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10 間違えたコック R18
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毎日のように、エルを抱いた。だが、性欲が収まらず、エルを愛したいのに壊しそうで手が出せない。しかも、貴族の女性だし体が小さく体力のない彼女には無茶は禁物だった。
エルを抱けば抱くほど、下半身のフラストレーションがたまっていく一方。酒で紛らわせようとしても無駄だった。
祝賀会のあと、騎士団の皆と騒いだ。夜半過ぎには解散したが、泥酔状態のトーチを送っていくことになる。
「しょうがねぇな。トーチ、ほら」
「ん……リーマぁ……」
俺の部隊のやつらは、俺のことを全員リーマと呼ぶ。彼女もそのうちのひとりだ。だが、この時の彼女の声は、俺の何かを刺激した。
「酒臭い。いったい、どんだけ飲んだんだ」
「ちょっとだけよぉ。でも、きもちわるぅい。はきそ……」
トーチは男たちの住む騎士の寮にはいない。女性だから、トーチのような女性騎士には、寮の近くのセキュリティがしっかりしている一軒家が与えられていた。
吐きそうな彼女の様子に、慌てて家に入らせた。ひとりであるけそうにないので、そのままバスルームに座らせる。
「うわっ!」
いきなり、トーチがシャワーのコックを思い切りひねった。あっという間に、勢いよく出たお湯でずぶ濡れになる。
「コックをひねるやつがあるか!」
「間違えちゃったぁ。あはは」
「何をどう間違えたら、シャワーが全開になるんだよ」
ずぶ濡れのせいで、トーチの体の線がくっきりしている。二次会の時には、白いシャツにフレアスカートだった彼女の、赤いブラの模様まで浮かび上がらせた。ぴったりとついているシャツごしに、肌の色が透けて見えて、慌てて視線をそらす。このままではまずいと、視界の角に、赤と肌の谷間を捕らえながらシャワー室から出ようとした。
「あん、リーマったらどこにいくのぉ? えっとね、こっちのコックと、間違えちゃったのぉ。ふふふ」
「うあっ!」
トーチが、起き上がろうとした俺に抱きつき、キスをしてきた。そして、彼女の淫靡な姿に反応した股間を撫でられる。
「あら? リーマったら、まだなーんにもしてないのに、もうこんなになっちゃって。すけべ」
「酔っぱらいが。冗談はほどほどに」
笑いながら、トーチがまたキスをしてくる。無理に引き離せば狭い浴室に頭がぶつかるかもしれない。
酔っ払いのいたずらだと、飽きるまで待ったほうがいいかもなと一瞬悩んだ。
だが、トーチは俺のズボンの上から手を入れて、直接握られる。エルではない、男に慣れたトーチの手の動きに、腰が抜けてしまった。それに、抗わなくてはと思っても、このまま彼女に、鬱憤を解放して欲しくなり、目を閉じてなすがまま逆うことなくキスを続けた。
「トーチ、出そうだ」
「あら、ダメよ。まだ、だーめ。ふふふ」
時に速く、時に焦らされて限界ぎりぎりだったそこの根本を、ぎゅっと握られた。
「なんでだ」
「だってぇ。リーマも、もっと気持ちいいところで出したいでしょ?」
夢中すぎて、いつの間にか手が彼女の秘所で動いていた事に気づかなかった。
「ね、リーマ。初めて会った時から、ずっと好きなの。だから、私を選んでくれたらさ、これからは私を好きにしていいのはあなただけになるんだけどな」
中に入れた指を、きゅっと締め付ける。熱くて柔らかく、指じゃない俺の杭が欲しいとねだるようにうねり出した。
「ね、欲しい?」
「ダメだ」
エルの笑顔が脳裏に浮かぶ。だが、シャワーヘッドから垂れる水の音と、トーチの吐息に、エルの姿が吹き飛ばされた。
「私を選んで? ね、さっき男たちに愚痴ってたじゃない? か弱い奥様では壊しそうで満足できないって。私なら、とことん付き合えるわよ?」
杭の根本は握られたまま。吐き出せない欲が、完全の俺の理性の糸をぶったぎった。
「トーチ……!」
そこから先は、あまり覚えていない。酒と、彼女の香り、水、そして、荒い息と、エルよりも俺を求める強い嬌声だけだった。
ベッドに移動してからも、何度もトーチに腰と欲をぶつけた。シーツの乱れが、情事のあとをまざまざと俺に突きつける。
「リーマ、おはよ」
「トーチ……」
「謝らないでね? ふふふ、こうなったら、ずっと責任とってもらっちゃおっかな」
「責任って……酒の過ちで」
「んー、私はそれでもいいんだけどぉ。やっぱり奥様が聞けばどうかしら? だから、ね? これからは、物足りない時だけでいいから、私を思い出して。ね?」
「……」
「リーマ。私のほうが、奥様なんかよりずーっと愛してるし、あなたの役に立てるわ」
トーチの家をでたのは、朝日が昇りきってからだ。騎士団の数人に姿を見られていた。だから、トーチには、酔って俺を汚したから泊まっていってもらっただけだと説明してもらい、もともと俺の人望があったことから、俺たちの関係がバレることなどなかった。
罪悪感から、ますますエルを抱けなくなった。しまいには、勃たなくなる始末。トーチとなら、いくらでもいきり勃つというのに。
そんな自分でもままならない気持ちを抱えてトーチを抱き続けていると、エルからふたり目の夫の話を聞いた。
そうだ。エルはオレ以外にも夫を作るんだ。もともと、エルの実家の権力や貴族の婿という地位欲しさの結婚だ。俺はエルに「いいんじゃないか?」と答えて、それからは心置きなく、女が欲しい時にはトーチを呼んだのだった。
エルを抱けば抱くほど、下半身のフラストレーションがたまっていく一方。酒で紛らわせようとしても無駄だった。
祝賀会のあと、騎士団の皆と騒いだ。夜半過ぎには解散したが、泥酔状態のトーチを送っていくことになる。
「しょうがねぇな。トーチ、ほら」
「ん……リーマぁ……」
俺の部隊のやつらは、俺のことを全員リーマと呼ぶ。彼女もそのうちのひとりだ。だが、この時の彼女の声は、俺の何かを刺激した。
「酒臭い。いったい、どんだけ飲んだんだ」
「ちょっとだけよぉ。でも、きもちわるぅい。はきそ……」
トーチは男たちの住む騎士の寮にはいない。女性だから、トーチのような女性騎士には、寮の近くのセキュリティがしっかりしている一軒家が与えられていた。
吐きそうな彼女の様子に、慌てて家に入らせた。ひとりであるけそうにないので、そのままバスルームに座らせる。
「うわっ!」
いきなり、トーチがシャワーのコックを思い切りひねった。あっという間に、勢いよく出たお湯でずぶ濡れになる。
「コックをひねるやつがあるか!」
「間違えちゃったぁ。あはは」
「何をどう間違えたら、シャワーが全開になるんだよ」
ずぶ濡れのせいで、トーチの体の線がくっきりしている。二次会の時には、白いシャツにフレアスカートだった彼女の、赤いブラの模様まで浮かび上がらせた。ぴったりとついているシャツごしに、肌の色が透けて見えて、慌てて視線をそらす。このままではまずいと、視界の角に、赤と肌の谷間を捕らえながらシャワー室から出ようとした。
「あん、リーマったらどこにいくのぉ? えっとね、こっちのコックと、間違えちゃったのぉ。ふふふ」
「うあっ!」
トーチが、起き上がろうとした俺に抱きつき、キスをしてきた。そして、彼女の淫靡な姿に反応した股間を撫でられる。
「あら? リーマったら、まだなーんにもしてないのに、もうこんなになっちゃって。すけべ」
「酔っぱらいが。冗談はほどほどに」
笑いながら、トーチがまたキスをしてくる。無理に引き離せば狭い浴室に頭がぶつかるかもしれない。
酔っ払いのいたずらだと、飽きるまで待ったほうがいいかもなと一瞬悩んだ。
だが、トーチは俺のズボンの上から手を入れて、直接握られる。エルではない、男に慣れたトーチの手の動きに、腰が抜けてしまった。それに、抗わなくてはと思っても、このまま彼女に、鬱憤を解放して欲しくなり、目を閉じてなすがまま逆うことなくキスを続けた。
「トーチ、出そうだ」
「あら、ダメよ。まだ、だーめ。ふふふ」
時に速く、時に焦らされて限界ぎりぎりだったそこの根本を、ぎゅっと握られた。
「なんでだ」
「だってぇ。リーマも、もっと気持ちいいところで出したいでしょ?」
夢中すぎて、いつの間にか手が彼女の秘所で動いていた事に気づかなかった。
「ね、リーマ。初めて会った時から、ずっと好きなの。だから、私を選んでくれたらさ、これからは私を好きにしていいのはあなただけになるんだけどな」
中に入れた指を、きゅっと締め付ける。熱くて柔らかく、指じゃない俺の杭が欲しいとねだるようにうねり出した。
「ね、欲しい?」
「ダメだ」
エルの笑顔が脳裏に浮かぶ。だが、シャワーヘッドから垂れる水の音と、トーチの吐息に、エルの姿が吹き飛ばされた。
「私を選んで? ね、さっき男たちに愚痴ってたじゃない? か弱い奥様では壊しそうで満足できないって。私なら、とことん付き合えるわよ?」
杭の根本は握られたまま。吐き出せない欲が、完全の俺の理性の糸をぶったぎった。
「トーチ……!」
そこから先は、あまり覚えていない。酒と、彼女の香り、水、そして、荒い息と、エルよりも俺を求める強い嬌声だけだった。
ベッドに移動してからも、何度もトーチに腰と欲をぶつけた。シーツの乱れが、情事のあとをまざまざと俺に突きつける。
「リーマ、おはよ」
「トーチ……」
「謝らないでね? ふふふ、こうなったら、ずっと責任とってもらっちゃおっかな」
「責任って……酒の過ちで」
「んー、私はそれでもいいんだけどぉ。やっぱり奥様が聞けばどうかしら? だから、ね? これからは、物足りない時だけでいいから、私を思い出して。ね?」
「……」
「リーマ。私のほうが、奥様なんかよりずーっと愛してるし、あなたの役に立てるわ」
トーチの家をでたのは、朝日が昇りきってからだ。騎士団の数人に姿を見られていた。だから、トーチには、酔って俺を汚したから泊まっていってもらっただけだと説明してもらい、もともと俺の人望があったことから、俺たちの関係がバレることなどなかった。
罪悪感から、ますますエルを抱けなくなった。しまいには、勃たなくなる始末。トーチとなら、いくらでもいきり勃つというのに。
そんな自分でもままならない気持ちを抱えてトーチを抱き続けていると、エルからふたり目の夫の話を聞いた。
そうだ。エルはオレ以外にも夫を作るんだ。もともと、エルの実家の権力や貴族の婿という地位欲しさの結婚だ。俺はエルに「いいんじゃないか?」と答えて、それからは心置きなく、女が欲しい時にはトーチを呼んだのだった。
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