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(いけない。こんな事くらいで、ぼうっとしてどうするの。しっかりしなさい、キャロル。あなたは、ふたりの主であり、この魔の森を管理しているキトグラムン様の妻なのだから)
わたくしは、目の前の、いつになく真剣なまなざしの彼に向かって、首を横に振った。
(トーンカッソスのこんな表情を見るのは、いつぶりかしら。普段は、本心を全く見せる事のない彼なのに)
すると、横にいたウールスタが、わたくしの手をそっと取った。顔を覗き込んで、自信なさげに懇願してくる。
「お嬢様、いけません。どうか、たまにはトーンカッソスの言う通りになさってください。合図とともに、転移魔法陣に向かって走ってください。砦に行き救援を求めれば、きっと、辺境伯爵様がなんとかしてくださいます。トーンカッソスも私も、たかがあの程度の魔物に、そう簡単にやられたりはしません」
(クールなお姉さまのような彼女が今にも泣きそう……)
ウールスタのこんな顔付きも、見た記憶がない。そう思っていた。
思い返せば遠い昔、まだ小さな頃に、一度だけ見た事があるかもしれない。遠く薄れた記憶を、奥底から引きあげる。
(お母様が亡くなって、お父様とお兄様とべったりひっついて一日中過ごした頃……。そう、わたくしは、あの時の辛くて悲しい日を、思い出さないように心の奥底に仕舞っていたのだったわ……)
あれは、悲しみに暮れて泣き続けていたわたくしが、少しずつ落ち着きを見せ始めた時期。お父様が仕事に行き、お兄様が学園に戻った日の事だった。
ヤーリ王子が、先ぶれもなく突然見舞いに来た。彼の両親である両陛下に言われて、渋々来たのであろう。彼は、出迎えたわたくしに対して、居丈高にこう言い放った。
「ふん……。美しい公爵夫人が亡くなり、悲しんでいるのはお前だけではないのだぞ。全く、いつまでも泣いて、婚約者である私の気を引こうとしているのか? だとすれば、呆れて物も言えない。あーあ、お前がこんな風に子供っぽい我がままを続けていると知れば、亡くなった公爵夫人も浮かばれないだろうな」
幼いわたくしは、ヤーリ王子が何を言っているのかわからなかった。でも、なんとなく、彼が悪口を言ったのだろうと言う事は理解できた。突然投げつけられた言葉の暴力は、わたくしの癒えていない心の傷を、ごりごり擦り傷めつけたのである。
泣きだしたわたくしを、ウールスタとトーンカッソスが王子から守るように隠した。王子の侍従頭である老紳士が、意地悪な笑みを浮かべている王子を引きずるように、謝罪しながら慌てて帰っていったのである。
お父様は、まだまだ能力不足であるウールスタとトーンカッソスを、わたくしの側に控えさせていたのは、わたくしの心を少しでも慰めるため。
年上の彼らは、王子の言った言葉の意味を瞬時に把握したのだろう。逃げて行くように去って行くヤーリ王子に向かって、あからさまな怒気を孕んだ攻撃魔法を次々と繰り出したのである。
とはいえ、相手は腐っても王族。威嚇でしかなかった攻撃は、かすりもしていない。だというのに、王子は恐怖で泣き叫んでいた。
「小さなお嬢様を傷つける狼藉者め……! たかが初級魔法のファイアーごときでしっぽを巻いて帰るとは。撃たれる覚悟のないやつほどよく吠える……。二度とこの館に入れると思わない事です」
「この事は、バヨータージユ公爵様に必ず言いつけてやるっ! くそ、このままただで済むと思うなよ?」
館を出た豪奢な王家の馬車に向かって、トーンカッソスが見た事のない自作の道具を投げつけた。馬車の車輪が四角に変形し、ありえないほど馬車は揺れてバウンドしつつ去って行ったのである。中にいる王子たちは、おそらく馬車の中であちこちに体をぶつけたに違いない。
「お嬢様、申し訳ございません。公爵様から、傷つけないようくれぐれも依頼されていたというのに」
「すみません、お嬢様。今後、あのような暴言をお嬢様が聞かずにすむよう、俺たちが守ってみせます」
あの時から、単なる雇い主の娘とその使用人ではなく、心通わせた主従関係になった。いつまでも続くかと思われた暗雲立ち込める胸の中が、とても温かで幸せな気持ちになった出来事を、どうして忘れていたのだろうか。
(ふたりとも、あの時から変わらないわね……。いつまでもわたくしを守ろうとしてくれる。でも、今は。あなたたちの言う通りには出来ないわ)
わたくしは、ふたりの心の底からの言葉に首を振り続けた。そして、どうにかしてわたくしだけをこの場から逃がそうとするふたりの真剣な眼差しから、視線を逸らさなかった。
「いいえ、わたくしは逃げません。トーンカッソス、ウールスタ、今すぐに攻撃をやめなさい」
「ですがお嬢様。このままでは……。お嬢様に何かあれば、俺は死んでも死に切れません!」
「トーンカッソスの言う通りです。いくらお嬢様の命令でもそれは聞く事ができません。どうか、たまには、私たちの言う通りにしてください」
今まで、彼らがわたくしのために行った事で、失敗したと聞いた事はない。わたくしにとって、彼らを疑う事は、太陽が南から上って北に沈むのと同じくらい有り得ない事なのである。
(ふたりを犠牲にして、わたくしひとり生き残るなんて、そんなのは、イヤ!)
「ふたりとも、お願い……。お願いだからわたくしの話を聞いて。これ以上、相手を下手に刺激すれば、退路が完全に断たれるかもしれないわ。よく見て、魔物やその周囲を。今は、トーンカッソスが倒した魔物を捕食する事に夢中じゃない。わざわざこちらに注意をひかなくていいわ。それに、猛毒のような瘴気を、攻撃魔法で散らせば、この辺り一帯の森は一瞬で死の荒野に変わり果てるでしょう。生まれた暴風が、それを広大な範囲に広げ、わたくしたちもただではすまないわ。最悪の場合、辺境の砦まで影響を及ぼしてしまう。それにね、あなたたちを置いてはいけない。わたしたちは、いつも一緒だった。これからも、ずっと一緒なの。ねぇ、そうでしょう?」
わたくしの言葉を聞き、緊張と焦燥でいっぱいいっぱいだった彼らの心に、一滴の余裕が生まれたようだ。その一滴は、彼らの胸の中に、波紋を作り広げていく。
わたくしの言葉を、一聞いて百理解する彼らは、わたくしの言いたい事、込められた気持ちを理解してくれたようだ。
「すみません、お嬢様。軽率でした」
「お嬢様の御慧眼、痛み入ります。ですが、どうすれば……。砦に戻るための転移陣は魔物の近くです。視界に入らなくとも、そのうち気取られませんか?」
「……、そうね。取り敢えず、防御結界を貼るわ。ふたりとも側に来て。ウールスタ、トーンカッソス……。いざという時のために、即時に魔法を打てるよう、魔力を最大まで高めていてちょうだい」
「承知いたしました」
「了解。お嬢様、まだ試作品ですが、この間作った魔力増幅のペンダントがあります。こちらをお持ちください」
「ありがとう。隙を見て、ここから離れるわよ」
わたくしは、トーンカッソスから渡された、ふたりの気持ちが込められたペンダントを、しっかり握った。これがあれば、わたくしの魔力は増幅され、たとえ伝説の魔物であろうとも、わたくしの得意とする魔法でなんとかなるかもしれない。
ペンダントに祈りのような願いを込めるかのように唇を当てた後、王子にかけられた呪いの印が刻まれている首にかけたのである。
わたくしは、目の前の、いつになく真剣なまなざしの彼に向かって、首を横に振った。
(トーンカッソスのこんな表情を見るのは、いつぶりかしら。普段は、本心を全く見せる事のない彼なのに)
すると、横にいたウールスタが、わたくしの手をそっと取った。顔を覗き込んで、自信なさげに懇願してくる。
「お嬢様、いけません。どうか、たまにはトーンカッソスの言う通りになさってください。合図とともに、転移魔法陣に向かって走ってください。砦に行き救援を求めれば、きっと、辺境伯爵様がなんとかしてくださいます。トーンカッソスも私も、たかがあの程度の魔物に、そう簡単にやられたりはしません」
(クールなお姉さまのような彼女が今にも泣きそう……)
ウールスタのこんな顔付きも、見た記憶がない。そう思っていた。
思い返せば遠い昔、まだ小さな頃に、一度だけ見た事があるかもしれない。遠く薄れた記憶を、奥底から引きあげる。
(お母様が亡くなって、お父様とお兄様とべったりひっついて一日中過ごした頃……。そう、わたくしは、あの時の辛くて悲しい日を、思い出さないように心の奥底に仕舞っていたのだったわ……)
あれは、悲しみに暮れて泣き続けていたわたくしが、少しずつ落ち着きを見せ始めた時期。お父様が仕事に行き、お兄様が学園に戻った日の事だった。
ヤーリ王子が、先ぶれもなく突然見舞いに来た。彼の両親である両陛下に言われて、渋々来たのであろう。彼は、出迎えたわたくしに対して、居丈高にこう言い放った。
「ふん……。美しい公爵夫人が亡くなり、悲しんでいるのはお前だけではないのだぞ。全く、いつまでも泣いて、婚約者である私の気を引こうとしているのか? だとすれば、呆れて物も言えない。あーあ、お前がこんな風に子供っぽい我がままを続けていると知れば、亡くなった公爵夫人も浮かばれないだろうな」
幼いわたくしは、ヤーリ王子が何を言っているのかわからなかった。でも、なんとなく、彼が悪口を言ったのだろうと言う事は理解できた。突然投げつけられた言葉の暴力は、わたくしの癒えていない心の傷を、ごりごり擦り傷めつけたのである。
泣きだしたわたくしを、ウールスタとトーンカッソスが王子から守るように隠した。王子の侍従頭である老紳士が、意地悪な笑みを浮かべている王子を引きずるように、謝罪しながら慌てて帰っていったのである。
お父様は、まだまだ能力不足であるウールスタとトーンカッソスを、わたくしの側に控えさせていたのは、わたくしの心を少しでも慰めるため。
年上の彼らは、王子の言った言葉の意味を瞬時に把握したのだろう。逃げて行くように去って行くヤーリ王子に向かって、あからさまな怒気を孕んだ攻撃魔法を次々と繰り出したのである。
とはいえ、相手は腐っても王族。威嚇でしかなかった攻撃は、かすりもしていない。だというのに、王子は恐怖で泣き叫んでいた。
「小さなお嬢様を傷つける狼藉者め……! たかが初級魔法のファイアーごときでしっぽを巻いて帰るとは。撃たれる覚悟のないやつほどよく吠える……。二度とこの館に入れると思わない事です」
「この事は、バヨータージユ公爵様に必ず言いつけてやるっ! くそ、このままただで済むと思うなよ?」
館を出た豪奢な王家の馬車に向かって、トーンカッソスが見た事のない自作の道具を投げつけた。馬車の車輪が四角に変形し、ありえないほど馬車は揺れてバウンドしつつ去って行ったのである。中にいる王子たちは、おそらく馬車の中であちこちに体をぶつけたに違いない。
「お嬢様、申し訳ございません。公爵様から、傷つけないようくれぐれも依頼されていたというのに」
「すみません、お嬢様。今後、あのような暴言をお嬢様が聞かずにすむよう、俺たちが守ってみせます」
あの時から、単なる雇い主の娘とその使用人ではなく、心通わせた主従関係になった。いつまでも続くかと思われた暗雲立ち込める胸の中が、とても温かで幸せな気持ちになった出来事を、どうして忘れていたのだろうか。
(ふたりとも、あの時から変わらないわね……。いつまでもわたくしを守ろうとしてくれる。でも、今は。あなたたちの言う通りには出来ないわ)
わたくしは、ふたりの心の底からの言葉に首を振り続けた。そして、どうにかしてわたくしだけをこの場から逃がそうとするふたりの真剣な眼差しから、視線を逸らさなかった。
「いいえ、わたくしは逃げません。トーンカッソス、ウールスタ、今すぐに攻撃をやめなさい」
「ですがお嬢様。このままでは……。お嬢様に何かあれば、俺は死んでも死に切れません!」
「トーンカッソスの言う通りです。いくらお嬢様の命令でもそれは聞く事ができません。どうか、たまには、私たちの言う通りにしてください」
今まで、彼らがわたくしのために行った事で、失敗したと聞いた事はない。わたくしにとって、彼らを疑う事は、太陽が南から上って北に沈むのと同じくらい有り得ない事なのである。
(ふたりを犠牲にして、わたくしひとり生き残るなんて、そんなのは、イヤ!)
「ふたりとも、お願い……。お願いだからわたくしの話を聞いて。これ以上、相手を下手に刺激すれば、退路が完全に断たれるかもしれないわ。よく見て、魔物やその周囲を。今は、トーンカッソスが倒した魔物を捕食する事に夢中じゃない。わざわざこちらに注意をひかなくていいわ。それに、猛毒のような瘴気を、攻撃魔法で散らせば、この辺り一帯の森は一瞬で死の荒野に変わり果てるでしょう。生まれた暴風が、それを広大な範囲に広げ、わたくしたちもただではすまないわ。最悪の場合、辺境の砦まで影響を及ぼしてしまう。それにね、あなたたちを置いてはいけない。わたしたちは、いつも一緒だった。これからも、ずっと一緒なの。ねぇ、そうでしょう?」
わたくしの言葉を聞き、緊張と焦燥でいっぱいいっぱいだった彼らの心に、一滴の余裕が生まれたようだ。その一滴は、彼らの胸の中に、波紋を作り広げていく。
わたくしの言葉を、一聞いて百理解する彼らは、わたくしの言いたい事、込められた気持ちを理解してくれたようだ。
「すみません、お嬢様。軽率でした」
「お嬢様の御慧眼、痛み入ります。ですが、どうすれば……。砦に戻るための転移陣は魔物の近くです。視界に入らなくとも、そのうち気取られませんか?」
「……、そうね。取り敢えず、防御結界を貼るわ。ふたりとも側に来て。ウールスタ、トーンカッソス……。いざという時のために、即時に魔法を打てるよう、魔力を最大まで高めていてちょうだい」
「承知いたしました」
「了解。お嬢様、まだ試作品ですが、この間作った魔力増幅のペンダントがあります。こちらをお持ちください」
「ありがとう。隙を見て、ここから離れるわよ」
わたくしは、トーンカッソスから渡された、ふたりの気持ちが込められたペンダントを、しっかり握った。これがあれば、わたくしの魔力は増幅され、たとえ伝説の魔物であろうとも、わたくしの得意とする魔法でなんとかなるかもしれない。
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