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船から港が見えてきた。逸る気持ちが、船の足が遅いように感じさせているのか、陸地は一向に近づいてこなかった。
「あっ!」
急に強い風がフェルミを襲った。彼女の帽子が、いたずらな風に持っていかれそうになる。慌てて手を伸ばそうとしたところ、バランスを崩した。
「おっと。フェルミさん、気を付けて。それと、そんなに身を乗り出さなくても、港は逃げないから」
カインがフェルミの体を支えて、はははと笑う。見上げた彼の、優しい火の明りのような髪が、太陽に照らされてきらめいていた。少しまぶしくて目を細める。
「カインさん、ありがとうございます」
もうすぐ彼との雇用契約が切れる。彼と知り合ってから一週間も経っていないというのに、すっかり信用していた。
(もうすぐ、カインさんとも会えなくなるのね……。ううん、いつまでもカインさんに甘えてはダメ。しっかりしなきゃ)
新しい国で、新しい自分として生きるのだと決心していたが、フェルミにとってはそれだけでも大冒険だ。公爵が彼女の支援を申し出てくれたものの、やはり、見知った人との別れは寂しい。
自分がいかに頼りなく、自信なんて持てないことを痛感している彼女は、このまま契約が続けばいいのにと甘い考えも持っていた。
「フェルミさん、乗客たちが船にいる間に降りて目的地に向かうと良い。もしも、また海を越えることがあったら、いつでも俺の船に乗ってくれ。フェルミさんになら、いくらでも部屋を用意するからな。俺の柄でもないが、あなたの新たな人生に幸が多くあることを祈る」
「船長様……。ありがとうございます。えーと、ボン・ボヤージュ。航海が、これからも安全ですように」
「ははは、ありがとな。ああ、荒くれ者たちに手を振ってやってくれ。あいつらも、フェルミさんと挨拶をしたいそうだ」
「フェルミさーん、お達者で!」
「困ったことがあれば、俺達シルバーバレットを思い出すんだぞ!」
シルバーバレットとは、この船の名前だ。船員たちの家でもあるこの大きな船を見上げて、力いっぱい叫んで手を振った。
「皆さん、ありがとうございました! どうぞ、お元気でー!」
本で夢を見ていたほど待ち望んでいた瞬間がやってきた。カインが差し出した手を取り、フレイム国の大地に足をつける。
(これが、新しい大地なのね……)
初めて立つ大地は、グリーン国よりも熱かった。大きく息を吸いこむと、グリーン国の空気が一掃されるような気がした。
フェルミは、カインとともに人材派遣会社に向かった。無事に契約を完了したという報告をするためだ。グリーン国とは違って色彩が艶やかなそこで受付をすると、契約満了の書類と、カインに報酬が支払われた。
「カインさん、こうして無事にここに来れたのは、あなたのおかげです。本当に、ありがとうございました」
「俺は何もしていないさ。フェルミさんが頑張ったからだよ」
なぜか離れがたく感じて、とりとめのない話を続ける。すると、公爵の使者がやってきた。彼の後ろには、ひときわ大きい馬車がある。窓から、公爵がフェルミを見ていた。
「フェルミ様、主人がお待ちです。あまり、時間がございませんので、どうぞ、馬車にお乗りください」
「あ、あの……」
「フェルミさん、俺もそろそろ行かなきゃいけない。厚意を受け取ったのだろう? 約束は守るだろうから、馬車に乗ると良い」
「カインさんが、そう言うのなら……」
フェルミが馬車に乗り込むのを見届けると、カインは公爵に小さなメモを渡していた。それを見た公爵は、少し驚いたような表情をしたあと、苦笑してカインを見降ろす。
「なるほど。わかった」
「よろしくお願いしますね」
「わかったと言っているだろう?」
公爵がカインにそう言うと、彼はにやりと笑って頷いた。一体ふたりの間に、どんなやり取りがあるのだろうかと疑問に思った。
「カインさん、さようなら。本当に、本当にありがとうございました」
「フェルミさん、またな」
あまりにもあっけない別れだ。カインはそれだけをフェルミに伝えると、彼女を見送りもせず、急いでどこかに走り去った。
「何とも、せっかちな男だ。ははは」
「公爵様?」
「いや、なに。くくく。フェルミさん、船でも言ったが、君のことは必ず守る。すまないが、数時間後には孫の結婚式が始まる。少し急ぐから、揺れるだろうが我慢して欲しい」
「はい、よろしくお願いします」
揺れると言ったが、馬車の中は快適だった。同乗している彼の侍従が淹れてくれたお茶を飲んでも平気なほど。
「わしは、孫娘の結婚式が終わったら数日後には帰国する。だが、君が安心してゲブリオ家に滞在できるように、孫娘のリオや、ミルビック殿下が責任を持って面倒を見てくれる。そうそう、殿下から、わしをトラブル守ってくれた君に、是非式に参加して欲しいと連絡があった。一緒に参列してくれるね?」
それは、質問というよりも、ほぼ強制だった。それにしても、公爵の情報伝達の速さにびっくりする。
王室や貴賓、騎士団しか使えないという、いくつかの魔法陣を経由してあっという間に王都にたどり着いた。今日の結婚式のため、王都はいつもよりもにぎわっている。それでも、交通網がしっかり行き届いているのか、馬車のスピードは緩むことはなかった。
公爵に用意された大きな館に入ると、そこには予め呼んでいたブティックの店員や、フェルミの身支度をするための侍女たちがずらりと並んでいた。
「フェルミさん、ここにいるのは信頼できる者たちだ。安心して彼女たちに任せると良い」
「は、はい。あの、どうぞ、よろしくお願いいたします」
彼女たちは、公爵からフェルミに対して、王族以上の、最大級のもてなしをするように厳命されていた。どれほどの人物かと緊張していたのだが、物腰が柔らかく、侍女に丁寧にあいさつをするフェルミに笑みがこぼれた。
「もちろんでございます。お嬢様のことはお任せください。さあさあ、こちらへ。皆、いいわね?」
「はい!」
あれよあれよと、侍女たちに連れていかれた先で、服を剥ぎ取られた。恥ずかしがって、ひとりで入るというフェルミの言葉は速攻で却下されて、肌を磨き上げられマッサージを施される。
「まあまあまあ。きめ細やかな白い肌ですわね」
「旦那様が、あと1週間早く連れてきてくだされば、真珠よりも美しい肌に仕上げることができたでしょうに」
たいそう残念がる彼女たちに手を取られ、次はドレスを着させられた。デザイナーたちが微調整をする。
「なんて見事なS字ラインなんでしょう。腰の部分をもう少しつめなきゃダメですわ。お嬢様、少々失礼致しますね」
「今回は、結婚式に参列ということですので、清楚系のものを用意致しました。ゴージャスなものや色っぽいものでもお似合いでしょうね」
彼女たちは、とても楽しそうにきゃあきゃあはしゃいでいる。こんな風に至れり尽くせりを通り越して、人形遊びのようにしっちゃかめっちゃかにされてしまい、彼女たちの手が止まる2時間ほど、ぐったりしていた。
「おお、これはこれは……。お前たち、いい仕事をしたな」
フェルミの装いを見て、公爵が満足げに頷く。彼女たちは、先ほどから自分を褒めてばかりだ。褒めなれていないフェルミは、照れてしまって耳まで赤くなった。
※シルバーバレット→特効薬などの意味もある
「あっ!」
急に強い風がフェルミを襲った。彼女の帽子が、いたずらな風に持っていかれそうになる。慌てて手を伸ばそうとしたところ、バランスを崩した。
「おっと。フェルミさん、気を付けて。それと、そんなに身を乗り出さなくても、港は逃げないから」
カインがフェルミの体を支えて、はははと笑う。見上げた彼の、優しい火の明りのような髪が、太陽に照らされてきらめいていた。少しまぶしくて目を細める。
「カインさん、ありがとうございます」
もうすぐ彼との雇用契約が切れる。彼と知り合ってから一週間も経っていないというのに、すっかり信用していた。
(もうすぐ、カインさんとも会えなくなるのね……。ううん、いつまでもカインさんに甘えてはダメ。しっかりしなきゃ)
新しい国で、新しい自分として生きるのだと決心していたが、フェルミにとってはそれだけでも大冒険だ。公爵が彼女の支援を申し出てくれたものの、やはり、見知った人との別れは寂しい。
自分がいかに頼りなく、自信なんて持てないことを痛感している彼女は、このまま契約が続けばいいのにと甘い考えも持っていた。
「フェルミさん、乗客たちが船にいる間に降りて目的地に向かうと良い。もしも、また海を越えることがあったら、いつでも俺の船に乗ってくれ。フェルミさんになら、いくらでも部屋を用意するからな。俺の柄でもないが、あなたの新たな人生に幸が多くあることを祈る」
「船長様……。ありがとうございます。えーと、ボン・ボヤージュ。航海が、これからも安全ですように」
「ははは、ありがとな。ああ、荒くれ者たちに手を振ってやってくれ。あいつらも、フェルミさんと挨拶をしたいそうだ」
「フェルミさーん、お達者で!」
「困ったことがあれば、俺達シルバーバレットを思い出すんだぞ!」
シルバーバレットとは、この船の名前だ。船員たちの家でもあるこの大きな船を見上げて、力いっぱい叫んで手を振った。
「皆さん、ありがとうございました! どうぞ、お元気でー!」
本で夢を見ていたほど待ち望んでいた瞬間がやってきた。カインが差し出した手を取り、フレイム国の大地に足をつける。
(これが、新しい大地なのね……)
初めて立つ大地は、グリーン国よりも熱かった。大きく息を吸いこむと、グリーン国の空気が一掃されるような気がした。
フェルミは、カインとともに人材派遣会社に向かった。無事に契約を完了したという報告をするためだ。グリーン国とは違って色彩が艶やかなそこで受付をすると、契約満了の書類と、カインに報酬が支払われた。
「カインさん、こうして無事にここに来れたのは、あなたのおかげです。本当に、ありがとうございました」
「俺は何もしていないさ。フェルミさんが頑張ったからだよ」
なぜか離れがたく感じて、とりとめのない話を続ける。すると、公爵の使者がやってきた。彼の後ろには、ひときわ大きい馬車がある。窓から、公爵がフェルミを見ていた。
「フェルミ様、主人がお待ちです。あまり、時間がございませんので、どうぞ、馬車にお乗りください」
「あ、あの……」
「フェルミさん、俺もそろそろ行かなきゃいけない。厚意を受け取ったのだろう? 約束は守るだろうから、馬車に乗ると良い」
「カインさんが、そう言うのなら……」
フェルミが馬車に乗り込むのを見届けると、カインは公爵に小さなメモを渡していた。それを見た公爵は、少し驚いたような表情をしたあと、苦笑してカインを見降ろす。
「なるほど。わかった」
「よろしくお願いしますね」
「わかったと言っているだろう?」
公爵がカインにそう言うと、彼はにやりと笑って頷いた。一体ふたりの間に、どんなやり取りがあるのだろうかと疑問に思った。
「カインさん、さようなら。本当に、本当にありがとうございました」
「フェルミさん、またな」
あまりにもあっけない別れだ。カインはそれだけをフェルミに伝えると、彼女を見送りもせず、急いでどこかに走り去った。
「何とも、せっかちな男だ。ははは」
「公爵様?」
「いや、なに。くくく。フェルミさん、船でも言ったが、君のことは必ず守る。すまないが、数時間後には孫の結婚式が始まる。少し急ぐから、揺れるだろうが我慢して欲しい」
「はい、よろしくお願いします」
揺れると言ったが、馬車の中は快適だった。同乗している彼の侍従が淹れてくれたお茶を飲んでも平気なほど。
「わしは、孫娘の結婚式が終わったら数日後には帰国する。だが、君が安心してゲブリオ家に滞在できるように、孫娘のリオや、ミルビック殿下が責任を持って面倒を見てくれる。そうそう、殿下から、わしをトラブル守ってくれた君に、是非式に参加して欲しいと連絡があった。一緒に参列してくれるね?」
それは、質問というよりも、ほぼ強制だった。それにしても、公爵の情報伝達の速さにびっくりする。
王室や貴賓、騎士団しか使えないという、いくつかの魔法陣を経由してあっという間に王都にたどり着いた。今日の結婚式のため、王都はいつもよりもにぎわっている。それでも、交通網がしっかり行き届いているのか、馬車のスピードは緩むことはなかった。
公爵に用意された大きな館に入ると、そこには予め呼んでいたブティックの店員や、フェルミの身支度をするための侍女たちがずらりと並んでいた。
「フェルミさん、ここにいるのは信頼できる者たちだ。安心して彼女たちに任せると良い」
「は、はい。あの、どうぞ、よろしくお願いいたします」
彼女たちは、公爵からフェルミに対して、王族以上の、最大級のもてなしをするように厳命されていた。どれほどの人物かと緊張していたのだが、物腰が柔らかく、侍女に丁寧にあいさつをするフェルミに笑みがこぼれた。
「もちろんでございます。お嬢様のことはお任せください。さあさあ、こちらへ。皆、いいわね?」
「はい!」
あれよあれよと、侍女たちに連れていかれた先で、服を剥ぎ取られた。恥ずかしがって、ひとりで入るというフェルミの言葉は速攻で却下されて、肌を磨き上げられマッサージを施される。
「まあまあまあ。きめ細やかな白い肌ですわね」
「旦那様が、あと1週間早く連れてきてくだされば、真珠よりも美しい肌に仕上げることができたでしょうに」
たいそう残念がる彼女たちに手を取られ、次はドレスを着させられた。デザイナーたちが微調整をする。
「なんて見事なS字ラインなんでしょう。腰の部分をもう少しつめなきゃダメですわ。お嬢様、少々失礼致しますね」
「今回は、結婚式に参列ということですので、清楚系のものを用意致しました。ゴージャスなものや色っぽいものでもお似合いでしょうね」
彼女たちは、とても楽しそうにきゃあきゃあはしゃいでいる。こんな風に至れり尽くせりを通り越して、人形遊びのようにしっちゃかめっちゃかにされてしまい、彼女たちの手が止まる2時間ほど、ぐったりしていた。
「おお、これはこれは……。お前たち、いい仕事をしたな」
フェルミの装いを見て、公爵が満足げに頷く。彼女たちは、先ほどから自分を褒めてばかりだ。褒めなれていないフェルミは、照れてしまって耳まで赤くなった。
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