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18 溢れる涙もそのままに
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「キチキチ」
「ケキョ、チャッチャ」
「チューピー」
「チーチーチー」
私たちの住む小さな家に、モズとウグイスとシジュウカラ、そしてシマエナガが訊ねて来た。私は嬉しくなり、小鳥の井戸端会議を楽しむ。
皆、あの地域から追い出されるように移動を余儀なくされた。といっても、賢者が、私たちが一生懸命開発した土地に勝るとも劣らない、平和で実り豊かな場所を提供してくれたのである。
私から離れた事で、かなり寂しそうにどんよりした雰囲気だったみたいだったけれど、この子たちを中心に、また笑顔と賑わいを取り戻しているようだ。
「サニー、そろそろ夕方になる。お客人たちは帰らないと夜目が効かないだろう?」
「チチッ!」
私たちがこうして集まるのは、ほぼ毎日だ。皆魔力が高いし、移動も転移できるから夜目など関係ない。
彼に、邪魔だから早く帰れと言われたようなものだと、皆が抗議しだす。部屋に鳥の鳴き声が響き、彼は苦笑いをしつつ、私をそっと手のひらに隠すように包んだ。
「サニーは、まだ疲れやすい。今からたっぷり休ませたいから、また明日来てくれ」
「ピピピ!」
シマエナガたちが、
『ヤキモチ焼きすぎるなんて余裕のない男だ。まだ帰りたくない! 邪魔するな、アッチ行け!』
と、抗議しながら羽ばたき、彼の頭をツンツン小突く。
本気で怒っているわけではないので、なんだか楽しそう。彼も、なんだかんだで、皆とこういう風に遊ぶのが嬉しいみたい。
彼はかわいくて小さなものが好きだから、シマエナガたちの攻撃は、小鳥の戯れ以外の何物でもない。
この場所に、皆で住む事も考えた。
けれど、こうして一時ならともかく、私の魔力を滅するグローリー・ソードを取り込み、人間と剣の融合体になった彼とは一緒に住めない。
ここでは、シエナマーガたちは愛しい人に魔力を奪い続けられているから、今だって人化すらできない始末。他の子たちは、ここに近寄るだけであっという間に弱り倒れてしまうだろう。
シエナマーガたちは、私と彼が表裏一体になった今、彼に私を託すしかないのは理解していて、最後に囀ると今の住処に帰っていった。
「サニー、すまない……」
私が寂しそうに、皆が去っていった空を見上げていると、家族と離れざるを得ない状況にさせた事を彼が謝罪する。
だけど、あの時、精一杯の事をしてくれたのだ。謝ってもらう理由もないし、頭をさげられたくない。
私と彼は、お互いを求めていて、決して離れたくないのだから。
なにより、今、こうしているための選択肢はあれしかなかったと思う。いつか、彼らとも一緒に過ごせる時が来るまでの間、ふたりっきりの時間を楽しめばいい。
私は、そんな思いを込めて彼に謝らないでと伝える。
「ぴーぴっ!」
「ああ、そうだな。いつか彼ら全員と過ごせるといいな。サニー、少しずつだが、俺の中の剣の強すぎる力が弱まってきているのを感じる。サニーも、少し魔力があがっている事に気づいているだろう?」
「ぴぴっ!」
グローリー・ソードと一体化した彼は、人間の理から逸脱して肉体の年を取らなくなった。恐らく、私と同じように長い時を生きる存在になったのだと思う。
人間のままだと、あと長くても70年ほどでお別れをしなくてはならなかったから、私にとって、これは嬉しい誤算だった。
彼は、そんな風に肉体を剣とのキメラのように改造のようにされた事に対して、違和感くらいで私と同じ時を過ごせると笑い、私と同じように嬉しくて幸せだって言ってくれた。
「俺には身よりがないし、後見人の騎士団長とも完全に縁が途切れたわけではないからな。多少、感慨深い気もするが、人間として年老いていずれサニーだけを残して逝かなくてすむのだろう? なら、俺はなんだっていい」
『もうすでに、世界の敵になっちまってるからなぁ』
と、笑い飛ばしてくれる彼は、私がその言葉でどれほど救われ、そして喜びで満たされるのか知らないだろう。
「それに、残された美しいサニーを他の男に取られる心配もなくなったし」
彼は、こんな風に独占欲丸出しの言葉で私の心を翻弄する。嬉しいし幸せで、もっと私を捕まえていて欲しいと思う。
ちょっと照れくさいけれど、私も彼を独占したいって伝えてみた。
「ぴぴ。ぴー」
因みに、私からの言葉は、彼はなんとなく察してくれているだけで、時々盛大に勘違いしている時がある。
「ん。そうかそうか。一緒に寝よう」
私の言葉を、一緒に眠りたいって思ったのか、すぐに手の平で私を寝かしつけようと撫でて来る。
暖かくて幸せで大好きな彼の、そんな手の平でうとうと目を閉じた。
そんな事をいったわけじゃなくて……ふわぁ……気持ちいい……だんだん眠くなってきた……
眠りたいわけじゃなかったけれど、あっという間に熟睡状態に入る。
この体は、食事や体力のストックがないのか、すぐに疲れるし、蜜をすすってもすぐにお腹がすくのだ。
眠っている間に、食事を摂らなければ衰弱してしまうので、睡眠時にはほとんどの体の機能が低下する。まるで冬眠中の動物のような状態になるため、目が覚めるまで深く深く夢の中に誘われるのだった。
翌朝、いつものようにぱちりと目を開ける。
すると、私を愛しくて堪らないとばかりに、甘い視線で見つめて来る彼が側にいるのだ。
「ぴぅ!」
「サニー、おはよう」
なんだか、お腹の奥がむずむずするような、くすぐったい感触でいっぱいになり体を震わせた。
「サニー、どうした? 気分が悪いのか?」
突然、羽毛をぶわっと膨らませ、体全体を小刻みに痙攣したかのようにプルプルしだした私を見て、彼がびっくりして焦り出す。
「ぴゅいー」
この感覚は、覚えがある。
転生した時にもあった。もぞもぞするような感覚を覚え、私はあの時のように願ってみた。
小さな、指先ほどの体が変化していくのがわかった。
やがて、体の奥の変な感じがなくなると、ようやく彼と同じ姿に慣れた事に心が弾む。目の前で、私の姿を目と口を丸くして見ていた彼に抱き着いた。
「ナイトさま……!」
「サニー……? 本当に、サニーなのか……?」
「ええ、サニーよ! ふふ、思ったより早くこの姿に戻れたわ。今まで、世界最弱の私を守ってくれてありがとう。ナイト様、大好きっ!」
私は、一糸まとわぬ姿で、呆然として状況についてこれない彼の逞しい首に腕を巻き付け、ぎゅうぎゅう抱き着いた。胸が彼の体に当たり、形を変えている。
私の体の震えが止まったのとは逆に、私を抱きしめてくれた彼の腕が震えている。ターコイズブルーの瞳が潤みだし、朝日の光が入り込んでキラキラ輝いていた。
「ナイト、様? ねぇ、泣かないで」
「は……? 泣いて……?」
彼は、涙を流している事に気付いていなかったようだ。
小鳥の時のように、彼の塩っからい涙を唇ですすり取った。
「ナイト様、大好き。愛してるわ」
「サニー、俺の方がもっと愛してる。俺は……、もしかしたら、このまま小鳥のサニーを、俺の中の剣の力が消滅させるかもしれないと考えてしまっていて……とても怖かった……」
「うん……。私もちょっと思ってた。だけど、なんとなくなんだけど、大丈夫なんじゃないかなって楽観視もしていたの」
「そうか……同じだな……。サニー、顔を良く見せてくれないか?」
私は、彼とぴっとりくっ付いていたかったので残念に思いながら、彼からよく見えるように離れた。
「サニーも、泣くな……」
「ふふ、おそろいね? ふふ……ふぅ……ううっ……ナイトさま、ナイトさまが大好きなの。また、こんな風にあなたと見つめ合って言葉を交わせる日がくるなんて……嬉しくて、どうにかなっちゃいそう。夢じゃないのよね?」
「ああ、夢なんかであるものか。サニー、愛している」
彼の大きな手が、私の頬を優しく挟み込む。
彼も私も、溢れる涙を止めようともせず、唇と気持ちを交わすのだった。
次回、21時R18回で完結となります。
「ケキョ、チャッチャ」
「チューピー」
「チーチーチー」
私たちの住む小さな家に、モズとウグイスとシジュウカラ、そしてシマエナガが訊ねて来た。私は嬉しくなり、小鳥の井戸端会議を楽しむ。
皆、あの地域から追い出されるように移動を余儀なくされた。といっても、賢者が、私たちが一生懸命開発した土地に勝るとも劣らない、平和で実り豊かな場所を提供してくれたのである。
私から離れた事で、かなり寂しそうにどんよりした雰囲気だったみたいだったけれど、この子たちを中心に、また笑顔と賑わいを取り戻しているようだ。
「サニー、そろそろ夕方になる。お客人たちは帰らないと夜目が効かないだろう?」
「チチッ!」
私たちがこうして集まるのは、ほぼ毎日だ。皆魔力が高いし、移動も転移できるから夜目など関係ない。
彼に、邪魔だから早く帰れと言われたようなものだと、皆が抗議しだす。部屋に鳥の鳴き声が響き、彼は苦笑いをしつつ、私をそっと手のひらに隠すように包んだ。
「サニーは、まだ疲れやすい。今からたっぷり休ませたいから、また明日来てくれ」
「ピピピ!」
シマエナガたちが、
『ヤキモチ焼きすぎるなんて余裕のない男だ。まだ帰りたくない! 邪魔するな、アッチ行け!』
と、抗議しながら羽ばたき、彼の頭をツンツン小突く。
本気で怒っているわけではないので、なんだか楽しそう。彼も、なんだかんだで、皆とこういう風に遊ぶのが嬉しいみたい。
彼はかわいくて小さなものが好きだから、シマエナガたちの攻撃は、小鳥の戯れ以外の何物でもない。
この場所に、皆で住む事も考えた。
けれど、こうして一時ならともかく、私の魔力を滅するグローリー・ソードを取り込み、人間と剣の融合体になった彼とは一緒に住めない。
ここでは、シエナマーガたちは愛しい人に魔力を奪い続けられているから、今だって人化すらできない始末。他の子たちは、ここに近寄るだけであっという間に弱り倒れてしまうだろう。
シエナマーガたちは、私と彼が表裏一体になった今、彼に私を託すしかないのは理解していて、最後に囀ると今の住処に帰っていった。
「サニー、すまない……」
私が寂しそうに、皆が去っていった空を見上げていると、家族と離れざるを得ない状況にさせた事を彼が謝罪する。
だけど、あの時、精一杯の事をしてくれたのだ。謝ってもらう理由もないし、頭をさげられたくない。
私と彼は、お互いを求めていて、決して離れたくないのだから。
なにより、今、こうしているための選択肢はあれしかなかったと思う。いつか、彼らとも一緒に過ごせる時が来るまでの間、ふたりっきりの時間を楽しめばいい。
私は、そんな思いを込めて彼に謝らないでと伝える。
「ぴーぴっ!」
「ああ、そうだな。いつか彼ら全員と過ごせるといいな。サニー、少しずつだが、俺の中の剣の強すぎる力が弱まってきているのを感じる。サニーも、少し魔力があがっている事に気づいているだろう?」
「ぴぴっ!」
グローリー・ソードと一体化した彼は、人間の理から逸脱して肉体の年を取らなくなった。恐らく、私と同じように長い時を生きる存在になったのだと思う。
人間のままだと、あと長くても70年ほどでお別れをしなくてはならなかったから、私にとって、これは嬉しい誤算だった。
彼は、そんな風に肉体を剣とのキメラのように改造のようにされた事に対して、違和感くらいで私と同じ時を過ごせると笑い、私と同じように嬉しくて幸せだって言ってくれた。
「俺には身よりがないし、後見人の騎士団長とも完全に縁が途切れたわけではないからな。多少、感慨深い気もするが、人間として年老いていずれサニーだけを残して逝かなくてすむのだろう? なら、俺はなんだっていい」
『もうすでに、世界の敵になっちまってるからなぁ』
と、笑い飛ばしてくれる彼は、私がその言葉でどれほど救われ、そして喜びで満たされるのか知らないだろう。
「それに、残された美しいサニーを他の男に取られる心配もなくなったし」
彼は、こんな風に独占欲丸出しの言葉で私の心を翻弄する。嬉しいし幸せで、もっと私を捕まえていて欲しいと思う。
ちょっと照れくさいけれど、私も彼を独占したいって伝えてみた。
「ぴぴ。ぴー」
因みに、私からの言葉は、彼はなんとなく察してくれているだけで、時々盛大に勘違いしている時がある。
「ん。そうかそうか。一緒に寝よう」
私の言葉を、一緒に眠りたいって思ったのか、すぐに手の平で私を寝かしつけようと撫でて来る。
暖かくて幸せで大好きな彼の、そんな手の平でうとうと目を閉じた。
そんな事をいったわけじゃなくて……ふわぁ……気持ちいい……だんだん眠くなってきた……
眠りたいわけじゃなかったけれど、あっという間に熟睡状態に入る。
この体は、食事や体力のストックがないのか、すぐに疲れるし、蜜をすすってもすぐにお腹がすくのだ。
眠っている間に、食事を摂らなければ衰弱してしまうので、睡眠時にはほとんどの体の機能が低下する。まるで冬眠中の動物のような状態になるため、目が覚めるまで深く深く夢の中に誘われるのだった。
翌朝、いつものようにぱちりと目を開ける。
すると、私を愛しくて堪らないとばかりに、甘い視線で見つめて来る彼が側にいるのだ。
「ぴぅ!」
「サニー、おはよう」
なんだか、お腹の奥がむずむずするような、くすぐったい感触でいっぱいになり体を震わせた。
「サニー、どうした? 気分が悪いのか?」
突然、羽毛をぶわっと膨らませ、体全体を小刻みに痙攣したかのようにプルプルしだした私を見て、彼がびっくりして焦り出す。
「ぴゅいー」
この感覚は、覚えがある。
転生した時にもあった。もぞもぞするような感覚を覚え、私はあの時のように願ってみた。
小さな、指先ほどの体が変化していくのがわかった。
やがて、体の奥の変な感じがなくなると、ようやく彼と同じ姿に慣れた事に心が弾む。目の前で、私の姿を目と口を丸くして見ていた彼に抱き着いた。
「ナイトさま……!」
「サニー……? 本当に、サニーなのか……?」
「ええ、サニーよ! ふふ、思ったより早くこの姿に戻れたわ。今まで、世界最弱の私を守ってくれてありがとう。ナイト様、大好きっ!」
私は、一糸まとわぬ姿で、呆然として状況についてこれない彼の逞しい首に腕を巻き付け、ぎゅうぎゅう抱き着いた。胸が彼の体に当たり、形を変えている。
私の体の震えが止まったのとは逆に、私を抱きしめてくれた彼の腕が震えている。ターコイズブルーの瞳が潤みだし、朝日の光が入り込んでキラキラ輝いていた。
「ナイト、様? ねぇ、泣かないで」
「は……? 泣いて……?」
彼は、涙を流している事に気付いていなかったようだ。
小鳥の時のように、彼の塩っからい涙を唇ですすり取った。
「ナイト様、大好き。愛してるわ」
「サニー、俺の方がもっと愛してる。俺は……、もしかしたら、このまま小鳥のサニーを、俺の中の剣の力が消滅させるかもしれないと考えてしまっていて……とても怖かった……」
「うん……。私もちょっと思ってた。だけど、なんとなくなんだけど、大丈夫なんじゃないかなって楽観視もしていたの」
「そうか……同じだな……。サニー、顔を良く見せてくれないか?」
私は、彼とぴっとりくっ付いていたかったので残念に思いながら、彼からよく見えるように離れた。
「サニーも、泣くな……」
「ふふ、おそろいね? ふふ……ふぅ……ううっ……ナイトさま、ナイトさまが大好きなの。また、こんな風にあなたと見つめ合って言葉を交わせる日がくるなんて……嬉しくて、どうにかなっちゃいそう。夢じゃないのよね?」
「ああ、夢なんかであるものか。サニー、愛している」
彼の大きな手が、私の頬を優しく挟み込む。
彼も私も、溢れる涙を止めようともせず、唇と気持ちを交わすのだった。
次回、21時R18回で完結となります。
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