【完結・R18】騎士様、はじめまして。もうすぐ消えてしまうので、最後の思い出に私(魔王)とデートしてくれませんか?

にじくす まさしよ

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12 恋バナは、乙女たちの栄養分 R18

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 近くの村に、彼と一緒にやってきた。他の騎士たちも一緒に。

「彼女は連れの者とはぐれた気の毒な方だ。ここに来た理由はともかくとして、せめて連れの者と再会するまでは保護しようと思う。責任は俺が持つ」

「ナイトがそう言うなら……まあ、見たところ怪しい人物には見えないし……」

 最初、身元を明かせない私を、訝し気に疑う騎士もいた。けれど、なんというか、儚げな美女の外見をしている私が、どう見ても上等の服を身にまとい美しい肌艶などをしているため、そこそこしっかりした身分があるのだろうと考えてくれたようだ。

 悪い事はしないし、信用してもらって嬉しいけれど、もうちょっと疑い深くていいと思う。だって私が魔王その人なのだから。

 私たちの様子から、すでにただならぬ関係だと察したみたいだ。温かい目で見られてしまい、嬉しいような居心地が悪いようなくすぐったい気持ちになった。
 彼の方はというと、そんな視線をものともせず、どことなく自慢気な嬉しいような雰囲気が漂っているくらいで、テキパキと指示を出していた。

 彼の乗る黒馬は、他の騎士たちよりも一回り以上も大きかった。その馬に、彼が私と乗ろうとした時、馬が嫌がるかと心配した。私の身の内にある魔力になんとなく気づいていそうだけれど、快く乗せてくれた。

「こいつは、ブルトーンという俺の相棒だ。見ての通りがっしりしているから、大柄の俺を乗せてもびくともしないパワーを持っている。それに、俺の言う事はなんでも従ってくれる賢い馬なんだ。暴れたりはしないだろうが、しっかり俺に持たれていて欲しい」

「はい。ブルトーン、私を乗せてくれてありがとう」

 物凄い威圧感があるブルトーンは、私がお礼を言うと、どういたしましてと返事をするように耳をピンとたててこちらを向いてくれた。嬉しくなって首をさすると、気持ちが良さそうな仕草をしてくれて、彼が笑いながらブルトーンに「やけるな」なんて言うから楽しくて笑ってしまった。

「ナイト、お前いつのまにこんな綺麗で可愛らしい人と? 今まで恋人なんて出来ていなかったのに、良かったなー」

 騎士たちも、楽しそうに彼を茶化して来る。道中、散々冷やかされながら、ほのぼのした雰囲気で村にたどり着き、残りのメンバーに紹介され皆から祝福された。待機中の聖女の侍女たちも興味津々で、気さくに話かけてきてくれて、あっという間に夕方になった。

 明日は、彼は緊急の用事以外は休みになるらしい。

「ね、サニーさん。ナイト様のどこに惹かれたの? ほら、彼って一見怖い見た目で不愛想だし真面目過ぎるでしょう? ソードマスターの称号を持ってるけど、モテた事なんてないのに……あ、ごめんなさい。好きな人の事をこんな風に言っちゃって……」

「私が一方的に彼を知っていて、お慕いしていたんです。数か月前に、家業の関係で立ち寄った街でお見掛けして。その、子供が破落戸に襲われているのを颯爽と助けられていて……。それから素敵な人だなって思ってて……優しいし、それに、この任務の事を誇りに思ってらして真剣にされている事がわかって……それ以来、なんです。まさか、昨日までお会いする事なんてないってこの気持ちを仕舞っておいたんですけれど……」

「きゃあ、それって運命の再会ってこと? おうちの方は平民の彼との仲を許してくれるの?」

「運命だなんて……ふふ。もしもそうなら嬉しいです。……家族は、私の想いをずっと知っていたから、歓迎してくれると思います」

「わあ……サニーさんのような綺麗な人に片想いされて、会ってすぐに燃えるような恋に発展するなんて……素敵ぃ……」

「私もサニーさんとナイト様を応援します!」

「私も! あのね、騎士だから普通の平民よりもお給金はいいはずよ。それに、今回の旅で特別手当が出ているって私の彼も言っていたし。だから安心して王都に来てね」

「結婚式に招待して欲しいわ! 私も、帰ったら一緒に旅をしている騎士の彼と結婚するの。是非来てちょうだいね」

 多少、フェイクを入れたが全くの嘘ではない。勇者たちと旅を始めた頃に、彼はいたるところで偶然居合わせた困っている人々を助けて来た。

 今は村の見回りをしている彼を待っている間に、私が囲まれて根掘り葉掘り聞かれている。彼への想いは本当だし、こんな風に恋バナが出来て嬉しいから、彼女たちの騎士たちとの話を聞きながらお茶を飲んで過ごした。

 小さな村だけど、他の騎士たちも侍女たちとデートをしたりするスポットはあるようで、その場所を教えてもらっていると、見回りを終えた彼が戻って来た。
 騎士たちの統括をしなくてはいけないので、私の元にやって来てくれたのは寝る前だった。

「サニー、起きているか?」

「ナイトさまっ!」

 私用に準備された部屋の扉がノックされ、彼の声が聞こえた瞬間、彼の帰りを待ちわびていた私は立ち上がり小走りに扉に向かう。

 ちょうど開け放たれた扉付近にたどり着くと同時に、お風呂で身綺麗にした私服姿の彼に飛びついた。

「サニー、放っておいてすまない。大丈夫だったか?」

「ナイト様がいないから寂しかったけれど、皆さんとても親切にしてくれて。色々教えてくれたの」

「そうか、良かった」

 ナイト様に抱き着いていると、ちゅっとキスを落され、そのまま横抱きに体勢を変えられる。そして、すたすたベッドに向かい、そっと降ろされた。赤らんだ目元、思わせぶりな体を撫でる手の動きで、彼が何を望んでいるのかを伝えて来る。

「ナイト様……好き」

「サニー、離れていた時間、俺も寂しかった。ずっと、早くこうして抱きしめたかった」

「嬉しい、ナイトさま」

 大きな体が、寝そべった私に圧し掛かって来る。自重を支えながら覆いかぶさってくれるから苦しさなんて微塵もない。

 唇を激しく貪られる。どちらの物かわからない唾液でお互いの口周りが汚れるけれど、お構いなしに舌を絡め合った。
 夜明け前の時よりも落ち着いたなんて様子はない。性急に私の体に手を這わされた。侍女のひとりから渡された寝間着のリボンがほどかれ、胸があらわになる。

 そこそこ大きいはずなのに、彼の手の平にすっぽり包まれたそこを揉みしだかれ、意図しない声が漏れた。ピクンピクンと、体が小刻みに小さく揺れ身を捩ると、わざとその部分を執拗にいじられた。
 テントと違い、隣には人がいる。口を手で押さえて、声が漏れないようにした。

「あ、ナイトさま、んんっ……んふぅ……んっ」

「ああ、サニー。夜もだが、今もこの部屋には結界を張っている。声が周囲に聞こえる事などないから、美しく乱れる声も聞かせてくれ」

「え? あ、ああんっ!」

 彼が、私の口元を覆った手をそっと外す。胸の尖りをちゅっと吸われて声が上がった。

「ああ、もうこんなに赤く腫れて……」

 赤く尖り切った先端を、縦横無尽に転がされる。呼吸すらまともに出来なくて、嬌声の合間に短く息を吸った。膝で足の間を割られ、そこを思わせぶりに軽くぐりぐり抑えて来る。下着の一枚すらはぎ取られ、あちこちを同時に責められた。

 快楽と、彼自身に酔いしれて頭がぼうっとする。いつもの不快な魔力の高ぶりではない、心地よい体の疼きと熱が私の中を好き放題に駆け巡る。

「サニー、今日はその……すまなかった。痛むだろう?」

 彼が足を広げた時、あれからまだ一日程度しか経過していない事を思い出したのか、彼の動きが止まった。ひょっとしたら、愛液と一緒に血が出ていたのかもしれない。

「ナイト様、大丈夫だから来て……」

「だが……」

「ナイト様が欲しいの。だから、お願い……」

「サニー……!」

 そっと、彼の高ぶりに指を当てた。先端を、私の蜜壺に当たるように角度を変えて、腰を押し付ける。私のそんな言葉と行動に、彼の、わずかに残っていた理性が吹き飛んだようだ。

ずんっ!

 いきなり奥まで挿入された。破瓜したばかりとはいえ、さんざん指で解されたそこは、すでに彼の形を覚え始めているのか、痛みなく受け入れる事ができた。

「ああっ……! ん……! ん~~」

 大きな熱杭を打ち付けられ、物凄い圧迫感で体が大きくのけ反る。息が詰まり、助けて欲しいと彼にしがみ付いた。

 ゆっくり私の体が揺れ始め、やがて肌を思い切り打ちつける音が響く。彼の動きに合わせて胸が揺れた。

 昨日は、挿入では感じなかったぞわぞわした何かが、彼が膣壁を弄ぶように角度を変えられた時に生まれた。

「ああっ! !」

 一際大きな声が上がる。すると、執拗にその場所を責め立てられた。脳裏に響くほどの強い感覚が襲いかかり、自分でもわかるくらい、中がきゅーって締まり強く彼のを握りしめる。

「サニー、そんなに締めたら……!」

「ああん、だって、あ、あっ! だって、勝手に、なっちゃう、ん……!」

「ん……はぁ、サニー、もう出そうだ……」

「ああ、うれし……。奥に、ちょうだい……あ、ああ!」

「う……ああ、ダメだ、もう出るっ!」

 ぐいっと腰を押し付けられた。子宮の入り口付近を彼のが抉るように押し上げる。脈打つかのように、一際大きく膨れあがった彼の荒れ狂った象徴が、白く濁った水を叩きつけたのがわかるほど勢いよく放たれた。

 びく、びくと、彼が震える度に腰を奥に押し付けられ、奥の奥に熱を送り込んでくるかのような動きにきゅんっと胸が高鳴った。

「ん……あ、あん……はぁ、ん……」

 余韻を楽しむかのように、吐き出し終えた後も私の中に居座ったままのそこは硬いままだ。

「サニー、すまない。俺だけ、また……」

「ナイト様、気持ち良かった?」

「ああ。とんでもなく」

「ふふ、嬉しい」

「次は、サニーが気持ちよくなってくれ……」

 ほわほわした幸せ気分を味わっていると、そのまま彼の腰が動き始めた。

「え? え? ないとさま? え?」

 そんな風に戸惑っているのも束の間で。あっという間にさっきまでの快楽の高みに引っ張り上げられ、揺さぶられる。同時に果てる事はなかったけれど、私が中でイくまで彼に翻弄され続けたのだった。
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