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私だけのかわいいハムチュターン ⑤ R15~
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頼りなくて、ほっとけない。そんな、焼け付く太陽の陽をたくさん浴びてきた彼の頭をそっと撫でる。
──おかしいなあ。私は前世ではTL小説のヒーローのようなスパダリが理想だったはずなのに
なのに、今、私の目の前にいるのは、スパダリとは程遠い、かわいくて気弱なハムチュターンの男の子なのだ。
「うん……。でもね、やっぱりライノに対する好きは違うの。あ、貴方とライノを比べるんじゃなくってね? 上手く言えないんだけどさ、貴方の人化した姿すら知らないのに、なぜか貴方に会いたくなったの。ライノでも他の誰でもなくってダンに会いたかった。おかしいかな?」
「おかしくない……。ハムチュターンの姿も、今の姿も俺だから」
「ねぇ、ダン。抱き着かれていたら貴方の姿が見えないの。少し離れて、よく見せて?」
ダンは、やっと腕を解いて私が見やすい位置まで手を握りながら、お尻を少し横にずらしてくれた。さっき、再会した時に見たのは、間違いでもなんでもなくて、幸せそうに輝く琥珀の瞳に私の姿が映り込んでいる。
「エミリア、これは俺が見ている幸せな夢なのかな?」
「夢かどうか、確かめてみる?」
お互いの視線を絡み合わせていると、ダンの瞳が潤みだした。目元が赤くなり、私がこうして彼に会いに来た事が嬉しいけれど、そんな事あるはずないって葛藤しているのがわかる。
期待と、不安。幸せすぎるほどの嬉しい時が、本当に夢だった時の悲しみと恐怖。確かめたいけれど、確かめたら私が消えてしまうかもしれないなんて思っていそう。
ダンは感情をあまり隠さない。ハムチュターンだった時なんかは言葉というコミュニケーションが取れなかったから120%以上、嬉しい時は喜びを見せていた。悲しんでいる時も、本人は自覚がないけれど、こちらが罪悪感で不眠になりそうなほど落ち込んでいた。
そんな風に、うっとりするような雰囲気が少し照れくさくなって、関係のない事を頭で考えてしまう。
「エミリア。確かめさせて」
「ん……」
ダンへの気持ちを自覚してまだ間もない。本当は、とっくにハムチュターンに惹かれ始めていたんだろうけれど、こんな風に大胆になれる自分にびっくりしつつ、両手で彼の頬を挟んだ。
彼の顔が、日に焼けた浅黒さの中に熱がこもって、よくみれば赤く染まっているのがわかる。
彼の顔が、そっと私に近づいて来る。真剣な表情で、なんだか、これまで習った勉強をおさらいして失敗しないように石橋をたたきすぎて壊しそうなほど慎重だった。
なんとなく、タコチューみたいな唇になっている彼のソコが気になってしょうがない。ここで吹き出したら折角のムードが台無しだ。
私は、これ以上彼を見たらダメだと確信した。目を閉じて、彼の柔らかそうな唇が当たるのを待つ。
1秒、2秒、3秒……。まだ来ない。30秒ほど数えると、一体どうしたのかと確かめたくなって右目だけをそっと開いた。
すると、ダンは目を見開いて、瞬きをしていないかのように白目が真っ赤になっていた。唇の形が、まるで百面相のように様々な形を作って、あーでもない、こーでもないって私に聞こえないほど小さく呟いている。
「ダン……?」
どうしたのかと思い、彼に問いかける。すると、ダンは慌てて
「だ、だだ、だいじょうぶ、だ! お、おお、俺に、全部ぅ、ま、かせぇて!」
と、まったく大丈夫そうではない答え方をしてくれた。
「……ダン、貴方初めて?」
「だ、だい、じょう、ぶ! ちゃんと! せんせーに、みんなといっしょに、ならった、からぁ! え、えみりあっは、なにもしらなくてぇ! だ、だから、おれがあ!」
──……うん。大丈夫じゃない。このままではキス一つに数日かかるかもしれないなあ……
前歯がゴッツンとかめっちゃくちゃ痛そうな漫画みたいになったりして……。今のままだったら有り得そう。
私は、前歯ごっつんを回避するため、チェリー確定なハムチュターンの私だけの番に、自分から近づいた。
ちゅ
ちょうど、彼の唇が軽く合わさった時に、少し吸い付くようにキスをした。リップ音が短く高くなり、彼の荒い鼻息を一瞬消した。
「え……」
ダンが、目を開いて、今私がした事を理解できずに頭の周囲に?が沢山飛んでいるかのようにフリーズした。
──ショック療法みたいになったかな? もう一押し?
ちゅ
今度は、さっきよりもしっかり、口を半開きにしたまま止まっている彼の口に唇を当てて、ぷるんっとした下唇を軽く食んだ後、リップ音をさっきよりも大きく立てて離れた。
「ダン、好きよ」
離れて、彼の驚愕で頭が真っ白になっているだろう琥珀の瞳に、赤らんだ自分の熱い顔を映り込ませた。
「エミリア……?」
「うん」
「キスを知っていたの?」
思いもかけない言葉に、前世のお笑い芸人さんのようにずっこけそうになる。ひょっとして、ダンは私が何も知らない女の子だと思っていたから、あんなに自分がリードしなければならないと意気込んでいたのかと得心した。
「あのね、私20才なのよ? (前世ではキスの経験はあるけれど)するのは初めてだけど、ちゃんと、色々知ってるから。ダンと一緒ね?」
「俺と一緒?」
「うん、一緒」
何を言わせるんだと少し睨んでしまうけれど、とても嬉しそうに笑う彼の顔を見て、やっぱりダンに甘い私は嬉しくなってしまう。
「エミリア、好きだ。愛している」
「ん……んんっ!」
ダンは、私が微笑んで頷くと、今度は彼からキスが贈られた。
キスにだんだん夢中になってお互いに不器用にぷはってしながら、何度も唇を合わせる。顎から首筋に二人の唾液が流れ落ちるがまま、舌先も擦り合わせ絡ませた。
「はぁ、は……、はっ。エミリア、エミリアッ!」
「んんっ、ああんむぅ! ダン、はあっ、ん! ダン……!」
気が付けば、顔の位置はほとんど同じ高さだったのに、彼の力強い腕に抱え込まれ、ソファに押し倒されて私が彼の下いた。
──おかしいなあ。私は前世ではTL小説のヒーローのようなスパダリが理想だったはずなのに
なのに、今、私の目の前にいるのは、スパダリとは程遠い、かわいくて気弱なハムチュターンの男の子なのだ。
「うん……。でもね、やっぱりライノに対する好きは違うの。あ、貴方とライノを比べるんじゃなくってね? 上手く言えないんだけどさ、貴方の人化した姿すら知らないのに、なぜか貴方に会いたくなったの。ライノでも他の誰でもなくってダンに会いたかった。おかしいかな?」
「おかしくない……。ハムチュターンの姿も、今の姿も俺だから」
「ねぇ、ダン。抱き着かれていたら貴方の姿が見えないの。少し離れて、よく見せて?」
ダンは、やっと腕を解いて私が見やすい位置まで手を握りながら、お尻を少し横にずらしてくれた。さっき、再会した時に見たのは、間違いでもなんでもなくて、幸せそうに輝く琥珀の瞳に私の姿が映り込んでいる。
「エミリア、これは俺が見ている幸せな夢なのかな?」
「夢かどうか、確かめてみる?」
お互いの視線を絡み合わせていると、ダンの瞳が潤みだした。目元が赤くなり、私がこうして彼に会いに来た事が嬉しいけれど、そんな事あるはずないって葛藤しているのがわかる。
期待と、不安。幸せすぎるほどの嬉しい時が、本当に夢だった時の悲しみと恐怖。確かめたいけれど、確かめたら私が消えてしまうかもしれないなんて思っていそう。
ダンは感情をあまり隠さない。ハムチュターンだった時なんかは言葉というコミュニケーションが取れなかったから120%以上、嬉しい時は喜びを見せていた。悲しんでいる時も、本人は自覚がないけれど、こちらが罪悪感で不眠になりそうなほど落ち込んでいた。
そんな風に、うっとりするような雰囲気が少し照れくさくなって、関係のない事を頭で考えてしまう。
「エミリア。確かめさせて」
「ん……」
ダンへの気持ちを自覚してまだ間もない。本当は、とっくにハムチュターンに惹かれ始めていたんだろうけれど、こんな風に大胆になれる自分にびっくりしつつ、両手で彼の頬を挟んだ。
彼の顔が、日に焼けた浅黒さの中に熱がこもって、よくみれば赤く染まっているのがわかる。
彼の顔が、そっと私に近づいて来る。真剣な表情で、なんだか、これまで習った勉強をおさらいして失敗しないように石橋をたたきすぎて壊しそうなほど慎重だった。
なんとなく、タコチューみたいな唇になっている彼のソコが気になってしょうがない。ここで吹き出したら折角のムードが台無しだ。
私は、これ以上彼を見たらダメだと確信した。目を閉じて、彼の柔らかそうな唇が当たるのを待つ。
1秒、2秒、3秒……。まだ来ない。30秒ほど数えると、一体どうしたのかと確かめたくなって右目だけをそっと開いた。
すると、ダンは目を見開いて、瞬きをしていないかのように白目が真っ赤になっていた。唇の形が、まるで百面相のように様々な形を作って、あーでもない、こーでもないって私に聞こえないほど小さく呟いている。
「ダン……?」
どうしたのかと思い、彼に問いかける。すると、ダンは慌てて
「だ、だだ、だいじょうぶ、だ! お、おお、俺に、全部ぅ、ま、かせぇて!」
と、まったく大丈夫そうではない答え方をしてくれた。
「……ダン、貴方初めて?」
「だ、だい、じょう、ぶ! ちゃんと! せんせーに、みんなといっしょに、ならった、からぁ! え、えみりあっは、なにもしらなくてぇ! だ、だから、おれがあ!」
──……うん。大丈夫じゃない。このままではキス一つに数日かかるかもしれないなあ……
前歯がゴッツンとかめっちゃくちゃ痛そうな漫画みたいになったりして……。今のままだったら有り得そう。
私は、前歯ごっつんを回避するため、チェリー確定なハムチュターンの私だけの番に、自分から近づいた。
ちゅ
ちょうど、彼の唇が軽く合わさった時に、少し吸い付くようにキスをした。リップ音が短く高くなり、彼の荒い鼻息を一瞬消した。
「え……」
ダンが、目を開いて、今私がした事を理解できずに頭の周囲に?が沢山飛んでいるかのようにフリーズした。
──ショック療法みたいになったかな? もう一押し?
ちゅ
今度は、さっきよりもしっかり、口を半開きにしたまま止まっている彼の口に唇を当てて、ぷるんっとした下唇を軽く食んだ後、リップ音をさっきよりも大きく立てて離れた。
「ダン、好きよ」
離れて、彼の驚愕で頭が真っ白になっているだろう琥珀の瞳に、赤らんだ自分の熱い顔を映り込ませた。
「エミリア……?」
「うん」
「キスを知っていたの?」
思いもかけない言葉に、前世のお笑い芸人さんのようにずっこけそうになる。ひょっとして、ダンは私が何も知らない女の子だと思っていたから、あんなに自分がリードしなければならないと意気込んでいたのかと得心した。
「あのね、私20才なのよ? (前世ではキスの経験はあるけれど)するのは初めてだけど、ちゃんと、色々知ってるから。ダンと一緒ね?」
「俺と一緒?」
「うん、一緒」
何を言わせるんだと少し睨んでしまうけれど、とても嬉しそうに笑う彼の顔を見て、やっぱりダンに甘い私は嬉しくなってしまう。
「エミリア、好きだ。愛している」
「ん……んんっ!」
ダンは、私が微笑んで頷くと、今度は彼からキスが贈られた。
キスにだんだん夢中になってお互いに不器用にぷはってしながら、何度も唇を合わせる。顎から首筋に二人の唾液が流れ落ちるがまま、舌先も擦り合わせ絡ませた。
「はぁ、は……、はっ。エミリア、エミリアッ!」
「んんっ、ああんむぅ! ダン、はあっ、ん! ダン……!」
気が付けば、顔の位置はほとんど同じ高さだったのに、彼の力強い腕に抱え込まれ、ソファに押し倒されて私が彼の下いた。
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