狂愛サイリューム

須藤慎弥

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15❥接近

15❥9※

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 かわいくピンと勃ち上がる葉璃の性器には触れてやらず、ぺたんこの腹を撫ぜるように優しく叩くと、内襞がぐにぐにと蠢いた。

 聖南は自身のそれで最奥をグリっと突き上げ、その後ギリギリまで引き抜いて先端で前立腺を素早く擦る。

 解すためにたっぷりと使ったオーガニック素材のボディーソープは透明であったが、聖南が擦った事で白く泡立ち、秘部もろとも卑猥な光景の完成だ。

 内襞に性器を押し当てるようにしてくちゅくちゅと音を立てて擦ってみると、さらに泡立ちが増す。

 葉璃のぷりんとした臀部が、それによって華やかになったと思うのはあまりにも下品だろうか。


「……かわいーなぁ。 奥グリグリすんのと、……ここ、どっちが好き?」
 「ふ、っ……あっ、あぅ……っ、やだ……、やっ……」


 バスルーム内に響き渡る粘膜の擦れ合う音に、耳まで真っ赤にした葉璃は未だ聖南とのセックスに羞恥を覚えるらしい。

 貫かれた葉璃は、掴めない壁を頼りにプルプルと膝を震わせて半ば睨みつけるようにして聖南を振り返る。

 その間も二択のそれを実行に移している聖南は、今にも弾けてしまいそうな欲を完璧なまでに抑えていた。


「葉璃ちゃんが好きな事してあげたいんだ。 なぁ、どっち?」
「あっ……あの、……っ、ちゅー、したい……っ、なか、好きだけど……、せなさんの唾液、ほし……いっ」
「え、っ……。 え……?」


 そんな選択肢は与えていない。

 振り返った葉璃が上体を起こし、内側で張り詰めた性器がビクビクと脈打って腰が震えた聖南の胸に、ゆっくりともたれ掛かってきた。

 閉め切ったバスルーム内はさながらサウナのようで、汗ばんだ葉璃の背中がしっとりと聖南の腹に付く。

 予想外のキスの催促と、体を密着させての甘ったれなどされると、どれだけ聖南がこの手の我慢が上手くとも理性は簡単に弾け飛んでしまう。


「んむっ……っ……は、……んっ……!」
「…………葉璃、煽りやがったな」
「んん、んんっ……んんっ……ん、っ」


 振り返りざまの葉璃の顎を掴み、性器を引き抜いてから無条件に可愛いその唇を奪った。

 そういえば今日は唾液の交換がまだだった。

 寝こけていた葉璃の体を拓く事に集中していて、かつ嫉妬に狂っていたのでその考えに及ばなかった。

 誘うようにそろりと出てきた舌に吸い付き、葉璃をこちらを向かせた聖南は片腕で細腰を抱いて少し持ち上げる。

 ぴちゃ、ぴちゃ、と唾液の混ざり合う音が二人の耳に届いても、夢中で舌を絡ませているとそんなものは気にならなくなっていた。

 聖南と同じく禁欲を余儀なくされていた葉璃も、積極的に聖南の舌を追う。

 唾液を与える隙がないほどの熱烈なキスに、聖南も久しぶりに酔いしれた。


「……俺の、葉璃の中に入った?」
「ぅ、ん……はいった……すき」
「ちゅー好き?」
「ん、……すき」
「じゃあいっぱいしなきゃな」


 互いの粘液が体に染み渡ると、どちらからともなく抱き寄せ合って共に余韻に浸る。

 葉璃とのセックスもこの二年で相当な数をこなしてきたが、聖南は毎回まるで初体験のように興奮していた。

 いつもドキドキするのだ。

 こうしている今も、一旦抜いていて良かったと情けなく安堵してしまうくらいに、キスだけで性器がギチギチと張り詰める。

 少しも衰える事のない葉璃への想いは膨らむ一方で、裸で抱き締め合っていると彼からも想いが流れ込んできて、この感覚が大好きな聖南は度々胸がいっぱいになった。


「……葉璃、ここに足乗せて俺にしがみついてろ」
「ん、ぇ……っ?」
「声出せねぇぐらい突いてやる」
「ひっ……や、え、んぁ、あぁっ───!」


 バスタブの縁に足を置かせ、自身も片足を乗せる。 首元に回った腕を確かめてから、背中と腿裏を支えた聖南はぐじゅっと中を抉った。

 はじめは慎重に、内側の前立腺を意識してほどほどに回しながら突き挿れ、中の具合と葉璃の表情を見ながらさらに深くまで挿れ込む。

 彼は何も知らないし、やり方も分からないと言うが、聖南の性器を迎え入れるように蠢くこの内襞は一体何なんだと挿抜の度に眉を顰めた。

 葉璃との初めての日から、この感触があった。

 キツい締め付けと共に緩急を付けて聖南のものを惑わすそこに、夢中になるなという方がおかしい。


「葉璃、……葉璃、痛くねぇ?」
「ふ、っ……ん、……だい、じょぶ……」
「動くから痛かったら言えよ。 我慢するんじゃねぇぞ」
「ん、んっ……わか、ってる、……っ」


 細目で聖南を捉えた葉璃が、こくこくと小さく頷いた。

 怒りに任せた聖南の少々荒々しいセックスも好きだとのたまう葉璃は、痛くても我慢する癖があるので心配なのだ。

 なるべく表情を伺いながら、聖南はじわじわと腰を動かしていく。

 肌のぶつかる生々しい音が次第に早まっていっても、ぎゅっと瞳を瞑った葉璃は頬を真っ赤にして聖南にしがみついて離れなかった。

 あげく、───。


「せなさ、ん……っ、すき、っ……せなさん……っ」
「俺も。 俺も好き。 愛してる。 めちゃくちゃ愛してる」


 突き上げに合わせてまたもこんな可愛い告白をされては、一溜まりもない。

 ぷるぷると揺れ動く葉璃の性器からは、すでに二回も白濁液を漏らしている。

 その度にぎゅぎゅっと締め付けられ、直後やや緩む内側の魔性を感じつつ聖南も絶頂へと駆け上がりそうになった。

 宣言通り、甘やかな嬌声をも奪うほど激しく突き上げていた聖南が、葉璃の後頭部を支えて耳に口付ける。


「……葉璃、一回出してい?」
「ん、ん、っ」
「心配しなくてもベッドでも可愛がってやるからな」
「えっ? あっ……だめ……、せなさんっ……やば、っ……きもちい……っ」
「───ッ」


 ラストスパートによがり狂う葉璃は、いやいやと首を振りながら聖南にもたれかかる。

 挿抜を繰り返して葉璃の内になみなみと精液を吐き出した聖南は、華奢な体を抱き寄せて耳の後ろを甘噛みし、甘えた。

 「愛してる」と囁くと、葉璃は肩で息をしながらしっかりと頷き、聖南の胸元にちゅっと口付ける。

 聖南だけに許された、葉璃からのかわいらしい愛撫にたまらない幸せを感じた。

 子ども滲みた嫉妬の感情など、すっかり忘れ去っていた。



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