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いつまでも泣いてはいられない。今日から、生まれ変わった気持ちで頑張ると決めたのだ。フェルミは、涙をぬぐうと、馬車から見える景色を見つめた。
「お嬢さん、トラムさんから聞いたけど、大変だったんだねぇ」
「え? ええっと……」
ひとの良さそうな御者が、涙声で話しかけてきた。敢えて明るく話をしようとしているのか、声質は低いというのに、やけにトーンが高い。
(一体、トラムはなんと説明しているのかしら? 正直に、子爵家からたった一年で離縁されたとは言っていないだろうし……)
フェルミは、馬車の壁で見えない、前方の御者の気配を探るが、鼻水をすすっている音しか聞こえなかった。
「ずびっ。しかし、とんでもないクズ男もいたもんだ。若いお嬢さんをだまして捨てるなんてよぉ……」
「ええ? まさか、トラムったらそんなことまで?」
「ああ、なんでもお嬢さんは貴族のご令嬢で、下町で出会った男に騙されたんだってな。結婚を約束したってのに、世間知らずのお嬢さんから金をだまし取って、自分は女と逃げたっつーじゃないか。おいちゃんは……おいちゃんは、そういう外道はゆるせなくてなぁ。それにしても、偶然出会ったトラムに助けて貰えて良かったなぁ。あいつは、融通の利かない仕事人間なんだが、良いやつだからな」
「あ、あの……」
「いいっていいって。無理に話さなくても。人には言えないことのひとつやふたつあるってもんさ。なぁに、トラムからそいつの人相は聞いている。会ったら、おいちゃんがちゃーんとぼこぼこにしてやっからよ。お嬢さんは、新しい恋を見つけるといいさ。世の中、そんなクズよりももっといい男がごまんといるからな」
御者の男は、感情移入しやすく涙もろいようだ。フェルミの返事を待たずにひとりで納得して、うんうん頷いている。
どうやら、トラムは、御者にとんでもない説明をしていたようだ。そういえば数日前、彼は、自分の新しい経歴を協力者に伝えているって言っていた。まさか、恋に溺れた令嬢が、結婚詐欺師に騙されたと説明しているとは、フェルミは驚愕を通り越して、なんだか楽しくなってきた。
「ふふ、そうですね。おじさまのおっしゃる通り、私、過去を忘れて新しい出会いを探してみます」
フェルミは、嘘ではないが、御者が勘違いしてもおかしくはない言葉をかけた。すると、御者は案の定、失恋した初恋を忘れて新しい恋を探すと健気に言ったフェルミが憐れに思い、ますます泣き出して嗚咽まで漏らす始末。
「ずずー、ずびぃっ! そ、そうかい、そうかい。なぁに、トラムからも頼まれているが、おいちゃんも全力でお嬢さんをサポートするよ! 港についたら、安くて良い人材派遣会社に連れて行ってやるからな」
「人材派遣会社?」
「なんてこったい、そんなこともわからないのか。人材派遣会社ってのは、お嬢さんみたいに一人旅をするのは危険だから、護衛を紹介してくれる場所さ。勿論、仕事も斡旋してくれるぜ。おいちゃんが紹介するところは、募集をかけている側からも、求める側からも信頼と実績のあるところさ。中には、利用料金をまきあげて、適当な仕事しかしない会社もあるからな。気をつけないといけない。それにしても、今まで大切に育てられたんだなぁ……。それだけ、お嬢さんは愛されているんだな。実家に帰ったら叱られるだろうが、きっとご両親はお嬢さんを受け入れてくれるさ」
「……ありがとうございます」
御者から両親という言葉が出ると、フェルミは胸が痛んだ。自分にとって、両親とは他人以上の関係だ。彼が言うように、愛されて育てば、今頃はどうだったのだろうか。
とっくに家族の愛をあきらめたというのに、ほんの少し、郷愁めいた切ない感情が胸を支配する。
とはいえ、完全に、善意だけの御者にはそんな自分の事情などは関係ない。今のまま勘違いしてもらっているほうが、良さそうだと、適当に相槌を打った。
港に着くと、御者に大きな建物まで連れていかれた。分厚い木の扉を開ける。すると、ぎぃっという蝶番と、カランカランという金属音が鳴った。立派なカウンターには、受付と書かれている。御者は、そこにいる若い男に声をかけた。
「よう!」
「おっさん、久しぶり。お、新しい客か?」
「ああ。とても気の毒なお嬢さんでな。これから火の国に行くから、安くて良い護衛を紹介してやってくれ」
「また、無理難題を。フレイム国なら近くだし、それほど高くはない。だが、そこそこの護衛はそこそこの値段。良い護衛はそれなりの値段。極上の護衛は金持ち専用。こればっかりは規則なんで譲れない。お嬢さんが気の毒な身の上だか何だか知らないが、ここにはそういうやつが、ごまんと訪れるんだ。いちいちセールなんかしてられるか。さあ、低級護衛か、中級護衛か、上級護衛。どれにする?」
「ちっ、相変わらず冷たい奴だ。そこをなんとか」
「……相手との値段交渉は手伝ってやるよ」
「手伝う? お前がしてやれよ」
「あのな、そんなことをしたら、俺が上司から怒られるの。で、お嬢さん、どうするんだ?」
御者はあきれ返ってそう言ったが、受付の男は素知らぬ顔でフェルミに問いかける。値段の相場は全くわからない。だが、トラムが手配した御者は、フェルミを暴利営業のところには連れて行かないだろう。
低級の護衛は粗野な男が多い。かといって、上級だと資金が心もとない。なんせ、フェルミの全財産は、フレイム国に着いたらすぐに働かねば3か月も持たない。
上級の護衛が良いとは思うが、今の自分では贅沢は出来ないと、中級の護衛を選んだ。
「お嬢さん、トラムさんから聞いたけど、大変だったんだねぇ」
「え? ええっと……」
ひとの良さそうな御者が、涙声で話しかけてきた。敢えて明るく話をしようとしているのか、声質は低いというのに、やけにトーンが高い。
(一体、トラムはなんと説明しているのかしら? 正直に、子爵家からたった一年で離縁されたとは言っていないだろうし……)
フェルミは、馬車の壁で見えない、前方の御者の気配を探るが、鼻水をすすっている音しか聞こえなかった。
「ずびっ。しかし、とんでもないクズ男もいたもんだ。若いお嬢さんをだまして捨てるなんてよぉ……」
「ええ? まさか、トラムったらそんなことまで?」
「ああ、なんでもお嬢さんは貴族のご令嬢で、下町で出会った男に騙されたんだってな。結婚を約束したってのに、世間知らずのお嬢さんから金をだまし取って、自分は女と逃げたっつーじゃないか。おいちゃんは……おいちゃんは、そういう外道はゆるせなくてなぁ。それにしても、偶然出会ったトラムに助けて貰えて良かったなぁ。あいつは、融通の利かない仕事人間なんだが、良いやつだからな」
「あ、あの……」
「いいっていいって。無理に話さなくても。人には言えないことのひとつやふたつあるってもんさ。なぁに、トラムからそいつの人相は聞いている。会ったら、おいちゃんがちゃーんとぼこぼこにしてやっからよ。お嬢さんは、新しい恋を見つけるといいさ。世の中、そんなクズよりももっといい男がごまんといるからな」
御者の男は、感情移入しやすく涙もろいようだ。フェルミの返事を待たずにひとりで納得して、うんうん頷いている。
どうやら、トラムは、御者にとんでもない説明をしていたようだ。そういえば数日前、彼は、自分の新しい経歴を協力者に伝えているって言っていた。まさか、恋に溺れた令嬢が、結婚詐欺師に騙されたと説明しているとは、フェルミは驚愕を通り越して、なんだか楽しくなってきた。
「ふふ、そうですね。おじさまのおっしゃる通り、私、過去を忘れて新しい出会いを探してみます」
フェルミは、嘘ではないが、御者が勘違いしてもおかしくはない言葉をかけた。すると、御者は案の定、失恋した初恋を忘れて新しい恋を探すと健気に言ったフェルミが憐れに思い、ますます泣き出して嗚咽まで漏らす始末。
「ずずー、ずびぃっ! そ、そうかい、そうかい。なぁに、トラムからも頼まれているが、おいちゃんも全力でお嬢さんをサポートするよ! 港についたら、安くて良い人材派遣会社に連れて行ってやるからな」
「人材派遣会社?」
「なんてこったい、そんなこともわからないのか。人材派遣会社ってのは、お嬢さんみたいに一人旅をするのは危険だから、護衛を紹介してくれる場所さ。勿論、仕事も斡旋してくれるぜ。おいちゃんが紹介するところは、募集をかけている側からも、求める側からも信頼と実績のあるところさ。中には、利用料金をまきあげて、適当な仕事しかしない会社もあるからな。気をつけないといけない。それにしても、今まで大切に育てられたんだなぁ……。それだけ、お嬢さんは愛されているんだな。実家に帰ったら叱られるだろうが、きっとご両親はお嬢さんを受け入れてくれるさ」
「……ありがとうございます」
御者から両親という言葉が出ると、フェルミは胸が痛んだ。自分にとって、両親とは他人以上の関係だ。彼が言うように、愛されて育てば、今頃はどうだったのだろうか。
とっくに家族の愛をあきらめたというのに、ほんの少し、郷愁めいた切ない感情が胸を支配する。
とはいえ、完全に、善意だけの御者にはそんな自分の事情などは関係ない。今のまま勘違いしてもらっているほうが、良さそうだと、適当に相槌を打った。
港に着くと、御者に大きな建物まで連れていかれた。分厚い木の扉を開ける。すると、ぎぃっという蝶番と、カランカランという金属音が鳴った。立派なカウンターには、受付と書かれている。御者は、そこにいる若い男に声をかけた。
「よう!」
「おっさん、久しぶり。お、新しい客か?」
「ああ。とても気の毒なお嬢さんでな。これから火の国に行くから、安くて良い護衛を紹介してやってくれ」
「また、無理難題を。フレイム国なら近くだし、それほど高くはない。だが、そこそこの護衛はそこそこの値段。良い護衛はそれなりの値段。極上の護衛は金持ち専用。こればっかりは規則なんで譲れない。お嬢さんが気の毒な身の上だか何だか知らないが、ここにはそういうやつが、ごまんと訪れるんだ。いちいちセールなんかしてられるか。さあ、低級護衛か、中級護衛か、上級護衛。どれにする?」
「ちっ、相変わらず冷たい奴だ。そこをなんとか」
「……相手との値段交渉は手伝ってやるよ」
「手伝う? お前がしてやれよ」
「あのな、そんなことをしたら、俺が上司から怒られるの。で、お嬢さん、どうするんだ?」
御者はあきれ返ってそう言ったが、受付の男は素知らぬ顔でフェルミに問いかける。値段の相場は全くわからない。だが、トラムが手配した御者は、フェルミを暴利営業のところには連れて行かないだろう。
低級の護衛は粗野な男が多い。かといって、上級だと資金が心もとない。なんせ、フェルミの全財産は、フレイム国に着いたらすぐに働かねば3か月も持たない。
上級の護衛が良いとは思うが、今の自分では贅沢は出来ないと、中級の護衛を選んだ。
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