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気弱なハムチュターンのあまがみ① R15
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喘ぎではないですが♡表現があります。
俺は、このまま誰にも知られずに死んでしまうのだろうか。
運命の、唯一である魂の片割れである番を求めて旅をしていた。番に会えない同胞も多く、会えたとしてもすでに結婚したり恋人がいたりする場合もあった。特に、番が獣人ではなく人間ならなおさら、探しても無駄だと言われるほど番と生涯を共にする事が出来ない。
俺たちハムチュターン族は、番の幸せを望む。自ら望むその願いはひとつだ。けれど、それを押し通して番を傷つけるなんてもってのほか。
結局、同胞のあぶれたもの同士で結婚出産する事になる。
けれども、俺は番に会いたくて仕方が無かった。番と結婚したい。番に、この守り抜いた純潔を捧げて、俺の思いのたけをぶつけて満たしたかった。
番が見つかった時、相手がいるのなら諦められる。まだ見ぬ番が他人と笑い合っているという想像だけで胸がじりじり気持ち悪いほど焦げてしまうけれど。
15の時から世界中を旅してきた。残るはこの北の果てと、更に北方のエイヤフィラだけだ。エイヤフィラに行くには、巨大な海の魔物と戦い続け、嵐の冷たい北の海を越え、さらに、国を取り巻く雷鳴轟く暴風雨を乗り越えなければならない。
死ぬかもしれない果てのない旅かもしれない。だけど、世界中を探し終わるまでは諦めたくはなかった。
途中で現れた魔物と戦い、満身創痍でたどり着いた場所は大雪原だった。魔力も体力も枯渇し、攻撃されたため体中に傷がある。血も失ったようだ。肌から感じるものすらなくなっていった。
意識が朦朧とし、足が動かなくなった。今向いているのが、右なのか左なのか。それとも上なのかもわからない。
ダメだと思っても瞼が重くなる。月華が眩しく照らす雪の輝きが徐々に暗くなっていった。
※※※※
──温かい……ここは、どこだ……
俺は死んでしまったのかと思ったがどうやら違うようだ。さっきまでの虚脱感が軽減している。体の下にふわふわとしたタオル地があって不思議に思いながらまどろんでいた。
すると、突然鼻先ににゅっと巨大な何かが現れた。
──なんだ?
匂ってみると水と、嗅いだ事のない香りがした。ひょっとしたら、魔物の一種である巨大なカツラ・ウツボーヤネンかもしれない。あいつは、世界一大きく、その香りで獲物を呼び寄せ花弁にとらえて溶かして食う恐ろしい存在だ。
「ジー!」
なんだ? 言葉がでない。
俺はどうやら人化を解いていたようだ。雪原で倒れる時は確かに人化していたのに。意識がなくなって省エネモードのハムチュターンになったのかと理解した。
「ジー! ジーーッ!」
威嚇した。あいつは俺たちハムチュターン族の鳴き声でひるみ撤退するはずだ。歯をむき出しにして噛みついてやると脅す。
だというのに、目の前のソレは逃げて行かなかった。
──うそだろう? そんな……! どどどどどうしよう。魔力も尽きているし、人化が出来ない。流石に、ハムチュターンの姿じゃあアイツとバトルになったら勝てないじゃないか!
更に、あっちにいけと威嚇するが効果はなかった。
俺は、目を閉じて決死の覚悟で大きく口を開けて目の前の柔らかそうな部分に、勢いよく噛みついたのだった。
かぷ♡
ううう、力がなくてあまがみになってしまった。もう俺はこのまま捕食されて今度こそあの世にいくのだろう。そう、思い目を閉じた。
──ああ、父上、母上……。申し訳ありません。先立つ不孝をお許しください。ああ、ゆっくり溶かされるなんていやだ。いっそ一思いに……
目からぽろぽろ涙が出た。
ここは北の果て。俺は、遥か遠く南の国にいる家族の顔を一人一人思い浮かべたのであった。
「やーん、かっわい~。もっとかぷかぷしてぇ♡」
──ん?
絶望の中、突然聞こえて来た可愛らしく弾んだ声のほうを恐る恐る見上げた。そこには、巨大な人間がいた。小さなハムチュターンの姿ではド近眼なので顔まではわからなくてぼんやりした人影だ。
俺たち誇り高き獣人を、単なるハムチュターンとして認知するのは人間だ。特に、子供や女性はこんな風に喜んで俺たちの体を手のひらに乗せたり、指先で撫でたりしてくる。時にはこちらの意志などお構いなしに。
おそらくは若い女の子だろう。いつもなら耳障りな高くて大きな声が心地いい。
──あれ……? なんだかむずむずする
かぷ♡ かぷ♡ かぷ♡
混乱する間中、彼女の望む通りにあまがみを繰り返した。なぜか、そうしなければいけないと思ったから。
ぺろ♡ ぺろ♡ ぺろ♡
更に、舌で舐めた。物凄く甘くて美味しい。
「きゃああん。指先をぺろって、ぺろってしてくれたあ。ふふふ、貴方、人懐っこいねえ」
ふわっと体が浮き上がる。柔らかい手の平に乗せられた。
自分の行動が信じられず呆然としていると、彼女の指先が耳や背中を這う。
──ああ、……もっと撫でてくれっ!
俺は、今まで感じた事のないほどの快楽に身を任せた。気が付くと腹を見せて、柔らかな腹の白い毛までもが彼女の指先でくすぐられた。
時々、ぷにぷにたぷたぷと脇腹を愛撫されてしまう。
「あ、男の子なんだねー。立派なタマタマがある~ふふふ」
「チ? チチッ! チ……ィ」
──あ、そんな。そこは……! ああ、ツンツンされちゃったぁ……
俺は、いつもなら絶対に他人に触らせない股間を無防備に彼女に晒し、すぐに腹ばいになって隠そうともしなかった。内心嫌がりながらもつんつんされまくった。
その時に、下腹の白い毛の中にある俺の大事な部分にも感触と振動が伝わる。
きゅっと小さな足で、彼女の手の部分を掴んだ。この身もだえするような感覚から逃れるように。腰が抜けそうに気持ち良くなっていくと同時に体中に力が入ってしまう。
「わあ、きゅって。きゅって~! ちっこーい。白い爪も一個一個がちっこーい! やーん♡ もっときゅってして~」
「チッ!」
彼女の望みのまま、すべらかな指の柔肌をきゅっと掴む。
──ああ、もう、ダメだ……!
出てしまう、と思った。抗えない女の子の指先に、俺の熱く白い物を他人の手で初めて解き放とうとしたのである。
俺は、このまま誰にも知られずに死んでしまうのだろうか。
運命の、唯一である魂の片割れである番を求めて旅をしていた。番に会えない同胞も多く、会えたとしてもすでに結婚したり恋人がいたりする場合もあった。特に、番が獣人ではなく人間ならなおさら、探しても無駄だと言われるほど番と生涯を共にする事が出来ない。
俺たちハムチュターン族は、番の幸せを望む。自ら望むその願いはひとつだ。けれど、それを押し通して番を傷つけるなんてもってのほか。
結局、同胞のあぶれたもの同士で結婚出産する事になる。
けれども、俺は番に会いたくて仕方が無かった。番と結婚したい。番に、この守り抜いた純潔を捧げて、俺の思いのたけをぶつけて満たしたかった。
番が見つかった時、相手がいるのなら諦められる。まだ見ぬ番が他人と笑い合っているという想像だけで胸がじりじり気持ち悪いほど焦げてしまうけれど。
15の時から世界中を旅してきた。残るはこの北の果てと、更に北方のエイヤフィラだけだ。エイヤフィラに行くには、巨大な海の魔物と戦い続け、嵐の冷たい北の海を越え、さらに、国を取り巻く雷鳴轟く暴風雨を乗り越えなければならない。
死ぬかもしれない果てのない旅かもしれない。だけど、世界中を探し終わるまでは諦めたくはなかった。
途中で現れた魔物と戦い、満身創痍でたどり着いた場所は大雪原だった。魔力も体力も枯渇し、攻撃されたため体中に傷がある。血も失ったようだ。肌から感じるものすらなくなっていった。
意識が朦朧とし、足が動かなくなった。今向いているのが、右なのか左なのか。それとも上なのかもわからない。
ダメだと思っても瞼が重くなる。月華が眩しく照らす雪の輝きが徐々に暗くなっていった。
※※※※
──温かい……ここは、どこだ……
俺は死んでしまったのかと思ったがどうやら違うようだ。さっきまでの虚脱感が軽減している。体の下にふわふわとしたタオル地があって不思議に思いながらまどろんでいた。
すると、突然鼻先ににゅっと巨大な何かが現れた。
──なんだ?
匂ってみると水と、嗅いだ事のない香りがした。ひょっとしたら、魔物の一種である巨大なカツラ・ウツボーヤネンかもしれない。あいつは、世界一大きく、その香りで獲物を呼び寄せ花弁にとらえて溶かして食う恐ろしい存在だ。
「ジー!」
なんだ? 言葉がでない。
俺はどうやら人化を解いていたようだ。雪原で倒れる時は確かに人化していたのに。意識がなくなって省エネモードのハムチュターンになったのかと理解した。
「ジー! ジーーッ!」
威嚇した。あいつは俺たちハムチュターン族の鳴き声でひるみ撤退するはずだ。歯をむき出しにして噛みついてやると脅す。
だというのに、目の前のソレは逃げて行かなかった。
──うそだろう? そんな……! どどどどどうしよう。魔力も尽きているし、人化が出来ない。流石に、ハムチュターンの姿じゃあアイツとバトルになったら勝てないじゃないか!
更に、あっちにいけと威嚇するが効果はなかった。
俺は、目を閉じて決死の覚悟で大きく口を開けて目の前の柔らかそうな部分に、勢いよく噛みついたのだった。
かぷ♡
ううう、力がなくてあまがみになってしまった。もう俺はこのまま捕食されて今度こそあの世にいくのだろう。そう、思い目を閉じた。
──ああ、父上、母上……。申し訳ありません。先立つ不孝をお許しください。ああ、ゆっくり溶かされるなんていやだ。いっそ一思いに……
目からぽろぽろ涙が出た。
ここは北の果て。俺は、遥か遠く南の国にいる家族の顔を一人一人思い浮かべたのであった。
「やーん、かっわい~。もっとかぷかぷしてぇ♡」
──ん?
絶望の中、突然聞こえて来た可愛らしく弾んだ声のほうを恐る恐る見上げた。そこには、巨大な人間がいた。小さなハムチュターンの姿ではド近眼なので顔まではわからなくてぼんやりした人影だ。
俺たち誇り高き獣人を、単なるハムチュターンとして認知するのは人間だ。特に、子供や女性はこんな風に喜んで俺たちの体を手のひらに乗せたり、指先で撫でたりしてくる。時にはこちらの意志などお構いなしに。
おそらくは若い女の子だろう。いつもなら耳障りな高くて大きな声が心地いい。
──あれ……? なんだかむずむずする
かぷ♡ かぷ♡ かぷ♡
混乱する間中、彼女の望む通りにあまがみを繰り返した。なぜか、そうしなければいけないと思ったから。
ぺろ♡ ぺろ♡ ぺろ♡
更に、舌で舐めた。物凄く甘くて美味しい。
「きゃああん。指先をぺろって、ぺろってしてくれたあ。ふふふ、貴方、人懐っこいねえ」
ふわっと体が浮き上がる。柔らかい手の平に乗せられた。
自分の行動が信じられず呆然としていると、彼女の指先が耳や背中を這う。
──ああ、……もっと撫でてくれっ!
俺は、今まで感じた事のないほどの快楽に身を任せた。気が付くと腹を見せて、柔らかな腹の白い毛までもが彼女の指先でくすぐられた。
時々、ぷにぷにたぷたぷと脇腹を愛撫されてしまう。
「あ、男の子なんだねー。立派なタマタマがある~ふふふ」
「チ? チチッ! チ……ィ」
──あ、そんな。そこは……! ああ、ツンツンされちゃったぁ……
俺は、いつもなら絶対に他人に触らせない股間を無防備に彼女に晒し、すぐに腹ばいになって隠そうともしなかった。内心嫌がりながらもつんつんされまくった。
その時に、下腹の白い毛の中にある俺の大事な部分にも感触と振動が伝わる。
きゅっと小さな足で、彼女の手の部分を掴んだ。この身もだえするような感覚から逃れるように。腰が抜けそうに気持ち良くなっていくと同時に体中に力が入ってしまう。
「わあ、きゅって。きゅって~! ちっこーい。白い爪も一個一個がちっこーい! やーん♡ もっときゅってして~」
「チッ!」
彼女の望みのまま、すべらかな指の柔肌をきゅっと掴む。
──ああ、もう、ダメだ……!
出てしまう、と思った。抗えない女の子の指先に、俺の熱く白い物を他人の手で初めて解き放とうとしたのである。
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