完結 R18(複数) 身代わりの夫を受け入れた噂のカイブツ女辺境伯は、ぴえん超えてぱおん

にじくす まさしよ

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はじめましてで、いきなり初夜なのだけれども。⑤ ※ 

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 隣国の家族のことを考えていると、一瞬で体が反転した。先ほどまで、自分の下で恥ずかしそうにしていたトルクスが、自分を組み敷いたのだとわかるのは、ほんの数秒ほど。

「レンチ様、僕、頑張りますから」
「ルーク、一体何をするん」

 目を白黒させていると、言葉を遮るように、今度は彼から唇をふさがれる。先ほどまで自分がしていたような、一瞬で離れてしまうようなものではない。まるで、食べつくされるかと思わせるような激しくも優しいキスによって、レンチの頭の中から全てが去っていった。

「ああ、レンチ様。僕は、本当に幸せです」

 キスと彼の言葉の合間に、レースの布一枚に覆われた体が露わになる。彼の動きに合わせないと、と、レンチもまた彼のガウンをはだけさせた。

「今までの男たちよりも拙いかもしれませんが……」
「今までの男? ん」

 今までの男とはなんだ、と思う間もない。

 ぷるんとしたお椀型の胸元に、彼の顔が近づいたかと思うと、その大きな口の中に先端が食べられた。ぬるぬるとした熱いものが、胸の先をいたずらに遊ばせる。ぞわぞわした感覚が背中を駆け抜けたために胸をそらせると、トルクスは彼女のその行動に応えるかのように、自らの舌で先端をちゅうっと吸い付いた。

「ああっ!」
「かわいい。レンチ様はとても愛らしくて。僕はどうにかなってしまいそうです」
「んんっ、そんな、こと、な」

(こっちこそ、どうにかなってしまいそうなんだけど!)

 胸の先端への刺激のせいで、うまく言葉が続けられず、レンチは心の中で反論しかできなかった。

「本当のことです。ここに来ることができなかった兄上には申し訳ないですが、僕は世界一の果報者だと思います」
「ああっ!」

 白い肌が、薄暗い寝室のシーツの上で跳ねる。足の付根に、トルクスが手を差し入れると、くちゅりという聞き慣れない音が生じた。

「ちゃんと濡れていますね。良かった」
「やあ、そんなこと、いうな」
「申し訳ありません。嬉しくて、つい」

 太い指が、滑りのある泉からレンチの体内に入ってきた。月に一度の体内から出ていく感触以外の、固い物の存在に、びくりと体が硬直する。

「レンチ様、僕、もう」

 眉間にシワを寄せたトルクスが、レンチの足を大きく広げて、互いの股間を近づける。彼によって散々熱くされた場所に、指よりももっと長大なものが当てられた。

 レンチは、いよいよかと思うと同時に、やけにゆっくり入ってくる、先端の丸い彼の高ぶりを受け入れようと力を抜く。しかしながら、先程初めて異物を入れたばかりのそこはとても狭く、激しい痛みに苛まれた。

「つっ……!」
「痛いですか? でも、すみません。止められないです」

 先端を全て飲み込まれた高ぶりは、無遠慮に彼女の中にずりずりと侵入してきた。

(おかしい。痛いなんて聞いていない。この行為はとんでもなく気持ちの良いものだと連中が言っていたのに、これはどうしたわけだ)

 あまりの激痛に、レンチはすぐさま抜いて欲しいと、更に入れようとするトルクスの腹を蹴飛ばしたくなる。しかし、この行為をせねばならないと、ぐっと堪えた。
 
「ああ、レンチ様の中はとても熱くて、僕、もう」
「ああっ!」

 ずんっと一気に付き入れられた長大なトルクス自身の衝撃のせいで、レンチは大きく悲鳴をあげる。すると、彼は彼女のその大きな声が、流石に快楽によるものではないと気づいたようだった。

「え? レンチ様、苦しいのですか? そんな……これは」

 レンチの様子から、若干冷静になったトルクスは、自身とレンチがぴったり合わさった場所に、彼女の髪と同じ色を見つける。

 男慣れしていると思い込んでいたレンチが、実は初めてだったと知ったトルクスは、慌てて彼女の中から出ていった。吐き出していないにもかかわらず、高ぶりきった彼の中心は、赤と透明の液をまとわりつかせ、やや硬度をなくしてしまっている。

「ルーク、なぜ?」

 レンチは、子種を吐き出さずに出ていった彼を見上げる。じんじんとした火傷のような痛みはまだ続いているが、目的を果たさなければ後継者はできない。

「レンチ様、僕、その……。急ぎすぎてしまって。初めての女性になんということを。痛いですよね。申し訳ありません」

 ルークは、痛みがあるのはレンチだというのに、彼女よりも痛みにこらえているように、目をうるませながら枕元にあった布で、彼女の赤いものを不器用に、だが優しくぬぐった。

「確かに、初めてだが。初めてだと痛いのか?」
「女性は、そうだと聞いております。なのに、僕は」

 レンチは、彼からもたらされた新しい知識を手に入れた。

(初めては痛いのか。ルークは18になったばかりだというの22になる私よりも物知りだな。男だし、うちの騎士団の連中と同じく、たくさんの経験をしているのだろう。しかし、なるほど。では、二回目なら大丈夫というわけだな。毎回、これほど苦痛を伴うなら、二度と夜を共になど思わなかったが。そうとわかれば!)

「わかった。そんなに気にするな。では、続きをするとしよう」
「はい、続きを……って、だめです! 今は中が傷付いているんですよ?! 今日はもうこれでおしまいです!」
「ん? 今日はだめなのか。ならば、明日ということで、今日は休むとしよう」
「はい。えーと、ですが、そのままと言うわけには参りませんから、よろしければ」

 結局、よろしければと言いつつ、トルクスはレンチを、有無を言わさず隣接するバスルームに連れていき、優しく彼女の体を隅々まできれいにした。

 彼の中心は、その間にも高く鎌首をもたげて苦しそうにしていた。だが、レンチは、優しいマッサージのような彼の手付きに、そのことに気づくことなく、ふたり裸のまま夜を明かしたのであった。
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