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32 ゼクスの誕生日に R18
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目が覚めるとぼんやりした頭にモヤがかかっているかのようだった。体が重くて腕が上がらない。
「ん……」
「カレン、目が覚めたのか? おはよう」
なんと、私はベッドの上でシビルに腕と足で体に巻き付かれていた。左腕は私の枕になっている。辛うじて動く肘から先で、ぺしぺし叩くと、どんな攻撃も跳ね返すほど逞しい腕が解かれた。
「おはよ、シビル」
後ろを振り返りながら彼の幸せそうな笑みを見つめて笑う。すると、ちゅっちゅってすかさずキスがアチコチに贈られるのだ。
※※※※
彼との初めての夜を過ごした時間は、途中で記憶が飛んでいる。お風呂で一回の後、ベッドにすぐ連れられて、寝ながらバックで腰を叩きつけられた。背中に、べろんと舐めるようにキスされて、腰を掴まれる。彼の両手が大きいから、私の体なんてすぐに折られそうなほどの力が、壊れ物を扱うかのように優しく力加減をしてくれているのが分かる。
「あ、あ……ん!」
「はぁ……カレン、熱い……いいか?」
「ああ、いい、いいの! で、でも正面から抱きしめて……?」
顔が見たくて、真正面から抱きしめて欲しくてそう言うと、くるんと羽を動かすみたいに入れられたまま回転された。
「ぐぅ……、カレン、きつ……」
「あ、おおき、すぎる、から。んっ、痛い?」
「いや、腰がとけてなくなりそうなほど気持ちが良い」
「ああ、わ、わたし、も……!」
いとも簡単に、中で何度もイかされる。私の反応をつぶさに観察して、ここだと狙われたポイントを突かれるのだ。
戦いに長けた人は弱点を見つけるのがとても上手だというけれど、ベッドの上でもシビルは達人だった。
最後に彼が中で弾けたのは、何回目だったのか。起きていたらエンドレスだったかもしれない。
無尽蔵の体力と胆力の彼が十分満足するまで付き合えるのだろうか? いや、無理だ。
物足りないかなーって心配して、こういう事はしっかり伝えあう方がいいって義姉に色々教えられた中のひとつにあったから、
「シビル、あのね。もっとシたい? 私、じゃ、物足りない?」
って聞いてみた。
すると、シビルは考えもしなかったと言わんばかりにびっくりして、私をぎゅうぎゅう抱きしめた。
「これ以上はないほど大満足だし、幸せだ……あー……その。愛してる、だから」
ごもごもと照れながらそんな風に伝えてくれる彼が可愛いなって思う。裸の大きな胸板がぼこんって力が入っちゃって盛り上がり、腹筋なんて6どころか8くらいにぼこぼこだ。
思わず、たるんたるんの自分のお腹と比べてプニプニしていると、
「物足りないのは、カレンだったか?」
って非常に嬉しそうに尋ねられ、そのままもう一回。
流石に、これ以上は腹上死というものになってしまうと、お昼にもシたがった彼をストップさせたのである。
「そんな……。何もしないから一緒に」
「ひとりで入りたいの」
どろどろに汗といろんな液で体がベドベトになったからお風呂に入りたくなった。シビルは勿論一緒に入りたがったけど、また絶対なし崩しにされちゃうって思ったから断った。
そんなこんなで、シビルの場合は、これで遠慮してるのってくらい迫られたから、はっきりきっぱり断る時は断るという術を身につけたのだった。
※※※※
ゼクスは、結婚してから今日までの半分くらいを城で仕事漬けの生活を送っていた。その期間はゼファーとシビルとのあれこれの日だったから、やっぱりかなり我慢させていたんだってその度に心が痛くなった。
一度、別棟で寝ているゼクスの所に行った事がある。
『カレン、どうしたの? 眠れない?』
『……ゼクスと一緒にいたくて来ちゃった。……ダメ、かな?』
他人が聞いたら、
はぁ? 何言ってるの? 贅沢だわ
って、ゼクスには勿論の事、ゼファーとシビルに十二分に愛されているのに叱られてしまいそう。
だけど、ゼクスがいない事が寂しくて辛くて悲しい。
辛いのは彼のほうなのに、じわっと涙が出てきてしょうがなかった。そんな時、ゼクスは私が子供だと思っていた時のように、精神が幼児退行してしまった時のように、兄として父としてみたいに私を優しく抱きしめて一緒に眠ってくれる。
ゼクスのまだ未完成な体つきは、とても柔らかい。男性だし鍛えているから固いんだけど、それだけじゃないのだ。
『ゼクス……』
『大丈夫だよ、大丈夫。カレン、僕はここにいるからね。仕事にかまけて寂しい思いをさせてごめんね。いい夢を、おやすみ』
『うん……』
ああ、ゼクスの腕の中だなあって心も体もあったまる。目を閉じると、私を守ってくれる大事な人の香りに包まれるのだ。
でも、今はそれだけじゃ物足りなくて、身内で保護者な彼だけを求めているわけじゃなくて。こんな我がままは、18才まで手を出さないって決めている彼なりのけじめを踏みにじるような考えかもしれない。
ゼクスの中心が硬く大きくなっているのが分かる。
当てられているわけじゃないけど、腰がひけているから。このまま、触って誘惑しちゃいたい気持ちがむくむく芽生えてしまうけど、寝たふりを始めてしまったゼクスにキスをして私も目を閉じたのだった。
※※※※
「カレン、綺麗だよ。暫く会えない日が続いて、カレンを見る度にどんどん女の子から女性らしくなって。年下の僕は置いていかれそうで焦っていたんだ」
「ゼクス、そんな事ないよ。ゼクスがお仕事なのはわかっていたけど、置いていかれたって寂しかったのは私だもん」
「カレン……!」
ゼクスと抱きしめ合うと、ぽっかり寂しくてメソメソしていた部分が埋まる。
今日の日のために、先輩が贈ってくれた下着セットは箪笥の奥に片付けている。だって、いわゆるえっちぃ下着で、ブラもパンツも大事なところがぱっくりあいているアレだったから。
確かに、男の子は喜ぶかもしれない。
あのゼクスだって理性の糸をぶちっとぶち切って襲い掛かって来るほどの威力で悩殺間違いなしよ、頑張って♡
と、メッセージカードを見た時には彼が喜ぶのなら着ようかと一瞬思った。
でも、いざとなると着れなくて、でも、捨てる事もできずにタンスの奥底でそっ閉じしている。
結局、王妃様から頂いた、清純派の女の子が着るような白のレース仕立ての上下セットを身につけている。どこが清純なのっていうくらい生地が薄くて透けているのは、他のもそうだしもう考えない事にしている。
その上から、同じレースデザインのすっけすけキャミソール。
いえ、今回のゼクスとのえっちは、本気の子作りも兼ねているし王子様だし、王家の本気度を感じなくもない。いつになっても、こういうのは恥ずかしいし、脱衣所からなかなか寝室に向かう事が出来なかった。
「カレン、大丈夫?」
「ひゃぁいっ! だだだ、だいじょ、ぶぅ!」
ゼクスよりも私のほうがよっぽど緊張しているに違いない。ゼクスのそんな声だけで、ぴょんって体が跳ねあがってどもってしまい居たたまれない。
「カレン? 開けるよ!」
ゼクスが、私に何かあったのかと焦ったのかドアをバタンと全開にした。フルにオープンだ。隠れる所なんてないし、私はびっくりして、体を隠すのも忘れてしまう。
「……」
ゼクスは、私の姿を見てじろじろ頭の上から足先まで何往復もする。私は恥ずかしさのあまり、もじもじして彼の横を通り抜けて寝室に逃げようとした。
すると、ちょうどゼクスの横を通り過ぎようとした時、彼が私の体をふわっと抱きしめて来た。
「カレン、逃げないで……」
「ゼクス。だって、恥ずかしくて……」
「僕も恥ずかしいよ」
「嘘……ゼクスはいつだって堂々としているし」
「そう見せているだけだよ。ほら……」
ゼクスが、私の耳を左胸に押し当てた。すると、彼の体の中から、血潮をコントロールするこぶし大の力強い鼓動が、破裂しそうなほど速く強く動いていて、私の心臓のリズムがそれに合わせるようにドキドキ音を奏でた。
「カレン、君がそこにいるだけでいいって思っていたんだ。本当だよ? でも、やっぱり僕の心は君を求めて止まなくて。側にいて欲しい気持が、触れたい気持ちに変化して、君の心が僕にも寄せられていると知って、これ以上はないほど幸せを感じたんだ。他の誰も君の代わりになんてなれないし、僕の近くにはいつだって君とシビルしかいなかったから。カレン、僕の小さな愛する人。君が僕にくれる温もりで、どれほど幸せだったのか知らないだろう?」
「ゼクス……」
「僕は、だけど。それだけじゃ足らなかった。カレン、君の全てが欲しくて、やせ我慢で今日まで手を出さないって言った事を悔やんだ日は数えきれない。最初は、別の男と愛し愛される人生を君が過ごす事が出来ればいいって思っていたんだ。なんて愚かな考えだったんだろうって今なら思う。僕は強くも優しくもない。ただの、君を愛するちっぽけな男だ」
「……私もだよ? 私だって、気づくのが遅かったけどゼクスを愛してる」
「誰よりも愛しい僕のカレン。僕はもう我慢なんてしない。だから……」
「うん。我慢しないで……?」
私はゼクスの泣きそうな、でも強い意志を持った瞳を見つめながら、彼の頬に両手を添えてキスをした。心を全て乗せているかのようなキスは、すぐに激しく強くなっていく。そっと抱き上げられ、ベッドに運ばれたのだった。
「ん……」
「カレン、目が覚めたのか? おはよう」
なんと、私はベッドの上でシビルに腕と足で体に巻き付かれていた。左腕は私の枕になっている。辛うじて動く肘から先で、ぺしぺし叩くと、どんな攻撃も跳ね返すほど逞しい腕が解かれた。
「おはよ、シビル」
後ろを振り返りながら彼の幸せそうな笑みを見つめて笑う。すると、ちゅっちゅってすかさずキスがアチコチに贈られるのだ。
※※※※
彼との初めての夜を過ごした時間は、途中で記憶が飛んでいる。お風呂で一回の後、ベッドにすぐ連れられて、寝ながらバックで腰を叩きつけられた。背中に、べろんと舐めるようにキスされて、腰を掴まれる。彼の両手が大きいから、私の体なんてすぐに折られそうなほどの力が、壊れ物を扱うかのように優しく力加減をしてくれているのが分かる。
「あ、あ……ん!」
「はぁ……カレン、熱い……いいか?」
「ああ、いい、いいの! で、でも正面から抱きしめて……?」
顔が見たくて、真正面から抱きしめて欲しくてそう言うと、くるんと羽を動かすみたいに入れられたまま回転された。
「ぐぅ……、カレン、きつ……」
「あ、おおき、すぎる、から。んっ、痛い?」
「いや、腰がとけてなくなりそうなほど気持ちが良い」
「ああ、わ、わたし、も……!」
いとも簡単に、中で何度もイかされる。私の反応をつぶさに観察して、ここだと狙われたポイントを突かれるのだ。
戦いに長けた人は弱点を見つけるのがとても上手だというけれど、ベッドの上でもシビルは達人だった。
最後に彼が中で弾けたのは、何回目だったのか。起きていたらエンドレスだったかもしれない。
無尽蔵の体力と胆力の彼が十分満足するまで付き合えるのだろうか? いや、無理だ。
