33 / 48
新・生徒会
しおりを挟む
今季初の生徒会主催のイベントが無事爆散し、ざまぁと思っていたのもつかの間、俺たちに厄介事が降りかかった。
「そういうわけなんだ。俺が新しい生徒会長、フェルナンドが副会長だ」
あれから生徒会は急速に求心力を失った。生徒会役員は白い目で見られるようになり、多くの人がやめていった。
そんな中、生徒会長が殿下の前に現れたらしい。そして土下座で謝罪され、自分は生徒会長をやめるから、その後を殿下に引き継いで欲しいと懇願してきたそうである。
断れば良かったのに、と思ったのだが、場所が王城であったこと、隣に王妃様とマリーナ様がいたことで、無下に扱うことができなかったそうである。二人にも説得されてしぶしぶ引き受けることになったらしい。
「分かりました。引き受けましょう」
「おお! フェルナンドならそう言ってくれると思っていたぞ。ありがとう、我が心の友よ!」
殿下が俺に抱きついてきた。あんまりうれしくないが、はねのけるわけにもいかず。なされるがままにさせていた。
殿下を生徒会長にして放っておけば、何をしでかすか分からない。間違いなく、監視、もしくは裏から操る人物が必要だ。それが俺なのだろう。
まずは生徒会役員を一新することから始めた。全員解散である。そのあとで改めて有能な人材を引き込むのだ。あらかじめ目を付けていた人物たちに来てもらった。外見ではなく、中身重視である。
もちろん、ヒロインであるビラリーニョ嬢はクビである。彼女がいれば生徒会はまとまらない。そう殿下に訴えた。殿下も思うところがあるようで、異論はなかった。
それから妙な疑いをかけられないようにするため、殿下の婚約者のマリーナ様と、俺の婚約者のリアにも生徒会役員になってもらった。主に俺たちの監視役である。成績も優秀だし、十分な戦力になるだろう。
「これであらかたの戦力は整ったようだな。みんな、よろしく頼むぞ」
殿下が満足そうに生徒会室に集まった生徒会役員を見て言った。立て直しは容易ではないだろう。まずは運営資金の確認からだな。何か事を起こすにしても、必要になるのは残念ながらお金である。
俺たちが生徒会に復帰したことで、王家からの援助が再開された。もちろん俺たちの家からも援助金が出ることになっている。新生生徒会に期待が高まっているのか、他にも援助を申し出る家も増えて来ている。これはお金には困らなそうだな。
次は今回の「スケッチ大会」の終わらせ方についてだ。旧生徒会がどんな終わらせ方をしていたのか聞いたところ、「何もしない」とのことだった。
それはまずいだろう。本当に絵を描いただけで終わらせるつもりだったのか。そこまで機能不全に陥っていたとは思わなかった。
しょうがないので、描いた絵は、名前を伏せて審美眼を持つ人たちを呼び寄せて評価してもらった。そして評価が高かったものに対しては、名前を公表して食堂に張り出した。
これは好評だったみたいであり、描いた生徒はずいぶんと囲まれているようだった。中には売ってくれ、と直談判する強者も現れたらしい。
そこで生徒会は売買を許可することにした。お互いに納得のいく値段で取り引きするように、トラブルがあった場合は生徒会が間に入るという条件を付け加えている。そして現在、ちょっとした絵画ブームとなっている。
このブームに乗り遅れないように、俺たちの描いた絵も売り出した。もちろん王立学園内ではなく、既存のオークションである。殿下たちの名前は有効に使わせてもらった。そのかいあって、俺の絵も含めた四点セットで、高値で取り引きされた。
王族の絵がオークションに出回るのは今回が初めてである。話題性もあったようで、ずいぶんと白熱したものになったそうだ。
そしてそこから得たお金は当初の予定通り、全額、国内の孤児院に寄付した。もちろん「王立学園四天王」の名前である。事前にどこにいくら寄付するかを決めていたこともあって、スムーズに寄付金は送られた。
俺たちの試みは大いに国内で話題になった。まねして偽名で寄付する貴族が現れたくらいである。今では貴族が孤児院に寄付するのが当たり前のような風潮になってきている。
これはこれで良かったかな。タンスの中で肥やしになっているお金が少しでも出回れば、経済も少しは動くだろう。
王立学園内でも「王立学園四天王ってだれだ?」とウワサになっていた。バレバレな名前なのでみんな分かっていて言っているんだと思う。俺たちを尊敬のまなざしで見る目がちょっと痛かった。
だって、絵画そのものの善し悪しではなくて、知名度で売ったようなものだからね。まあ、コレクターにとっては価値のあるものだと思っておこう。
なお、しばらくの間、俺に画家の先生がつけられた。ほっとけ!
「フェルナンド、次は何をする?」
ウキウキ、とした表情で殿下が尋ねてきた。どうして俺に頼るんだ。少しは自分で考えたらどうなんだ?
だが、期待の目で見ているのは殿下だけではなかった。リアもマリーナ様も他の生徒会役員も同じような目で見ている。いつから俺がボスになったと錯覚している?
「そうですね、何とか挽回したものの、あのスケッチ大会だけでは物足りなかったように思います」
見回すと、全員がうなずいている。どうやらみんなそう思っているようである。このまま夏休みに突入すると、領地や実家に戻ったときに楽しい話はできないだろう。それじゃあどうするか。
「そこで、チェスとダーツの大会を開いてはどうでしょうか? これなら王立学園内でできますし、場所もそれほど必要ではありません。クラスごとに予選をして、上位何名かで観客を入れた決勝トーナメントを行う。どうでしょうか?」
「なるほど、それならどちらも苦手な人でも最後まで楽しむことができそうだな。そうだ、お金でも賭けるか?」
「いや、お金を賭けるはちょっと……」
そんなことをしたら、八百長が続出するのが目に見えている。ここはスポーツマンシップに則ってプレイしてもらいたい。
「フェルナンド様の言う通りですわ。お金が動くとなれば、それを利用して悪巧みをする人たちがきっと現れますわ。それに対処しようと思ったら、相当の労力が必要ですわ。お金を賭けるのは却下です、殿下」
マリーナ様がビシッと言ってくれた。さすがは殿下の婚約者。そこがしびれる、憧れる! マリーナ様の一喝で殿下は大人しくなった。よしよし、これで他の生徒会役員も「お金を賭けるのはダメ」として動いてくれるだろう。
王立学園でチェスやダーツが広がれば、それらの遊具がますます売れるはず。ジョナサンたちの鍛冶工房の売り上げも上がるはずだ。そしてその売上金の一部は俺の懐にも入ってくる。ウッシッシ。
「フェル様、うれしそうですわね」
「そ、そりゃあもちろん。チェスやダーツはそれなりに人気が出てきていますが、まだ大きな流れにはなっていません。武道大会のように大会になれば、もっと盛り上がると思ったのですよ。そうなれば、国民の楽しみも増えるでしょう?」
「なるほど、そこまでお考えでしたか。さすがはフェル様ですわ!」
声を弾ませてリアがそう言った。ズキッと胸が痛んだ。いや、胸が痛む必要はないだろ。半分は正解だし! お金のことだけ考えてないし!
「そういうわけなんだ。俺が新しい生徒会長、フェルナンドが副会長だ」
あれから生徒会は急速に求心力を失った。生徒会役員は白い目で見られるようになり、多くの人がやめていった。
そんな中、生徒会長が殿下の前に現れたらしい。そして土下座で謝罪され、自分は生徒会長をやめるから、その後を殿下に引き継いで欲しいと懇願してきたそうである。
断れば良かったのに、と思ったのだが、場所が王城であったこと、隣に王妃様とマリーナ様がいたことで、無下に扱うことができなかったそうである。二人にも説得されてしぶしぶ引き受けることになったらしい。
「分かりました。引き受けましょう」
「おお! フェルナンドならそう言ってくれると思っていたぞ。ありがとう、我が心の友よ!」
殿下が俺に抱きついてきた。あんまりうれしくないが、はねのけるわけにもいかず。なされるがままにさせていた。
殿下を生徒会長にして放っておけば、何をしでかすか分からない。間違いなく、監視、もしくは裏から操る人物が必要だ。それが俺なのだろう。
まずは生徒会役員を一新することから始めた。全員解散である。そのあとで改めて有能な人材を引き込むのだ。あらかじめ目を付けていた人物たちに来てもらった。外見ではなく、中身重視である。
もちろん、ヒロインであるビラリーニョ嬢はクビである。彼女がいれば生徒会はまとまらない。そう殿下に訴えた。殿下も思うところがあるようで、異論はなかった。
それから妙な疑いをかけられないようにするため、殿下の婚約者のマリーナ様と、俺の婚約者のリアにも生徒会役員になってもらった。主に俺たちの監視役である。成績も優秀だし、十分な戦力になるだろう。
「これであらかたの戦力は整ったようだな。みんな、よろしく頼むぞ」
殿下が満足そうに生徒会室に集まった生徒会役員を見て言った。立て直しは容易ではないだろう。まずは運営資金の確認からだな。何か事を起こすにしても、必要になるのは残念ながらお金である。
俺たちが生徒会に復帰したことで、王家からの援助が再開された。もちろん俺たちの家からも援助金が出ることになっている。新生生徒会に期待が高まっているのか、他にも援助を申し出る家も増えて来ている。これはお金には困らなそうだな。
次は今回の「スケッチ大会」の終わらせ方についてだ。旧生徒会がどんな終わらせ方をしていたのか聞いたところ、「何もしない」とのことだった。
それはまずいだろう。本当に絵を描いただけで終わらせるつもりだったのか。そこまで機能不全に陥っていたとは思わなかった。
しょうがないので、描いた絵は、名前を伏せて審美眼を持つ人たちを呼び寄せて評価してもらった。そして評価が高かったものに対しては、名前を公表して食堂に張り出した。
これは好評だったみたいであり、描いた生徒はずいぶんと囲まれているようだった。中には売ってくれ、と直談判する強者も現れたらしい。
そこで生徒会は売買を許可することにした。お互いに納得のいく値段で取り引きするように、トラブルがあった場合は生徒会が間に入るという条件を付け加えている。そして現在、ちょっとした絵画ブームとなっている。
このブームに乗り遅れないように、俺たちの描いた絵も売り出した。もちろん王立学園内ではなく、既存のオークションである。殿下たちの名前は有効に使わせてもらった。そのかいあって、俺の絵も含めた四点セットで、高値で取り引きされた。
王族の絵がオークションに出回るのは今回が初めてである。話題性もあったようで、ずいぶんと白熱したものになったそうだ。
そしてそこから得たお金は当初の予定通り、全額、国内の孤児院に寄付した。もちろん「王立学園四天王」の名前である。事前にどこにいくら寄付するかを決めていたこともあって、スムーズに寄付金は送られた。
俺たちの試みは大いに国内で話題になった。まねして偽名で寄付する貴族が現れたくらいである。今では貴族が孤児院に寄付するのが当たり前のような風潮になってきている。
これはこれで良かったかな。タンスの中で肥やしになっているお金が少しでも出回れば、経済も少しは動くだろう。
王立学園内でも「王立学園四天王ってだれだ?」とウワサになっていた。バレバレな名前なのでみんな分かっていて言っているんだと思う。俺たちを尊敬のまなざしで見る目がちょっと痛かった。
だって、絵画そのものの善し悪しではなくて、知名度で売ったようなものだからね。まあ、コレクターにとっては価値のあるものだと思っておこう。
なお、しばらくの間、俺に画家の先生がつけられた。ほっとけ!
「フェルナンド、次は何をする?」
ウキウキ、とした表情で殿下が尋ねてきた。どうして俺に頼るんだ。少しは自分で考えたらどうなんだ?
だが、期待の目で見ているのは殿下だけではなかった。リアもマリーナ様も他の生徒会役員も同じような目で見ている。いつから俺がボスになったと錯覚している?
「そうですね、何とか挽回したものの、あのスケッチ大会だけでは物足りなかったように思います」
見回すと、全員がうなずいている。どうやらみんなそう思っているようである。このまま夏休みに突入すると、領地や実家に戻ったときに楽しい話はできないだろう。それじゃあどうするか。
「そこで、チェスとダーツの大会を開いてはどうでしょうか? これなら王立学園内でできますし、場所もそれほど必要ではありません。クラスごとに予選をして、上位何名かで観客を入れた決勝トーナメントを行う。どうでしょうか?」
「なるほど、それならどちらも苦手な人でも最後まで楽しむことができそうだな。そうだ、お金でも賭けるか?」
「いや、お金を賭けるはちょっと……」
そんなことをしたら、八百長が続出するのが目に見えている。ここはスポーツマンシップに則ってプレイしてもらいたい。
「フェルナンド様の言う通りですわ。お金が動くとなれば、それを利用して悪巧みをする人たちがきっと現れますわ。それに対処しようと思ったら、相当の労力が必要ですわ。お金を賭けるのは却下です、殿下」
マリーナ様がビシッと言ってくれた。さすがは殿下の婚約者。そこがしびれる、憧れる! マリーナ様の一喝で殿下は大人しくなった。よしよし、これで他の生徒会役員も「お金を賭けるのはダメ」として動いてくれるだろう。
王立学園でチェスやダーツが広がれば、それらの遊具がますます売れるはず。ジョナサンたちの鍛冶工房の売り上げも上がるはずだ。そしてその売上金の一部は俺の懐にも入ってくる。ウッシッシ。
「フェル様、うれしそうですわね」
「そ、そりゃあもちろん。チェスやダーツはそれなりに人気が出てきていますが、まだ大きな流れにはなっていません。武道大会のように大会になれば、もっと盛り上がると思ったのですよ。そうなれば、国民の楽しみも増えるでしょう?」
「なるほど、そこまでお考えでしたか。さすがはフェル様ですわ!」
声を弾ませてリアがそう言った。ズキッと胸が痛んだ。いや、胸が痛む必要はないだろ。半分は正解だし! お金のことだけ考えてないし!
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚
水魔沙希
ファンタジー
モブに徹していた少年がなくなり、転生したら乙女ゲームの悪役になっていた。しかも、王族に生まれながらも、1歳の頃に誘拐され、王族に恨みを持つ少年に転生してしまったのだ!
そんな運命なんてクソくらえだ!前世ではモブに徹していたんだから、この悪役かなりの高いスペックを持っているから、それを活用して、なんとか生き残って、前世ではできなかった事をやってやるんだ!!
最近よくある乙女ゲームの悪役転生ものの話です。
だんだんチート(無自覚)になっていく主人公の冒険譚です(予定)です。
チートの成長率ってよく分からないです。
初めての投稿で、駄文ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
会話文が多いので、本当に状況がうまく伝えられずにすみません!!
あ、ちなみにこんな乙女ゲームないよ!!という感想はご遠慮ください。
あと、戦いの部分は得意ではございません。ご了承ください。
【完結】異世界で幽霊やってます!?
かずきりり
ファンタジー
目が覚めたら、豪華絢爛な寝室……に、浮かぶ俺。
死んだ……?
まさかの幽霊……?
誰にも認識されず、悲しみと孤独が襲う中で、繰り広げられそうな修羅場。
せめて幽霊になるなら異世界とか止めてくれ!!
何故か部屋から逃げる事も出来ず……と思えば、悪役令嬢らしき女の子から離れる事が出来ない!?
どうやら前世ハマっていたゲームの世界に転生したようだけど、既にシナリオとは違う事が起きている……。
そして何と!悪役令嬢は転生者!
俺は……転……死?幽霊……?
どうなる!?悪役令嬢!
ってか、どうなるの俺!?
---------------------
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています。
悪役令嬢、第四王子と結婚します!
水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします!
小説家になろう様にも、書き起こしております。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる