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叱責の王
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「陛下、いつまでもグズグズしていないで帰国しましょう」
「だが、条約の締結がまだではないか」
「なぁに、あのような条約など、私の娘があなたの息子からされた数々の出来事に比べたら、大した事などございません。ミジンコ以下、それこそキノコの胞子よりも小さき事。今から書類をお持ちします故、サインをしてください」
「いや、確かに、あとはサインをするだけの状態ではあるが……、今すぐはちょっと……」
今後の両国の発展のための会議を無事に終え、夜に歓迎の宴が催されている最中、国で騒動があった事を知らされた。
それを一緒に聞いていたバヨータージユ公爵は、娘の一大事とばかりに、表面上は穏やかだが殺気を伴う強迫じみた威圧を私に無遠慮にぶつけた。宴の最中だというのにこの国から去ろうと急かしてくる。
ここが公の場でなければ、彼は、私を置いて息子と一緒に魔法で飛んで帰国しただろう。だが、条約が合意に持ち込めただけで、締結やその後の処理が多く残っている。今すぐ帰れとせっつかれてもそうはいかなかった。
とはいえ、無理やりヤーリのために持ち込んだ婚約を一方的に息子が破棄し、なおかつ契約印まで施すなど、ヤーリは我が国の滅亡に繋がる導火線に着火したようなものだ。ただでさえ、これまでのヤーリのキャロライン嬢への言動は、彼女自身が不問に付してくれたからなんとか首の皮一枚が繋がっていただけだというのに、もう終わりだと観念するしかない。
滅多に動かさない直属の騎士に、公爵令嬢の保護とヤーリへの謹慎処分を伝えたところ、翌朝、あの馬鹿息子は許可もとっておらぬ女性と同衾していたというではないか。
完全に、王家は終焉を迎えた。そう思った時、この事に腹を立て声をあげたのは王妃だった。
「我が子ながらなんと情けない……。馬鹿な子ほどかわいいとはいえ、あまりにも酷すぎて涙も出ませんわ。公爵令嬢を冤罪で罠にかけたあげく、例の契約印を2歳児ほどの幼子が考えた文言で施し、さらには、別の女性を妻にするですって……?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
伝説の魔の神を封印している地獄の門が、音を立てて開いていくかのような空恐ろしい圧を感じる。私とバヨータージユ公爵は妃の迫力に押されてしまった。
それ以降、公爵はすぐに帰ろうなどという無理難題を要求してくることは無くなった。だが、代わりに、王妃が日程をかなり短くした強行軍を自国に進めたのであった。
相手の国も、王妃の気迫に押され、あわよくば有利な条項を加えようと企んでいたのが失敗するという、棚から牡丹餅のような出来事もあったが。
何はともあれ、無事帰国を果たした。直ぐ様議会を開き、自室で謹慎しているヤーリを呼び出した。
謹慎という意味を知らぬかのような愚かな息子は、最後に見た姿よりもふっくらとしていた。頬がつやつや輝いており、反省の色など全くない。
一度家に戻り、娘の安全を確認した公爵は、ヤーリをその視線で貫いてしまいそうなほどの厳しい目をしている。
「ヤーリよ。なぜ、このような愚かな真似をした。彼女に冤罪を着せ、あろうことか王家の契約印を施したなど。あの日のうちに隣国で報告を受けた時は信じられなかったぞ? あの契約印がどのようなものか、知らなかったではすまされん」
するとヤーリは、意気揚々と経緯を説明した。予想外に事が大きくなりすぎたが、私なら、全てを許してくれるだろうという甘えがあるのがありありと分かる。
だが、どういう言い訳を述べても、バヨータージユ公爵の怒りに、油どころか原油を注ぐ始末。
「キャロライン嬢は、私の愛する女性に対してキツイ物言いであたっていました。どんどん彼女へのいじめや犯罪行為が酷くなったのです。独裁者のように悪行をし続けるキャロラインを、王子である私の妻にはできません。そう決心して婚約破棄を申し伝えたのです」
「ふん……。何様のつもりだ。我が家に婿入りする分際で、浮気はあの子が目をつぶれと言ったから許してきたが、学業だけでなく良識も賢さもないとは」
容赦のない言葉が、公爵の口から出た。殺気を孕んだその言葉に、ヤーリは顔を青ざめ震え出したではないか。公爵が恐ろしい男だと知っていながら、なぜ喧嘩を売るような愚かな真似をするのか。
ヤーリの子も契約印を持つ可能性が高い。ただ、あまりにも増え過ぎても困るため、公爵家で監視と出産コントロールをする予定だった。
公爵たちは、王命と国のためにキャロラインを差し出さねばならない状況に対して腹立たしく思っていた。だが、彼女が享受していたから反意を抑えていたにすぎない。だというのに、肝心のヤーリがこれでは、彼らが謀反を興しても仕方がないというもの。
これ以上は看過できず、馬鹿だが、可愛い息子に厳しい処分を申し渡さねばならなくなった事に苦い思いを抱く。
「父上、キャロラインに対して、行ってはならぬ契約魔法を使用した事については、一生をかけて償いたく思う所存。バヨータージユ公爵となった暁には、チャツィーネとともに、公爵領を更に発展させて見せましょう」
さっきまで青ざめていたヤーリが、恭しくそう宣言して一礼をする。見目麗しく、所作はとても美しい。内容が、国に貢献した事業などの提案であれば、誇らしく思えたであろう。
「ヤーリよ。キャロライン嬢と婚約を破棄したお前が、どうしてバヨータージユ公爵になるというのだ」
「キャロルはすでに辺境に嫁いでいった。罪もない可愛いあの子が、遠い辺境に、だ。だというのに、なぜ婿入り予定だったお前が、うちの家紋を継げるなどという戯言が言える?」
公爵の不敬すぎる言葉が、重くヤーリの体に圧し掛かる。実際、あまりの彼への感情に魔力が抑えても漏れ出てしまい、重力魔法をヤーリにかけているかのように床に体がのめり込みそうなほど。
「え? 私は公爵になるためにこれまで……。だから、バヨータージユ公爵は私が継ぐのでしょう?」
ヤーリは苦しい圧迫感で息がしづらくなったようだ。冷や汗が滝のように流れていても、尚も愚かな囀りを続ける憐れな小鳥の姿に、私も王妃も嘆息しか出ない。
「ヤーリ、よりにもよってお前は、愚かな独断でバヨータージユ公爵とマーシルム辺境伯に対して宣戦布告とも言える言動をしたのだ。お前がまだ優秀であれば、生涯許しを請うための機会も与えられたかもしれんが、もう遅い。契約印は生涯に一度きり。お前の王子としての価値は地に落ちたどころか奈落の底だ。……つい先ほどの議会での決定事項を伝える。不治の伝染病を患った王子は、生涯、北の塔で療養する事になった。連れていけ」
「そんな! 私は、病気などではありません!」
息子の声が、私と王妃の心を引き裂くようだ。あれ程怒っていた王妃も、目に涙が浮かんでいる。
どうしてこうなってしまったのだろうか。
過去のいずれかの地点に戻る事が出来るのであれば結果は変わるのか。今日のこの日を阻止するべく、やり直しをしたくなる。
ヤーリが消えたドアを見つめるバヨータージユ公爵の表情からは、感情が読み取れない。
今後、我が王家は、公爵家と辺境伯爵家に、頭が上がらないだろう。
「だが、条約の締結がまだではないか」
「なぁに、あのような条約など、私の娘があなたの息子からされた数々の出来事に比べたら、大した事などございません。ミジンコ以下、それこそキノコの胞子よりも小さき事。今から書類をお持ちします故、サインをしてください」
「いや、確かに、あとはサインをするだけの状態ではあるが……、今すぐはちょっと……」
今後の両国の発展のための会議を無事に終え、夜に歓迎の宴が催されている最中、国で騒動があった事を知らされた。
それを一緒に聞いていたバヨータージユ公爵は、娘の一大事とばかりに、表面上は穏やかだが殺気を伴う強迫じみた威圧を私に無遠慮にぶつけた。宴の最中だというのにこの国から去ろうと急かしてくる。
ここが公の場でなければ、彼は、私を置いて息子と一緒に魔法で飛んで帰国しただろう。だが、条約が合意に持ち込めただけで、締結やその後の処理が多く残っている。今すぐ帰れとせっつかれてもそうはいかなかった。
とはいえ、無理やりヤーリのために持ち込んだ婚約を一方的に息子が破棄し、なおかつ契約印まで施すなど、ヤーリは我が国の滅亡に繋がる導火線に着火したようなものだ。ただでさえ、これまでのヤーリのキャロライン嬢への言動は、彼女自身が不問に付してくれたからなんとか首の皮一枚が繋がっていただけだというのに、もう終わりだと観念するしかない。
滅多に動かさない直属の騎士に、公爵令嬢の保護とヤーリへの謹慎処分を伝えたところ、翌朝、あの馬鹿息子は許可もとっておらぬ女性と同衾していたというではないか。
完全に、王家は終焉を迎えた。そう思った時、この事に腹を立て声をあげたのは王妃だった。
「我が子ながらなんと情けない……。馬鹿な子ほどかわいいとはいえ、あまりにも酷すぎて涙も出ませんわ。公爵令嬢を冤罪で罠にかけたあげく、例の契約印を2歳児ほどの幼子が考えた文言で施し、さらには、別の女性を妻にするですって……?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
伝説の魔の神を封印している地獄の門が、音を立てて開いていくかのような空恐ろしい圧を感じる。私とバヨータージユ公爵は妃の迫力に押されてしまった。
それ以降、公爵はすぐに帰ろうなどという無理難題を要求してくることは無くなった。だが、代わりに、王妃が日程をかなり短くした強行軍を自国に進めたのであった。
相手の国も、王妃の気迫に押され、あわよくば有利な条項を加えようと企んでいたのが失敗するという、棚から牡丹餅のような出来事もあったが。
何はともあれ、無事帰国を果たした。直ぐ様議会を開き、自室で謹慎しているヤーリを呼び出した。
謹慎という意味を知らぬかのような愚かな息子は、最後に見た姿よりもふっくらとしていた。頬がつやつや輝いており、反省の色など全くない。
一度家に戻り、娘の安全を確認した公爵は、ヤーリをその視線で貫いてしまいそうなほどの厳しい目をしている。
「ヤーリよ。なぜ、このような愚かな真似をした。彼女に冤罪を着せ、あろうことか王家の契約印を施したなど。あの日のうちに隣国で報告を受けた時は信じられなかったぞ? あの契約印がどのようなものか、知らなかったではすまされん」
するとヤーリは、意気揚々と経緯を説明した。予想外に事が大きくなりすぎたが、私なら、全てを許してくれるだろうという甘えがあるのがありありと分かる。
だが、どういう言い訳を述べても、バヨータージユ公爵の怒りに、油どころか原油を注ぐ始末。
「キャロライン嬢は、私の愛する女性に対してキツイ物言いであたっていました。どんどん彼女へのいじめや犯罪行為が酷くなったのです。独裁者のように悪行をし続けるキャロラインを、王子である私の妻にはできません。そう決心して婚約破棄を申し伝えたのです」
「ふん……。何様のつもりだ。我が家に婿入りする分際で、浮気はあの子が目をつぶれと言ったから許してきたが、学業だけでなく良識も賢さもないとは」
容赦のない言葉が、公爵の口から出た。殺気を孕んだその言葉に、ヤーリは顔を青ざめ震え出したではないか。公爵が恐ろしい男だと知っていながら、なぜ喧嘩を売るような愚かな真似をするのか。
ヤーリの子も契約印を持つ可能性が高い。ただ、あまりにも増え過ぎても困るため、公爵家で監視と出産コントロールをする予定だった。
公爵たちは、王命と国のためにキャロラインを差し出さねばならない状況に対して腹立たしく思っていた。だが、彼女が享受していたから反意を抑えていたにすぎない。だというのに、肝心のヤーリがこれでは、彼らが謀反を興しても仕方がないというもの。
これ以上は看過できず、馬鹿だが、可愛い息子に厳しい処分を申し渡さねばならなくなった事に苦い思いを抱く。
「父上、キャロラインに対して、行ってはならぬ契約魔法を使用した事については、一生をかけて償いたく思う所存。バヨータージユ公爵となった暁には、チャツィーネとともに、公爵領を更に発展させて見せましょう」
さっきまで青ざめていたヤーリが、恭しくそう宣言して一礼をする。見目麗しく、所作はとても美しい。内容が、国に貢献した事業などの提案であれば、誇らしく思えたであろう。
「ヤーリよ。キャロライン嬢と婚約を破棄したお前が、どうしてバヨータージユ公爵になるというのだ」
「キャロルはすでに辺境に嫁いでいった。罪もない可愛いあの子が、遠い辺境に、だ。だというのに、なぜ婿入り予定だったお前が、うちの家紋を継げるなどという戯言が言える?」
公爵の不敬すぎる言葉が、重くヤーリの体に圧し掛かる。実際、あまりの彼への感情に魔力が抑えても漏れ出てしまい、重力魔法をヤーリにかけているかのように床に体がのめり込みそうなほど。
「え? 私は公爵になるためにこれまで……。だから、バヨータージユ公爵は私が継ぐのでしょう?」
ヤーリは苦しい圧迫感で息がしづらくなったようだ。冷や汗が滝のように流れていても、尚も愚かな囀りを続ける憐れな小鳥の姿に、私も王妃も嘆息しか出ない。
「ヤーリ、よりにもよってお前は、愚かな独断でバヨータージユ公爵とマーシルム辺境伯に対して宣戦布告とも言える言動をしたのだ。お前がまだ優秀であれば、生涯許しを請うための機会も与えられたかもしれんが、もう遅い。契約印は生涯に一度きり。お前の王子としての価値は地に落ちたどころか奈落の底だ。……つい先ほどの議会での決定事項を伝える。不治の伝染病を患った王子は、生涯、北の塔で療養する事になった。連れていけ」
「そんな! 私は、病気などではありません!」
息子の声が、私と王妃の心を引き裂くようだ。あれ程怒っていた王妃も、目に涙が浮かんでいる。
どうしてこうなってしまったのだろうか。
過去のいずれかの地点に戻る事が出来るのであれば結果は変わるのか。今日のこの日を阻止するべく、やり直しをしたくなる。
ヤーリが消えたドアを見つめるバヨータージユ公爵の表情からは、感情が読み取れない。
今後、我が王家は、公爵家と辺境伯爵家に、頭が上がらないだろう。
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