物足りないかなーって心配して、こういう事はしっかり伝えあう方がいいって義姉に色々教えられた中のひとつにあったから、
「シビル、あのね。もっとシたい? 私、じゃ、物足りない?」
って聞いてみた。
すると、シビルは考えもしなかったと言わんばかりにびっくりして、私をぎゅうぎゅう抱きしめた。
「これ以上はないほど大満足だし、幸せだ……あー……その。愛してる、だから」
ごもごもと照れながらそんな風に伝えてくれる彼が可愛いなって思う。裸の大きな胸板がぼこんって力が入っちゃって盛り上がり、腹筋なんて6どころか8くらいにぼこぼこだ。
思わず、たるんたるんの自分のお腹と比べてプニプニしていると、
「物足りないのは、カレンだったか?」
って非常に嬉しそうに尋ねられ、そのままもう一回。
流石に、これ以上は腹上死というものになってしまうと、お昼にもシたがった彼をストップさせたのである。
「そんな……。何もしないから一緒に」
「ひとりで入りたいの」
どろどろに汗といろんな液で体がベドベトになったからお風呂に入りたくなった。シビルは勿論一緒に入りたがったけど、また絶対なし崩しにされちゃうって思ったから断った。
そんなこんなで、シビルの場合は、これで遠慮してるのってくらい迫られたから、はっきりきっぱり断る時は断るという術を身につけたのだった。
※※※※
ゼクスは、結婚してから今日までの半分くらいを城で仕事漬けの生活を送っていた。その期間はゼファーとシビルとのあれこれの日だったから、やっぱりかなり我慢させていたんだってその度に心が痛くなった。
一度、別棟で寝ているゼクスの所に行った事がある。
『カレン、どうしたの? 眠れない?』
『……ゼクスと一緒にいたくて来ちゃった。……ダメ、かな?』
他人が聞いたら、
はぁ? 何言ってるの? 贅沢だわ
って、ゼクスには勿論の事、ゼファーとシビルに十二分に愛されているのに叱られてしまいそう。
だけど、ゼクスがいない事が寂しくて辛くて悲しい。
辛いのは彼のほうなのに、じわっと涙が出てきてしょうがなかった。そんな時、ゼクスは私が子供だと思っていた時のように、精神が幼児退行してしまった時のように、兄として父としてみたいに私を優しく抱きしめて一緒に眠ってくれる。
ゼクスのまだ未完成な体つきは、とても柔らかい。男性だし鍛えているから固いんだけど、それだけじゃないのだ。
『ゼクス……』
『大丈夫だよ、大丈夫。カレン、僕はここにいるからね。仕事にかまけて寂しい思いをさせてごめんね。いい夢を、おやすみ』
『うん……』
ああ、ゼクスの腕の中だなあって心も体もあったまる。目を閉じると、私を守ってくれる大事な人の香りに包まれるのだ。
でも、今はそれだけじゃ物足りなくて、身内で保護者な彼だけを求めているわけじゃなくて。こんな我がままは、18才まで手を出さないって決めている彼なりのけじめを踏みにじるような考えかもしれない。
ゼクスの中心が硬く大きくなっているのが分かる。
当てられているわけじゃないけど、腰がひけているから。このまま、触って誘惑しちゃいたい気持ちがむくむく芽生えてしまうけど、寝たふりを始めてしまったゼクスにキスをして私も目を閉じたのだった。
※※※※
「カレン、綺麗だよ。暫く会えない日が続いて、カレンを見る度にどんどん女の子から女性らしくなって。年下の僕は置いていかれそうで焦っていたんだ」
「ゼクス、そんな事ないよ。ゼクスがお仕事なのはわかっていたけど、置いていかれたって寂しかったのは私だもん」
「カレン……!」
ゼクスと抱きしめ合うと、ぽっかり寂しくてメソメソしていた部分が埋まる。
今日の日のために、先輩が贈ってくれた下着セットは箪笥の奥に片付けている。だって、いわゆるえっちぃ下着で、ブラもパンツも大事なところがぱっくりあいているアレだったから。
確かに、男の子は喜ぶかもしれない。
あのゼクスだって理性の糸をぶちっとぶち切って襲い掛かって来るほどの威力で悩殺間違いなしよ、頑張って♡
と、メッセージカードを見た時には彼が喜ぶのなら着ようかと一瞬思った。
でも、いざとなると着れなくて、でも、捨てる事もできずにタンスの奥底でそっ閉じしている。
結局、王妃様から頂いた、清純派の女の子が着るような白のレース仕立ての上下セットを身につけている。どこが清純なのっていうくらい生地が薄くて透けているのは、他のもそうだしもう考えない事にしている。
その上から、同じレースデザインのすっけすけキャミソール。
いえ、今回のゼクスとのえっちは、本気の子作りも兼ねているし王子様だし、王家の本気度を感じなくもない。いつになっても、こういうのは恥ずかしいし、脱衣所からなかなか寝室に向かう事が出来なかった。
「カレン、大丈夫?」
「ひゃぁいっ! だだだ、だいじょ、ぶぅ!」
ゼクスよりも私のほうがよっぽど緊張しているに違いない。ゼクスのそんな声だけで、ぴょんって体が跳ねあがってどもってしまい居たたまれない。
「カレン? 開けるよ!」
ゼクスが、私に何かあったのかと焦ったのかドアをバタンと全開にした。フルにオープンだ。隠れる所なんてないし、私はびっくりして、体を隠すのも忘れてしまう。
「……」
ゼクスは、私の姿を見てじろじろ頭の上から足先まで何往復もする。私は恥ずかしさのあまり、もじもじして彼の横を通り抜けて寝室に逃げようとした。
すると、ちょうどゼクスの横を通り過ぎようとした時、彼が私の体をふわっと抱きしめて来た。
「カレン、逃げないで……」
「ゼクス。だって、恥ずかしくて……」
「僕も恥ずかしいよ」
「嘘……ゼクスはいつだって堂々としているし」
「そう見せているだけだよ。ほら……」
ゼクスが、私の耳を左胸に押し当てた。すると、彼の体の中から、血潮をコントロールするこぶし大の力強い鼓動が、破裂しそうなほど速く強く動いていて、私の心臓のリズムがそれに合わせるようにドキドキ音を奏でた。
「カレン、君がそこにいるだけでいいって思っていたんだ。本当だよ? でも、やっぱり僕の心は君を求めて止まなくて。側にいて欲しい気持が、触れたい気持ちに変化して、君の心が僕にも寄せられていると知って、これ以上はないほど幸せを感じたんだ。他の誰も君の代わりになんてなれないし、僕の近くにはいつだって君とシビルしかいなかったから。カレン、僕の小さな愛する人。君が僕にくれる温もりで、どれほど幸せだったのか知らないだろう?」
「ゼクス……」
「僕は、だけど。それだけじゃ足らなかった。カレン、君の全てが欲しくて、やせ我慢で今日まで手を出さないって言った事を悔やんだ日は数えきれない。最初は、別の男と愛し愛される人生を君が過ごす事が出来ればいいって思っていたんだ。なんて愚かな考えだったんだろうって今なら思う。僕は強くも優しくもない。ただの、君を愛するちっぽけな男だ」
「……私もだよ? 私だって、気づくのが遅かったけどゼクスを愛してる」
「誰よりも愛しい僕のカレン。僕はもう我慢なんてしない。だから……」
「うん。我慢しないで……?」
私はゼクスの泣きそうな、でも強い意志を持った瞳を見つめながら、彼の頬に両手を添えてキスをした。心を全て乗せているかのようなキスは、すぐに激しく強くなっていく。そっと抱き上げられ、ベッドに運ばれたのだった。
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