【完結】【R18】悪役令嬢は、婚約者を狙う幼馴染みの少女をストーカーする男に凌辱されるらしい

にじくす まさしよ

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わたくしの肌を打つ、高い音とともに…… ※※(?)

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「ん、あぁ……。やめてくださいませぇ……」

「そう言いつつ濡れてるじゃないか。お前、気持ちいいな。ほら、もっと腰をあげろ」

 パンッと、軽く肌を打つ高い音がする。

「あぁっ……!」

 わたくしは、音と彼からもたらされた刺激に反応して吐息と共に声を漏らした。


 わたくしは今、四つん這いになり、まるで犬のような恰好だ。身に着けているのは左足首に巻き付けられた拘束具のみ。逃げられないように鎖が伸びており、重いベッドの足に錠がかかり、ちょっとやそっとでは外せないように取り付けられている。

 秘めたる場所は、すでに秘密の場所ではなくなってしまった。殿方に肌を暴かれるのは初めてだ。わたくしは抗えない彼の力のまま同じ格好をさせられ続けていた。

「は、初めて、なのに、こ、興奮してきてんのか? 蜜が溢れだしたぞ? ほらっ!」

 もう一度、パンッと肌と肌がぶつかる大きな音が響いた時、ぽろりと涙を流した。




「や、そんな事はっ……! ああ……、もうお許しくださいませぇ……」

 わたくしは、彼に拉致をされたのである。そして、気を失っている間に丸裸にされて拘束をつけられたというわけだ。


  わたくしをこんな目に合わせているというのに、男は涙を流しだした事に気付いて焦りだし動きを止めた。


「泣いてんのか?  い、痛かったか?  初めてだもんな……。か、かわいいなお前……、じゃなくて、えっと……。な、泣くな!」






  そんな風に狼狽えて初心を一貫出来ないのなら、今すぐやめてくださいませ……。






※※※※


 今よりも数時間ほど前。わたくしは、卒業式に出るために学園にいた。婚約者から呼び出しがあり、人気のない裏庭にいくと、突然変な臭いをかがされて気を失い、気が付けば大きなベッドの上で丸裸の状態で目が覚めたのである。

 あまりの状況に意識がはっきりしだすとパニックになった。ガチャガチャと拘束具を無理に取ろうともがいた。辛うじて動く手を使ってシーツを体に巻き付けようとしたりしていた。

 鉄と鉛でできたそれはとても重くて、足首が赤くなり擦れて血が出てしまった。ヒリヒリ痛くて足を手で撫でていると、部屋にいた大柄な男が傷の手当と、拘束具の鉄部分が剥き出しにならないように布を巻いてくれた。
 その後、しっかりと足枷を嵌め直されたけれども……。

「あ、あの、ありがとうございます。あなたは?」
「この状況で礼を言うかな……。調子くるっちまうぜ。あんたを助けに来た人間じゃない事は確かだな」
「まぁ……。では、あなたがわたくしをここへ?」
「理解が早くて助かる。流石、高位貴族の令嬢ってか。何事にも動じず頭がいい」
「まぁ……。お褒め頂きありがとうございます」
「褒めてねえ! 嫌味だ!」

 わたくしの手など軽く折れそうなほど、全身鍛え上げられた男は、筋肉の壁で覆われており、わたくしよりも50センチは高いだろう。腕は、わたくしのふくらはぎよりも太いのではないだろうか。

 若草色のツンツンした短髪に、太い眉。大きな鼻はすっと筋が通り、肉厚の口はサンドイッチなど一口二口でぺろりと食べる事が出来そう。

「あの。一体なんのために?」
「あんたの婚約者と相思相愛の女の子がいるだろう?」
「ああ、アイラ様ですね。あの、あなたと彼女のご関係は? あなた、学園の生徒じゃありませんでしょう?」
「質問の多いお嬢様だなあ……」

 わたくしが、取り乱しもせず淡々と質問を繰り返すため、「マジで調子狂う」と、ぶつくさいいながらも説明してくれた。

「俺は、アイラの幼馴染なんだ。アイラと、……、ああ、あんたもか。あんたたちよりも5つ上だからな。学園はとっくに卒業している」
「まあ……、でしたら先輩でしたのね。ご挨拶が遅れまして申し訳ございません。わたくし、カトリーナと申します。友人たちはカティと呼びますの」
「だからな、ったく……。どうなってんだ。聞いていた話とえらい違うぞ……」
「あの……?」

 男は、キリアンと名乗った。アイラ様の幼馴染で彼女の事を昔から守って来ていたらしい。

「俺にとっちゃ、アイラは幸せにならなきゃいけない女なんだ。あいにく、アイラがサーシスっていう男に惚れちまったし、それはそれでいいんだけどよ」
「まあ……、報われない恋ですのね……グスッ……。なんてことでしょう……。キリアン様……、切なすぎますわぁ……グスッグスッ」

 わたくしは、キリアンの説明に涙がぽろりと出てしまった。幼少期から慕っていた少女。自分が幸せにしたかったでしょうに、ぽっとでのナヨナヨした頼りなさげな男に横からかっさらわれたなんて……。お気の毒で胸が締め付けられた。
 先日、親友が貸してくれたラブロマンスの小説のようだ。

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