狂愛サイリューム

須藤慎弥

文字の大きさ
上 下
123 / 539
11❥葉璃の実力

11❥8※

しおりを挟む



「……葉璃、このまま柔らかくすっから、痛かったから言って。 気持ち良かったらいっぱい啼いて教えて」
「ん……、んんん……っ」


 葉璃が簡単に甘やかな啼き声を上げてしまうようになった原因は、他でもない聖南のしつこい愛撫によるものである。

 優しくされるのも荒々しくされるのも好き、それ以前に「聖南さんからなら何されてもいい」とのたまう葉璃は、言葉通りまったく暴れてくれない。

 括られた両手に拳を作り、襞を突き進む聖南の指先に耐えている苦悶の表情で、聖南はイきかけた。

 頭の片隅で、聖南は自身を叱咤する。

 どうすればこの愛おしい敏感な体をそうでないように出来るか───そんなもの、聖南が葉璃を手放すのと同等に無理な話だ。


「聞こえる? ぐちゅぐちゅしてんの」
「んっ……んっ……んっ……」
「んまそー……舐めていい?」
「んーんっ! んーんっ!」
「ダメか」
「ん、んっ」


 ローションで解れてきた秘部が、ヒクヒクと聖南の指を締め付ける。

 そこを舐められるのは嫌だと首を振る葉璃に、うっそりと笑う聖南の胸中は言葉に出来ないほど満たされていた。

 自由を奪われても、汚れた下着を履かされたままにされても、本当に嫌だと思うならば聖南の股間を蹴り上げて逃げ出す事は容易なはずだ。

 一度目の射精を終えても、再びむくむくと膨らみつつあるそこは孔を弄ばれて喜んでいる証だった。

 弱々しく開かれた両足もされるがままで、ぷらぷらと宙を舞う。


「てか葉璃ちゃん、もっと抵抗しろよ。  俺つけあがっちまう」
「んんっ? ん、っ……」
「寂しくないようにちゃんと抱き締めとくから……バックで挿れてい?」
「んぅっ……っ……っ……」


 温かな孔から指を引き抜くと、滑りを自身に塗りつけながら葉璃の耳に囁く。

 葉璃は首を振らなかった。

 括った両手首の力が抜け、葉璃自らうつ伏せになろうとする。

 聖南は薄い腹を持ち上げて四つん這いにさせた。 この時すでに手首の拘束はやめていたが、ベッドに両手をついた葉璃は聖南を受け入れるためにやや上体を倒してジッとしている。

 その光景は、またもや鼻血を気にしなければならないほど卑猥だった。


「葉璃……俺つけあがっちまうって言ったばっかじゃん……」
「ふぅ、っ……ぅんっ……っ……!」


 嫌がりもせず積極的に体位を変えて待ち望む葉璃は、一体どういうつもりで聖南を煽っているのか。

 聖南が与え続けてきた快楽に負けているのは明白で、そして恐ろしいほどに葉璃が従順な様を見ていると、胸が締め付けられそうなほど愛おしくなる。

 下着で制限のかかった足はいつもより開かない。

 だが聖南も色々と限界で、孔にあてがった性器の先端をむにむにと上下に動かし葉璃に覆い被さった。


「葉璃ちゃん、喘ぎたい?」
「んぅっ? んっ?」
「俺ちゅーしたいんだけど、これ外していい? 葉璃も喘ぎたいよな?」
「…………っっ?」


 間近で振り返ってきた葉璃の瞳には、「自分でしたんでしょ!」という怒りが見て取れた。

 声の我慢をさせたいが、聖南はキスが我慢出来ない。 唾液の交換をしなくては落ち着かない。

 ぐぷっと先端を挿れ込むと、葉璃がポケットチーフを噛み締めた。

 熱過ぎる内襞が聖南の動きに合わせて蠢き、強く締め付けながらも難無く受け入れてくれる。

 刹那、葉璃の全身がぞわぞわっと波打った。


「なぁ、外してい? ちゅーしたい。 声聞きたい」
「んんんっ……んん、んんっ……っ」


 葉璃が悶えながら文句を言っている。

 お仕置きのはずが、堪え性の無い聖南の方がお伺いを立て葉璃の頬に口付けて甘えた。

 ぐにぐにと内襞を潜る度に葉璃の喉は仰け反るが、肝心の声が抑えられている。 これを何度も繰り返し、公開AVの二の舞いにならぬようにしたかった。

 聖南は確かに、そう目論んでいた。

 けれどグッと奥を突いても「んっ」としか言わない。

 それも当たり前なのだが、自身が行ったお仕置きでだんだんと不満を感じ始めるとは焼け石に水である。

 最奥まで性器をねじ込んだ聖南は、とうとうポケットチーフを解いてしまった。


「葉璃、舌。 唾液ちょうだい」
「んあぁっ……んっ……っ」


 細い顎を取り、動きを止めた聖南はたっぷりと葉璃の舌を舐めた。

 聖南のセックスは性器で悶えさせるだけでは飽き足らない。 葉璃と初めて体を繋げた日から、唇と舌でも同等の快楽を得られる事を知った。

 体液を貪り、自身の体に取り込む。

 それだけで射精に似た充足感があり、毎回脳内がパンクしそうになるのだ。


「はぁ、……これだよ、これ」
「ぷは……っ」
「文句言いたい?」
「……っ、言いたい! いっぱい!」
「終わったらいくらでも聞いてやる」
「やっ、待っ……! せなさんっ、待って、……っ、パンツ脱ぎたい……っ」
「それは無理」


 葉璃の体液が体内に補充され、大好きな声で「せなさん」と呼ばれた事で腰が止まらなくなる。

 まるで物足りなかった。

 恋人は喘がせてなんぼではないかと今さら気付いてしまうと、聖南の「お仕置き」がいつも失敗に終わっている事をも気付かされて、それにはそっと蓋をした。

 突いても抜いてもひっきりなしに喘ぐ葉璃の背中に舌を這わせ、汗ばんだ肌を舐め上げる。

 公開AVは未だに許せないが、葉璃をこのようにしてしまったのは聖南だ。

 聖南も、そして葉璃も、所詮我慢など出来るはずがない。


「なんっ……あ、っ……あっ……あっ、せな、さんっ……んん───!」
「おぉ、二回目?」


 容赦なく突き上げ続けていると、葉璃が高く啼いて上体をベッドに沈め、ぶるぶるっとお尻を震わせた。 同時に、聖南も眉間に皺を寄せる羽目になる。

 性器に触れずに射精するのは容易くない。

 嬉々とした聖南の言葉に、力無く葉璃が振り返る。


「ちが、う……」
「ん?」
「さんかい、め……」
「……それマジ? 二回目いつイったんだよ」
「んっ……ゆびで、なか、ぐちゅぐちゅ、されてる、とき……」
「…………ッッ♡♡♡♡」
「あぁぁっ……んっ、あぅっ……うぅぅ……っ」


 たまらず、聖南は一度ぐしょぐしょに濡れた性器を下着の上から鷲掴み、確かめてみた。

 今度こそ鼻血が出ただろうと鼻に触れてみるも、何も出ていない。

 毎度失敗に終わる聖南のお仕置きだが、これだけはかなりの収穫があった。

 我慢はしない。 いや出来ない。

 けれど、辱める行為だけは両者共に喜びを見出していた。




しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・不定期

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

信じて送り出した養い子が、魔王の首を手柄に俺へ迫ってくるんだが……

鳥羽ミワ
BL
ミルはとある貴族の家で使用人として働いていた。そこの末息子・レオンは、不吉な赤目や強い黒魔力を持つことで忌み嫌われている。それを見かねたミルは、レオンを離れへ隔離するという名目で、彼の面倒を見ていた。 そんなある日、魔王復活の知らせが届く。レオンは勇者候補として戦地へ向かうこととなった。心配でたまらないミルだが、レオンはあっさり魔王を討ち取った。 これでレオンの将来は安泰だ! と喜んだのも束の間、レオンはミルに求婚する。 「俺はずっと、ミルのことが好きだった」 そんなこと聞いてないが!? だけどうるうるの瞳(※ミル視点)で迫るレオンを、ミルは拒み切れなくて……。 お人よしでほだされやすい鈍感使用人と、彼をずっと恋い慕い続けた令息。長年の執着の粘り勝ちを見届けろ! ※エブリスタ様、カクヨム様、pixiv様にも掲載しています

処理中です...