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3 異世界からこんにちは! ※ヒロインの悲しい前世の出来事があります。
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「魔王様~剣の名前変えようよ~グローリー・ソードなんてダサすぎるでしょ! だいたい、あの時だって……」
セレブレーション・ソードを振り下ろされたズモは、苦しかったわけではない。名前のセンスで腹を抱えて爆笑したいのを必死に堪えて震えていたらしい。
素晴らしいネーミングなのに、私のつけるものは全て不評だ。なぜだ。セレブレーションやグローリーじゃなければ、コングラチュレーションのほうがいいのか? それとも、フラグゲッチュソード?
「だって、エックスカリバールンや蒼炎のメタルドラゴンソードとかってありきたりじゃない……」
「魔王ちゃん、次に剣とかを作る時にはアタシたちにつけさせてよ。なんなのよ、ヤキナスビ・ソードって」
「私が勇者パーティとやり合った時はハッピーハート・ソードでしたね……」
「うーん。もうあれで作る気はないんだけど。グローリー、あれが最終だよ? それに、直火の焼きナスビは美味しいじゃないのよ。最高だわってグイスゥがあの時言ったから作ったのに。シカジュラウだって、あの剣の持ち手の所のハート型のピンクの宝石を植え込んだ美しい剣を素晴らしいって絶賛していたでしょう?」
「剣にそれをつけるセンスよ! 柄がナスビの形をしてたんだから、勇者も持ちにくそうだったわよ?」
「私が絶賛したのは大粒のピンクダイヤの宝石であって、剣の銘ではありません。同じセンスだと思われたらどうするんです」
「……むぅ」
私は3人から言いたい放題されて、さすがにむくれた。すると、シャワーを終えたシエナマーガが頭をタオルで拭きながら戻って来る。
「どうしたんだ? 魔王、ほっぺたをぷくっとしても可愛くねーぞ? まあなんだ、魔王のつける剣の名前は、俺は素敵だとおも……うぶふぅ……! はははは!」
「あー、シエナマーガまで……うう、もういいもん。そんなことより、ちょっと頭がびちょびちょじゃない」
私は爆笑しているシエナマーガを呼び寄せてソファに座らせると、彼の頭をタオルドライし始めた。
「拭き方がいつもより乱暴なような気がするぞ?」
「気のせいじゃない? ふふ」
シエナマーガはズボラなおっさんだ。放っておけば、タオルドライすらしない。頭をぷるぷる振ってそれで終わりなのだ。口を酸っぱくしてようやくタオルで拭くようになったけれど、肩まで濡れてしまっている始末。
「あー、シエナマーガだけずるぅい!」
「ほんとよね。アタシたちはきちんとしているのに。独占禁止よ!」
「ちょっと私もお風呂に入ってきていいですか?」
「ほらほら、喧嘩しないの。順番にブラッシングしてあげるから。シカジュラウも、わざわざ濡らしてこなくていいから」
目を細めながら気持ち良さそうに白くて細い銀糸のような髪を拭かれているシエナマーガの髪が乾く。すると、ジャンケンで順番を決めたらしい一番手のグイスゥが頭を差し出してきた。
ツインテールを一旦ほどいて優しくブラッシングすると、彼女はうれしそうに歌を口ずさむ。明るく幸せな音色のその旋律はとても優しくて美しい。
うっとり聞きほれながら彼女の髪を梳る。絡みやすい黄色が強いウグイス色の髪が艶をだして私の指の間をするするすり抜けて気持ちが良い。
「そばに、いてね。ずっと、いっしょよ、やくそくね」
そんな歌詞が心に染みわたる。数千年ずっと一緒だった。出会った頃にはなかったこの歌を彼女が作り、こうして歌うようになったのは勇者が現れてから毎日ずっと繰り返されている。
「ここにいるわ。よりそって、ずっと、あなたたちのそばに」
私が彼女にこう歌で返すと、足をばたつかせてとても嬉しそうにさらに高らかに歌う。ほかの3人をふと見ると、向いのソファに座りながら私たちの歌を聞いていた。
この歌のように、ずっと、本当にこんな日々が続くといいのに……
私がこの世界に転生した時、この国は廃れ行く一歩手前だった。他の国には王がいて、それぞれの種族を束ねてそこそこ幸せそうに暮らしているというのに。
荒廃しきった大地、実りの少ない森。風は冷たく吹き荒れていて、まさに魔王の統べる国といった様子だった。
※※※※
『え? どういうこと……?』
『すまない……。俺、こいつと、産まれる子供と生きていきたいんだ……』
『ごめんなさい……。私、やっぱりチトセ君の事……。ずっと幼馴染だって思っていたの。本当よ。だけど、気づいてしまったの。そうしたら、もう自分の気持ちに嘘はつけなかった……』
『セイラ、いいんだ。俺が悪い。俺もお前のその気持ちを聞いて、無意識に蓋をしていたお前への気持ちに気付いたんだ』
私は、目の前で婚約者の男と、その隣で申し訳なさそうでいてドヤ顔で私を侮辱しているかのように見ている彼の幼馴染の女性を見ていた。
頭が追い付かなかった。やたらと、幼馴染というには距離が近すぎる彼らの仲に対して不愉快な思いをして来た。特に、彼女は彼とデートではないらしいテーマパークに行ったり映画鑑賞をしたり、ふたりきりでどちらかのアパートに泊まったりしているのを、生ライブとして私にわざわざ連絡してきた。
『ごめんね? 今日は終電がないからチトセ君の家に泊めさせてもらうから♡』
『終電がなくなったから、セイラを泊めるから』
『タクシーを呼んだら?』
『お前な、なんて冷たいんだ。やましい関係ならこんな風に伝えないだろ?』
『そうだよ、私たちはただの幼馴染なんだし。変に勘繰られて悲しい』
そんなやりとりなんてしょっちゅうだった。イラっとしたし、モヤっとした。それのどこが幼馴染だと心で悪態もついた。だけど、別れを切り出しても別れてくれなかった。彼女にも婚約者がいたし、ふたりとも男女の感情は無いって言っていたのを信じてようとしていたのに。
私に謝罪をしつつ、私の存在などそっちのけで見つめ合い手を握り合ってふたりの世界に浸っている。
『いつから……、いつから、私を騙していたの……?』
『騙すなんて、そんな……!』
『おい、いくらなんでも言い過ぎだ。お前のそんな所が嫌だったんだ。こいつを傷つけるのなら容赦はしない』
私が聞いたのはセイラに対してではない。恰好つけて彼女の王子様よろしくかばっている元婚約者に対してだ。
そもそも、彼女の事がなくても彼の家の人たちはセイラと私を散々比べて彼女がいいと言っていたし、彼自身も勘違い俺様な部分があり、結婚に対して嫌気がさしていたのはこちらも同じだった。
彼への愛情はとっくにすり減っていて、惰性と情けと後に引けないからという理由でずるずる続いていたようなものだ。
『……いいわ、受け入れます』
『そ、そうか!』
『ありがとう』
喜び、私に満面の笑顔を向けるふたりに、私はこう言った。
『婚約期間中の、あなたたちふたりの浮気による破綻なので、あとは弁護士を通して話し合いをしましょう』
弁護士の単語が出るや否や、ふたりは豆鉄砲をくらったハトのように驚愕し、私に対して罵詈雑言を言って来た。
『すべて録音させていただいていますから』
『なんだよ、お前。俺の事愛してるのなら、笑って幸せを願えよっ!』
『やなこった。さっき言われた通り、私は性格ブスで、これっぽっちも良い所がない女なんでね。貰うもん貰うから』
『あんたね! 子供が産まれるのにお金とるとか非常識よ! ……そのレコーダー返しなさいよ! このブスッ!』
『そう言われて誰が渡すのよ。さらに侮辱罪追加、ありがとう』
私はふたりにそう言うと立ちあがり店を出た。すると、外は雨が降っていて、カバンから折りたたみ傘を出そうとした。
どんっ!
その時、背中を押されて体が前に傾く。夜間の土砂降りだ。信号のない横断歩道に体が投げ出された私は、走って来た車のヘッドライトに照らされる。
キ──ッ!
『なんで、私、そんなつもりじゃ……! ただ、あの女が……うそ、うそよ、うそおおお!』
『うわあああ』
『事故だ!』
『きゃああ、きゅ、救急車を……!』
『お、俺見たんだ、あの女の人が背中を押して……』
体中に、氷のような雨が突き刺さるかのようだ。とても冷たい。寒い……。
うるさい音と声が徐々に消えていき、全身の痛みがなくなっていったのであった。
※※※※
いきなり来てしまった異世界。こんな場所に放り出され、このまますぐに消えてしまうんじゃないかと思うほど、私は不安になった。
なぜか、転生したんだなって理解した。いつ、どうやって、なんのためになんてわからなかった。だけど、ぱっと光る花火が咲くように、いきなり自分は魔王で、いつか勇者に討伐されるRPGの世界に来たのだとわかったのだ。
セレブレーション・ソードを振り下ろされたズモは、苦しかったわけではない。名前のセンスで腹を抱えて爆笑したいのを必死に堪えて震えていたらしい。
素晴らしいネーミングなのに、私のつけるものは全て不評だ。なぜだ。セレブレーションやグローリーじゃなければ、コングラチュレーションのほうがいいのか? それとも、フラグゲッチュソード?
「だって、エックスカリバールンや蒼炎のメタルドラゴンソードとかってありきたりじゃない……」
「魔王ちゃん、次に剣とかを作る時にはアタシたちにつけさせてよ。なんなのよ、ヤキナスビ・ソードって」
「私が勇者パーティとやり合った時はハッピーハート・ソードでしたね……」
「うーん。もうあれで作る気はないんだけど。グローリー、あれが最終だよ? それに、直火の焼きナスビは美味しいじゃないのよ。最高だわってグイスゥがあの時言ったから作ったのに。シカジュラウだって、あの剣の持ち手の所のハート型のピンクの宝石を植え込んだ美しい剣を素晴らしいって絶賛していたでしょう?」
「剣にそれをつけるセンスよ! 柄がナスビの形をしてたんだから、勇者も持ちにくそうだったわよ?」
「私が絶賛したのは大粒のピンクダイヤの宝石であって、剣の銘ではありません。同じセンスだと思われたらどうするんです」
「……むぅ」
私は3人から言いたい放題されて、さすがにむくれた。すると、シャワーを終えたシエナマーガが頭をタオルで拭きながら戻って来る。
「どうしたんだ? 魔王、ほっぺたをぷくっとしても可愛くねーぞ? まあなんだ、魔王のつける剣の名前は、俺は素敵だとおも……うぶふぅ……! はははは!」
「あー、シエナマーガまで……うう、もういいもん。そんなことより、ちょっと頭がびちょびちょじゃない」
私は爆笑しているシエナマーガを呼び寄せてソファに座らせると、彼の頭をタオルドライし始めた。
「拭き方がいつもより乱暴なような気がするぞ?」
「気のせいじゃない? ふふ」
シエナマーガはズボラなおっさんだ。放っておけば、タオルドライすらしない。頭をぷるぷる振ってそれで終わりなのだ。口を酸っぱくしてようやくタオルで拭くようになったけれど、肩まで濡れてしまっている始末。
「あー、シエナマーガだけずるぅい!」
「ほんとよね。アタシたちはきちんとしているのに。独占禁止よ!」
「ちょっと私もお風呂に入ってきていいですか?」
「ほらほら、喧嘩しないの。順番にブラッシングしてあげるから。シカジュラウも、わざわざ濡らしてこなくていいから」
目を細めながら気持ち良さそうに白くて細い銀糸のような髪を拭かれているシエナマーガの髪が乾く。すると、ジャンケンで順番を決めたらしい一番手のグイスゥが頭を差し出してきた。
ツインテールを一旦ほどいて優しくブラッシングすると、彼女はうれしそうに歌を口ずさむ。明るく幸せな音色のその旋律はとても優しくて美しい。
うっとり聞きほれながら彼女の髪を梳る。絡みやすい黄色が強いウグイス色の髪が艶をだして私の指の間をするするすり抜けて気持ちが良い。
「そばに、いてね。ずっと、いっしょよ、やくそくね」
そんな歌詞が心に染みわたる。数千年ずっと一緒だった。出会った頃にはなかったこの歌を彼女が作り、こうして歌うようになったのは勇者が現れてから毎日ずっと繰り返されている。
「ここにいるわ。よりそって、ずっと、あなたたちのそばに」
私が彼女にこう歌で返すと、足をばたつかせてとても嬉しそうにさらに高らかに歌う。ほかの3人をふと見ると、向いのソファに座りながら私たちの歌を聞いていた。
この歌のように、ずっと、本当にこんな日々が続くといいのに……
私がこの世界に転生した時、この国は廃れ行く一歩手前だった。他の国には王がいて、それぞれの種族を束ねてそこそこ幸せそうに暮らしているというのに。
荒廃しきった大地、実りの少ない森。風は冷たく吹き荒れていて、まさに魔王の統べる国といった様子だった。
※※※※
『え? どういうこと……?』
『すまない……。俺、こいつと、産まれる子供と生きていきたいんだ……』
『ごめんなさい……。私、やっぱりチトセ君の事……。ずっと幼馴染だって思っていたの。本当よ。だけど、気づいてしまったの。そうしたら、もう自分の気持ちに嘘はつけなかった……』
『セイラ、いいんだ。俺が悪い。俺もお前のその気持ちを聞いて、無意識に蓋をしていたお前への気持ちに気付いたんだ』
私は、目の前で婚約者の男と、その隣で申し訳なさそうでいてドヤ顔で私を侮辱しているかのように見ている彼の幼馴染の女性を見ていた。
頭が追い付かなかった。やたらと、幼馴染というには距離が近すぎる彼らの仲に対して不愉快な思いをして来た。特に、彼女は彼とデートではないらしいテーマパークに行ったり映画鑑賞をしたり、ふたりきりでどちらかのアパートに泊まったりしているのを、生ライブとして私にわざわざ連絡してきた。
『ごめんね? 今日は終電がないからチトセ君の家に泊めさせてもらうから♡』
『終電がなくなったから、セイラを泊めるから』
『タクシーを呼んだら?』
『お前な、なんて冷たいんだ。やましい関係ならこんな風に伝えないだろ?』
『そうだよ、私たちはただの幼馴染なんだし。変に勘繰られて悲しい』
そんなやりとりなんてしょっちゅうだった。イラっとしたし、モヤっとした。それのどこが幼馴染だと心で悪態もついた。だけど、別れを切り出しても別れてくれなかった。彼女にも婚約者がいたし、ふたりとも男女の感情は無いって言っていたのを信じてようとしていたのに。
私に謝罪をしつつ、私の存在などそっちのけで見つめ合い手を握り合ってふたりの世界に浸っている。
『いつから……、いつから、私を騙していたの……?』
『騙すなんて、そんな……!』
『おい、いくらなんでも言い過ぎだ。お前のそんな所が嫌だったんだ。こいつを傷つけるのなら容赦はしない』
私が聞いたのはセイラに対してではない。恰好つけて彼女の王子様よろしくかばっている元婚約者に対してだ。
そもそも、彼女の事がなくても彼の家の人たちはセイラと私を散々比べて彼女がいいと言っていたし、彼自身も勘違い俺様な部分があり、結婚に対して嫌気がさしていたのはこちらも同じだった。
彼への愛情はとっくにすり減っていて、惰性と情けと後に引けないからという理由でずるずる続いていたようなものだ。
『……いいわ、受け入れます』
『そ、そうか!』
『ありがとう』
喜び、私に満面の笑顔を向けるふたりに、私はこう言った。
『婚約期間中の、あなたたちふたりの浮気による破綻なので、あとは弁護士を通して話し合いをしましょう』
弁護士の単語が出るや否や、ふたりは豆鉄砲をくらったハトのように驚愕し、私に対して罵詈雑言を言って来た。
『すべて録音させていただいていますから』
『なんだよ、お前。俺の事愛してるのなら、笑って幸せを願えよっ!』
『やなこった。さっき言われた通り、私は性格ブスで、これっぽっちも良い所がない女なんでね。貰うもん貰うから』
『あんたね! 子供が産まれるのにお金とるとか非常識よ! ……そのレコーダー返しなさいよ! このブスッ!』
『そう言われて誰が渡すのよ。さらに侮辱罪追加、ありがとう』
私はふたりにそう言うと立ちあがり店を出た。すると、外は雨が降っていて、カバンから折りたたみ傘を出そうとした。
どんっ!
その時、背中を押されて体が前に傾く。夜間の土砂降りだ。信号のない横断歩道に体が投げ出された私は、走って来た車のヘッドライトに照らされる。
キ──ッ!
『なんで、私、そんなつもりじゃ……! ただ、あの女が……うそ、うそよ、うそおおお!』
『うわあああ』
『事故だ!』
『きゃああ、きゅ、救急車を……!』
『お、俺見たんだ、あの女の人が背中を押して……』
体中に、氷のような雨が突き刺さるかのようだ。とても冷たい。寒い……。
うるさい音と声が徐々に消えていき、全身の痛みがなくなっていったのであった。
※※※※
いきなり来てしまった異世界。こんな場所に放り出され、このまますぐに消えてしまうんじゃないかと思うほど、私は不安になった。
なぜか、転生したんだなって理解した。いつ、どうやって、なんのためになんてわからなかった。だけど、ぱっと光る花火が咲くように、いきなり自分は魔王で、いつか勇者に討伐されるRPGの世界に来たのだとわかったのだ。
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