狂愛サイリューム

須藤慎弥

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10♡緊急任務

10♡3※

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 ──好き。 好き。 聖南さん……好き。

 何よりも好き。 誰よりも、大好き。

 こんなに毎日好きを貰ってるのに、まだ全然足りないよ……。

 想いが足りない……。

 まだまだいっぱい、溢れても零れてもいくらでも掬い取るから、……ちょうだい。

 離れていても大丈夫になれるくらい、俺の体に聖南の想いをたっぷり染み込ませてよ……。


「……葉璃、……っ」
「んあぁぁっ……あっ……や、っ……やっ……」


 ずっと、俺の事だけ見てたらいいのに……。

 俺だけの聖南さんで居てほしいのに……。


「葉璃、ヤバイって。 そんな嬉しい事言われたら、俺……っ」
「あっ、あっ……っ、ンっ……」


 押し拓かれた孔へ何度も突き入れてくる熱が、俺の思考をあやふやにさせていた。

 いつこうなったのかも思い出せない。

 抱き締められて、舌を舐められたらもう意識が飛んだ。 ……ううん、正しくは飛んだんじゃない。

 性欲に負けた。

 すごく寂しかったから、とてつもなくこの腕が恋しかったから、聖南の匂いと体温が俺に触れて瞬く間に性欲に溺れた。

 好き。 好き。 好き。 好き。 好き。

 俺は女の子じゃないのに、体内から聖南を受け入れるための愛液が溢れてきたかと思った。

 禁欲中だった聖南も同様で、自ら足を広げた俺を笑ったりしないでゾクゾクするギラついた瞳で見詰めてくれた。

 丹念に解したそこをぐちゅぐちゅに掻き回されて、気持ち良過ぎて意識的に締め付けたら最後、聖南の性器からなみなみと情欲が送られてくる。

 下腹部に触れると、中に収まった聖南の膨らみを感じた。

 内でドクドクと脈打つ感覚も、襞から容赦なく感じさせられた。

 両腕を伸ばすとすかさず抱き締めてくれる聖南から、たっぷりと唾液を送り込まれる。

 その間も打ち付けは止まらない。

 揺れながらキスをする事にも慣れてしまった俺は、苦しくて恥ずかしいけどもっと深い口付けを舌で要求した。


「……っ……ふ……んっ……んっ」


 聖南の興奮が、色っぽい吐息に乗って耳まで犯される。

 ふと唇を離した聖南は、腰を動かしながらほっぺたを付き合わせて耳元で囁いた。


「俺は葉璃のもんだろ? 俺を愛していいのは葉璃だけだ」
「……あっ……っ?」
「俺達がいつか離れてくみたいに言うなよ。 好きなら一緒に居ないとダメなんだ。 俺達は、どっちかが欠けたら片方も死んじゃうんだぞ?」
「んやっ……や、っあぁっ……な、なに、……っ?」
「何って、葉璃が言葉攻めの大サービスしてくっから、止まんねぇんだよ」


 なにそれ、……?

 言葉攻め……? 大サービスって、なんの事……?

 聖南にしがみついてわずかに上体を起こし、ピアスを食みながらどういう意味なんだろって俺は考えた。

 激しく揺さぶられて、際限無くじゅくじゅくと襞を擦られてたらまともに考えられなかったけど、……もしかして、……。


「俺、何か……言ってた……?」
「葉璃の気持ち、全部な」
「……ひぁっ……ぁっ、っ……」
「ちょっとだけ焦らすのも、アリなんだなって分かった」
「ん、っ……ん、っ……」
「 ″寂しい″ の限界超えると、葉璃は究極に甘えたちゃんになるんだなぁ」
「え、あ、っ……あっ? ぅぁ……っ」


 お、俺、思ってた事ぜんぶ口に出してたの……っ?

 言葉攻めの大サービスってそういう意味かぁ……なんて納得してる場合じゃない。

 ───恥ずかしくなってきた。

 上質な笑みを浮かべた聖南の手のひらが、俺の腰を掴む。 舌なめずりをして、俺を誘うように瞳で問い掛けてくる。


『望み通り、たっぷり注いでやる』


 クラクラするほど色気のある声で、欲情した瞳でそう語る聖南は俺が飛びかけていた最中もずっと動いていた。

 心に溜まった想いをうわ言のように口走って曝け出したから、いつにも増して聖南が元気いっぱいだ。

 喜んでもらえて嬉しい。 俺の気持ちを言葉にする事で、聖南が笑顔になってくれるのはすごく嬉しいよ。

 欲しいって言ったのは俺だし、まだまだ足りないとも言った。

 でも……っ。


「せなさ、ん……、待っ……休憩、させ……て……っ」
「まだダメ」
「なん……っ……や、やぁぁ……っ!」


 内側から内臓を押し上げるように深く深く突き上げてきて、先端で最奥をグリグリされたらひとたまりもなかった。

 確かな絶頂を感じたはずが、薄まった精液がピュル、とほんの少ししか出ない。 もはやサラサラに近いそれが俺の短い竿をトロトロと伝う。

 何度目なのか数えてないから分からない。

 経験上だと、四回目……だと思う……。



「足りないなんて言わせねぇから」
「ち、違っ……せなさん……、も、だいじょぶ、……っ……足りたよっ、お腹、いっぱい!」
「何言ってんの。 俺がまだなんだよ」
「いやっ……えっ? むり、俺は……っ」
「葉璃ちゃんも足りねぇって顔してんぞ。 こっから何も出なくなるまで頑張ろ?」
「え、えぇ……!? そんな、明日も仕事……っ」
「禁欲中の俺を煽りまくったら、そりゃこうなるだろ♡ じゃ横なって」
「あ、あぁぁ……っっ、だめ……っ、これ気持ちいいの……っ」
「だよなぁ、葉璃はこの体位好きだもんなぁ。 頑張れそうだろ?」
「……わか、んな……っ、でも、きもちぃ……っ」


 ゴロンと横向きにされた俺は、無理なんて言いながらも内側を擦られて、しっかり啼いた。

 だって、気持ちいいんだもん……っ。

 横向きで挿抜されると、聖南の性器のカリ部分が前立腺を引っ掻くように擦るからたまんないんだ。

 あまりの快感にお尻がぶるっと震える。 羞恥よりも、快感が勝った。

 素直に認めて強引な聖南をキツく見詰めると、いきなり大声で想いを爆発させ始める。


「あーっ、かわいー! これ以上煽るなよ! どんだけ俺をぶっ壊せば気が済むんだよ!」
「ぅあっ、んっ、んっ……んっ、んっ」
「もっと大サービスして、葉璃。 聞かせて。 うわ言でも何でもいい。 俺のこと好きって言って」
「好き……っ、せな、さん……っ、好き! 好き……っ」


 体のいたるところ、すべてが性感帯になった瞬間だった。

 無理な態勢で聖南の肩を抱いて、しがみつく。

 甘い想いを吐露してから孔がさらにヒクヒクしてしまったのは、俺の意思ではない。

 溢れたんだ。

 聖南への好きが、溢れた───。


「はぁ……今死んでも後悔は無え……」


 俺が溢れさせた甘い泉に沈んだ聖南は、恍惚とした表情で一度天井を仰ぎ、休憩ナシで俺を食べる事だけに集中した。

 きっと朝、また俺は後悔するんだろうな。

 軽率に垂れ流した想いは、翌朝の体の疲労と一緒に体内に蓄積されていくという事を……。





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