163 / 539
15❥接近
15❥8※
しおりを挟むいくら何でも、今日の現場はあり得ない。
彼氏として、旦那として、永久の恋人として、人生で二番目に見たくない光景だった。
葉璃が心を許すと、すぐに皆は油断をする。 その油断につけ込むように、葉璃の可愛さが気の緩みの合間を縫って襲いかかる。
決して最悪の事態だとは言い切れないが、ただ一つ言えるのは葉璃には嫉妬狂いの恋人が居るという事だ。
「んや……っ、聖南さん、……っ」
「お疲れ、葉璃ちゃん」
「へっ? あ、お、お、お疲れさま、です……んんっ」
ルイを叩き起こし、爆睡中だった葉璃を抱えて悶々としながら連れ帰った聖南は、早速凄まじいまでの嫉妬をぶつけていた。
帰宅後すぐにシャワーを浴びなければ気が済まない葉璃を思い、抱き上げたまま全裸に剥いて体を洗ってやり、ついでに閉じきった孔もとろとろに解した。
約四日ぶりの体を堪能できる事よりも、あのような仲睦まじい姿を見ると葉璃の心変わりが不安でたまらず、ルイの気持ちも疑った。
彼は聖南の怒りにはまったく気付かず、かと言って飄々としていたわけでもない。
『そろそろマジで俺がハルピン送りますて』
『いや要らねぇよ』
葉璃と過ごす時間が多いあまりに、顕著だったルイの態度軟化がここへきて聖南の焦りを生んでいる。
ただの妄想で葉璃に嫉妬をぶつけるのはいけない事だと分かっていながら、寝ぼけた葉璃の声にそそられた聖南の腰は止まらない。
「なに、っ? 何か、怒ってる……? あっ……」
連日の多忙により、疲れきった葉璃はバスルームで聖南に貫かれてようやく目を覚ました。
聖南が激昂した二人の添い寝に意味など無いと、この葉璃の様子を見ていれば分かる。
車内でCROWNのラジオを聞きながらウトウトした葉璃が、たまたま隣にあったルイの肩にこてんと頭を寄せた。 眠りに付いた葉璃は思わずこちらも眠気を誘われてしまうα波を放つので、同じく多忙なルイがそれにやられてしまった……というのもまぁまぁ理解してやれる。
だがこれに関して、聖南にとって過程はどうでもいい。
密着し、仲良しこよしで寄り添い合い、気のおけない仲なのを見せつけるように眠りこけ、あげくキーをロックして二人だけの世界に落ちていたあの光景は、聖南の嫉妬が怒りに変わる材料としては充分だった。
「怒ってねぇよぉ。 何で俺が怒るんだよぉ。 あーキレそう」
「もうキレてるよね!? あぁっ、やだ、っ、そこ……っ」
「あぁ? キレてねぇし。 普通だし。 ……なっ?」
「や、や、あ、あぁぁっ……っっ」
言動が伴わない聖南は、抱き上げた葉璃の体をぎゅっと抱いて腰を打つ。
しがみついて離れない葉璃の指先が、痕を残すほど聖南の肩に食い込んだ。
目の前で華奢な喉を逸らした葉璃は、目を覚ましたと同時に責め立てられて訳が分からないと涙を滲ませる。
「キレそうだって、言っただけ」
「な、に……? 何でそんなに怒って……んや……っ」
「久しぶりだからキツいな。 葉璃ちゃん、痛くねぇ? ちゃんと気持ちいい?」
「んっ……ん、きもちい、けど……っ」
「けど、何?」
「何で怒ってる、のか、おしえて、ほしい……」
下からゆるゆると突き上げていると、それに合わせて葉璃が絶え絶えにそう漏らす。
赤らんだ目元がうるうると潤み、こんな時まで最高に可愛い上目遣いで問う葉璃は、いつもいつもこうしてあっという間に聖南の怒りを削ぐ。
嫉妬に駆られた自身が恥ずかしいと、目を覚まさせてくれる。
あれが意図的であれば怒りのままに責め続けられるのだが、日々の色濃い疲労を目にしてきた聖南にはどうしたって葉璃をいたぶれなかった。
ひとつだけ、毎日確認している事が聞ければそれでいい。
「葉璃は誰のものだっけ?」
「え、っ? あっ、あぁ……っ!」
「即答しないとダメじゃん。 ほら、葉璃は誰のもの?」
「せ、せなさん……っ、せなさん……!」
「だよな。 ご褒美に奥いっぱい突いてやる」
「んぁっ……あ、んん───ッッ」
満足気にニヤと笑った聖南は、葉璃を床に降ろし、壁に手を付かせて後ろから思いっきり最奥を突いた。
ガクガクと膝が笑う、不安定な立ち姿にひどく興奮する。 聖南に愛されてきた賜物なのか、細くくびれた腰がいやらしくて最高だ。
力んだ内が蠢き、挿抜するごとにうねって聖南の動きを止めようとする。
それもまた葉璃の意思ではない。
「これ気持ちいーんだよな、葉璃ちゃん。 このまま中で回してやろうか」
「は、はぅっ……うう、っ……!」
「そんな締めてたら動けねぇじゃん。 お腹トントンしてやるから力抜いて」
「んんんーっ、んっ……とんとん、だめ……っ」
「何、これも気持ちいの?」
「ぅ、ん、……っ、きもちいっ」
10
お気に入りに追加
225
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる