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守護霊獣よ、来たれ!①
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計画通りモニカが聖女になったわけだが、それによって問題も出てきた。
そう、モニカの安全面の問題だ。
この城にいるあいだは、城の警備にはどこにもぬかりはないし、いつも俺がそばについているので問題はないのだが、一歩城から外に出ればそうとは言えなくなってくる。
もちろん公爵家の護衛が悪いということはないのだが、どうしても、もっと、もっと安全を、と思ってしまう自分がいる。
随分とモニカに惚れ込んでしまったな、と自嘲気味に笑っても、この心配が無くなることはなかった。
何かいい案はないものか。いつでもモニカのそばにいて、絶対に裏切ることのない人物。いや、人物にこだわるのがいけないのか? いつもそばにいる番犬?
番犬……そうだ、こんな時は使い魔だ! 常にそばに控えていて、自律性を持つ使い魔を召喚しておけば、いつでもモニカを守ることができるぞ。実にいい考えだ。早速書物をあさって使い魔の召喚方法を見つけださないと!
その日から俺は時間の許す限り王城の王宮図書館に篭もったのであった。
王宮図書館はとても広く、古今東西の書物が所狭しと集まっている場所である。
壁には一面に巨大な本棚が張りつけてあり、それが天に向かって、まるで大樹のように無数に伸びていた。
上段にある本を手に取るには梯子だけではなく、上の階層に登る必要さえもあった。
幸いなことに、ある程度の区分ごとに分けられていたため、それなりに本のある場所は分かる。しかしそれでも、そこには大量の本が待ち受けていた。
「くっそ、多すぎるな。誰かまとめて検索できるようにしてくれないかな? 書庫検索システムみたいなやつ!」
あまりの多さに思わず悪態をついてしまった。
召喚魔法の類いは魔法の先生に聞いても分からなかった。それどころか、そんな魔法は存在しないと否定されてしまった。
だが俺は諦めない。モニカのためにも何としてでも見つけなければならないのだ。
こうして本と格闘すること数日、俺はそんな魔法はないという結論に達した。
まさか本当にないとは……禁断の魔法などと言って、どこかに隠してあるのがゲームじゃないのか?
ん? いや、待てよ。そう言えばこの王宮図書館に禁書の類いの本が一冊もないぞ。これはどういうことだ? よそ様には見せられないエッチな本とかもどこかにあるはずだよな。
……つまり、この王宮図書館のどこかに秘密の部屋がある可能性が高いということか。きっとそこに俺の探しているワンピースがあるはずだ。
俺は王宮図書館の見取り図を部屋に持ち帰って、改めて怪しいところがないか、隈なくチェックした。
その結果……あった。
構造では明らかに空白があるのに入れない場所が王宮図書館の中にあったのだ。
それは天井まで続く本棚の裏側にあり、とてもではないが、そこに部屋があるとは思えないように巧妙に隠されていた。
俺はすぐにその場所に行き確認してみたが、確かに謎のスペースがあることが分かるものの、その秘密の部屋への入り方は不明だった。
どこかにボタンでもあるのか? だが、もし本棚にボタンが隠してあったら、誰かが間違えて触ってしまう恐れがある。
何か別の方法で開閉するのかな? 扉を開ける呪文がある? それとも、無理やり本棚を動かすとか?
試しに動かしてみたが、本棚が重すぎてピクリとも動かなかった。
これは魔法で動かすしかないな。重いものを運ぶことができるムーブの魔法を使えば何とかなりそうな気がする。
だが、人が多い昼間に試すわけにはいかない。誰もいなくなる夜に挑戦しよう。
その日、みんなが寝静まるのを待った。
その夜、王宮が寝静まった丑三つ時、俺は行動を開始した。
トイレに行く振りをして護衛を撒くと、一目散に王宮図書館に向かった。
王宮図書館の鍵は持っている。これでも俺はこの国の皇太子なのだ。万が一に備えて、全ての部屋の鍵を持っているのだ。
もちろん緊急時以外は使ってはならないことになっている。だが、今はその緊急時だ。
カチャリと静かに扉を開け、中に入るとすぐに扉を閉めた。部屋の中は真っ暗であり、とても不気味だった。
まるで今にも図書室のお化けなんかが出てきそうな感じがする。
俺は明かりの魔法を使い足元をわずかに照らすと、例の秘密の部屋がある場所へと向かった。
事前の調査で本棚の一部が天井まで達していない箇所があることを発見していた。おそらくはそこが動くのだろう。
俺はその本棚の前に立ち、ムーブの魔法を使って本棚を動かした。
不気味な音を立てながら動いた本棚は、人が一人やっと入れるほどの隙間を作りだした。
ゴクリと生唾を飲み込んだ。
求めているワンピースはここにあるのか?
意を決して中に入ると、そこには予想通り、所狭しと本が置いてあった。
ドキドキしながらすぐそばにある本のページをめくる。
うん、これはエロ本だな。興味はあるが、コレジャナイ。あまり時間もないので、すぐに本を掻き分けて召喚魔法の本を探した。
あった! これだ! ワンピースは確かにあったぞ!
俺はその本をお腹に隠すと、後ろ髪を引かれながら本棚を元に戻し、自分の部屋へと急いで戻った。
お腹を抱えてトイレから戻った俺を護衛が心配したが、大丈夫だ、問題ない、と言って何とか誤魔化した。
そう、モニカの安全面の問題だ。
この城にいるあいだは、城の警備にはどこにもぬかりはないし、いつも俺がそばについているので問題はないのだが、一歩城から外に出ればそうとは言えなくなってくる。
もちろん公爵家の護衛が悪いということはないのだが、どうしても、もっと、もっと安全を、と思ってしまう自分がいる。
随分とモニカに惚れ込んでしまったな、と自嘲気味に笑っても、この心配が無くなることはなかった。
何かいい案はないものか。いつでもモニカのそばにいて、絶対に裏切ることのない人物。いや、人物にこだわるのがいけないのか? いつもそばにいる番犬?
番犬……そうだ、こんな時は使い魔だ! 常にそばに控えていて、自律性を持つ使い魔を召喚しておけば、いつでもモニカを守ることができるぞ。実にいい考えだ。早速書物をあさって使い魔の召喚方法を見つけださないと!
その日から俺は時間の許す限り王城の王宮図書館に篭もったのであった。
王宮図書館はとても広く、古今東西の書物が所狭しと集まっている場所である。
壁には一面に巨大な本棚が張りつけてあり、それが天に向かって、まるで大樹のように無数に伸びていた。
上段にある本を手に取るには梯子だけではなく、上の階層に登る必要さえもあった。
幸いなことに、ある程度の区分ごとに分けられていたため、それなりに本のある場所は分かる。しかしそれでも、そこには大量の本が待ち受けていた。
「くっそ、多すぎるな。誰かまとめて検索できるようにしてくれないかな? 書庫検索システムみたいなやつ!」
あまりの多さに思わず悪態をついてしまった。
召喚魔法の類いは魔法の先生に聞いても分からなかった。それどころか、そんな魔法は存在しないと否定されてしまった。
だが俺は諦めない。モニカのためにも何としてでも見つけなければならないのだ。
こうして本と格闘すること数日、俺はそんな魔法はないという結論に達した。
まさか本当にないとは……禁断の魔法などと言って、どこかに隠してあるのがゲームじゃないのか?
ん? いや、待てよ。そう言えばこの王宮図書館に禁書の類いの本が一冊もないぞ。これはどういうことだ? よそ様には見せられないエッチな本とかもどこかにあるはずだよな。
……つまり、この王宮図書館のどこかに秘密の部屋がある可能性が高いということか。きっとそこに俺の探しているワンピースがあるはずだ。
俺は王宮図書館の見取り図を部屋に持ち帰って、改めて怪しいところがないか、隈なくチェックした。
その結果……あった。
構造では明らかに空白があるのに入れない場所が王宮図書館の中にあったのだ。
それは天井まで続く本棚の裏側にあり、とてもではないが、そこに部屋があるとは思えないように巧妙に隠されていた。
俺はすぐにその場所に行き確認してみたが、確かに謎のスペースがあることが分かるものの、その秘密の部屋への入り方は不明だった。
どこかにボタンでもあるのか? だが、もし本棚にボタンが隠してあったら、誰かが間違えて触ってしまう恐れがある。
何か別の方法で開閉するのかな? 扉を開ける呪文がある? それとも、無理やり本棚を動かすとか?
試しに動かしてみたが、本棚が重すぎてピクリとも動かなかった。
これは魔法で動かすしかないな。重いものを運ぶことができるムーブの魔法を使えば何とかなりそうな気がする。
だが、人が多い昼間に試すわけにはいかない。誰もいなくなる夜に挑戦しよう。
その日、みんなが寝静まるのを待った。
その夜、王宮が寝静まった丑三つ時、俺は行動を開始した。
トイレに行く振りをして護衛を撒くと、一目散に王宮図書館に向かった。
王宮図書館の鍵は持っている。これでも俺はこの国の皇太子なのだ。万が一に備えて、全ての部屋の鍵を持っているのだ。
もちろん緊急時以外は使ってはならないことになっている。だが、今はその緊急時だ。
カチャリと静かに扉を開け、中に入るとすぐに扉を閉めた。部屋の中は真っ暗であり、とても不気味だった。
まるで今にも図書室のお化けなんかが出てきそうな感じがする。
俺は明かりの魔法を使い足元をわずかに照らすと、例の秘密の部屋がある場所へと向かった。
事前の調査で本棚の一部が天井まで達していない箇所があることを発見していた。おそらくはそこが動くのだろう。
俺はその本棚の前に立ち、ムーブの魔法を使って本棚を動かした。
不気味な音を立てながら動いた本棚は、人が一人やっと入れるほどの隙間を作りだした。
ゴクリと生唾を飲み込んだ。
求めているワンピースはここにあるのか?
意を決して中に入ると、そこには予想通り、所狭しと本が置いてあった。
ドキドキしながらすぐそばにある本のページをめくる。
うん、これはエロ本だな。興味はあるが、コレジャナイ。あまり時間もないので、すぐに本を掻き分けて召喚魔法の本を探した。
あった! これだ! ワンピースは確かにあったぞ!
俺はその本をお腹に隠すと、後ろ髪を引かれながら本棚を元に戻し、自分の部屋へと急いで戻った。
お腹を抱えてトイレから戻った俺を護衛が心配したが、大丈夫だ、問題ない、と言って何とか誤魔化した。
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