15 / 84
12
しおりを挟む
「18になったそうね」
美しく儚げな伯爵夫人は、ソファに寄りかかりながら、フェルミを見ようともせず口を開いた。フェルミには見えないが、扇で隠されている口元が歪んでいる。
「はい、慈悲深い伯爵様ご夫妻のおかげでございます」
フェルミは、歓迎されていないと瞬時に悟った。そして、頭を下げてお礼を言う。その声ですら聞きたくないと言わんばかりに、伯爵夫人は不快さを露わにしていた。
「お前に特別な嫁ぎ先を用意してあるの。その身ひとつで良いと言ってくださってるから、今すぐ行きなさい」
「え? どういうことでしょうか?」
フェルミは、この挨拶が終わり次第、小さなトランクに荷物をまとめて世界に旅立とうとしていた。
ファーリはごまかそうとしていたけれど、日ごろの言動から、伯爵夫人に相当嫌われているのは知っていた。今日まで生きて来れたのは、窮地を救ってくれた伯爵のおかげであることもわかっており、伯爵にはお礼を言いたいと思っていたがそれどころではなさそうだ。
(結婚? このまますぐに嫁ぐって?)
「誰が質問をしていいと言ったの。全く、なんて生意気で身の程知らずな……。しかも、頭まで悪いなんて、どうしようもないわね。メイド長、さっさとソレをバスタ子爵家に連れて行きなさい」
「かしこまりました、奥様」
フェルミは二の句も告げる間もなかった。メイドたちに腕を取られて、引きずられるように部屋から追い出される。
「あの、あの、あの……。私、結婚なんてそんな。すぐに、ここを出ていきますから……」
「お嬢様、良かったですわねぇ。ラート様は、次期子爵で、とてもご立派な方なんですってぇ。夫君のお名前くらい、道中で覚えてくださいねぇ? まさかとは思いますが、結婚という言葉をご存じなかったり?」
結婚という単語は知っている。フェルミだって、愛する男性との家庭を夢見ていたりもした。不相応で大それた願いだとしても。
でも、自分のあずかり知らぬところで勝手に決められて、しかもすぐに嫁げとはどういうわけなのか。
ぐいぐい引っ張られる腕も肩も、キシキシ音が鳴りそうなほど痛い。それよりも、理不尽な対応を強いられる心のほうがもっと痛かった。
「待ってください! このこと、伯爵様はご存じなの? お嬢様の全権を任されている執事さんもいない日に、いきなり嫁げだなんて、こんなのおかしすぎます!」
「ファーリ、お前も一緒に行くんだよ。全く、お前が、料理長や男の人たちをだまして金品をまきあげていたのはわかってるの。平民は、やることが野蛮で恐ろしいわね。前メイド長も、さぞ苦労なさったでしょうね」
「前のメイド長たちは、やってはならないことをしていたからでしょう?」
「奥様のご命令を粛々とされていただけよ? だから言ったでしょう? もっと周りを見ろって。ここでは奥様が絶対なの」
「そんな……!」
フェルミの後ろで、ファーリが意見を言ってくれている。だが、ここでは平民であるファーリに、発言権はほとんどない。必死に止めようと頑張っているがどうすることもできなかった。
どんっ!
背中を押されるように馬車の床に投げ出された。倒れたフェルミの上に、無理やり連れて来られたファーリも乗せられる。
「ま、待って……!」
「何すんのよ! お嬢様、大丈夫ですか?」
ファーリが、狭い場所で立ち上がらせようとしたが、がたんと馬車が動き出した。激しい揺れのために、うまく体が動かせない。体に、堅いソファの土台が当たり息がつまる。
呆然自失で動けないフェルミと違い、ファーリは窓をどんどん叩いて叫んだ。
「あ、あたしの貯めていた全財産がああああ! ちょ、退職金は? 無一文で放り出すとか、この、泥棒! 詐欺師ーっ! 悪徳伯爵家めー! かーえーせー!」
こだましそうなほどのファーリの魂の叫びは、すさまじい速度で走り抜ける馬車の轟音にかき消されてしまった。
どうにもできない現状に、やっとの思いでソファに腰をかける。対面で座った双方は、一方は無気力で表情が抜け落ちており、一方はいらいらと爪を噛んでいた。
「くそ、やっと結婚できると思ってたのに……! お嬢様だって、牢獄のようなあの場所から、世界に旅立とうとしていたんだから、見送りはなくても、そっと送り出してくれれば良かったのに!」
フェルミは、ファーリが涙ぐみながら悔しそうに言うのをぼうっと聞いていた。そして、契約違反をしたのはあっちなんだからと、出自を知らされたのである。
「私が、伯爵様の子供? しかも、さっきの伯爵夫人がお母様だなんて、そんな……。うそ……」
「嘘じゃありません。伯爵様は、お嬢様の髪の色も瞳の色も受け入れなさったそうです。お嬢様のスキルのことも、先代伯爵様と奥様の決定がなかったら、きっと娘としてきちんと育ててくれてたと思うんです。ただ先代伯爵様と奥様が……」
ファーリは、怒りのあまり、フェルミの気持ちを考えずにうっ憤を吐き出すように真実を伝えていった。ところが、静かに頬を涙で濡らすフェルミを見て、彼女を傷つけるだけの失言に気づいて唇を閉じる。
「私は、孤児じゃなかったのね……」
「……」
「おかしいと、思っていたの。だって、お嬢様ってファーリが言ってくれているけど、貴族のご令嬢なら、たとえ孤児であっても、どこの家の子かくらいわかるはずなのに、私は天涯孤独みたいな扱いだったでしょ……」
フェルミの視線が、ファーリから自身の膝に落ちた。スカートに雫がぽろりと落ちて染みを作る。
「もしかしたら、伯爵様と、その、日陰の身の女性との間に出来た、許されない子供なのかなって、思ったり。ほら、本であったでしょう? 私と同じように、隠されて育つ愛人の子が、本妻やそのご令嬢にいじめられながらも懸命に生きて、王子様に見初められて幸せになったりするお話」
「……」
独り言のようなフェルミの言葉は、これまで彼女が疑問に思い、考えあぐねても口に出さなかったものだ。フェルミは、ファーリの無言が肯定の返事だと思った。
「そっか、そっかぁ……。わた、し……。あの家の、こども、だったんだね……。おとうさま、も、お、かあ、さまも、いて。さっき会った、のは、い、いもうと、と、おとうと、かな?」
「お嬢様……。あの、あたし……あたし、余計な事を言って、申し訳……」
「謝らないで……。ファーリは、何もわるくない、よ? なんにも……。わるいのは、うまれてきた、わ、わたしだから……」
「そんなことありませんから……」
「いいの……。もう、いいの……」
これまで、どれほど家族と言うものを切望しただろう。それは、自分を受け入れて抱きしめてくれる温かい場所であって、家という「冷たい箱」ではない。
本当なら、どこの誰よりも愛してくれるはずの彼らにとって、自分という存在は、一秒でも会いたくないほど否定したいものだったのだろうか。
不思議と、体を引き裂かれそうなほどの悲しみや苦しみはない。
ふたりを乗せて無情にも進む馬車は、暗闇という明日に向かっているかのようだ。
フェルミは、ただただ、なぜか流れる涙で頬を濡らしながらも、嗚咽ひとつ零さなかった。
美しく儚げな伯爵夫人は、ソファに寄りかかりながら、フェルミを見ようともせず口を開いた。フェルミには見えないが、扇で隠されている口元が歪んでいる。
「はい、慈悲深い伯爵様ご夫妻のおかげでございます」
フェルミは、歓迎されていないと瞬時に悟った。そして、頭を下げてお礼を言う。その声ですら聞きたくないと言わんばかりに、伯爵夫人は不快さを露わにしていた。
「お前に特別な嫁ぎ先を用意してあるの。その身ひとつで良いと言ってくださってるから、今すぐ行きなさい」
「え? どういうことでしょうか?」
フェルミは、この挨拶が終わり次第、小さなトランクに荷物をまとめて世界に旅立とうとしていた。
ファーリはごまかそうとしていたけれど、日ごろの言動から、伯爵夫人に相当嫌われているのは知っていた。今日まで生きて来れたのは、窮地を救ってくれた伯爵のおかげであることもわかっており、伯爵にはお礼を言いたいと思っていたがそれどころではなさそうだ。
(結婚? このまますぐに嫁ぐって?)
「誰が質問をしていいと言ったの。全く、なんて生意気で身の程知らずな……。しかも、頭まで悪いなんて、どうしようもないわね。メイド長、さっさとソレをバスタ子爵家に連れて行きなさい」
「かしこまりました、奥様」
フェルミは二の句も告げる間もなかった。メイドたちに腕を取られて、引きずられるように部屋から追い出される。
「あの、あの、あの……。私、結婚なんてそんな。すぐに、ここを出ていきますから……」
「お嬢様、良かったですわねぇ。ラート様は、次期子爵で、とてもご立派な方なんですってぇ。夫君のお名前くらい、道中で覚えてくださいねぇ? まさかとは思いますが、結婚という言葉をご存じなかったり?」
結婚という単語は知っている。フェルミだって、愛する男性との家庭を夢見ていたりもした。不相応で大それた願いだとしても。
でも、自分のあずかり知らぬところで勝手に決められて、しかもすぐに嫁げとはどういうわけなのか。
ぐいぐい引っ張られる腕も肩も、キシキシ音が鳴りそうなほど痛い。それよりも、理不尽な対応を強いられる心のほうがもっと痛かった。
「待ってください! このこと、伯爵様はご存じなの? お嬢様の全権を任されている執事さんもいない日に、いきなり嫁げだなんて、こんなのおかしすぎます!」
「ファーリ、お前も一緒に行くんだよ。全く、お前が、料理長や男の人たちをだまして金品をまきあげていたのはわかってるの。平民は、やることが野蛮で恐ろしいわね。前メイド長も、さぞ苦労なさったでしょうね」
「前のメイド長たちは、やってはならないことをしていたからでしょう?」
「奥様のご命令を粛々とされていただけよ? だから言ったでしょう? もっと周りを見ろって。ここでは奥様が絶対なの」
「そんな……!」
フェルミの後ろで、ファーリが意見を言ってくれている。だが、ここでは平民であるファーリに、発言権はほとんどない。必死に止めようと頑張っているがどうすることもできなかった。
どんっ!
背中を押されるように馬車の床に投げ出された。倒れたフェルミの上に、無理やり連れて来られたファーリも乗せられる。
「ま、待って……!」
「何すんのよ! お嬢様、大丈夫ですか?」
ファーリが、狭い場所で立ち上がらせようとしたが、がたんと馬車が動き出した。激しい揺れのために、うまく体が動かせない。体に、堅いソファの土台が当たり息がつまる。
呆然自失で動けないフェルミと違い、ファーリは窓をどんどん叩いて叫んだ。
「あ、あたしの貯めていた全財産がああああ! ちょ、退職金は? 無一文で放り出すとか、この、泥棒! 詐欺師ーっ! 悪徳伯爵家めー! かーえーせー!」
こだましそうなほどのファーリの魂の叫びは、すさまじい速度で走り抜ける馬車の轟音にかき消されてしまった。
どうにもできない現状に、やっとの思いでソファに腰をかける。対面で座った双方は、一方は無気力で表情が抜け落ちており、一方はいらいらと爪を噛んでいた。
「くそ、やっと結婚できると思ってたのに……! お嬢様だって、牢獄のようなあの場所から、世界に旅立とうとしていたんだから、見送りはなくても、そっと送り出してくれれば良かったのに!」
フェルミは、ファーリが涙ぐみながら悔しそうに言うのをぼうっと聞いていた。そして、契約違反をしたのはあっちなんだからと、出自を知らされたのである。
「私が、伯爵様の子供? しかも、さっきの伯爵夫人がお母様だなんて、そんな……。うそ……」
「嘘じゃありません。伯爵様は、お嬢様の髪の色も瞳の色も受け入れなさったそうです。お嬢様のスキルのことも、先代伯爵様と奥様の決定がなかったら、きっと娘としてきちんと育ててくれてたと思うんです。ただ先代伯爵様と奥様が……」
ファーリは、怒りのあまり、フェルミの気持ちを考えずにうっ憤を吐き出すように真実を伝えていった。ところが、静かに頬を涙で濡らすフェルミを見て、彼女を傷つけるだけの失言に気づいて唇を閉じる。
「私は、孤児じゃなかったのね……」
「……」
「おかしいと、思っていたの。だって、お嬢様ってファーリが言ってくれているけど、貴族のご令嬢なら、たとえ孤児であっても、どこの家の子かくらいわかるはずなのに、私は天涯孤独みたいな扱いだったでしょ……」
フェルミの視線が、ファーリから自身の膝に落ちた。スカートに雫がぽろりと落ちて染みを作る。
「もしかしたら、伯爵様と、その、日陰の身の女性との間に出来た、許されない子供なのかなって、思ったり。ほら、本であったでしょう? 私と同じように、隠されて育つ愛人の子が、本妻やそのご令嬢にいじめられながらも懸命に生きて、王子様に見初められて幸せになったりするお話」
「……」
独り言のようなフェルミの言葉は、これまで彼女が疑問に思い、考えあぐねても口に出さなかったものだ。フェルミは、ファーリの無言が肯定の返事だと思った。
「そっか、そっかぁ……。わた、し……。あの家の、こども、だったんだね……。おとうさま、も、お、かあ、さまも、いて。さっき会った、のは、い、いもうと、と、おとうと、かな?」
「お嬢様……。あの、あたし……あたし、余計な事を言って、申し訳……」
「謝らないで……。ファーリは、何もわるくない、よ? なんにも……。わるいのは、うまれてきた、わ、わたしだから……」
「そんなことありませんから……」
「いいの……。もう、いいの……」
これまで、どれほど家族と言うものを切望しただろう。それは、自分を受け入れて抱きしめてくれる温かい場所であって、家という「冷たい箱」ではない。
本当なら、どこの誰よりも愛してくれるはずの彼らにとって、自分という存在は、一秒でも会いたくないほど否定したいものだったのだろうか。
不思議と、体を引き裂かれそうなほどの悲しみや苦しみはない。
ふたりを乗せて無情にも進む馬車は、暗闇という明日に向かっているかのようだ。
フェルミは、ただただ、なぜか流れる涙で頬を濡らしながらも、嗚咽ひとつ零さなかった。
11
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
孕まされて捨てられた悪役令嬢ですが、ヤンデレ王子様に溺愛されてます!?
季邑 えり
恋愛
前世で楽しんでいた十八禁乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生したティーリア。婚約者の王子アーヴィンは物語だと悪役令嬢を凌辱した上で破滅させるヤンデレ男のため、ティーリアは彼が爽やかな好青年になるよう必死に誘導する。その甲斐あってか物語とは違った成長をしてヒロインにも無関心なアーヴィンながら、その分ティーリアに対してはとんでもない執着&溺愛ぶりを見せるように。そんなある日、突然敵国との戦争が起きて彼も戦地へ向かうことになってしまう。しかも後日、彼が囚われて敵国の姫と結婚するかもしれないという知らせを受けたティーリアは彼の子を妊娠していると気がついて……
宮廷魔導士は鎖で繋がれ溺愛される
こいなだ陽日
恋愛
宮廷魔導士のシュタルは、師匠であり副筆頭魔導士のレッドバーンに想いを寄せていた。とあることから二人は一線を越え、シュタルは求婚される。しかし、ある朝目覚めるとシュタルは鎖で繋がれており、自室に監禁されてしまい……!?
※本作はR18となっております。18歳未満のかたの閲覧はご遠慮ください
※ムーンライトノベルズ様に重複投稿しております
異世界転移したら、推しのガチムチ騎士団長様の性癖が止まりません
冬見 六花
恋愛
旧題:ロングヘア=美人の世界にショートカットの私が転移したら推しのガチムチ騎士団長様の性癖が開花した件
異世界転移したアユミが行き着いた世界は、ロングヘアが美人とされている世界だった。
ショートカットのために醜女&珍獣扱いされたアユミを助けてくれたのはガチムチの騎士団長のウィルフレッド。
「…え、ちょっと待って。騎士団長めちゃくちゃドタイプなんですけど!」
でもこの世界ではとんでもないほどのブスの私を好きになってくれるわけない…。
それならイケメン騎士団長様の推し活に専念しますか!
―――――【筋肉フェチの推し活充女アユミ × アユミが現れて突如として自分の性癖が目覚めてしまったガチムチ騎士団長様】
そんな2人の山なし谷なしイチャイチャエッチラブコメ。
●ムーンライトノベルズで掲載していたものをより糖度高めに改稿してます。
●11/6本編完結しました。番外編はゆっくり投稿します。
●11/12番外編もすべて完結しました!
●ノーチェブックス様より書籍化します!
麗しのシークさまに執愛されてます
こいなだ陽日
恋愛
小さな村で調薬師として働くティシア。ある日、母が病気になり、高額な薬草を手に入れるため、王都の娼館で働くことにした。けれど、処女であることを理由に雇ってもらえず、ティシアは困ってしまう。そのとき思い出したのは、『抱かれた女性に幸運が訪れる』という噂がある男のこと。初体験をいい思い出にしたいと考えたティシアは彼のもとを訪れ、事情を話して抱いてもらった。優しく抱いてくれた彼に惹かれるものの、目的は果たしたのだからと別れるティシア。しかし、翌日、男は彼女に会いに娼館までやってきた。そのうえ、ティシアを専属娼婦に指名し、独占してきて……
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】虐げられオメガ聖女なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました(異世界恋愛オメガバース)
美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!
もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
泉南佳那
恋愛
イケメンカリスマ美容師と内気で地味な書店員との、甘々溺愛ストーリーです!
どうぞお楽しみいただけますように。
〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
書店の仕事と〈リインカネーション〉の施術という二重生活に慣れてきた矢先、大問題が発生する。
突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
残念に思いながらも、やはり夢でしかなかったのだとあきらめる優紀だったが、そんなとき、玲伊から呼び出しを受けて……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる