437 / 539
41❤︎新境地
41❤︎5※
しおりを挟む❤︎ ❤︎ ❤︎
大きな転機となり得そうなCM出演決定の報告を、今日ようやく葉璃に伝えられたとあって聖南はどうにも感情を抑えきれなかった。
葉璃が認められて嬉しい。
これからももっともっと広い世界に羽ばたいてゆくであろう恋人のことが、とても誇らしい。
どんなに葉璃にその自覚が無かろうと、世間と業界が〝ハル〟を認めた。
CROWNのバーターでなく、事務所のプッシュでもなく、当然ながら誰かの影武者でもないこれは、あくまでも葉璃個人が企業から見初められた結果のとてつもなく大きな仕事だ。
自慢して歩きたいとは常日頃から思っているが、今回ばかりは先輩として、公の場で大いに〝後輩〟を盛り立てようと心に決めている聖南である。
興奮冷めやらぬ聖南がいくら「マジでおめでとう」と祝っても、当の葉璃はどこか他人事なのがまたいい。
帰りの車中でも、自宅に帰ってきてからも葉璃の返事は浮かなかった。
報告を聞いただけでは信じられない、といったところだろうが、聖南はその葉璃の控えめな反応に心を射抜かれた。
「ん……っ」
「気持ちい?」
「ん、……」
向かい合ってキスをすると、頬をピンク色に染め照れたように顔を背ける葉璃は、他に例えようがないくらい可愛い。
明日の仕事は二人とも早朝から。普段よりやや早めの七時半には家を出なくてはならない。
仕事に差し支えてもいけないので、聖南は葉璃の体を気遣い「今日は挿れねぇ」とバスルームで豪語した。
ギンギンに育った下半身を華奢な腰に押し当てての、何とも説得力の無い豪語は葉璃の爆笑を誘った。
「でもなんか……は、はずかしい、です……っ」
「俺も」
「えっ?」
挿れないとは言ったが、〝出さない〟とは言っていない。
葉璃が家の中をウロついているだけで欲情する聖南が、我が恋人への嬉しい報告の後の興奮を抑えられるはずもなく、こうして向かい合って性器を握ってみたはいいがどうにも照れくさい。
『聖南さん、それ……我慢できるんですか?』
『いやこの状況で我慢なんか出来るか!!』
『じゃあどうするんですか』
『待て、そう焦るな。心配しなくても今日は挿れねぇよ』
『そんな心配してるわけじゃなくて、聖南さんのそれがものすごい存在感を……』
『俺のムスコはこれでも半勃ちだ!』
『えぇ!? こ、これ完全体じゃないんですか!?』
『よく見てみろ! 触ってもいいよ!』
『は、はいっ』
……このようにバスルームでイチャついていた二人は、ベッドルームに場所を移し妥協案を探り合った。
自分が舐めて治めると言って聞かない葉璃に、誕生日でもないのにそれはダメだと拒否した聖南のひらめきで、今に至る。
舐められるのは勘弁だが、葉璃の手のひらで触られた時に心と性器が弾んだのだ。
葉璃とは数えきれないほどセックスしてきたが、そういえば手で扱かれたことがないと聖南は思った。
フェラチオよりも手コキに心が躍った聖南だった。
「聖南さんも恥ずかしいんですか……?」
「なんだろうな、このいけないコトしてる感。俺らもっとエロいことしてんのに。気持ちいけど恥ずかしいよな」
「は、はい……」
俯き加減で儚く照れる葉璃の性器を、聖南は自分のと一緒くたに握った。
恥ずかしいと言いつつしっかり反応している小ぶりな性器が可愛くて、先ほどから柔く握ってはキスに逃げている。
明らかに長さの違う両方の性器の先端から、先走りが滲んでいた。視線を絡ませ触れ合うだけのキスにも興奮し、互いのドキドキが伝染し合っていてかなり気恥ずかしい。
葉璃に握らせようものなら、あっという間に射精してしまいそうなほどにはムードに呑まれている。
「あっ……せなさん……っ! だめ、早くしたら、俺……っ」
「イっちゃいそ?」
「う、ん……っ、い……っちゃう」
──はぁ……かわいー……。
あげく、万人に自慢したい恋人がこんなにも可愛い。
少しばかり強く握って上下に扱いただけで、聖南の胸に寄りかかって悩ましい吐息を漏らすのだ。
高い嬌声と共に、背中と腰を震わせて射精する葉璃より先に自分がイくわけにはいかないと、目下煽られまくっている聖南は躍起になった。
「あっ……あっ、せなさんっ……だめだって、言っ……!」
自分のムスコはさておき、葉璃のものだけを握って背中を抱き寄せる。
人差し指と中指を巧みに使い、亀頭とくぼみを重点的に攻めると葉璃は呆気なく息を詰めた。
「んっ」と小さく啼き、小刻みに震える葉璃の体の振動が聖南の腕に伝わる。と同時に、聖南の引き締まった腹にピュッと滑り気のある精子が放たれた。
だが聖南は扱くのをやめない。二、三度に分けて放たれる葉璃の射精の癖を熟知しているので、掴まれた肩に爪が食い込んでいるうちは絶頂の最中。
くたりとその身体が聖南に寄りかかるまで、しつこく竿を扱いてやった。
「……ん、一発目全部出た?」
「ふぁ……っ? んっ……」
脱力した葉璃からとろんと見上げられ、聖南はたまらず口付ける。半開きになったそこから覗いた真っ赤な舌に誘われてしまった。
だが、遊ばせるように舌を絡ませたのみで離れた聖南は、自分で自分に拍手を送った。
唾液の交換までもしてしまうと、欲望に忠実な聖南の体が〝挿入したい〟と騒ぎ出す。葉璃を抱き寄せている右手が、魅力的な穴めがけて這い回る前にやめたのだ。
しかもまだ葉璃の唇はいくつか切れている。
今の淡白なキスでもほのかに血の味がした。
「葉璃かわい。いっぱい出たな。俺の腹にも飛んでるよ」
「も……そういうこと、言わ、ないで……っ」
「もう一発イけそ?」
「そ、そんなすぐには……! 聖南さんじゃないんだからっ」
「あはは……っ、俺だったらどうなの」
射精後でふにゃりと強度を失った葉璃の性器を解放し、聖南は軽口を叩いて可愛い瞳に口付けた。
0
お気に入りに追加
220
あなたにおすすめの小説
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる