておけないらしい。
毎年ぎりぎりの出席日数である俺は、ミストにこうやって追い立てられ、授業にきちんと出るように説教されるのが嫌で、地に降り立ち逃れようとした。
「いや、それどころじゃないんだ。頼みがある。アイリスって、君も知っているだろう? 彼女の事だ!」
「アイリスがなんだって?」
ミストが慌てて叫んだその名前が耳に入ると、ぴたっと足を止め、はあはあ肩で息をしている担任に対峙した。
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