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今日も今日とて、トーラはわたくしの世話を焼いている。ウールスタとシュメージュがしびれを切らし、彼を部屋から追い出すと、自分の仕事とばかりにわたくしの世話を焼く。至れり尽くせりの毎日だ。
車いすという、異世界転生者の落書きを元に作られた、魔力で自動走行できるチェアをトーンカッソスが作ってくれた。けれど、皆して、その車いすを押したがる。
美女たちの日替わり看護を受けて全快したトーンカッソスが、その車いすにサスペンションをつけてくれたため、上下の振動はほとんどない。一人乗りなのに、幅が2メートル弱あるため、体が沈み込むほどのソファが備え付けられている。ボタンを押せば、上半身が後ろに倒れて、足が挙上するベッドになる仕様だから、一日ここに座っていると快適すぎてダメになりそう。
わたくしが自分の魔力で動かそうとすれば、無茶をして事故などを起こしては大変だと、ウールスタが、ついうっかり、魔力を感知する部分を手刀で叩き割ってしまったので、移動は人力に頼るほかない。
「あー、ウールスタ、なんて事を……! これでは、思う存分あっち行ったりこっち行ったりできないじゃない」
「すみません、奥様。持病の目眩と無意識に振り下ろした腕が、たまたまセンサーに当たってしまいました」
「ウールスタさんの持病による事故ですからね。俺も、これを直すのは骨が折れますし、大人しく皆に押されていてください」
「そうですよ、奥様。先ほどは、奥様が魔力で時速60キロものスピードで庭をこれで走っているのを見て、旦那様が慌てふためいておられたのを忘れたのですか?」
「むう……ウールスタに、そんな持病なんてなかったじゃない。トーンカッソスなら、1時間もあれば修復できるくせにー。でも、シュメージュの言う通り、トーラに心配かけるわけにはいかないわね。車いすで思いっきり遊びたかったけれど、我慢するわ」
床がツルっとしている場所はそれほど力を必要としないが、タイヤがめり込む砂利道や泥、毛の長い絨毯の上などは、交代でわたくしの護衛をしてくれている力強い騎士たちが押してくれる。
トーラがいれば、絶対にトーラが。といっても、トーラの場合、車いすを押すよりも、わたくしを抱っこしたがるのだけれど。
そんなこんなで、毎日トーラにほどほどに抱かれて過ごし、日中は部屋の外に出る事が出来るようになったのである。
「うーん、やっぱり立てないわね。魔法で立ってもいいんだけれど、何気に集中力が必要だし、びっくりしたりしたら途端に操り人形のようにへたり込んじゃうから、車いすのほうが安定しているわねぇ」
「足のマッサージなども行っているのですが……。やはり、にっくきあの男の快復を待つしかないのでしょうか」
「ウールスタったら。それは最初からわかっている事よ。お父様たちが、チャツィーネさんとマチョネー様と共に、そろそろヤーリ殿下の所に到着する頃だから、もう間もなくなんとかなるわよ。たぶん」
「あの女に、奥様の命運を任せるのは、なんとも心もとないし腹立たしいのですがね」
「トーンカッソスもそんな風に言わないの。彼女が、本物の転生者ならそんな事言ってられないわよ? 世界の宝になるのだから。それに、彼女のした事と言えば、ヤーリからわたくしを解放してくれたという大変貴重で有難い出来事なのよ? そりゃあ、無礼な態度や、わたくしを毛嫌いしている素振りがあったのはあったけれど、それほど気にしてはいないわ」
「奥様は、なんと心が広いのでしょう」
「だって、シュメージュ。彼女がいなかったら、わたくしはトーラと結婚出来なかったのよ? 今の幸せがあるのは、彼女がいたからこそ。今となっては感謝しかないわ。それに、フレースヴェルグの封印だって、彼女が解いたわけじゃないし、聞くところによると、封印し直そうと頑張っていたのよね?」
「それはそうですが……。結局、まだ真犯人は見つかっておらず、あの女の虚言の可能性のほうが高いですよ?」
「マシユムールも大変な目にあったし、件の人物と関係がある彼女を気に入らないのはわからないでもないけれど。もう、わたくしに対応したあの頃のような愚直な考えはしないって約束したわよね? あと数日もすれば結果はわかるのだから、憶測で彼女をどうこう言ってはいけないわ」
バーベキューセットの前で、いつもの面子で雑談しながら、お肉や野菜を食べやすいように串をさしていると、愛しい人がやってきた。
「キャロル、楽しそうだね。それに、とても美味しそうな匂いが執務室まで届いていたよ」
「トーラ! お仕事お疲れ様です。ふふふ、とても楽しいです。久しぶりに皆の力を借りて、バーベキューをしてよかったですわ。許可してくださって、ありがとうございます。でも、折角の庭が……」
「ここは、僕の目の届かない所じゃないからね。庭の景観なんて、キャロルのためならどうなったってかまわない」
「まあ、トーラったら」
この場所は、以前バーベキューを開催していた離れではない。本邸の彼の執務室から一望できる、正面玄関に向かう庭の一角だ。
人通りも多く道行く人々が、わたくしが元気になった事を喜んで色々な食材を持って来てくれたため、焼いても焼いても、まだまだ食材が余っている。
マシユムールが、山積みになった食材を見上げてトーラの元に行った。すると、訓練中の騎士たちが集合して、あっという間に大バーベキュー大会になったのである。
領民も来たがっているらしいが、そこまでは流石に収容できない。それは、また今度、わたくしの体が完全に治ったら各地域を巡回して、各地域で行う事になっている。
トーラは、わたくしとふたりきりになれる寝室の中でだけ、頭巾を取ってくれるようになった。最初は灯りを暗くして。今は、最小限の証明くらいはつけるのも平気になった。
頭巾を、わたくしの前で取った初日は、彼の体は冷や汗が流れ小刻みに震えていたから数秒だけ。それが徐々に長くなり、今では明け方近くまで頭巾をとっても平気になったようだ。
わたくしとトーラの仲の良さは、あっという間に領内に広がった。次に待望されるのは、トーラの血を引く次代である。けれど、こればっかりは授かりものだ。
(授かりもの、というわけだけではないのだけれど……)
毎日体を重ねているが、彼は大切なものをわたくしの中に絶対に吐き出さない。十二分に愛されていると思う。なのに、なぜ、彼が頑なに避妊をしているのか。それは、なんとなく推察できた。
ひとつは、わたくしの体がまだまだ回復していない事。
(もうひとつは、恐らく……)
わたくしは、皆の前では決して取らない頭巾の彼を見上げて手を伸ばした。車いすから、手慣れた様子でわたくしを抱き上げてくれる彼と顔を近づける。
「トーラ、何が食べたいですか?」
「そうだなあ。キャロルが作ってくれたものならなんでもいいよ」
「なんでも、が一番困るのですわ」
「本心なんだけどね」
「まあ、ふふふ」
やっと、彼自身が抱える様々な事に、ひとつずつ向き合い乗り越えて行っている最中だ。その内、その辺りに関する彼の考えを聞く事が出来るだろう。
彼のために作った、あの時に採取して新鮮なまま保管していたショウロにクルミとチーズをのせたトーストを、彼と食べさせ合ったのである。
車いすという、異世界転生者の落書きを元に作られた、魔力で自動走行できるチェアをトーンカッソスが作ってくれた。けれど、皆して、その車いすを押したがる。
美女たちの日替わり看護を受けて全快したトーンカッソスが、その車いすにサスペンションをつけてくれたため、上下の振動はほとんどない。一人乗りなのに、幅が2メートル弱あるため、体が沈み込むほどのソファが備え付けられている。ボタンを押せば、上半身が後ろに倒れて、足が挙上するベッドになる仕様だから、一日ここに座っていると快適すぎてダメになりそう。
わたくしが自分の魔力で動かそうとすれば、無茶をして事故などを起こしては大変だと、ウールスタが、ついうっかり、魔力を感知する部分を手刀で叩き割ってしまったので、移動は人力に頼るほかない。
「あー、ウールスタ、なんて事を……! これでは、思う存分あっち行ったりこっち行ったりできないじゃない」
「すみません、奥様。持病の目眩と無意識に振り下ろした腕が、たまたまセンサーに当たってしまいました」
「ウールスタさんの持病による事故ですからね。俺も、これを直すのは骨が折れますし、大人しく皆に押されていてください」
「そうですよ、奥様。先ほどは、奥様が魔力で時速60キロものスピードで庭をこれで走っているのを見て、旦那様が慌てふためいておられたのを忘れたのですか?」
「むう……ウールスタに、そんな持病なんてなかったじゃない。トーンカッソスなら、1時間もあれば修復できるくせにー。でも、シュメージュの言う通り、トーラに心配かけるわけにはいかないわね。車いすで思いっきり遊びたかったけれど、我慢するわ」
床がツルっとしている場所はそれほど力を必要としないが、タイヤがめり込む砂利道や泥、毛の長い絨毯の上などは、交代でわたくしの護衛をしてくれている力強い騎士たちが押してくれる。
トーラがいれば、絶対にトーラが。といっても、トーラの場合、車いすを押すよりも、わたくしを抱っこしたがるのだけれど。
そんなこんなで、毎日トーラにほどほどに抱かれて過ごし、日中は部屋の外に出る事が出来るようになったのである。
「うーん、やっぱり立てないわね。魔法で立ってもいいんだけれど、何気に集中力が必要だし、びっくりしたりしたら途端に操り人形のようにへたり込んじゃうから、車いすのほうが安定しているわねぇ」
「足のマッサージなども行っているのですが……。やはり、にっくきあの男の快復を待つしかないのでしょうか」
「ウールスタったら。それは最初からわかっている事よ。お父様たちが、チャツィーネさんとマチョネー様と共に、そろそろヤーリ殿下の所に到着する頃だから、もう間もなくなんとかなるわよ。たぶん」
「あの女に、奥様の命運を任せるのは、なんとも心もとないし腹立たしいのですがね」
「トーンカッソスもそんな風に言わないの。彼女が、本物の転生者ならそんな事言ってられないわよ? 世界の宝になるのだから。それに、彼女のした事と言えば、ヤーリからわたくしを解放してくれたという大変貴重で有難い出来事なのよ? そりゃあ、無礼な態度や、わたくしを毛嫌いしている素振りがあったのはあったけれど、それほど気にしてはいないわ」
「奥様は、なんと心が広いのでしょう」
「だって、シュメージュ。彼女がいなかったら、わたくしはトーラと結婚出来なかったのよ? 今の幸せがあるのは、彼女がいたからこそ。今となっては感謝しかないわ。それに、フレースヴェルグの封印だって、彼女が解いたわけじゃないし、聞くところによると、封印し直そうと頑張っていたのよね?」
「それはそうですが……。結局、まだ真犯人は見つかっておらず、あの女の虚言の可能性のほうが高いですよ?」
「マシユムールも大変な目にあったし、件の人物と関係がある彼女を気に入らないのはわからないでもないけれど。もう、わたくしに対応したあの頃のような愚直な考えはしないって約束したわよね? あと数日もすれば結果はわかるのだから、憶測で彼女をどうこう言ってはいけないわ」
バーベキューセットの前で、いつもの面子で雑談しながら、お肉や野菜を食べやすいように串をさしていると、愛しい人がやってきた。
「キャロル、楽しそうだね。それに、とても美味しそうな匂いが執務室まで届いていたよ」
「トーラ! お仕事お疲れ様です。ふふふ、とても楽しいです。久しぶりに皆の力を借りて、バーベキューをしてよかったですわ。許可してくださって、ありがとうございます。でも、折角の庭が……」
「ここは、僕の目の届かない所じゃないからね。庭の景観なんて、キャロルのためならどうなったってかまわない」
「まあ、トーラったら」
この場所は、以前バーベキューを開催していた離れではない。本邸の彼の執務室から一望できる、正面玄関に向かう庭の一角だ。
人通りも多く道行く人々が、わたくしが元気になった事を喜んで色々な食材を持って来てくれたため、焼いても焼いても、まだまだ食材が余っている。
マシユムールが、山積みになった食材を見上げてトーラの元に行った。すると、訓練中の騎士たちが集合して、あっという間に大バーベキュー大会になったのである。
領民も来たがっているらしいが、そこまでは流石に収容できない。それは、また今度、わたくしの体が完全に治ったら各地域を巡回して、各地域で行う事になっている。
トーラは、わたくしとふたりきりになれる寝室の中でだけ、頭巾を取ってくれるようになった。最初は灯りを暗くして。今は、最小限の証明くらいはつけるのも平気になった。
頭巾を、わたくしの前で取った初日は、彼の体は冷や汗が流れ小刻みに震えていたから数秒だけ。それが徐々に長くなり、今では明け方近くまで頭巾をとっても平気になったようだ。
わたくしとトーラの仲の良さは、あっという間に領内に広がった。次に待望されるのは、トーラの血を引く次代である。けれど、こればっかりは授かりものだ。
(授かりもの、というわけだけではないのだけれど……)
毎日体を重ねているが、彼は大切なものをわたくしの中に絶対に吐き出さない。十二分に愛されていると思う。なのに、なぜ、彼が頑なに避妊をしているのか。それは、なんとなく推察できた。
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わたくしは、皆の前では決して取らない頭巾の彼を見上げて手を伸ばした。車いすから、手慣れた様子でわたくしを抱き上げてくれる彼と顔を近づける。
「トーラ、何が食べたいですか?」
「そうだなあ。キャロルが作ってくれたものならなんでもいいよ」
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「本心なんだけどね」
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やっと、彼自身が抱える様々な事に、ひとつずつ向き合い乗り越えて行っている最中だ。その内、その辺りに関する彼の考えを聞く事が出来るだろう。
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