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荒れ地に来てから半年が経過した。フェルミは、時々依頼される、はびこり過ぎている根の深い雑草や、どこまでも伸びて侵食していく蔓性植物などを、スキルで枯らす仕事をこなすくらいで、ほとんど何もせず生活をしている。
「他の人達は、休む間もなく仕事をしているのに、私だけ、こんなにも楽をさせてもらっていいのかしら?」
「フェルの仕事は、ここに来ていることだけで他のやつらよりも貢献している。本来なら、俺と結婚して、好きな場所で過ごしているのに。俺はとしては、今すぐにでも、こんなところはおさらばしたいんだが」
そういうカインは、フェルミの護衛として彼女と一緒にいる。裏はないが無遠慮に彼女に近づこうとする人々を追い払い、フェルミを手に入れようとする害虫駆除するなど、護衛としての役割をこなしていた。
時間を持て余して、図書館で読書をしたり、誘われたお茶会などに参加したりと、住む場所と関わる人々が変わる以外、平和な毎日を過ごした。
研究者の仮説は概ね合っていたようで、フェルミを中心とした半径50キロほどの広大な領地に、その場所にいるだけで植物が反応することがわかった。
フェルミが赴任する前とあとでは、雑草ですら成長が緩やかになっているという。とはいえ、直接手でふれていないので枯れることはなく、理想的な成長スピードを保っているらしい。
それを元に、専門家が国を巡るポイントを決めていくことになった。
必要な期間は、こればかりは諸条件が違うため、現地に行って調査してみないと不明だとのことだが、この地方は、あと2ヶ月もすれば問題がなくなるとのことだった。
ただ、この地を離れたあとの植物の動きも注視しなければならず、その結果によっては、フェルミは一生この国を巡回し続けなければならないかもしれないと言われた。
その夜、ベッドで愛を確かめあったあと、いつものようにカインに抱きかかえられて風呂に入る。彼の膝の上で、湯船に浮いたシャボンを手に取り、ふうっと息を吹きかけて飛ばす。
そんな風に遊んでいると、カインが後ろからぎゅうっと抱きしめてくれる。今の一瞬が涙が出そうなほど嬉しくて、こんな風に優しい時間だけがあればいいと、幸せな時に浸っていた。
ぽすんと彼の胸に背を預ける。すると、カインの手が彼女の大きな膨らみに伸びてきた。
「もう、カインったら」
「これは、俺のだから自由にしていいんだ」
「私のなんだけど」
水で浮いた、膨らみの先端に少しだけ着いた泡を、カインが指で取り除く。たちまち、ぞわっとした感覚がフェルミをぴくつかせて、甘い声が漏れた。
「ふわぁん! もう、やめてったら……ぁんっ!」
「どうしようかな? だって、俺のだし」
カインが笑いながら、先端を指でつまむ。こりこりに尖ったそこを、こねたり弾いたりと、自分勝手に弄ばれた。
「あっ、ああっ!」
彼の指先の動きに翻弄される。はぁはぁと、荒く甘い息を吐きながら、後手にカインの反り返った杭を握って反撃した。
「フェル、そこは反則」
「こ、ここは、私のだから」
「それはそうだけど、フェル、だけど、そんなことをされたら……うっ」
自分で言っててものすごく恥ずかしい。彼に反撃しようとすればするほど、特大ブーメランになって自分自身に返ってきている。当のカインは、そんなフェルミの攻撃に、ノーダメージどころか、すごくうれしそうだ。
フェルミは、彼がもたらした小さな快楽や湯船の温度だけではなく、真っ赤になった。
「はぁ、俺の女神は、本当に淫らで愛らしいな」
「カインのえっち」
「フェルもだろ。ほら」
「ああんっ!」
カインの右手が、フェルミの足の付根に入り込む。浴槽の水のなかだというのに、ぬるりとぬかるんだそこは、彼の指をやすやすと侵入させた。
粒を手のひらで擦りながら、浅いところを刺激される。ふるりと体が揺れ、お腹の奥が寂しさを訴えてきた。
カインの指が、体の中から出ていき、腰に手をあてられた。
「ああ、もう挿れたい。腰をあげて」
「ん……」
おしりをあげて、指先で先端を蜜口に誘導する。ゆっくり体を落としていると、腰にあてられたカインの手が体を下に落とした。
「ああっ!」
「くっ」
突然の強い衝撃に息がつまる。びりびりと電気が体に走ったかのようだ。口を大きく開け、だ液が流れ落ちた。ざぶざぶと、激しい水の音がする。時に静まり、奥を切っ先でぐりぐりと刺激された。
「ん、んあっ!」
「フェル、フェル……ああ、しぼりとられそうだ」
最高に気持ちいいと、カインが耳元でささやく。その言葉で、フェルミは嬌声をあげて体をのけぞらせた。ぴくぴくと体が震え、きゅうきゅうと彼の杭を締め付ける。
「あ、あっ……カイン、カイン!」
奥にぐいっとあてられ、彼の熱が中で広がる。もっと、それで体の中をいっぱいにして欲しいと腰を揺らした。
「フェル、はぁ……愛してる」
「あぁ……はぁ、私も……」
体も心も脱力して、何も考えられない。カインも、フェルミの杭まだまだ元気そうだが、体を洗って外に出た。
「あ……」
どろりと、彼の白い熱が、恥ずかしい道を通って流れ落ちる。その小さな刺激すら、フェルミの体を震わせた。
「俺としては、早く子供が欲しいんだが」
「ん……わたしも……」
この地方に来てから、カインはあるものを入手してきた。それは、体に安全な避妊の薬草茶だった。少し臭みがあり苦い。国家のプロジェクト中に妊娠するわけにはいかない。カインが淹れたそれを、こくりこくりと飲み干す。
お腹をそっと手で擦り、いつかここに、カインの血を継ぐ新たな生命が産まれたらと願った。
「カイン、あのね……。私のスキルって、とても恐ろしいものだと思うの。今は、植物の成長が早すぎるから、私のスキルで、平常通りの成長を促すためのバランスが取れるから、結果的に良い結果になるんでしょうけど……これが平時なら、私の存在自体は、本当に忌むべきものだったんじゃないかって」
「フェル……それを言うのなら、俺のスキルだって恐ろしいものだ。火は全てを焼き尽くすことができるからね。どの属性のスキルも、使いようだろ?」
「カインたちは、自分の意志でコントロール出来るでしょ。でも私は、いるだけで周囲に影響があるじゃない……」
ただ、ここにいるだけで広範囲の自然に影響を及ぼすスキルなど、聖女様の浄化のような強力なものくらいだ。普通の環境下なら、まず間違いなく、自分は世界にとって排除しなければならない存在だろう。
「なんだ、そんなこと。コントロール出来るようになったらいいだろ?」
「どうやって? 研究者の方々すら、まだ未知数のスキルだからわからないことが多いって仰っているのに……」
「だからこそ、だ。フェルミだけがコントロールするんじゃなくてさ。いつか、皆で土地を守りながら収穫高をコントロール出来るようになるかもしれないし、別の方法で策を講じることが出来るかもしれない。だろう、かもしれないって話しになるんだけどね。国やフェルの今の行動の評価は、そうだなあ……俺達が一緒に天に召されてから、それこそ孫やひ孫の代にしかわからないんじゃないか?」
カインは、フェルミを元気づけるためにも、いつだって前向きな意見をくれる。それは、何を考えても仕方がないと、能天気に話しをしているのとほぼ同じことだった。
フェルミも彼の言うことを理解していた。けれど、時々、自分以外の全てが、枯れ果てた植物の周りで倒れ世界が終わるような考えがふとよぎるのだ。
胸が潰れそうなほどの不安が押し寄せ、それを振り払うために、カインを求めて抱いたのだった。
「他の人達は、休む間もなく仕事をしているのに、私だけ、こんなにも楽をさせてもらっていいのかしら?」
「フェルの仕事は、ここに来ていることだけで他のやつらよりも貢献している。本来なら、俺と結婚して、好きな場所で過ごしているのに。俺はとしては、今すぐにでも、こんなところはおさらばしたいんだが」
そういうカインは、フェルミの護衛として彼女と一緒にいる。裏はないが無遠慮に彼女に近づこうとする人々を追い払い、フェルミを手に入れようとする害虫駆除するなど、護衛としての役割をこなしていた。
時間を持て余して、図書館で読書をしたり、誘われたお茶会などに参加したりと、住む場所と関わる人々が変わる以外、平和な毎日を過ごした。
研究者の仮説は概ね合っていたようで、フェルミを中心とした半径50キロほどの広大な領地に、その場所にいるだけで植物が反応することがわかった。
フェルミが赴任する前とあとでは、雑草ですら成長が緩やかになっているという。とはいえ、直接手でふれていないので枯れることはなく、理想的な成長スピードを保っているらしい。
それを元に、専門家が国を巡るポイントを決めていくことになった。
必要な期間は、こればかりは諸条件が違うため、現地に行って調査してみないと不明だとのことだが、この地方は、あと2ヶ月もすれば問題がなくなるとのことだった。
ただ、この地を離れたあとの植物の動きも注視しなければならず、その結果によっては、フェルミは一生この国を巡回し続けなければならないかもしれないと言われた。
その夜、ベッドで愛を確かめあったあと、いつものようにカインに抱きかかえられて風呂に入る。彼の膝の上で、湯船に浮いたシャボンを手に取り、ふうっと息を吹きかけて飛ばす。
そんな風に遊んでいると、カインが後ろからぎゅうっと抱きしめてくれる。今の一瞬が涙が出そうなほど嬉しくて、こんな風に優しい時間だけがあればいいと、幸せな時に浸っていた。
ぽすんと彼の胸に背を預ける。すると、カインの手が彼女の大きな膨らみに伸びてきた。
「もう、カインったら」
「これは、俺のだから自由にしていいんだ」
「私のなんだけど」
水で浮いた、膨らみの先端に少しだけ着いた泡を、カインが指で取り除く。たちまち、ぞわっとした感覚がフェルミをぴくつかせて、甘い声が漏れた。
「ふわぁん! もう、やめてったら……ぁんっ!」
「どうしようかな? だって、俺のだし」
カインが笑いながら、先端を指でつまむ。こりこりに尖ったそこを、こねたり弾いたりと、自分勝手に弄ばれた。
「あっ、ああっ!」
彼の指先の動きに翻弄される。はぁはぁと、荒く甘い息を吐きながら、後手にカインの反り返った杭を握って反撃した。
「フェル、そこは反則」
「こ、ここは、私のだから」
「それはそうだけど、フェル、だけど、そんなことをされたら……うっ」
自分で言っててものすごく恥ずかしい。彼に反撃しようとすればするほど、特大ブーメランになって自分自身に返ってきている。当のカインは、そんなフェルミの攻撃に、ノーダメージどころか、すごくうれしそうだ。
フェルミは、彼がもたらした小さな快楽や湯船の温度だけではなく、真っ赤になった。
「はぁ、俺の女神は、本当に淫らで愛らしいな」
「カインのえっち」
「フェルもだろ。ほら」
「ああんっ!」
カインの右手が、フェルミの足の付根に入り込む。浴槽の水のなかだというのに、ぬるりとぬかるんだそこは、彼の指をやすやすと侵入させた。
粒を手のひらで擦りながら、浅いところを刺激される。ふるりと体が揺れ、お腹の奥が寂しさを訴えてきた。
カインの指が、体の中から出ていき、腰に手をあてられた。
「ああ、もう挿れたい。腰をあげて」
「ん……」
おしりをあげて、指先で先端を蜜口に誘導する。ゆっくり体を落としていると、腰にあてられたカインの手が体を下に落とした。
「ああっ!」
「くっ」
突然の強い衝撃に息がつまる。びりびりと電気が体に走ったかのようだ。口を大きく開け、だ液が流れ落ちた。ざぶざぶと、激しい水の音がする。時に静まり、奥を切っ先でぐりぐりと刺激された。
「ん、んあっ!」
「フェル、フェル……ああ、しぼりとられそうだ」
最高に気持ちいいと、カインが耳元でささやく。その言葉で、フェルミは嬌声をあげて体をのけぞらせた。ぴくぴくと体が震え、きゅうきゅうと彼の杭を締め付ける。
「あ、あっ……カイン、カイン!」
奥にぐいっとあてられ、彼の熱が中で広がる。もっと、それで体の中をいっぱいにして欲しいと腰を揺らした。
「フェル、はぁ……愛してる」
「あぁ……はぁ、私も……」
体も心も脱力して、何も考えられない。カインも、フェルミの杭まだまだ元気そうだが、体を洗って外に出た。
「あ……」
どろりと、彼の白い熱が、恥ずかしい道を通って流れ落ちる。その小さな刺激すら、フェルミの体を震わせた。
「俺としては、早く子供が欲しいんだが」
「ん……わたしも……」
この地方に来てから、カインはあるものを入手してきた。それは、体に安全な避妊の薬草茶だった。少し臭みがあり苦い。国家のプロジェクト中に妊娠するわけにはいかない。カインが淹れたそれを、こくりこくりと飲み干す。
お腹をそっと手で擦り、いつかここに、カインの血を継ぐ新たな生命が産まれたらと願った。
「カイン、あのね……。私のスキルって、とても恐ろしいものだと思うの。今は、植物の成長が早すぎるから、私のスキルで、平常通りの成長を促すためのバランスが取れるから、結果的に良い結果になるんでしょうけど……これが平時なら、私の存在自体は、本当に忌むべきものだったんじゃないかって」
「フェル……それを言うのなら、俺のスキルだって恐ろしいものだ。火は全てを焼き尽くすことができるからね。どの属性のスキルも、使いようだろ?」
「カインたちは、自分の意志でコントロール出来るでしょ。でも私は、いるだけで周囲に影響があるじゃない……」
ただ、ここにいるだけで広範囲の自然に影響を及ぼすスキルなど、聖女様の浄化のような強力なものくらいだ。普通の環境下なら、まず間違いなく、自分は世界にとって排除しなければならない存在だろう。
「なんだ、そんなこと。コントロール出来るようになったらいいだろ?」
「どうやって? 研究者の方々すら、まだ未知数のスキルだからわからないことが多いって仰っているのに……」
「だからこそ、だ。フェルミだけがコントロールするんじゃなくてさ。いつか、皆で土地を守りながら収穫高をコントロール出来るようになるかもしれないし、別の方法で策を講じることが出来るかもしれない。だろう、かもしれないって話しになるんだけどね。国やフェルの今の行動の評価は、そうだなあ……俺達が一緒に天に召されてから、それこそ孫やひ孫の代にしかわからないんじゃないか?」
カインは、フェルミを元気づけるためにも、いつだって前向きな意見をくれる。それは、何を考えても仕方がないと、能天気に話しをしているのとほぼ同じことだった。
フェルミも彼の言うことを理解していた。けれど、時々、自分以外の全てが、枯れ果てた植物の周りで倒れ世界が終わるような考えがふとよぎるのだ。
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