87 / 539
8❥関係性
8❥2※
しおりを挟む性生活が気になるアキラも、理由は定かではないが聖南と同意見だった。
ケイタの反応や伝え聞くそれらのせいで、聖南は少数派なのだろうと今まで納得いかない心境であったが、実は自らの考えの者も結構居るのかもしれない。
「見てみろケイタ、俺の仲間が居たぞ」
「えぇ~俺そっちの方が理解出来ないよ」
「セナがフェラされんの嫌いって事? ハルにもか?」
「そうなんだよ。 嫌いってか苦手。 こないだの俺の誕生日に、ご奉仕します!って言われたんだけどな、それは俺にとっては奉仕じゃねぇって拒否った」
「うわぁ……ハル君可愛いぃぃ~~っ♡」
「……ご奉仕……ハルがご奉仕……」
葉璃を殊更愛でている二人の反応は、それぞれ彼等らしかった。
机を叩いて悶えるケイタと、腕を組んで瞑想に入るアキラを順に見た聖南も、つい脳裏にあの夜の光景を思い浮かべてニヤついてしまう。
うっかり余計な事まで口走ってしまったが、今ここに顔面を真っ赤に染めてぷくっと頬を膨らませる可愛い恋人は居ない。
よって、聖南は調子に乗った。
「ご奉仕してもらえば良かったじゃん!」
「バカ、ハルにそんな事させらんねぇよ。 な、セナ」
「……いや、してもらった。 てか押し倒された」
「えぇ!? ハル君がセナを押し倒したの!?」
「…………セナもまんざらじゃなかったって事だな」
「微妙。 これについてはマジで微妙」
「んふんふ~~♡ そこんとこ詳しく教えて! 俺セナハルのR18話だけで四、五回は抜けちゃうよ!」
「俺らで抜くなよ!」
「セナハルで抜くな!」
以前からこの手の話になると食い付きが違うケイタは、いよいよ「抜ける」とまで言い始めていて危ない。
聖南と葉璃のセックスを思い浮かべて抜かれても気持ちがいいものではないので、聖南は腕時計を見てケイタを急かそうと、先程とは別の意味で机をトントンと叩いた。
ラジオでのメールチェックはケイタの役目なのだ。 もちろん本番中に全てのメールを読み上げる事は出来ないが、ケイタは仕事の合間やラジオ前のこの時間を使って届いたものには目を通している。
自身の突然のカミングアウトでケイタの気をそぞろにしてしまった聖南は、彼の意識変えをする責務があった。
「やべぇ、本番まで三十分だぞ。 ピックアップしねぇと」
「えぇぇ~! 俺のこと生殺しにする気なの! あっ、ラジオでこれ議題にしようかっ?」
「いや無理だろ。 放送時間帯的にNGだ」
「アキラのケチ! 俺達と違ってセナは男性ファンも多いから色んな意見聞けそうなのにぃ」
「ラジオはその男連中と一緒に女子中高生もリスナーとして聴いてんだから、そんなダイレクトな議題持ち出せねぇよ。 個人的にはやりたいんだけどな」
「セナがやるとマスコミが騒ぐからやめとけ」
アキラの言う通り、恋人居ます宣言をした聖南がその話題を出すと「CROWNセナ、恋人との性生活を赤裸々告白!」などと低俗な見出しが女性雑誌に踊ってしまう。
どの媒体でも、聖南はどれだけ詮索されようがこの台詞で交わしているのだ。
『大事にしたいんでそっとしといて。 いくらでも惚気けてやっから』
これを言うと大体が「ごちそうさまです」と含み笑いし、別の話題に切り替えてくれる。
しつこく聞いて聖南の機嫌を損ねるより、自発的に惚気けてくれて情報を提供してもらえる方が記者等もありがたいのである。
なんと言っても、聖南の業界への影響力は半端ではない。 それは言わずもがなだ。
アキラは喉を潤しながらハガキと台本をチェックし、聖南の悶々が伝染したケイタはノートパソコンにかじりついて意識を逸らそうと努力している。
聖南はというと、眼鏡を掛けてアキラと同じくハガキを吟味した。
ファンの愛あるメッセージや悩み相談の文字を真剣に追っているにも関わらず、聖南の脳裏で二日前の葉璃がしきりに誘惑してくる。
『仕事中だぞ、葉璃。 聖南さんを煽るのはやめなさい』
そう心の中で叱咤しても、聖南の愛しい人はちっとも言う事を聞いてくれなかった。
… … …
「聖南さんの……おっきぃ……」
「……葉璃ちゃーん……」
聖南の胸を押した葉璃は、今日は譲らないとばかりに何の躊躇もなくファスナーを開くと、はしたなく膨らんだ聖南の下着に触れた。
そっと形や大きさを確かめるようにふにふにと揉まれては、「くっ…」と声が出てしまう。
帰宅してすぐにシャワーを済ませていて良かったと遠くで思いながら、いそいそと下着をずりおろしている葉璃を見下ろした。
しきりに葉璃が拘る、誕生日プレゼントなど要らない。
葉璃が共に祝ってくれるだけで、産まれてきて良かったと心の底から感動したというのに、半ば強引に咥えられるとは予想もしていなかった。
葉璃に口でしてもらう事にかなりの抵抗を感じる聖南は、これは決してプレゼントでも施しでもないと思った。
だがしかし、聖南の性器を両手で握って凝視している葉璃は、これ以上ないほどいやらしくて可愛い。
葉璃の髪を撫でてやりながら、鼻血の確認をしてみた。 まだ出ていない。
「……う、っ……ちょっ……」
油断していたところへ、葉璃に先端を舐められた。 それだけでなく、亀頭のくぼみを重点的に舌先でグリグリされた。
「あ、……またおっきくなった……」
「葉璃、……っ」
「気持ちいいとこ、教えてください」
「え……っ? んな事言われても……全部ヤバイ。 ヤバイって……葉璃、やっぱやめっ……」
「それじゃ分かんないですよ~。 はむっ」
「……ッッ!」
片手で足りるほどしかしてもらっていないのに、回数を重ねるごとに葉璃は確実にうまくなっている。
抵抗もまったく無いらしく、迷いなく亀頭を咥えた唇は悪戯に舌を尖らせていて、口腔内で滲む先走りを舐め取るという教えた覚えのないテクニックを使った。
「……っ……!」
「へなはん、……」
「おいっ、喋るな……っ」
「………………」
大好きな葉璃の唇が、聖南の張り詰めたものを目一杯頬張っている。
両手は竿部分にきちんと添えられていて、時々甘く擦られる焦れったさに何度も腰が疼いた。
0
お気に入りに追加
220
あなたにおすすめの小説
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
イケメン教師陵辱調教
リリーブルー
BL
生徒に、校長に、調教師に、日夜犯されるイケメン教師。彼には人に言えない秘密があった。大人のBL
今後の更新予定
2024年9月14日〜年内は毎週更新❣️
土曜夜21:10
連載8周年ありがとうございます✨
・公開後も適宜推敲(増量)しています。
★special thanks★
◆ミヤセ様@3388se 表紙イラスト・挿絵(2021)◆
◆枯無様 1頁漫画化(生徒編)(2021)◆
◆さやいんげん様 現在プロの漫画家さんになられました! 1頁漫画化(2017/12/10)◆
◆奏陽様 小坂先生のSS(2018)◆
とりあえずエ.....エロイです.....////ドMで気弱な小坂さん最高です!!!!プライドは高いのに身体はエロイとかやばいっす!!!!(コタツ様)
/えむっけのイケメンってだけでも萌えるのに、妻子ある校長先生っていうキャラとあの話し方、 素晴らしいです!! (sethna様)
/耽美/切ない/シリアス/官能/羞恥/スカトロ/ドS/年の差/教師受け/淫乱受け/SM/高校/学校/過去あり/溺愛/執着/総受け/R18/エロ/ML/ヤンデレ/禁断/輪姦/玩具/女装/言葉責め/生徒会/モブ攻め/モブレ/総受け/小スカ/大スカ/自慰/撮影/
【登場人物】
小坂 愛出人(こさか おでと)高校教師 2年2組担任 27歳
神崎 総一郎(かんざき そういちろう)校長
麓戸 遥斗(ろくと はると)調教師
村田 悪照(むらた おてる)高2 2組
宮本 桜児(みやもと おうじ)高2 2組級長
水瀬 慈育(みなせ じいく)生徒会長 高3
伊東 不離(いとう ふり)風紀委員長 高3
池井 櫂(いけい かい)他校の先輩教師。研修会で小坂を世話。
池井 慶(いけい けい)麓戸の高校時代の後輩
★フリー素材写真
一部挿絵・写真加工/リリーブルー
(以前の表紙Cover photo by S. Hermann & F. Richter)
エックス
@lilymetroblue
twitter.com/lilymetroblue
主人公総受け。生徒会長と級長は襲い受けなので先生が攻め。
受け攻め度↓
校長>調教師麓戸>不良村田>風紀委員長>先輩教師池井>主人公イケメン教師小坂先生>生徒会長>級長宮本
※本作品はフィクションであり実在する団体・組織等とは関係ありません。
心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
孤独なまま異世界転生したら過保護な兄ができた話
かし子
BL
養子として迎えられた家に弟が生まれた事により孤独になった僕。18歳を迎える誕生日の夜、絶望のまま外へ飛び出し、トラックに轢かれて死んだ...はずが、目が覚めると赤ん坊になっていた?
転生先には優しい母と優しい父。そして...
おや?何やらこちらを見つめる赤目の少年が、
え!?兄様!?あれ僕の兄様ですか!?
優しい!綺麗!仲良くなりたいです!!!!
▼▼▼▼
『アステル、おはよう。今日も可愛いな。』
ん?
仲良くなるはずが、それ以上な気が...。
...まあ兄様が嬉しそうだからいいか!
またBLとは名ばかりのほのぼの兄弟イチャラブ物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる