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お風呂も終わり、案内された寝室でほっと一息つく。大きな、クイーンサイズの倍はあろうかと思えるほど大きなベッドに飛び込んで、大の字になった。
「はあ、つっかれたー」
この世界に来てから、まだ1ヶ月も経っていない。こんなんでいいのかなって戸惑うものの、コーキさんたちが喜んでいるし、私もなんだかんだで嬉しいからいいのかなとも思う。
「ファンタジーあるあるで、いきなり放り出されたり、怪物になったり、裏切られてからの復讐とかそういう流れじゃなくて良かった……」
ぼそっとそんなことを独りごちる。すると、大きな扉が開いてコーキさんが入ってきた。
「マール、もう寝たのか?」
「あ、コーキさん。ううん、まだ起きてますよ」
体を起こすと、ベッドがぽよんと波打つ。ベッドから立ち上がろうとすると、コーキさんは、そんな私を静止して微笑みながらベッドに上がってきた。
「マール」
「え、あ……コーキ、さん」
体を優しく横たえさせられた。彼の体が半分くらい上に重なり、ちゅっとキスをされる。
「長い間待ったんだ」
「はい」
彼が何を言いたいのかわからないほど子供ではない。経験は0だけど、一応知識はある。この世界には獣人がいるけど、私も彼も人間だ。よっぽど特殊性癖でもないかぎり、いよいよドキドキのあれこれが始まるのかと身構える。
不思議と怖くはない。ただ、照れくさくて恥ずかしくて、どこかに隠れたいような、そんな気がするだけだった。
ゆっくり服をはだけられる。もどかしくて、でもその優しい手つきが嬉しくて、できる限り彼の動きに合わせてみた。
できれば、お腹とか隠せたらいいんだけど……
つくづく、ダイエットの失敗続きでリバウンドしまくった今の体が恥ずかしい。
ほにっと脇腹とかつままれて、ちょっと辞めて欲しいって思っても、彼はそうすることがとても嬉しそうだ。
……もしかして、ぽっちゃり専?
世の中には、私くらいの肉布団がすこぶる好きだという人もいる。実際、パパやママがそうだったし。讃路さんは健康面だけ気にしていただけで、太ってるのを気にしてなさそうだった。
コーキさんに至っては、せっかく空腹などの副作用の強い薬が要らなくなったしダイエットしようとしても、食べろ食べろって言ってきたし。
「あの、コーキさんはどのくらいの体型が好きなんですか?」
恥ずかしいけど聞いてみた。するとびっくりされたあとクスクス笑われる。
「俺はマールが好きなんだ。今のマールも好きだし、もっとふくよかになってもいい」
「じゃ、反対は?」
「反対?」
「痩せたらってこと。こっちの世界は、太ってる人のほうが美しいというわけじゃないし、標準くらいにはなりたい気もするんですけど」
「標準かー。そのくらいなでなら、マールが痩せたいなら痩せればいいと思うよ。病的なほど、無理なダイエットはしかなかったらいいかな」
「コーキさん……」
コーキさんが讃路さんと同じ魂だと思うのは、こんな時だ。本質は変わらないんだなって。
「ところで、今はこっちに集中して」
「ん……」
熱いキスが落ちてくる。もうひとりの私が失踪までキスすらしなかったし、探している時も他の女性とどうこうはなかっはずなのに、彼の指も迷いなく触れてくるから唇も気持ちがよくなる。
こういうのも、相性が大事とか言っていたけど、ツガイ効果で互いに気持ちよくなれるような組み合わせなのかも、なんて思う。
「何を考えているんだ?」
「コーキさんとこうなれてよかったなーって。ん……」
「俺のほうが、マールよりも夢中だと思っていたけど、今のマールも俺をそんな風に思ってくれて嬉しいよ」
すると、くるんと体をひっくり返された。まさかの初めてがバックになるとは思っていなかったけど、上向きになろうとするまえに、おしりの辺りに熱いものがあてがわれた。すりすりと、割れた場所に擦ってくるからもぞもぞするような、変な感じになる。
「あ……」
「ああ、マールの肌はとても気持ちいいね」
「や、恥ずかし。あ、ああ!」
すると、切っ先が入るべきところを見つけたのか、お肉の間からするりと潜り込んできた。まだ先端だけだというのに、ものすごい圧迫感がある。思わず発した私の大きな声に、コーキさんはびっくりしてすすめようとした腰をとめた。
「痛い? 大丈夫?」
「ん、少しだけ。大丈夫だから、やめないで」
「痛いのを変わってあげたいけど。俺ももう我慢できない、ごめん」
ゆっくり彼の体が、私の中に沈んでくる。さっき感じた痛みがどんどんひどくなるけど、思ったほどではない。おしりに彼の鍛えられた硬い腹筋があたって、さらにめりこんでくる。
「あ、ふぅ……」
傷みよりも、息がつまるくらいの圧迫感と、ツガイを受け入れられた思いでいっぱいになった。少しずつ彼の腰が前後にゆれ、体やおにくがゆれる。シーツと胸の間に彼の手が入り込み、先端をくりくりされると胸よりも入っている場所に、ずぅんというか、なんともおかしな感覚が産まれた。
「はっ、はぁん」
背中に、彼の汗がぽたぽた落ちてくる。今彼がどんな表情をしているのかわからないけど、激しい動きが私の体で満足してくれている証拠に思えて、もっと求めて欲しいと思った。
熱いほとばしりを受けて、その日は抱き合って眠る。起きたら、目の前に彼がいることが、とても幸せで。あのままあの世界にいたら、ツガイであるもうひとりの讃呂さんとは結ばれていない未来があったかもなんてちょっと頭をかすめるだけでぞっとした。
メ・ガーミはちょっと手違いをしたから、コーキさんは私を十数年探して、私はおじさんのコーキさんとであったわけなんだけど、このくらいの手違いなら問題ないかなと思う。
この時の私は、ずーっと彼と一緒に過ごせると、当たり前のように思い、なんだかんだで健康にしてくれて、彼と出会わせてくれたメ・ガーミに感謝をして、幸せを満喫していたのだった。
「はあ、つっかれたー」
この世界に来てから、まだ1ヶ月も経っていない。こんなんでいいのかなって戸惑うものの、コーキさんたちが喜んでいるし、私もなんだかんだで嬉しいからいいのかなとも思う。
「ファンタジーあるあるで、いきなり放り出されたり、怪物になったり、裏切られてからの復讐とかそういう流れじゃなくて良かった……」
ぼそっとそんなことを独りごちる。すると、大きな扉が開いてコーキさんが入ってきた。
「マール、もう寝たのか?」
「あ、コーキさん。ううん、まだ起きてますよ」
体を起こすと、ベッドがぽよんと波打つ。ベッドから立ち上がろうとすると、コーキさんは、そんな私を静止して微笑みながらベッドに上がってきた。
「マール」
「え、あ……コーキ、さん」
体を優しく横たえさせられた。彼の体が半分くらい上に重なり、ちゅっとキスをされる。
「長い間待ったんだ」
「はい」
彼が何を言いたいのかわからないほど子供ではない。経験は0だけど、一応知識はある。この世界には獣人がいるけど、私も彼も人間だ。よっぽど特殊性癖でもないかぎり、いよいよドキドキのあれこれが始まるのかと身構える。
不思議と怖くはない。ただ、照れくさくて恥ずかしくて、どこかに隠れたいような、そんな気がするだけだった。
ゆっくり服をはだけられる。もどかしくて、でもその優しい手つきが嬉しくて、できる限り彼の動きに合わせてみた。
できれば、お腹とか隠せたらいいんだけど……
つくづく、ダイエットの失敗続きでリバウンドしまくった今の体が恥ずかしい。
ほにっと脇腹とかつままれて、ちょっと辞めて欲しいって思っても、彼はそうすることがとても嬉しそうだ。
……もしかして、ぽっちゃり専?
世の中には、私くらいの肉布団がすこぶる好きだという人もいる。実際、パパやママがそうだったし。讃路さんは健康面だけ気にしていただけで、太ってるのを気にしてなさそうだった。
コーキさんに至っては、せっかく空腹などの副作用の強い薬が要らなくなったしダイエットしようとしても、食べろ食べろって言ってきたし。
「あの、コーキさんはどのくらいの体型が好きなんですか?」
恥ずかしいけど聞いてみた。するとびっくりされたあとクスクス笑われる。
「俺はマールが好きなんだ。今のマールも好きだし、もっとふくよかになってもいい」
「じゃ、反対は?」
「反対?」
「痩せたらってこと。こっちの世界は、太ってる人のほうが美しいというわけじゃないし、標準くらいにはなりたい気もするんですけど」
「標準かー。そのくらいなでなら、マールが痩せたいなら痩せればいいと思うよ。病的なほど、無理なダイエットはしかなかったらいいかな」
「コーキさん……」
コーキさんが讃路さんと同じ魂だと思うのは、こんな時だ。本質は変わらないんだなって。
「ところで、今はこっちに集中して」
「ん……」
熱いキスが落ちてくる。もうひとりの私が失踪までキスすらしなかったし、探している時も他の女性とどうこうはなかっはずなのに、彼の指も迷いなく触れてくるから唇も気持ちがよくなる。
こういうのも、相性が大事とか言っていたけど、ツガイ効果で互いに気持ちよくなれるような組み合わせなのかも、なんて思う。
「何を考えているんだ?」
「コーキさんとこうなれてよかったなーって。ん……」
「俺のほうが、マールよりも夢中だと思っていたけど、今のマールも俺をそんな風に思ってくれて嬉しいよ」
すると、くるんと体をひっくり返された。まさかの初めてがバックになるとは思っていなかったけど、上向きになろうとするまえに、おしりの辺りに熱いものがあてがわれた。すりすりと、割れた場所に擦ってくるからもぞもぞするような、変な感じになる。
「あ……」
「ああ、マールの肌はとても気持ちいいね」
「や、恥ずかし。あ、ああ!」
すると、切っ先が入るべきところを見つけたのか、お肉の間からするりと潜り込んできた。まだ先端だけだというのに、ものすごい圧迫感がある。思わず発した私の大きな声に、コーキさんはびっくりしてすすめようとした腰をとめた。
「痛い? 大丈夫?」
「ん、少しだけ。大丈夫だから、やめないで」
「痛いのを変わってあげたいけど。俺ももう我慢できない、ごめん」
ゆっくり彼の体が、私の中に沈んでくる。さっき感じた痛みがどんどんひどくなるけど、思ったほどではない。おしりに彼の鍛えられた硬い腹筋があたって、さらにめりこんでくる。
「あ、ふぅ……」
傷みよりも、息がつまるくらいの圧迫感と、ツガイを受け入れられた思いでいっぱいになった。少しずつ彼の腰が前後にゆれ、体やおにくがゆれる。シーツと胸の間に彼の手が入り込み、先端をくりくりされると胸よりも入っている場所に、ずぅんというか、なんともおかしな感覚が産まれた。
「はっ、はぁん」
背中に、彼の汗がぽたぽた落ちてくる。今彼がどんな表情をしているのかわからないけど、激しい動きが私の体で満足してくれている証拠に思えて、もっと求めて欲しいと思った。
熱いほとばしりを受けて、その日は抱き合って眠る。起きたら、目の前に彼がいることが、とても幸せで。あのままあの世界にいたら、ツガイであるもうひとりの讃呂さんとは結ばれていない未来があったかもなんてちょっと頭をかすめるだけでぞっとした。
メ・ガーミはちょっと手違いをしたから、コーキさんは私を十数年探して、私はおじさんのコーキさんとであったわけなんだけど、このくらいの手違いなら問題ないかなと思う。
この時の私は、ずーっと彼と一緒に過ごせると、当たり前のように思い、なんだかんだで健康にしてくれて、彼と出会わせてくれたメ・ガーミに感謝をして、幸せを満喫していたのだった。
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