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誠実の王子
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私の婚約者だったキャロライン・バヨータージユは、最後に優美な礼をして会場を去って行った。捕えさせて牢に入れる事も考えていた。だが、私は、私を密かに愛していた彼女を、切って捨てるような冷酷な暴君ではない。
彼女とは長い付き合いだ、彼女も最後に罪を認めた事もあり、感慨深くその背を見送ったのである。
「ヤーくぅん、さっきの綺麗な光はなんだったのぉ? 魔法よね? でもあんなにも美しくて幻想的な光は初めて見たわ。私、もう一回見てみたいな」
「ああ、チャツィーネ。あれはね、あの女が私の命に絶対に背けないようにするための契約魔法だ。私たち王族が、一生に一度しか使えない特別なもので、あの女は辺境伯の妻になり後継者を残せなければ死に至る」
「そんな……。キャロラインちゃんは死んでしまうの?」
「なぁに、契約さえ守ればそのような事態にはならない。あいつは、辺境でバケモノの子を産むのだ」
「そっか、良かったぁ。ふふふ、ヤーくんって、世界一カッコイイし王子様ってだけでなくて、キャロラインちゃんなんかにも優しいのね。それに、なんて素晴らしい魔法を使えるのかしら。すごぉい!」
「ははは、まあな。さあ、チャツィーネ。もう私たちの邪魔をする者などどこにもいない。踊ろうか」
「ええ!」
グラマラスな美女であるチャツィーネは、貴族としてのマナーにやや欠ける。頭も良くないというよりもユルい。だが、そこが彼女のチャーミングポイントでもある。
私の周りには、今までチャツィーネのように裏表のない純粋な好意を示した女性はいなかった。
近づいて来る女は、どれもこれも、私や私の背後にあるバヨータージユ公爵の強大な権力のおこぼれに預かりたい本心が透けて見えていた。とはいえ、据え膳食わぬは男の恥。肌を露わにしな垂れかかる女を飽きるまで遊んで別れた。相手も、同じように後腐れなく私と遊び、キャロラインに融通させたはした金を握らせると、二度と近づいて来る事はなかったのである。
キャロラインは、小さな頃は愛くるしい少女だった。バヨータージユ公爵やサンバールからは、厳しい視線といじめのような子供っぽい嫌がらせのような言葉を散々受けて来たが、彼女と結婚してバヨータージユ公爵を継ぐ事に異論はなかった。
幼い頃は、愛らしい彼女と一緒に遊んで……は、いないな。私が公爵家に行くと、彼女はウールスタという侍女とトーンカッソスという男と一緒に上級の攻撃魔法で撃ち合いをして庭を破壊したり、木に登ってみたり、池に入って魚を掴んで遊んだりと滅茶苦茶だった。一緒に遊ぼうと手を引っ張られ、彼らの遊びの余波を受けて痛い思いや気絶していた記憶しかない。
その度に、私は父母に泣きついたが、「男なのに情けない。それでも我がバジャーナリー国の王族ですか! キャロラインよりも強く賢くならなくてどうするのです!」と母に叱られ、辛くて厳しい訓練や勉強を課せられた苦い思い出の日々。二度と還りたくない。
それでも、彼女も成長すれば、私好みのお淑やかな女性になるはずだと、そんな日々を耐えに耐え抜いた。
ところが、彼女は、残念な事に胸元が寂しかった。あろう事か、彼女の母である亡き公爵夫人の、特に胸元の血を全く受け継がずに育ってしまったのである。それでも、綺麗な顔立ちだし、妻として大事にしようと不満をぐっと堪えた。豊満な女性は愛人として囲えば良いと思っていたのである。
しかし、私は、学園で運命の女性と出会ってしまった。彼女を愛人として日陰の身に置くわけにはいかない。
許されぬ愛に苦しむ私たちのために、チャツィーネを紹介してくれた宰相の次男であるビーネガーが、今回の計画を思いついてくれたのである。
王族の妻となるからには、誰からも尊敬され、常に清廉潔白で優しい女性でなくてはならない。だというのに、キャロラインは、嫉妬に駆られてチャツィーネに酷い事を言い、仲間外れにし、物を破損させ、あろうことか、狼藉者に襲わせるなどという、人間として風上にも置けぬ所業をしたのだ。最初聞いた時は信じられなかった。だが、証人が次々見つかり、私はチャツィーネとの未来の事だけでなく、王家の一員として見過ごすわけにはいかないと立ち上がったのである。
私は、側近たちと共に、満を持して今日の日を待った。かくして、衆目の中、見事悪女の罪を暴く事に成功したのである。
現在、会場は人々のひそひそとした会話で充満している。人々の冷めやらぬ熱気と共に居心地の悪い空間になっていた。それもそうだろう、表向きは立派な淑女として慕っていたキャロラインの裏の卑劣な顔を見て、騙されていた事に気付いたばかりなのだ。王族である私に対する不遜な視線も感じたが、彼らもまた、キャロラインの被害者なのだ。信じられない気持ちも理解できる故、不問にするとしよう。
「皆の者、少々騒がせてしまったな。苦心の末、悪女は私が懲らしめた。さあ、パーティを楽しもうではないか」
私が両手を広げてそう言うと、側近のひとりが楽団の元に行く。何やら言い争いをしていたようだが、指揮棒が上がると、各々の楽器にその手が添えられた。
止まっていた楽曲が再び音楽家の手によって命を吹き込まれ、私たちに戸惑いの目で見つめていた面々も思い思いに舞い、その日のパーティは大成功をおさめたのである。
チャツィーネの腰に手を当て、私は私室に戻った。側近や側仕えは下がらせ、ドアの外には護衛がふたり並んでいるのみ。
ふたりでワイングラスを手に、テラスに出る。生憎の曇天で、月がその姿を隠していた。少し残念だが、雲の切れ間から覗く月光が、彼女を怪しく照らし、大きくV字に開いた胸元の白さを際立たせている。
「ああ、チャツィーネ。やっと、やっとだ。やっと私は、堂々と君に求婚できる。私の妻になってくれるね?」
「え? ヤーくん……私、嬉しい。だけど、私なんて王子様の妻には……」
恐らく、いじらしい控えめな彼女は、私と結婚するなどという大それた夢を見ていなかったのだろう。求婚を受けて目を見開き驚いている。
「王位は兄上が継ぐ。私は、王家から籍を抜き、今後はバヨータージユ公爵家に入り次期公爵になる。公爵夫人として私を支えて欲しい」
「え? 王子様じゃなくなるの? こんなに立派で素敵で、皆の事を思っている人はヤーくんしかいないのに……。ねぇ、なんで?」
「王位というのは寂しいものだ。伴侶も自らの意志で選べないし、何もかもが決められている。そんな堅苦しい中に、自由で美しい君をがんじがらめにするのは忍びない。公爵夫人としてなら忙しくはあるが、自由もある程度あるし君にはそのほうがいいと思うのだが……。王族ではなくなる私では不服か?」
「そんな、不服だなんて……。わかったわ。私、公爵夫人としても自信がないけど。でも、ヤーくんのためなら頑張るっ!」
「チャツィーネ。君ならそう言ってくれると思ったよ。妻として、ずっと私を癒しておくれ」
「はい、喜んで……」
愛しい人と唇を合わす。仄かなワインの香りよりもかぐわしい彼女の甘い香りに酔いしれ、これから始まるふたりの明るい未来に思いを馳せたのであった。
彼女とは長い付き合いだ、彼女も最後に罪を認めた事もあり、感慨深くその背を見送ったのである。
「ヤーくぅん、さっきの綺麗な光はなんだったのぉ? 魔法よね? でもあんなにも美しくて幻想的な光は初めて見たわ。私、もう一回見てみたいな」
「ああ、チャツィーネ。あれはね、あの女が私の命に絶対に背けないようにするための契約魔法だ。私たち王族が、一生に一度しか使えない特別なもので、あの女は辺境伯の妻になり後継者を残せなければ死に至る」
「そんな……。キャロラインちゃんは死んでしまうの?」
「なぁに、契約さえ守ればそのような事態にはならない。あいつは、辺境でバケモノの子を産むのだ」
「そっか、良かったぁ。ふふふ、ヤーくんって、世界一カッコイイし王子様ってだけでなくて、キャロラインちゃんなんかにも優しいのね。それに、なんて素晴らしい魔法を使えるのかしら。すごぉい!」
「ははは、まあな。さあ、チャツィーネ。もう私たちの邪魔をする者などどこにもいない。踊ろうか」
「ええ!」
グラマラスな美女であるチャツィーネは、貴族としてのマナーにやや欠ける。頭も良くないというよりもユルい。だが、そこが彼女のチャーミングポイントでもある。
私の周りには、今までチャツィーネのように裏表のない純粋な好意を示した女性はいなかった。
近づいて来る女は、どれもこれも、私や私の背後にあるバヨータージユ公爵の強大な権力のおこぼれに預かりたい本心が透けて見えていた。とはいえ、据え膳食わぬは男の恥。肌を露わにしな垂れかかる女を飽きるまで遊んで別れた。相手も、同じように後腐れなく私と遊び、キャロラインに融通させたはした金を握らせると、二度と近づいて来る事はなかったのである。
キャロラインは、小さな頃は愛くるしい少女だった。バヨータージユ公爵やサンバールからは、厳しい視線といじめのような子供っぽい嫌がらせのような言葉を散々受けて来たが、彼女と結婚してバヨータージユ公爵を継ぐ事に異論はなかった。
幼い頃は、愛らしい彼女と一緒に遊んで……は、いないな。私が公爵家に行くと、彼女はウールスタという侍女とトーンカッソスという男と一緒に上級の攻撃魔法で撃ち合いをして庭を破壊したり、木に登ってみたり、池に入って魚を掴んで遊んだりと滅茶苦茶だった。一緒に遊ぼうと手を引っ張られ、彼らの遊びの余波を受けて痛い思いや気絶していた記憶しかない。
その度に、私は父母に泣きついたが、「男なのに情けない。それでも我がバジャーナリー国の王族ですか! キャロラインよりも強く賢くならなくてどうするのです!」と母に叱られ、辛くて厳しい訓練や勉強を課せられた苦い思い出の日々。二度と還りたくない。
それでも、彼女も成長すれば、私好みのお淑やかな女性になるはずだと、そんな日々を耐えに耐え抜いた。
ところが、彼女は、残念な事に胸元が寂しかった。あろう事か、彼女の母である亡き公爵夫人の、特に胸元の血を全く受け継がずに育ってしまったのである。それでも、綺麗な顔立ちだし、妻として大事にしようと不満をぐっと堪えた。豊満な女性は愛人として囲えば良いと思っていたのである。
しかし、私は、学園で運命の女性と出会ってしまった。彼女を愛人として日陰の身に置くわけにはいかない。
許されぬ愛に苦しむ私たちのために、チャツィーネを紹介してくれた宰相の次男であるビーネガーが、今回の計画を思いついてくれたのである。
王族の妻となるからには、誰からも尊敬され、常に清廉潔白で優しい女性でなくてはならない。だというのに、キャロラインは、嫉妬に駆られてチャツィーネに酷い事を言い、仲間外れにし、物を破損させ、あろうことか、狼藉者に襲わせるなどという、人間として風上にも置けぬ所業をしたのだ。最初聞いた時は信じられなかった。だが、証人が次々見つかり、私はチャツィーネとの未来の事だけでなく、王家の一員として見過ごすわけにはいかないと立ち上がったのである。
私は、側近たちと共に、満を持して今日の日を待った。かくして、衆目の中、見事悪女の罪を暴く事に成功したのである。
現在、会場は人々のひそひそとした会話で充満している。人々の冷めやらぬ熱気と共に居心地の悪い空間になっていた。それもそうだろう、表向きは立派な淑女として慕っていたキャロラインの裏の卑劣な顔を見て、騙されていた事に気付いたばかりなのだ。王族である私に対する不遜な視線も感じたが、彼らもまた、キャロラインの被害者なのだ。信じられない気持ちも理解できる故、不問にするとしよう。
「皆の者、少々騒がせてしまったな。苦心の末、悪女は私が懲らしめた。さあ、パーティを楽しもうではないか」
私が両手を広げてそう言うと、側近のひとりが楽団の元に行く。何やら言い争いをしていたようだが、指揮棒が上がると、各々の楽器にその手が添えられた。
止まっていた楽曲が再び音楽家の手によって命を吹き込まれ、私たちに戸惑いの目で見つめていた面々も思い思いに舞い、その日のパーティは大成功をおさめたのである。
チャツィーネの腰に手を当て、私は私室に戻った。側近や側仕えは下がらせ、ドアの外には護衛がふたり並んでいるのみ。
ふたりでワイングラスを手に、テラスに出る。生憎の曇天で、月がその姿を隠していた。少し残念だが、雲の切れ間から覗く月光が、彼女を怪しく照らし、大きくV字に開いた胸元の白さを際立たせている。
「ああ、チャツィーネ。やっと、やっとだ。やっと私は、堂々と君に求婚できる。私の妻になってくれるね?」
「え? ヤーくん……私、嬉しい。だけど、私なんて王子様の妻には……」
恐らく、いじらしい控えめな彼女は、私と結婚するなどという大それた夢を見ていなかったのだろう。求婚を受けて目を見開き驚いている。
「王位は兄上が継ぐ。私は、王家から籍を抜き、今後はバヨータージユ公爵家に入り次期公爵になる。公爵夫人として私を支えて欲しい」
「え? 王子様じゃなくなるの? こんなに立派で素敵で、皆の事を思っている人はヤーくんしかいないのに……。ねぇ、なんで?」
「王位というのは寂しいものだ。伴侶も自らの意志で選べないし、何もかもが決められている。そんな堅苦しい中に、自由で美しい君をがんじがらめにするのは忍びない。公爵夫人としてなら忙しくはあるが、自由もある程度あるし君にはそのほうがいいと思うのだが……。王族ではなくなる私では不服か?」
「そんな、不服だなんて……。わかったわ。私、公爵夫人としても自信がないけど。でも、ヤーくんのためなら頑張るっ!」
「チャツィーネ。君ならそう言ってくれると思ったよ。妻として、ずっと私を癒しておくれ」
「はい、喜んで……」
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