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義父の部屋

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「じゃ、あまり遅くならないようにね」

「わかった! ちゃんと夕方までには帰るー」

「じゃ、雅弘くんのおばちゃん、行ってくるねー」

「はい、行ってらっしゃい」

 週末になると幼稚園でよく遊ぶ友達の遠藤賢司くんが雅弘を遊びに誘いにきた。

 笑顔でふたりを見送ると、絵美は腰を少し叩きながら掃除機を手にした。

「たぶん、今月も駄目か。なんか、腰重いもの」

 絵美は、頭の中でもうすぐやってくるであろう生理の事を考えた。

 毎月ふたりで頑張っているのに、なかなかふたり目に当たらない。

「ま、いっか! その内出来るだろうし。さ、お義父さんが帰ってくる前にお掃除! お掃除!」

 絵美は、掃除機を片手に階段を昇ると、まず始めに自分達の寝室に入った。

 夫の隆が、北海道へ行き、帰って来たかと思えば、今度は千葉へ出張。

「ほんと、お義父さんが早くに引退なんてするから···」

 義父である銀二は、社員2000人を抱えるAVメーカーの社長であった。結婚した時なんて、まだ誰にも継がせん!と言っていたのに、何故か今回同居をする事が決まって、社長業をいきなり引退したものだから···

「よいしょっと···」

 窓を開けると外からの少しムッとした熱を帯びた風が入るが、余り苦にはならず、ガァーゴォーと懸命に掃除機を掛け始めた。

 ベッドの下やテーブルの下、雅弘のしまい忘れたおもちゃを拾いながら絵美は掃除に集中していた。

「さ、次はお義父さんの部屋ね」

 長いコードを束ね、掃除機を引っ張りながら隣室の銀二の部屋へと入った。


『掃除は自分でやるからいいよ』と言われてはいたが、やはり女の手でやるのと男の手でやるのとでは、きれい差があるのか、銀二の部屋は少し散らかっていた。

 ゴミ箱には、鼻をかんだのか丸まったティッシュが入っていたし、服もベッドの上に脱ぎ散らかしてあったりと···

「ほんと親子ねぇ」

 ズボンが脱いだまま放置されてるのを見て、思わず絵美は笑った。夫の隆も同じようにズボンを脱いだままにする。

「まーくんも大人になったらこうなるのかな?」

 脱ぎ散らかした服は、一先ず廊下に出し、散乱していた雑誌はひとところにまとめてからベッドの上を整え、床に掃除機を掛ける。

 ズボッと掃除機が変な音を立て、何かを吸って止まった。

「やぁね、なにかしら? 取れるかなー?」

 掃除機の細い筒に何か白い物が詰まったらしく、絵美は銀二の机にあった50cmの物差しを筒に差し込み反対側から押し出した。

「あら? なんで?」

 最初は、ハンカチと思ったがよく見るとそれは絵美が最近なくしたと思ったショーツ。

「変ねぇ。なんかに紛れていたのかしら?」

 絵美は、汚れてしまったショーツのホコリを払うとエプロンのポケットに入れて、再び掃除機を掛け始めた。

 一通り、床の掃除機を掛け終えると今度は拭き掃除に取り掛かる。

 床を拭いたり、小さなラグにコロコロを掛けたりすると、身体がベタつくのを感じ、絵美は窓を閉め、少しだけ銀二の部屋でエアコンの風に当たろうとし、机の上にあったリモコンを押したが反応しない。

「電池が無いのかしら? 確かこの引き出しに···」

 銀二は、必要が無くても欲しい時に使えるようにと、文房具や乾電池を余分に買っては引き出しにしまっていた。

「あったわ。これね」

 単4電池を2本取り出そうとしたら、すぐ近くに見慣れない鍵があったのに目が止まる。

「なにかしら、これ」

 家の鍵より少し小振りな鍵を少しつまんだ瞬間、
 
「それに触るな!」と大きな声がし、思わず鍵を床に落とした絵美。

「あ、ご、ごめんなさい。落としちゃった」

 慌てて鍵を拾い、引き出しに閉まった絵美は、こちらをジッと睨んでる銀二の顔が見れず、俯いてしまう。

「ここはもういいから。他の部屋の掃除をしなさい。さっきは、怒鳴ってすまんかった」

「あ、いえ。すみません。勝手に部屋に入ってしまって。失礼します」

 掃除機とクイッ◯ルワ◯パーを手にした絵美は、そそくさと逃げるように、階段を降り小さく溜息をついた。

(怖かった。あんな顔のお義父さん初めて見たわ)

 そうは思ったが、他の部屋の掃除をしている間にその恐怖心は薄れ、終わった頃には怒られた事すら忘れていた。


「ふぅっ。危なかったな。にしても、いい眺めだった」

 郵便局まで行く途中、財布を持ってくるのを忘れた銀二は、引き返し自宅へと戻った。名前を呼んだが、掃除をしているのか絵美の耳に届かず、銀二はゆっくり階段を昇り、声を掛けようとして辞めた。

「いいケツしてたな。あの盛り上がり···」

 目を閉じ、先程見た絵美の下着越しの陰部やミニスカートから見えた尻周りの肉付き。いくら息子の嫁とわかっていても、銀二は何度その嫁を妄想で犯しただろうか。

 亡くなった妻の深雪は、そこそこの肉付きではあったが。絵美は、銀二の好みの肉付きをしていた。

 ドアを少し開け、廊下に誰もいないのを確かめた銀二は、鍵を掛け、徐ろに自身をさらけ出し、鍵付きの引き出しを開け、そこに鎮座しているモーターのスイッチを押した。

「ちっ···」

 隆が、出張から帰った日は、必ず絵美を抱く。それがテレビの画面には、そのふたりのあるシーンが映し出されているが、カメラの位置と隆の位置が重なり過ぎて上手く見えず、仕方なく銀二は過去に撮った絵美の騎乗位の映像で抜いた。

「パツンパツンじゃないか。あんなのを吸えるあいつが羨ましい···」

 片方の乳だけでも、メロン程の大きさ···

 たまに覗いたり、聞き耳を立てたりして、絵美の身体の素晴らしさがより銀二のソレを熱くさせていた。

「お義父ーさぁん! お茶の時間ですよぉ!」

 あと一歩の所で、階下からお茶に誘う絵美の声がし、銀二は思わず苦笑い。

「待ってろ。夜には出してやるから」
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